シュタインズ・ゲート ゼロを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
秋葉原が赤く染まる。血の赤、炎の赤、戦争の赤。タイムマシーンという巨大なリセット装置を前に、大国は影から巨大な武力を引きずり出し、世界を炎に投げ込む。
その前哨戦、屋上の決戦。むせ返るような暴力と悪意の中で、命が散る。想いが散る。
そんな感じのゼロ第18話。作品のバイオレンスレベルがグーンと引き上がり、凄い勢いでバタバタ人が死ぬエピソードである。しかも世界線変動によるリセットはなし! 続行、メガバイオレスんな第三次世界大戦世界続行です!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
どーなっちゃうんだホント…最終的にSGオカリンがベストエンド選ぶとはいえ
さて、色んな事が起きた今回。カガリが暴れて教授が暴れて鈴羽とまゆりが飛ぼうとして、みんな死んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
手刀一発で首を跳ね飛ばしたり、ストームブリンガーで首を跳ね飛ばしたり、カガリの戦闘レベルがターミネーター、あるいはハイデルンレベルまで引き上がっており、軽く目眩した。強すぎる…。
かがりはレスキネン教授の、気の長い計画で生み出されたスパイであり、戦闘機械であり、陰謀の道具だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
過去と未来を行ったり来たりする謀略の中で、かがりの自由意志は”誰か”に操られ、まゆりとの繋がりも”誰か”の道具でしかなかった。
キツいが、レスキネン教授可ら見ると他人大体そうである。
むしろ自分すら、謀略(という意識は、教授にはないんだろうが。”実験”か)の道具にしてしまえる精神性が、かがりに一番強く向いた、と言えるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
岡部くんを優しく導いた顔も、オモシロ外国人の表情も、おそらく嘘ではないのだ。それ以外の事実があるだけで。
明るく楽しい狂気のマッドサイエンティスト、鳳凰院凶真。岡部くんがまゆりを救うため、そんなロールを選んだのは、”科学”に対する無邪気な信頼と憧れがあったからだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
科学者は世のため人のため、自分勝手に振る舞いつつ良いことをするものなのだという、岡部くんらしい願い。
レスキネン教授はその陰画だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
日常生活を当たり前に過ごし、エキセントリックさを覆い隠す奸智。その奥で、人を人とも思わない残虐を静かに育む冷酷。
どれも、まゆりが好きで、岡部くんが憧れた”鳳凰院凶真”とは正反対だ。その冷たい残忍さに、岡部くんは飲まれていく。
それでも、”科学”は良いもので、狂気のマッドサイエンティストは世界と人間を助けるんだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
そういい切れるオカリンは、岡部くんにはまだ遠い。まゆりが死んでしまったことで、”鳳凰院凶真”は更に遠ざかったかもしれない。遺言でハッパかかったかもしれないけど…どっちにしてもキチーわな。
ゼロは鈴羽の役割が重たくなった結果、ダルの父性が強調もされている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
幼少期のかがりを洗脳し、被造物であるアマデウスをいいように使ったレスキネン教授は、ダルが代表する”良き父”の陰画でもあろう。
主役サイドが背負うものを、影の色に染め上げて背負う。レスキネン教授は良い悪役だと思う。
態度がオモシロ外人時代から変化ない所が、なかなか良かった。狂人にとって、正気はいつでも狂気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
岡部くんやまほたんと楽しく”ラボ”しつつ、そこで生まれた絆をいくらでも踏みにじれる二面性(と僕らに見えるもの)は、彼にとっては矛盾ではない。あたり前のことなのだ。
ここも、結構無理して”鳳凰院凶真”やってた岡部くんとの対比であろうか。一回心がぶっ壊れて、ロールプレイやってる暇がなくなると、ただの影のある常識人イケメンだからな、岡部くん…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
過去と未来を行ったり来たりして、希望をつかもうとした岡部くん。陰謀を操った教授。乗り越えるべき悪しき父
その関係は、彼の死で終わるのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
今回、まゆりが死んでも鈴羽が死んでも教授が死んでも、世界戦は変動しない。消えてしまった彼らを前提に、時間は前に進み続けるのだ。
彼らが死んでしまえば、未来から続く教授の陰謀もなかったことになり、変動が起こると思うのだが…。
ここら辺は複雑怪奇な因果の檻が、どう動くか次第ではあるのだが。今回大量に発生した死者は、かがり以外生死不明の状態にあると考えたほうがいいのかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
どっちにしても、岡部くんは紅莉栖もまゆりも死んだ世界を生き続けることになる。Dメールによる遡行も、世界線変動によるリセットもない。
