BanG Dream! 2nd Seasonを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
言葉足らずな天才が、バンドに軋みをもたらした。主催ライブの重さを思い知り、道に迷う香澄とポピパ。いまいち噛み合わない景色の中に、岐阜から着弾したロック爆弾が炸裂する。
いつか、隣に並び立つために夢の光を追って。立ち位置は違っても、その思いは同じ。
というわけで大ガールズバンドを駆け抜ける六連星の物語、ちょっとタメ気味な第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
友希那さんセンターのRoselia(に引き寄せられ反発するチュチュ)、香澄センターのポピパ(に引き寄せられ自分のロックを見つける六花)と、色々盛り込みつつも芯の太い展開。
ただ音楽を流すなら一番で終わりでいいんだが、あえてフルで流すことでポピパの現在、六花の過去、そこに反射するポピパの過去(流れる"キラキラだとか夢だとか"がEDテーマだった一期)が複雑に乱反射し、原点を共有するがゆえに別の道に進んでいく女たちの背中がデカく見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
演奏シーンを(比較的)ローカロリーで出せる3Dの強みを活かし、あらゆる混迷を"音"で突破する作りは、まさに青春バンドストーリーの王道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
いざとなったら弦に指を這わせて、とにかく楽器を握れば状況が動き出す。基本エンジンはそれでいい。バンドモノなんだから。
そこに至るまでの細やかな人間力の違い、自分の思いをどう形にしていくかという個性の差が、非常に静かに、しかし力強く描かれている所が、クライマックスの興奮をしっかり支えてもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ポピパの五人、それぞれ言葉遣いの巧さと状況への"眼"の効き方がぜんぜん違うのだよな。
友希那さんはキャラの根っこに『言葉が足りない』ってのがあるキャラなんで、彼女から発せられたゴツゴツした真実をどう受け止め、対応していくかでポピパのキャラも見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
主役である香澄が、全然その意味に気づけ無いし受け取ったものを言葉にもできない所が、スタンダードと少し違って面白い
物事の本質を直感的に見抜き、しかし表現力が異次元にぶっ飛んでるのがおたえ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
"覚悟"を乗っける土台は技術、とにかく今出来ることは弾きまくることと、絆創膏で武装して一人練習しまくっている様子を、静かに見せる。
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おたえはその天才性からか元々の人格からか、集団から浮いても気にしない。ウサギさん椅子に一人腰掛ける様子が、彼女のポジションをよく見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
だから自分が直感したものを言語化することに、そこまで重点を置かない。胸の鼓動を弦に乗せる直情主義は、香澄と似ているか。
一方有咲は持ち前の優しさと賢さで、状況を理解している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
燐子が友希那さんの言葉をフォローしたときも、分かりにくい棘の奥にある真摯な姿勢、誤解を恐れない(恐れることが出来ない)スタイルに経緯を表してもいる。
それを踏まえての『Roseliaみたいに演奏できねぇだろ!』である。
しかし超級ツンデレたる有咲は、自分の思いを上手く言語化は出来ない。(ここら辺は友希那さんとよく似ているが、ソロだと結構演技できるポピパの姫と、一人だと社会と衝突ばっかしてるRoseliaの姫は、やっぱり結構違う)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ので、最終的に言語化するのは沙綾の仕事になる。
熱い想いをとにかくぶつけて、迷わず走り出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
香澄は状況を見抜く"眼"も、バンド内で共有される"言葉"も、全てを楽器が喋ってくれる"才"も持っていないけども、その無軌道なエンジンがなければ全てが始まっていなかった。
香澄が持たない他メンバーの個性は、欠点のまま埋もれていた。
そういうポピパの在り方含め、超絶強火ポピパヲタである六花との交流、演奏に対するリアクションが、過去の自分、その先にある今の自分、未来の自分を見せてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
香澄は一期同様、自分では大事なものになかなか気づけない。バカはなかなか直らないのだ。でもバカだからこそ、出来ることもある。
溌剌と溢れ出す青春の鼓動。真っ直ぐな音楽への愛、友情への感謝。たった一人の観客に向けて、誠心誠意音を紡げる真摯さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
久々の蔵イブには、主催ライブの重たさに少し迷ったポピパが自分らしさを掴み直すヒントが、たっぷりと詰まっていた。
それはやっぱり、一人では見えないものだ。
ポピパの迷走と覚醒、メンバーそれぞれの個性とポジションを描くのと並走して、六花の青春も加速をはじめる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
妹の女だろうと即座にゼロ距離戦闘に持ち込むあたり、ホント香澄は凄いな…って感じだが、憧れの星を至近距離で感じて、メガネ女のテンションは限界突破寸前である。
自分とバンドの方向性に自信をなくした頃合いで、とにかくポピパ全工程、ロックンロール最高! な情熱マシーン・朝日六花が隣に立つのは非常に面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
彼女の情熱は彼女の中から溢れ、またポピパの情熱を反射して燃え盛ってもいる。ファンであり、同時にライバルともなり得る存在。
