ヤマノススメ サードシーズンを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
人見知りの内弁慶、口を開けば毒と弱音。雪村あおいはだめな子でござる。
しかし一歩ずつ、前に進んでいますとも。洋菓子店の一日を追いつつ、あおいの変化とひなたの視線を切り取るエピソード。
池袋方面に超重力反応ッ!!!!
そんな感じの、アーバンなエピソード。普段セットのあおいとひなたを、あえて切り離すことでその繋がりを見せるという、高等技術で作られたお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
向日葵は太陽ばかり見ているが、太陽の方も向日葵に視線を注いでいる。それも、相当重たいやつを。エアあおいしすぎやろ、ひなたちゃん…。
例えば第3話・第4話なんかでも、あおいのダメダメな部分をひなたがしっかり補い、人間として機能させている様子は描かれてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
何もかもネガに受け取り、どんどん後退しようとするあおいの足を、ひなたは光の方に引っ張り、その歩みを支えてくれた。
しかし、その歩みも変わりつつある。
"モンブラン"の使い方が、今回非常にスマートだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
"山"と"洋菓子店"、あおいの人生を作る大事なパーツが繋がっていることを象徴してたし、あおいがバイトでなにをどう受け取っているか、巧く見せてもいた。
店長から教えてもらったことを、ここな母に手渡す。それは受け売りなんかじゃない。
倒れ伏した女の子への対応を、ひかりさんはじっと見守っている。モンブランが何語か忘れた時は、即座に助け舟を出してもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
バイト仲間の優しい気遣いに支えられて、あおいは段々、自分を支え、他人を助けられる存在に変わってきている。相変わらずダメダメだけど、ちょっとずつ。
必ずしも山にガッつかず、街でのエピソードも多いサードシーズン。軸になっているのはそういう、小さな変化の蓄積かなと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
それはあおい個人の変化であり、同時に周囲に支えられ、世界と繋がることで生まれている。開けた窓から新しいなにかが入ってきて、あおいの心に何かを刻む。
それは山でも良いし、山でなくても良い。しかし、ひなたと一緒に山に向かわなければ、手に入らなかったものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
様々な人に向かって開かれていくこと。特別な誰かの手を取ること。それは両方、とても大事なことなのだ。そんなことを、あおいは積み重ねていく。ひなたのいない洋菓子店で。
ひなたからあおいに向けられた感情が超重量なのは、"ひなたの10/28"を見れば即分かる。一人で池袋に行って、楽しいことをたくさんして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
しかし瞳は常に、そこにいない貴方を探し続ける。
星、山、街。キレイでステキなものを共有したいのは、いつでも貴方。
池袋が感情ブラックホールに飲まれるッ!
あおいのいない休日を暗喩するように、ふと見えた富士山がビルに陰る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
陽気で元気で人間力強い、頼れるひなた。その脆さと重たさが、いつも一緒の二人を外すことで見えてくる。
(c) しろ/アース・スター エンタ―テイメント/『ヤマノススメ サードシーズン』製作委員会 pic.twitter.com/23UxJQ0H3h
二人にとって富士山が特別な山なのは、セカンドシーズン見ていれば判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
かつて巧く行かなかったからこそ、いつか。挫折と決意を込めた山は、今は遠い。そこに昇る足を鍛えるためにも、二人で支え合い、一人で立つ逞しさを鍛えている。
でも、それでも寂しい。
ひとりのひなたが弱々しく見えるように、ひとりのあおいは強く見える。業務はテキパキ、接客は誠実。他人の顔をしっかり見て、お客一人ひとりの顔を見て。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
まるでひなたのように、一人のあおいは振る舞う。それは、あおいから少し離れて初めて、手に入れたものだ。
近づきつつ離れ、支えつつ独歩する。裏腹な少女たちの関係が、静かな日常のスケッチの背骨を支える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
非常にヤマノススメらしく、サードシーズンらしい話でした。
学業から開放されて浮かれる楓さん、お母さんと誕生日を祝うここなちゃん。皆の一日を横断する筆が、軽やかでいい。
あおいがちょっとずつ変化していることは、喜ばしいことだ。マトモになって、大人になって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
でもそれが、ひなたのいない世界だからこそ生まれているのを見るのは、少し寂しい。ひなたがいたからこそ始まった物語は、段々ひなた抜きでも機能するようになっている。
しかしやはり、向日葵は太陽を向き続ける。あおいちゃんからの極大感情がどんな色彩か、いつか描かんと釣り合い取れないぞこりゃ…(高まる期待感)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
それが真正面から描かれた時は、飯能が重力に沈むときなのでしょう。そのエネルギー、感情の微細な描写が、この作品を前に進めてきた。
それを精密に切り取るためにも、太陽から少し離れても立てるようになった向日葵の姿、遠い向日葵を探し求める太陽の表情は、今描いておくべき素材です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月13日
そういうものを、しっかり焼き付けたエピソードでした。やっぱ"強い"わヤマノススメ。来週も楽しみ。