風が強く吹いている を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
惨敗に終わった記録会が、チームの意識の差を顕にしていく。
実戦で走った記憶が、それぞれの思いに火をつける。
真面目と不真面目、ガチとエンジョイ。それぞれバラバラのまま走る十人。
カケルは巨大な不発弾。自爆、誘爆、御用心。
そんな感じの、どっしり重たいタメ回である。6話かけて挑んだ”勝負”は惨敗に終わり、しかもチームの殆どが、その重たさを正面から受け止められないまま。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
カケルは苛立ち、周囲が見えなくなり、当たり散らす。しかしその真っ直ぐな熱量は導火線のように、誰かのやる気に火をつけていく…。
なるほど、『危険人物』である。もしかしたら壊れてしまうかもしれない真剣さに、カケルは他者を巻き込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
もしかしたら、俺も。
むっつりと不機嫌に走っているだけで、そういう気持ちに火をつけてしまう。ニコチャン先輩はタバコを止めて、ニコチンより体に悪いモノを思い出したわけだ。
今回は横幅広く群像を描き、それぞれの真摯さ、それぞれの思いの伝播を掘り下げていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
いろんなキャラクターの魅力が静かに描かれ、とても良かった。ひとりずつ見ていくとしたら…やっぱりニコチャン先輩かな、推しだし。
経験者ゆえのカケルのガチさに、同じ経験者であるニコチャンは呼応する。火を付けられるのを待っていたシケモクに、遂に本気が宿っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
空回りするカケルの熱意を、ニコチャンが受け止めるシーンは先輩の貫禄があり、とても良かった。
明るい宴会が受け止めきれない、お互いの影。
それを共有して、カケルは完全に絶望しなくてすむ。ガチ勢が自分以外にもいると思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
『下ッ手くそ共がよ…やる気ねぇなら止めちまえ!』くらいの暴言を投げつけつつ、ニコチャンの”体格”というどうにもならないものを前にした時、カケルはそれを責めるのではなく、共に戦う道を選ぶ。
やはりカケルは、真剣さの使い方が判らないだけなのだ。一時は言葉と同じように、その使いみちをちゃんと見つけようとしていたのに、”記録”が出ると矛先が迷う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
”記録”が出たからこそ生まれるやる気もあれば、迷走する思いもある。なかなかに難しい部分だが、”記録回”の後だからこそ説得力もある。
人間関係と体格。原因は別だが、それぞれ陸上に恋をしてこっぴどくフラレた同志、カケルとニコチャンは共に走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
しかしそこには様々に溝があり、生き方の衝突もある。
まずニコチャンを昭和の妻っ面で見守り支える、ユキの熱量。
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今週ほんっとユキのニコチャン先輩好きすぎ病が重篤で、『お前ニコチャン先輩好きすぎだろ…』と、声に出して言ってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
部屋には他人をあげない、クールな孤立主義者。そのはずだが、ニコチャンには特別な共鳴を覚えて、その一挙手一投足を気にかけている。
リーダーとしてトレーナーとして、運動劣等生、人格劣等生の面倒を見てるハイジかーさんが気づいていないところを、ニコチャン専用でセンサーぶん回してチェックする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
『俺の思いは、アンタのためだけにある』と言わんばかりの献身。持ち前の目の良さ、頭の良さが、”陸上”と噛み合い始める。
ハイジのトレーニング内容に、同レベルで意見できる(上に、チームの疲労を思いやっている)ユキは、”陸上”にかなり体重を預けてきている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
ニコチャンやカケルはガチに走り込む。
王子は漫画めいたシチュエーションに燃え、ルームランナーを買う。
それぞれのやり方、それぞれの強みで体重を乗せる
そういう多様性、”強み”の描写が多層的かつさり気なくて、人数がたくさんいる強みを最大限活かしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
カケルはそういう、横幅の広い集団の強さに目はいかない。
ただただ記録、ただただ陸上。そういう視野の狭さだけが、陸上に対する向き合い方なのだと思い込んでしまっている。
自分が叩き込まれたように振る舞い、より弱いもの、これから育っていくものに教えてしまう。それが嫌で背中を向けたはずなのに、気づけばあの孤独にまたはまり込んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
自分を害する親を憎んでいるはずなのに、子供には同じように拳を振り上げるしかない。虐待の連鎖にも似たやるせなさ。
カケルとニコチャンのストイックさは、ともすれば美談だ。しかし心と体を追い込み、危うい側面もある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