六花が自分のためだけの歌を受け取ってポピパになろうとするのではなく、自分のバンドを探そうとするのが、最強にロックだし展開にあっているし素晴らしかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
六花が未来のRASに踏み出すように、ポピパもRoseliaの影を踏むのではなく、自分の道をへと踏み出していく。
それは当然別々の道だし、だからこそ意味も価値もある選択なんだけども、その原点は同じ場所にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
音楽が好き、ロックが好き、バンドが好き。
回想シーンで岐阜の女たちと六花が、彼女たちなり充実したバンドライフを送っていた様子が見れて、キャラの"歴史"を強く感じた。
『炊き場の二階』という絶妙の生活感漂う、六花のプライベート。香澄を案内役に、僕らは彼女の『今』に踏み込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
この女の子は、こういう空気の中でギターを触り、バンドを求めているのだ。それが染み渡ったタイミングで、"キラキラだとか夢だとか"が流れ始め、エモさのブースターが点火する。
そこで紡がれる六花の『過去』は、まさにエモエモの核弾頭であり俺の涙腺を絨毯爆撃大破壊。するすると、二期からの新キャラが心の中に入っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
曲のエモさ、それがEDを勤めたポピパの『過去』と重ね合わせることで、セリフのない回想カットが凄まじく雄弁に語りだす。あんた…ロックだよ…。
トンチキな変態ギターに憧れ、小銭をためてようやく手にした日の高揚。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
バンドを探し求め、満たされていた故郷の日々。
そこから飛び出すほどの衝撃を音楽から受けて、迷いの末に飛び出したあの日。
孤独な日々の中で、音楽を支えに未来を探す『今』。
ハイテンションなトンチキ女の魂に"誠"がある。
イヤホンット、あんなの見せられちゃったら六花のバンドライフを応援せざるを得ないし、それがどういう道をたどるか思わず前のめりでしょ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ポピパが好きだから、他のガールズバンドが大好きだから、自分だけのバンドを探す。このチョイスもあまりに"正解"で力強い。
六花はイモい内気キャラ…の外装に、弾けるロックンロールを詰め込んだ変則直情型のキャラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
おどおど悩みつつも、たけーギターを買ったり、バンドを結成したり、Galaxyでのバイトを決めたり、ポピパに出演依頼したり、踏み込む時は力強く、大きく踏み込む。
それは当人が見落としていた香澄の気質、彼女をセンターに回るポピパの強さでもある。溢れる感情を真っ直ぐに突き立てるファン≒未来のライバルを目にして、鈍感な香澄もようやく、瞳を開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
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ここのハイライトの変化は静止画だとあんま目立たないけども、ずーっと迷妄の中にいた香澄が"正解"を見つける変化に満ちていて、とても好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
それを教えた六花の強さ、今後RAS結成に突き進むだろうエンジンの強さにも、説得力を与えている。こういう眼をさせる女が、ロックに突き進むのだ!
一方、後に運命の女の一人となるチュチュの物語も、熱く静かに展開していた。こっちはRoselia…というか友希那さんが壁役になって、ゴツゴツぶつかり合う感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
燐子にしても今井さんにしても、一生天才バンドバカ女のフォローしてて、そうさせるだけの魔力があるんだろうなと感じる。
友希那さんはとにかく音楽への感性と言語へのポンコツっぷりが際立っていて、鋭い目線で他人が気づかない真実を見つけ、それを音楽に表す。結果があの完全武装ゴス女軍団である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
しかし、見つけたものを音楽以外で表現する能力には、極端にかけている。誤解も軋轢も生むし、それを恐れない。
そこら辺総合で評して有咲の『強い』発言だと思う。お前は傷ついて引きこもり、外面創ってお嬢様ロールだもんな…秒で崩れてたけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ここら辺、成績も優秀な有咲の”眼の良さ”が良く出てて、好きな表現だ。状況を腑分けして、感情を横において冷静に判断する能力が結構高いんだな。頭がいい。
その冷静さで自分の中の優しさとか、他人から受け取る愛情をうまく御せない所が、可愛らしくていい。ポピパメンバーが姫を甘やかすのも、その不器用さ故か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
友希那さんもにゃーんちゃんと仲良くしたいのに、すーぐ逃げられちゃう。
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いかにもなクールポンコツ猫好き記号描写を、猫耳イヤフォンが特徴的なチュチュPとの対峙と離別に繋げているところとか、凄く好きである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
友希那さんは作中のキャラだけでなく視聴者にも当たりが強い個性持ちなので、こういうあざとい点数稼ぎは大事だと思う。悪者を作らない運び、というか。
今井さんが後方お嫁さん顔で『友希那の真意は私…全部わかってるから…』みたいな超重力をひた隠し、ギャルな軽さで内面を代弁するところとかも、二人の関係性が見えて好き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
今井クンよ~『ポンコツ天才の人生ギブス』っていう役割に満足し続けてっと、"ジブン"なくなっちまうぞぉ~?
