ハイスコアガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
夕闇迫るCityに、Loveの嵐な予感…。アーケードゲームとトレンディラブコメ、水と油をぶっちぎり青春力で混ぜる!
そんなアニメ、一方通行の視線が鮮明に刻み込まれるエピソード。あの時のゲーセンの文化と空気が、みっしり濃厚に描かれていて気持ちがいい。
というわけで、恋愛豪鬼が瞬獄殺なハイスコアニメである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
大野さんが…強すぎるッ!
斬空ハメのようにハルオの心に連続爆撃しまくり、何も喋ってないのに日高さんにアドバンテージを取りまくるエグさが目立つ回だった。
10-0、10-0です! 恋のダイヤグラムは10-0です!! テストプレイしたのかよ!
濃いめのモノローグですれ違う心を、しっかり表現する手腕は相変わらず元気。前半日高さん→後半ハルオと、語る主体は変わるわけだけども、饒舌な彼らとな~んも言わない大野さんの対比がテンポを作り、見ていて面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
饒舌と沈黙を繋げてしまう、恋とゲームという二大メディア。その使い方は鮮明だ
日高さんはすっかり恋に恋する乙女ムーブで、ゲームに夢中のアホ男の一挙手一投足が、胸を高鳴らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
恋の追い風を受けて、あっという間に”女”になっていく日高さんと、恋心をゲームへの興味、ライバルへの対抗心だと勘違いし続けるハルオの思春期すれ違いは、このアニメの核(の一つ)である。
そんな日高さんの視線を交わす形で、ハルオはゲームと大野さんに夢中である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
”♪いつでも探しているよ どっかに君の姿を”
いつ山崎まさよしがアコギを引き始めてもおかしくない純粋さで、そこにいない大野さんを探し求めるハルオ。『それは恋だよ!』と教えたいが、教えたらアニメ終了である。
ハルオはゲームに夢中なキッズの殻に閉じこもるように、恋から視線をそらす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
まだまだゲームで遊んでいたい、幸福な子供時代に溺れていたい。
ある意味卑怯で、しかし痛いほど判る遊戯性のピーターパンシンドローム。それが邪魔をして、日高さんのアプローチにも気づかない。お前”勝ってる”からマジ!
”恋”が自分の身近にあるのだと気づいてしまえば、それにふさわしい”男”にならなきゃいけない。自分を変え、今まで距離をおいていた世界に順応しなきゃいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
レバーの握り方、ソニックの打ち方、垂直で昇龍誘うタイミング以外に、勉強して頑張らなきゃいけないことが山程増える。
そこに踏み込む勇気は、ハルオにはまだない。彼の鈍感はある種の自己防衛であり、そうさせるだけの魅力がゲームにあることを、気合の入った作り込みが丁寧に教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
そこから脱出するパワーも、ゲームが教えてくれる所がこのアニメのいいところなのだが。全てはゲームにあるのだ。
置きコイン、灰皿ソニック、ギャラリー(ベガ立ちという言葉はまだなかった。スト4時代に生まれたと思う)の殺気と解説くん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
今回はゲーセンという”場”をさり気なく、しかし濃厚に描く回だった。あの頃の格闘ゲーム熱は本当に凄くて、ホームセンターやスーパーにも筐体があって、遊ばれていたのだ。
そういう時代の熱気を受けて、ハルオはスパ2Xにのめり込む。置いてけぼりにされた大野さんは、ゲームバカの目を少しでも自分に向けたくて(そしてゲーム自体が面白くて)、段々ゲーマーになっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
そんなすれ違いの先に、大野さんがいる。ミステリアスで物静かな、巨大な謎。魅力的な黒髪の少女。
大野さんはハルオとの再開を”対戦”ではなく”協調”に求める。ハルオが積年のライバル(と思いこむことで、恋心から目をそらしている)と見ているのに、スッと捨てゲーする。(その後の拾いゲーの描写が、あまりに滑らかで思いっきし吹いた。松岡くんはいい演技をするなぁ…)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
ハルオが大野さんと向かい合う角度と、大野さんがハルオに求める距離感もまたすれ違う。しかしコインいっこで、二人は繋がれてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
何も喋らないのに、ハガーの一挙手一投足が、大野さんの思いを語る。ボイスチャットがなくったって、ゲームプレイは言葉以上に雄弁に思いを伝えてくれるのだ。
ホンマ黙ってハガー使ってるだけなのに、久々の乱入者は無敵に可愛くて、ハルオに呪いがかかるのも納得の仕上がりだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
怒ってる。拗ねてる。好きである。
いろんなメッセージ、抑圧と解放をゲームに乗せるしかない、不器用な少女。そんな思いを、ハルオはズレた角度で、しかし誠実に受け止める。
『その誠実さの1/10でも、日高さんに向けろよコノヤロー!』と思わなくもないが、呪いの指輪を胸元に秘め続けた1カットで『まぁしょうがねぇ…完全に相互呪詛だこれ…』ともなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
ラブコメで殴りつけるシーンの強さは、ゲームへのこだわりに隠れてそこまで目立たないけども、圧倒的なパワーである。
兎にも角にも、小学校時代に決定的に決まってしまった二人の関係性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
しかしそれは完結したものではなく、むしろ始まってすらいない。そこに日高さんがつけ入る隙が…あるのか、ないのか。ヤキモキの作り方が上手い。
否応なく進んでいく時間、変化していく時代を、ゲーム史に重ねて描くのが良い。
答えはいつでもとても身近な場所にあって、しかしそれを直視するには勇気と知恵がいる。古来からずっと繰り返されてきた、青い鳥の寓話と、ハルオも闘う。それこそが物語の芯だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
幸せ青い鳥たる大野さんの再登場で、そういう構造を猛烈に再確認にさせるエピソードでした。日高さんは青い鳥じゃない…
だからって、諦められるほど甘くはない。初手はインチキキャラにボッコにされたが、コンティニューの機会はまだまだある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
女・日高小春のブレイカーズ・リベンジはどうなるか。
ハルオのネバーランドはどこまで守られるのか。
家と恋という、二重の呪いに縛られた大野さんはどこへ行くのか。
全てを更地に出来る火力を秘めた、超弩級の青春爆弾。それを存分に埋め込んだ日常を、しっかり見せるエピソードでした。ここからが本当の地獄だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月17日
宮尾くんの爽やかイケメンぷりとか、脇の書き方も鋭くてとっても良いです。加速するゲームと思春期は、僕らと彼らをどこに連れて行くか。来週も楽しみ