男たちの”隈”でそこら辺、しっかり感じさせてくるのはこのアニメらしい。『ヤバい』と言葉にしつつ、”絵”でも魅せる。
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カケルは今回、また一人になってしまう。キングが1人で走ったり、ホント協調性がねぇチームだな…まぁしょうがねぇ、年も経験も意欲もバラバラだもんな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
しかしハイジが言うように『なぁなぁ』でやっているやつはいない。いないのだが、カケルの狭い視野はそれを見ようとしない。
ランニングのときの孤立。”走れる”ムサと神童すら止まるところで、足踏みをして心臓を休ませない意識。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
これまでも強調されてきたカケルの特別な孤独は、実際の”記録”が出たことでより見えやすくなる。でもハナちゃんには当たるな。
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同じ”陸上に失恋したもの”のストイックさ、くすぶる情熱を抱えていても、ハイジもニコチャンも人に交わる。ユキの代わりに、バカな後輩の受け皿になってやる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
後ろからくる自転車に気づかない演出は、ベタ足ながら良かった。文字通り、”視野が狭い”のだ。それじゃぶつかる、ポジションが取れない。
アホバカな明るい盛り上がりと、薄暗い闇の中の孤独。どっちが良いかは判断が難しいが、少なくともカケルにとって善いものではないようだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
高校時代それで傷ついたのに、同じように孤独に走って、同じように傷つき、傷つける。そら榊も拗らせるわ。
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”スポーツ”への固定観念から、カケル的なストイシズム、自罰的な競技最優先主義が、唯一の真実だと僕らは考えてしまいがちだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
しかし、それは本当なのだろうか。速さは強さに勝り、結果だけが意味を持つのだろうか。
ハイジはそこから抜け出せと、遂に感情を吹き出させる。
漫画ばっか読んでる王子は、次回主役を張る準備を丁寧にこなしつつ、見せ場が多かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
みよこの、摩天楼めいた漫画の塔。オタクである。ガチ目のやつである。乱雑にみえて、『あいうえお順』と自分だけの秩序があるところがマジヲタ。
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王子は態度に出にくいけど、結構火が付いて本気だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
劣等生共が雁首揃えて、届くはずのねぇ天井まで突っ走る。いかにも漫画的なシチュエーションに、実は結構ビリビリ来てるのだ。
そういう熱意が、ルームランナーを巡るコメディの背骨にある。笑いの中に、真剣さの針が隠されてて、心に刺さる。
王子なりの必死の努力を笑ってみているうちに、僕ら墓れが好きになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
『アイツなりに真面目にやってんなー』と思う。完全に、製作者の掌の上だ。気持ちがいい。
それは神の視点から見るからで、カケルの狭い視野には、王子の努力は写っていない。それが僕は、とても悲しい。
なぜなら、王子の熱意はカケルの熱意だからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
カケルにニコちゃん先輩が歩み寄り、ニコチャンに火が付いて、その梶原一騎的ストイシズムに、王子が感銘する。
『マジ力石ジャン! ”メガロボクス”もよろしく!』となる。メガロボクスは分からんけども
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(タバコ、何で亀甲縛りなんだろうな。ニコチャン先輩エロいな…推せるな)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
そうやって熱意は伝播して、チームに共有される。カケルの孤独な走りは自分が気づかないうちに、周囲を熱くさせている。口でいう言葉は下手でも、走りという言語は雄弁なのだ。天才だね。
でもカケルは、そういう自分にも気づかないし、そうやって想いが共有されること、『なぁなぁでやってるやつ』が一人もいなくて、自分なりみんな前のめりであることの奇跡に、なかなか気づけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
一番ナイーブで真剣な高校時代に、散々メチャクチャにされたんだからしょうがないけど。
とは言え、それはカケルの事情。ハナちゃんや王子という、弱い立場に牙を振るう道理はない…んだけども、タスキを繋ぐ以上チームの事情なんだよね、そこらへん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