さておき、悪役を作らない筆はチュチュにも生きている。パンクスらしくゴミ箱を蹴り上げるが、後始末は自分でする。偉い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ポピパキチ過ぎてポピパを再起動させた六花の情熱と重ねることで、愛ゆえに『Roseliaを…潰す!』となったチュチュのねじれも、いい具合に飲める。
一期放送から一年、ブシロ資金に支えられたアプリ攻勢、ライブ攻勢によりガルパのバンドはデカくなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
そんなメタな現状をしっかり見据え、大ガールズバンド時代の綺羅星として5バンドを描き、それに憧れる五人をRASにまとめていく…作りなのかな? 他メンバーの描写見ないとわからんな。
六花が『ポピパが好きだから、ポピパに並ぶバンドを作る!』となり、チュチュは『Roseliaが好きだから、私を拒絶したRoseliaを潰す!』となった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
各々のマッチアップ相手への対応にも個性があり、色んな物語と感情の火種がバチバチ行っておる。…また友希那さんの口下手で大事件じゃんッ!!
チュチュの思いを載せた黒猫を、友希那さんは多分好きだ。にゃーんちゃんだし。でもポピパのように素直に、その思いを受け止められない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
それは彼女の天才を軸にハイパフォーマンスでまとまるRoseliaの個性が、必然的に導き出す運命。そこからはじき出されたチュチュが、どんな道を進むか。
眼鏡の奥にロックンロールの爆弾を秘めたギターと、どういう出会いを果たすか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
二期の新ストーリーと同時に、まだまだ不安定な星のガールズバンド"Poppin'Party"の迷いと輝きも、丁寧に刻み込まれるエピソードでした。
一期EDが背負う"歴史とエモ"を最大限活かし、刺さるタイミングで殴ってきたなぁ…
高校生、まだ子供。でも確かに歩いてきた道の上に、多分輝く未来がある。その光は時に曇って、でも誰かに届いて、反射されて自分の道を教えてもくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
『明日はきっと、新しい歌に出会える。そういうポジティブな信念で青春をやってくぞ!』という気概が感じられる第三話でした。来週も楽しみ。
あ、同じく口下手番長である氷川紗夜が、湊友希那の才能を至近距離で浴び過ぎて頭がおかしくなった人として、スルッと一言言ってスルッと退場するシーンは最高にチャーミングでよかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ガチストイック勢同士、傍から見ると仲悪そうなんだけども当人は強く結びついてる関係性だ~~~~い好き。
あ、あとシャッター上げる時の六花の声が『んんん”ッ!!』って感じで汚かったのも、キャラの"体温"を感じられてグッドでしたね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月17日
ど真ん中の青春力とポピパキチ力と生っぽい存在感と音楽への情熱が程よくブレンドされて、六花は良い二期主人公だなぁ…人数の回し方ほんと凄いな…。
追記 仮想現実に存在している『10代の女(と女)』を結像させる精度が異常に高く、なおかつ生々しさを上手く制御してドラマを生み出すべきところでは熱く嘘っぽく走り切る。このバランス感覚がバンドリ・ガルパというコンテンツの”色”なんだと思う。
バンドリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月18日
六花とポピパの激エモ青春乱反射が目立つ話だったが、銭湯と蔵、携帯電話越しにフニャフニャした会話をするシーンはまさにバンドリアニメの醍醐味という感じで、スゲー生っぽくていい。
おたえの途中経過を飛ばした会話がマジを食べると『バンドリアニメ』という味がする。
そういうフニャッとした生々しさの中に、『家族と離れて寂しくない?』と聞くのが姉を喪失したりみだったり、一番最初に『弾く』という答えにたどり着くのが絆創膏巻くほど練習しまくってるおたえを入れたり、キャラが背負うものへの視界はクリアーである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月18日
『あ、この状況だと答えでないな』と判断した沙綾が抹茶キャンディをポピパベイビーに食わせて、議論に水を入れて状況が沸騰するまで待っているあたり、家族を的にかけられない限りは”無敵”の女だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月18日
そんな女も過去と血縁と情にグラグラする。天才性は孤独を呼ぶ。凡人の人間強度も全てを解決しない。
みな抑えがたい業と良し悪しの個性を背負って、何らか現実を突破する方法を探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月18日
その不安定さが青春という季節を感じさせるし、そんな未完成人間の互助共同体としての”バンド”、獣達の吠え声としての”音楽”が必ず答えになる作りは、やっぱ強いなぁと思う。それがバンドごとに色合い違う所も