ここで”シュタゲ的”な時空ギミックが発動しない所が、ゼロにたどり着き、ゼロから先へ希望を託すお話であるゼロっぽいなぁ、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
そういう特別な奇跡は、あくまで本編オカリンのものであり、ゼロは都合の悪いバッドエンドのその先を、延々歩き続けるお話なのだろう。ホントヒデェな…。
そんな岡部くんに、時間差で届いたまゆりの決意。岡部くんが”鳳凰院凶真”になることで、まゆりに魔法と呪いをかけたように、消えてしまったまゆりもまた、ベストエンドにたどり着けない岡部くんにエールと呪詛を送る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
諦めないで、ベストエンドにたどり着いて、それが無理でもその助けになって、と。
あのメールで”みんな”に言及しているのが、ゼロアニメっぽいな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
特別な主人公である岡部倫太郎だけの物語ではなく、”ラボ”に集った人々全ての物語。岡部くんが生み出した”ラボ”それ自体が、ある種の主役であるような構造を、まゆりは”ヒロイン”から主役にな…ろうとしたことで鮮明化する。
岡部くんの一人称的な痛みは、とても鋭い。踏み込めないほど残虐で、抱えているものは重たく特別だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
だがそれでも、その外側には意志を持った人がいて、岡部くんと関わってきた。そういう人と手を繋ごうとしたのは、岡部くん自身だ。
だから、誰かが自分の物語に飛び立とうとする瞬間を恐れないで
”鳳凰院凶真”に人生救われたまゆりはそう伝えることで、自分含むラボの仲間の主役的尊厳と、それを大事にすることでより強くなるオカリンの主役性を、より強く獲得したかったのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
みんな、自分の意志で未来を選ぶ。その先に死と破滅が待つとしても、せめて人間らしく。
そういう苛烈な未来に、岡部くんは歩み直せるのか。まゆりの死骸からキラキラした願いを引きずり出して、自分の思いを燃え上がらせられるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
運命の選択肢は、その先に待っている。頑張れ岡部くん…本当に第三次世界大戦やってきちゃったけども!
今回まゆりが、岡部くんの眼の前でボーボー燃えることで、岡部くんは鈴羽と同じ立場が身にしみた、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
『お母さんが眼の前でミンチになったから、世界を変えてやる! 辛くてもオメー飛べよ!!』と言い続けた、鈴羽の身勝手。それが生み出されるトラウマと、同じ経験を刻み込まれたわけだ。
そこで戦士となるか、物語の始まりのようにベッキベキに折れるか。抱きしめてくれる(あるいはビンタしてくれる)まゆりは、もういない。岡部くんが決めなければいけない局面だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
…ここでまゆりの代理を、真帆が果たすとなるとヒロイン力天元突破だけども。さてはてどーなんのかね。
全体的に残酷さがうねるいいエピソードだったのだが、暴力描写がどっか間抜けだったのは、玉に瑕であった。未来サイボーグ強すぎる…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
レスキネン撲殺を止めるダルの言動も、その前にモブ兵士バッタバッタぶっ殺しているので、ちと首を捻るし。ネームドの命がそんなに重いか、アーン?
シュタゲは気のいい人たちの話なんで、暴力は基本内面化されない。出来ればないほうがいいもの、しかし強制的に押し付けられるものとして、外部で暴れまわり巻き込んでくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
だからあんま踏み込んだ描写がないのは納得ではあるんだが、描いちゃった以上自分なりの答えを出してほしくはある。
タイムリープマシンを完成させて、別の未来を掴みに行くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
秋葉原が燃え上がった現実を引き継いで、世界戦争が進行していくのか。
大きな世界のうねりも気になるし、凄い勢いで全て略奪された岡部くんの決断も気になる。とにもかくにも、一つの局面が終わり、新しく何かが始まるエピソードでした。
未来を切り開くのは、決意と意志。光に手を伸ばし、しかし届かず爆殺されるのは、織姫を求めた罰なのか。ホンマまゆりもみんなも全く報われない展開で、スゲェタメ作るなと唖然呆然感心次第。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
色んな人の遺志を、強制的に背負わされる岡部くん。その未来はいかな顔をしているか。次回も楽しみ。
追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月15日
意志と決断が尊厳の源なのは、選択肢をポチリと押してゲームが進んでいくAVG原作らしい価値観の作り方だ。
洗脳によって自由意志を奪われ、強制的に選択肢を選ばされていたかがり、選ばせていたレスキネンは、そこを強調するキャラなのかもしれん。メディアとキャラとドラマの、良い共犯。