これを共有できなかったので、榊はハイジになれんのだ。見ろよこの無残な独走を!https://t.co/JpRDWvlnag
ハイジかーさんは劣等生のバブちゃん達を抱えつつ、ユキかーさんと情報共有したり、硝子のナイフであるカケルの面倒を見たり、大忙しである。飯も作ってるのにな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
そんな彼がフォローしきれない感情がそこかしこで噴出し、良い結果も悪い結果も生む。
王子のルームランナー購入を、ハイジが知らないのが好きだ。ようやくアオタケの仲間は、ハイジの想定の外側に出始めたってことだからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
いつも完璧で、結果も過程も大事に出来て、みんなに優しい。でも人間、そればっかりじゃない。ハイジの走ってる高みに追いついてようやく、その重荷を背負える。
王子の戯けたルームランナーは、チームがチームとなり、ハイジの孤独にみんなが追いつく第一歩目なのだ。だから、ハイジが知らないほうがいい。そんな場所まで計算のうちじゃ、あまりに寂しすぎるだろ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
その一歩目を踏んだのが、最後尾のダメダメ王子なところが、なんか良い。”記録”には残らん力走だ
ハイジはそういうふうに、人が人として人の中を走り、人を見て人を愛する走りを求めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
それは空っぽな理想論と言うよりは、膝に致命傷を刻み込んだ教訓のようだ。感情を爆発させ、思いを叩きつける演技が良かった。
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結果だけ求めてもダメだ。誰かを置いてけぼりにする走りはダメだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
その言葉はカケルを責めるだけではなく、自分に言い聞かせてもいるように、僕には響いた。とても弱々しく、辛そうだった。
それもまた、ハイジの真実なのだろう。頼れるスーパー超人、僕らのママンの顔が、けして嘘ではないように。
アオタケのみんなが(そして視聴者の殆どが)『駅伝、けっこうおもしれぇんじゃねぇの?』と思えるようになったのは、ハイジが強引に巻き込んで、細かくケアをしてくれたからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
飯を作り、メニューを組み、煽って煽てて見守り見破ってきたからだ。その全てを、僕らは見てきた。
だからこそ、そこにアオタケのひよっこ達が追いついてきて、ハイジが飄々とした態度に熱を宿す”駅伝”を、自分の問題として引き受けだしたのが嬉しかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
それは余計な荷物を背負い込む優しさ、それに潰されない強さだからだ。人間である、ということだ。
記録一番人間ビリっけつなカケルくんは、そういうハイジのありがたさに、当然気づいていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
『周りを見ろ、人を愛せ。それが、自分に優しくなる唯一の方法だ』と、おかーさんのように懇切丁寧に注意してくれてるのに、反抗期ボーイはツンツンツーンである。アナタさー。
台所での衝突は、露骨に家族の対立として描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
普段は優しくて完璧な母親が”自分”を出して、優しくも強くもないのに自分は強いと思い込んでる長兄と衝突する。家族の風景だけが持つ重たさを、食器が巧く演出する。
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手書きノートの所帯じみた感じ…漂う家計簿感といい、露骨進路でぶつかり合う風情といい、完全にファミリードラマの書き方である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
それはつまり、二人が”家族”にも似た親しさをもう獲得してしまっている、ということだ。出会ったときから運命は、そういう濃厚さを二人に準備していた。
それに気づけば話は終わり、駅伝も感情もゴールインで☆Happy End☆なんだけども、それに気づけるなら世話はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
ガラスのハートを抱えたまま、皆必死に自分なり走り、思いっきりぶつかる。それが出来る奇跡の場所が、チームでありアオタケなのだ。
甘酸っぺー…青春味じゃんこのアニメ!
10人家族の末っ子として、自由に振る舞っていた王子は、アホバカなりの真摯さで努力し、カケルとは違った角度から走る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
ハイジはそう言う、それぞれなりのフォームに気づいている。それを大事にしたい。
カケルもそうしたいが、優しさの使い方が解らない。バカだなー…俺もそうさカケルくん…。
勝手な自分を許して、毎回走りに付き合ってくれる優しいカーチャン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
ぶっきらぼうだけど走るとカッコよくて、スポ根漫画みたいなにーちゃん。
アオタケ一家の末っ子は、そんな大好きな二人が衝突する瞬間にぶつかってしまう。その気まずさ、悲しさ。王子が可愛そうです!
