Free!-Dive to the Future-を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
迫りくる大学選手権を前に、それぞれの道を行く青年たち。
光に満ちた新たな世界に続く、真っ直ぐな道。薄暗がりで迷い続ける、混迷の道。それぞれの道を独力で進み、また道が交わる中で、伝わる思い、すれ違う気持ち。
横幅を広く取り、色んなキャラの心情を描く回
というわけで、前回霜狼組の内面にディープに切り込んだのを受けて、状況が転がる回である。とは行っても、先に進んでいくのは三人組ばかりで、郁弥と日和は闇に置いてけぼりであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
先達に手を引かれ、先んじて"世界"に飛び出していくものに、手を引かれて前に行く。三期の基本構造は健在である。
色んな人が色んな人と出会う回だが、年長者の頼もしさが目立った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
相変わらず闇の中でうだうだしている郁弥と、そんな彼と正面切って話せなくなった日和。感情に溺れ続ける彼らにも、同輩や先輩は優しく声を掛ける。
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バス停のパキッとした明暗は、先週の衝突を経て二人がどうなったかを、鮮明に映し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
兄すら持て余す郁弥が、日和とすら接点を失ったらどうなるか。米国で溺れて以来待ち望んでいた孤独は、どんどん郁也を弱らせる。闇を前に、足踏みしか出来ない日和もキツい立場だ。
主人公として、そんな郁也をすくい上げる特権を持つ遙は、黒いおっさん改め龍司さんと師弟関係を結び、御子柴兄にいい感じの発破をかけられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
孤独に溺れ続ける郁也に向き合うには、同じ水に入るしかない。対話の切符を手に入れるため、フリー以外の競技に挑む背中は、少し大きく見える。
龍司さんは技術と同時に、メンタルとアイデンティティを問いただし、導く仕事をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
お前は誰で、何で構成されていて、なぜ泳ぐのか。その問いかけが、遙に内省を促し、過去と未来を整理させる。溺れ続けている郁弥が、けして出来ない整理整頓。
それは常に他人の力を借りて行われる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
カッコいいこと言いつつ、弟にも自分にもしっかり向き合えていない夏也の甘えを、尚は厳しく指摘する。さすが眼鏡キャラである。
あるいは、宗介の旅立ちを見守る兄の言葉。回り道を経て道を決めたら、ただまっすぐに進め。
他人の言葉をよく聞くもの…"世界"に対して開かれているものは、闇に溺れずに自由に泳げる。そこにたどり着けない存在として、郁弥と日和は溺れ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
闇に身を沈める特権的な演出は、今回も二人を取り巻き続ける。
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明るい場所があるのに、わざわざ背中を向けて闇に身を沈めるあたりが、二人のめんどくさいところだなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
差し伸べられている"世界"の手を掴めないほどに、強く思う相手。それは現実の姿とは違い、暗い想像の中にある。下手にへその緒が繋がっているから、自律呼吸が出来ない。
日和にしても郁弥にしても、あるがままの現実にいる自分ではなく、理想化された過去と両手をつないでしまっているように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
十分強く優しくなっているのに、強さと優しさを教えてくれた過去の郁弥、そこに繋がる幼い自分のイメージを、巧く振り払えていない日和は『なんでこんなことに…』と嘆く
それはもう少しマトモで、感情がこじれていない理想像をちゃんと見れているから生まれる悩みなのだが、日和に人工呼吸してやるやつはいない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
独力では抜け出せない窒息性の水の中で、郁弥のノスタルジーと心中するか。郁也ごと引っ張り上げて、ありのままの現実を理解らせるか。
遙が言葉少なく、競技でぶん殴ることにしたのはとても彼らしい。いくら言葉が追いつかなくても、"競泳"は真実を顕にしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
凛が、あるいは自分自身が経験したフィジカルな雄弁さを信じ、泳ぐことで分かり合おうとする遙は、過去の小さなプールを見てはいない。見なくていい立場にある。
そこに先んじる形で、旭も郁弥とちゃんと向かい合う。第4話で吹き上がっていた感情は少し収まり、日和を悪く言ったことをちゃんと謝れる。自分の気持を、自分らしい言葉でまっすぐ伝えられる成長は、遙の特権ではないわけだ。少し危ういながらも、旭はちゃんと自分の姿を捕まえている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
そんな彼の自己像は鏡に写り、しかし郁弥との間には境界線が引かれる。わざわざ光から遠い場所にポジションして交わされる言葉は、相手に届くが心を変えない。暗い羊水で微睡む子供を、起こすには足らないようだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
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あんだけ郁弥に献身する日和を『友達…なのかな…』とか言い出したあたりで、『あ、ダメだダメだこりゃダメだ。旭くんお疲れ~』って感じではあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
一回言葉で働きかけて、何かを掴めそうで、しかし取り逃す。これをやったおかげで、ロジックをフィジカルで蹴っ飛ばす遙の選択が効いてくる。
郁弥は自分も他人も見えていなくて、自閉しているくせに外部に救済を求めている。幾重にも絡まった矛盾が自分を縛って、どこにもいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
そんな自縄自縛を切り裂く特権は、悲しいかな日和にはない。Freeを泳ぐ主人公として、遙の才と華だけが停滞を揺さぶる。
そんな構図を強調しつつ、色んな人の気遣い(そして少しの空回り)を幅広くスケッチする回でした。貴澄くんが"競泳"に関わらないなりに、友達の力になろうとする背伸びが愛おしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
人生若葉マークの若造だけども、そういう誠実さ、俺好きだぜ…
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地味に凛ちゃん帰国へのダンドリも整えていたけども、やっぱ二人の天才が郁弥と合流した時、決定的に状況が変化するんだろうなぁ…その舞台となるのが、全日本選抜と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
遙・旭・日和が早々に切符を手に入れ、郁弥が抜け出せない構図が三期っぽいなぁ、と思う。
あ、栗宮ベビーの作画が全体的に良く、元気にベビーしていたのはとても良かったです。本筋とはあんま関係ないけども、旭の顔面ハードキックするシーンとか、力強くて素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
心を通わす大事な場所に"女"いるの、三期だなと思う。
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"Freeしか泳がない"自分を捨て去り、郁弥の混メに飛び込むことにした遙。言葉をかわしても抜け出せない水底から、遙の新しい挑戦は人魚姫を引っ張り出せるのか。それが日和にも救いとなるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年8月23日
次週、決戦のスタートライン。ここで全部解決しちゃうと話終わるけども、どんくらい切り崩すんかね。楽しみ