ハイスコアガールを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
ボクらは夜の街を彷徨い、CRTの星に導かれて、もう一度出会う。
聖人・宮尾の執り成しにより第三次世界大戦は回避された…しかしバーチャガンの銃弾に込められた小春の想いが、晶の鉄面皮を切り崩す。
言葉にできない思いは涙となって溢れ、そして…。
そんな感じの川崎ロマンス、ハイスコアガールラス一個前である。EDの入りがゴッド中のゴッドであり、あまりに完璧に二人の青春を照らしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
美少女がヴィクトルで70連勝してるのベガ立ちしてて、彼氏っぽい男が超かっこよく回収するシーンに遭遇したら、DENSETUとして語り継ぐね確実に。
前回緊迫のヒキであったが、格ゲー正面衝突は宮尾の気配りによって回避された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
日高さんのモノローグが、モヤモヤした感情を巧く伝えてくる。
みな、心の中に何かを抱え込んでいる。小さな身の丈、見えない心の内。『思い悩むのは青春の特権』とオッサンはいうけど、当事者はたまったもんではないのだ
前半強めに日高さんの気持ち、それが通常のコミュニケーションでは伝わらない状況を描いたことで、バーチャコップが大野さんの輪郭を切り取ってくれる演出が映える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
言葉ではわからないことも、バーチャガン握れば見えてくるのだ。ゲーマーになってきたなぁ日高さん…。
日高さんが哀しいのは、日高さんが好きなのはただのハルオではなく、大野さんが好きで好きでしかたがない純情青春爆弾・矢口春雄だということだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
ゲームが好きで、大野さんが好きで、大野さんと繋がれるゲームが好き。そんなゲームバカの強く優しい男だから、日高さんも好きになった。
脳髄の根っこまで大野さん色に染まっているハルオの姿も、今回残酷に描写されるわけだが、日高さんもそれを認めつつ、譲る訳にはいかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
鉄壁の絆、愛の鋼鉄城塞にヒビを入れるためなら、盤外戦術も使っていく。ミスショットも誘発させる。恋のストリートファイトに、禁じ手はないのだ。
言葉を使わない大野さんの想いが、誤射となりあるいは冴え渡る銃弾となる演出は、最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
小学校時代のファイナルファイトとは、また違ったコミュニケーション。ハルオというトロフィーを求めて競う、思いと思いの相殺合戦。大野さんも、負ける訳にはいかない。
面白いのは二人、バチバチやりつつどっか敬意があるというか、相手を下に見る感情がないところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
日高さんはさんざん大野さんのスペック褒めてるし、実際に協力プレイして魂の色合いも見えた。喋らないなりに、強く熱いものを持っている相手だと。
大野さんの気持ちは見えにくいけども、完全無視という空気でもない。それは日高さんが、彼女が持っている唯一の”言語”を共有する、ゲーム仲間でありライバルだからかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
表音語を持たない大野さんは、細かいニュアンスを伝える手段がない。大体の輪郭、または圧倒的に巨大な感情だけが見える
日高さんへの感情がボヤッとしたムードで留まるのに対し、ハルオヘの思いは超ダイレクトに、パワフルに殴りかかってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
おもちゃの指輪に込められた気持ち、溢れる涙に押し殺した想い。家の圧力が強ければ強いほど、ハルオへの好意、彼と繋いでくれるゲームへの愛情は深まっていく。
そんな気持ちを受け止める側のハルオは、相変わらずのパープーバカ次郎であった。バーチャルボーイはやめとけ…来年の正月には半値で買えるぞ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
何故か沈没するハードに惹きつけられる体質の人っているんだよなぁ…へそ曲がり故に、ポピュラーでメジャーなものを受け付けないってことかもだが。
ぼんやり顔に隠しても、ハルオの頭の中にどっしり根を下ろした大野さんは巨大で、人間関係のセンサーが鋭く発育してる日高さんにはバレバレである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
日常会話のたびに、他の女が胸に突き刺さってる現状を思い知らされても、日高さんはしがみつく。
健気で卑しく、可愛い。なんでこの子が負けるんや…
会いたくて、逢えなくて。どうにもできない気持ちを抱えた二人はスレ違い、少女にたまった鬱屈が爆発する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
大野さんは自分を抑圧する”家”から出て、寄る辺なくさまよう。今と未来の全てが他人に決められ、好きなことも出来ず恋の相手も強制される世界に、無言でNOと叫ぶ。
その思いを受け止められるのは、小学校時代と同じようにハルオしかいないわけだが、身の丈が伸びると同時につまんねー現実を思い知らされたハルオは、すこし躊躇する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
カーチャンがノータイムでGO出してるところが、マジよく出来た大人だと思う。
日高さんや大野さんとはまた別の形で、ままなならない現実がハルオを取り巻いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
頑張ったけど高校には落ちた。好きな女に気持ちも伝えられない。そもそも会えない。情けない自分が、あって良いのか判らない。