あまつさえ、自分に火をつけたにーちゃんに『オメェチームにいらねぇからよ、記録でねぇからよ、消えろよ』と言われてしまう。アナタさ~。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
カケルは高校時代、自分の熱意が空回りした経験から、自分の天才(記録を出すだけでなく、人の心を動かす走り)を信じきれないんだな…悲しいな。
俺は、王子相当カケルの事好きだと思う。思いたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
だからこそ、カケルの言葉はキツかった。『それは間違ってるぞ!』と、ハイジと同じように感情が爆発した。上手いとこ誘導して、次週に繋ぐ。ホント筋立て強いな。
当然、”絵”も強い。
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見てくれよ、このトレンディードラマのすれ違いシーンみたいな空気!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
確実に重たい台詞のあとに主題歌がオーバーラップし、カメラが各人の表情を切り取った後天に逃げてく奴だ…”もう誰も愛さない”とかで二億回見た…あとBL漫画。(つづ井さん文法)
”記録”という魔物、それに苛まれた過去に囚われ、言葉の爆弾を投げつけてしまった人格テロリスト、蔵原走。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
その標的となったひ弱な王子は、自分なりのスタイルで反撃をしていくのか。必殺のルームランナーは、逆転の布石となるのか。
年下のバカたちを見守るカーチャントーチャン達は、どう立ち回るか
相変わらず緊迫ある引きで、再構築もバッチリなエピソードでした。マジおもしろい。マージ面白いこのアニメ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
王子もまつげ長くて顔が良いだけじゃなく、存外熱いってところをカケルに叩きつけて、目を覚まさせてやって欲しいですね。来週も楽しみです。
追記 ルームランナー調書(今回本筋に関係ない、衒学的なネタ引用が多すぎた気がする。しゃーないだろ面倒くさいオタクなんだから!(王子のオタクキャラと絡め、批評対象への読者の好感を窃盗しようとする最悪の言い訳))
風が強く吹いている追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
今回王子の私室を見せたのは色んな意味で妙手で、オタクドン引きのそそり立つ漫画ウォールのインパクトで、重苦しいエピソードに風穴開けれたのが一つ。
王子が漫画に本気なんだと物量で判るのが一つ。
ルームランナーというブリッジで、それが”走り”に繋がるのが一つ。
ルームランナーは読みながら走れるんで、”漫画”と”走り”を繋ぐことが出来る。あんだけ大量の物量が、そのまま”走り”に注がれたなら、劣等生も化けるかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
ド素人からの箱根駅伝。大嘘を成立させるためには、細かい説得力が大事になる。
ルームランナーというフェティッシュを活用することで、極限漫画オタクが極限陸上オタクにクラスチェンジする説得力を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
それを王子が自発的に買った(その思いに、神童が彼なりに答えた)熱量も含めて、王子が今後早くなる…カケルの言語爆弾を解体する準備が均されている。
こういう細かい説得力の積み重ねがあって初めて、物語という嘘は飲み込める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
そういうところとにかく丁寧で怠けないアニメで、細かい仕事の行き届き方、狙いにズバッと当たる的確さを見たくて、毎回再生ボタン押してる感じもある。
そういう配慮を感じさせず、スルッと食わせる化粧も合わせてね。
ナチュラル(に見える)メイクが、一番大変なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
いかにも大上段に振り絞って、『はいこれがテーマですよ!』という力み方は、特にアニメだと通用しにくい。俺は好きだけど。
自分たちが作る物語を楽しく食べてもらえるよう、製作者は萌えさせ笑わせ怒って泣かせ、感情の流れにメッセージを乗せる
そういう配慮があらゆる場所に行き届いたアニメで、やっぱり見ていて安心できる。僕はやっぱ、自分たちが何作ってるか把握してる創作物が、いっとう好きなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
世に生み出されるものには、何らか意図があってほしい。カオスが嫌いなロゴス信者の見方だなぁ…。
私室を見せることはつまり、キャラクターの内面を見せることだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
ニコチャン先輩の賑やかな部屋、カケルの薄暗い部屋。王子の漫画とルームランナー。
王子は心を占拠してた”漫画”をどかして、”陸上”を置くことにした。誰かに言われたから、脅されたからではなく、自分で決めたのだ。
そういう決意を自然と見せられているから、王子を『なぁなぁ』だと非難するくせに、上の階のドタバタの真実を探ろうともしないカケルに反感も生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
それが火種になって、物語は加速していく。カケルだって、優しさの使い所を探しているんだなという悲しさも感じられる。
こういう化学反応がキャラクターの数あって、いろんな発火点が用意されているところも、群像劇の醍醐味だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2018年11月20日
そういう、自分たちが選び取ったジャンル、表現形態に真摯で的確なアニメである。マージ面白い。原作がまず良いんだが、アニメ製作者が良くコアを把握し、アニメ向きに再構築できてるなぁ…。