そんな面白くもなくありふれて、しかしだからこそ切実な、青春の成長痛。
それをぶっ飛ばしてくれるのは、やっぱりゲームの妖精たちである。高校生になってリアルの生臭さが侵食してきても、ゲームボーイの脳みそはいつだってドットで出来てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
リアルが迫ると、ハルオはゲームと現実の境界線を曖昧にする。それは逃避行動ではなく、ファンタジーから勇気をもらうためだ。
仮想の物語、ゲームに夢中になる体験が、つまんねー現実を輝かせてくれる。踏み切れないけど大事なものに、飛び込む気合とパワーをくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
ハルオほどピカピカしてないし、当然黒髪70連勝美少女なんていなかったけども、ゲーマーの端っことして、そんな感覚には強く共感できる。
別にゲームというメディアに限らなくて、小説でも映画でも、あるいは現実を元にした空想でも、仮想の物語や体験は、現実を動かす力をくれるものだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
無論、それに耽溺し現を忘れる危うさもあるけども、現実の材料だけじゃ生まれない魔法を、嘘だけが支えてくれる瞬間がかならずあるのだ。
ハルオにとってそれはゲームなので、弱気になった自分をガイルやダルシムが突っ込み、薄暗い川崎を頼朝が導く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
諦めなかったその先に、王子様を待ってるお姫様がいる。日高さん…哀しいけど、アンタ絶対勝てないよあのED入り…全世界にきぶりジジイ大量生産じゃん…(”ノスタル爺”参照)
リバサでしかだせない鬼炎斬をESガーキャンで切り替えしてKOとる攻防だけで、大野さんの異常なゲーム力がよく判るが、今の彼女はそうやっていろんなモノを跳ね返したい気持ちなのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
猛烈な膝で、家も抑圧も全部突っぱねて、自由になりたい。でも手元には、50円しかない。
子供でしかない自分の、小さな小さな精一杯の反抗。薄暗いゲーセンの片隅で、唯一可能な決死のレジスタンス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
大人になってみれば、すげーつまんねぇものだ。なんの変化も起こさない、蟷螂の斧だ。
でも、その瞬間、そういう反乱は圧倒的に本気で、切実で、必死のものだった。
その切迫感が巧く描かれているから、魔法のように自分を(再び)助けてくれたハルオの暖かさ、ありがたさも、じわりと染みる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
説教とか事情聞くとか、クセーことしないでソッコーメシ連れてってくれるハルオの自然な気遣いが、マジで心底惚(ぞっこん)である。
やっぱこのボーイ、アタイ好きよ…。
ハルオにとって大野さんは運命であり、大野さんにとってハルオは運命である。その強い繋がりを、小学校時代に戻るような再開で見せる。唸るしかねぇ…ラブコメがつええ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
言葉もなく、仲間もなく、孤独な大野さんの心に分け入る特権は、いつでも何も考えねぇゲームバカだけが持ってんだよなぁ…。
ブッチギリにエモいヒキで最終回に突入するわけだが、さてどう終わらせるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
原作も最終回を迎え、長く尊い戦いに決着が付いた。それを書き切るには尺が足りないけども、ある程度の納得、そして続いていく感じが欲しくなる。
そういう感情の演出は、このアニメすげー上手いから大丈夫だろうけど。
ハルオがゲーム世界に溶け込んでいくところの表現とか、ゲーセンのSEだけが鳴ってるシーンの音響とか、川崎の雑多な雰囲気とか、アニメとしての表現力も高いエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
次回、強く吐かないゲームキッズ達の青春にどんな幕が下りるのか。非常に楽しみです。
追記 工夫した入り口を”工夫しましたッ!”と飾り立てるのではなく、さりげないギャグとして消費させてその気軽さで踏み込ませる気遣いと計算も、やっぱ好きなの。笑いって強いわーやっぱ。
ハイスコ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
終盤の大事な尺を”ネオジオCDのくっそ長いロード時間追体験”に使ったのは、覚悟があって良い演出だった。
実際アレはくっそ長い。キレそうになるっていうかキレた…が、そういうノスタルジーを感じられない層にも、ハルオの体験とシンクロしてもらおうという演出だ。
『なげーよ!』と思わず突っ込むことで、作品の中、作品が展開している時間の中に入り込むパスが、視聴者に手渡される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
判るやつだけ判ればいいと、ノスタルジーで門を狭くするのではなく、どうにか狭い体験に色んな人が入ってくるよう、工夫し表現する。僕はそういう足掻きが、とても好きだ。
格ゲーというジャンル、90年台という時間。どれも実感として受け止められる層は限られている。だからこそコアでディープな物語も生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
そういう特殊性を大事にこだわった上で、ロマンスとかコメディとか、いろんな入口をちゃんと仕上げて、多くの人に届くように頑張る。それはとても偉い姿勢だ。
そういう、いい意味での開き直れさが前面に出てて、ネオジオCDロード地獄は凄くアニメ・ハイスコアガールらしいシーンだなと思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年9月21日
ロード回避しようとしてカートリッジ選ぶとこれがたけーんだ……三万とかするんだぜソフト一個で。ハード買えるよハードマジ…(ジジイの繰り言)