ガルパ履修記録。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
ハロハピ第8話まで。
”金色の獣”弦巻こころを中心に、トンチキとトンチキと気弱な常識人とやれやれ系ラノベ主人公女が集結し、独自路線でレッツゴー! という、かなりの変化球青春バンドストーリー。つうか魔球。
とにかく弦巻こころの存在が異質かつ特異で、彼女の存在引力を中心に形成された太陽系という感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
あまりにも濃い口でエキセントリックなので、主役的立ち位置の奥沢くんは常にダルく日常的な常識人属性を背負う…はずなんだが、存外彼女もフツーではない。
むしろフツー担当は花音先輩なんだが、腹を押すと『ふえぇぇ…』と鳴く気弱な彼女は、存外曲がったことが嫌いな奥沢くんが『だりー…』といいつつメインストーリーにしがみつく接着剤であり、自力であんまり状況を動かさない(少なくとも現状。とは言えドラムへの熱意は見え隠れしグッド!)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
奥沢くんはだりーだりー言いつつも、バンドマンとしてのビジュアルが『ピンクのクマ』である時点で相当な変人仲間で、弦巻こころの引力に反発しつつも引き寄せられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
マップ会話で見せる”姉”としての面倒見の良さ、情の深さもあって、状況は彼女を”常識人”の領域にとどめておかない
そこら辺の流されっぷりを楽しみつつ、物事を深く考えないはぐみちゃんと、道化でバカを演じているのか素でバカなのかイマイチわかりにくい瀬田くんは、波長が似てるこころちゃんの”世界”にスルスルと同調してグイグイと先に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
ハロハピバンストの真ん中は、常に弦巻こころだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
ここら辺は”現実”という無人称が真ん中に座り、彩と千聖がそれぞれ対局に座りつつ日菜が行ったり来たりしていたパスパレとは、当然構図が違う。
ハロハピの物語は常に弦巻こころという天才…とも少し違う人が見据えている世界を中心に進む。
それは子供の見ている世界、当たり前の正しいことしか存在しない真っ直ぐな世界だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
笑顔でいたいなら、笑顔になればいい。楽しくないことに文句を言わず、楽しいことだけしていればいい。
むちゃくちゃに思えるけども、これ以上無いほどにロジックは通っている。
普通人はそういうスムースなロジックが、いつかどこかで破綻する。財力だとか才能だとかアンビバレントな欲望だとか、そういうものに蹴躓く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
しかし第8話までだと、弦巻こころはつまずいた様子がない。子供の視界のまま、家の財力を最大限に駆使して、望むものを自分なり実現してきたようだ。
彼女が”ハッピー”を世界の中心に据える、多分25人の少女の中でもとびっきりの善人だったのは、世界に取ってよかったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
彼女は自分が見据えているものを強引に引き寄せ、そのための仲間を集めてしまえる引力を持っている。悪いものと世界を認識していたら、広がるのはハッピーではなかっただろう
しかしあまりに真っ直ぐな善は、現実と齟齬を起こす。正確には現実のほうが、理想的な善と齟齬を起こし続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
奥沢くんはそういう世界の中で、ごくごく当たり前に蹴躓いて痛みを学び、子供の速度で走れなくなった子供であろう。つまり、どこかで走りたいと思っている。
『そういうモノを迷いなく駆動させていくのがハロハピの物語なのだ』というのは、かのちゃん先輩がドラムを諦めかけていて、ハロハピ結成に巻き込まれることでドラムを続ける流れからも見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
奥沢くんがだりー言いつつ体を張って、花音の夢を守った姿からは、ハロハピ適正がかなりあることも判る
今の所、メンバーが揃うまでのドタバタした道のりが続いている。あまり強烈な価値観の衝突、厳しい現実の蹉跌は起きていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
弦巻こころのキャラクター性を考えると、奥沢くんが『こころ、普通の人はそんな真っ直ぐには進めないんだよ…』と教えるタイミングが、近いうちにやってくる…気がする。
奥沢くんが背負うダルくてヌルい当たり前を知ることで、弦巻こころの『幸福な世界』はより精度を上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
当たり前の障害につまずいて不幸せになっている人に、上から目線で圧倒的な正しさを押し付けても、人は動かないだろう。どうにか飲み込める形に、弦巻こころの『ハッピー』を加工する必要がある
トンチキギャグ漫画の住人に見える三バカも、おそらくこころ以外は自分なりの蹉跌に取り囲まれていて、小さな傷がありそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
はぐちゃんが部活絡みでなにかいいかけて、それに奥沢くんだけが気づいている状況が、今後生きるか。よほどの天才でもない限り、子供(あるいは道化、王者)ではいられない
逆に言えばそういう特別な道を歩けるからこそ、こころはハロハピのバンドマスターだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
演奏ジャンルがロックを飛び越してマーチングなのも、彼女が振る指揮棒でバンド仲間が、観客が、『幸せ』に導かれていく未来を示していると思う。もしくは、ブレーメンの音楽隊か。
こころが背負う歪さを適度に訂正するべく、一般人属性を捨てられない奥沢くんは、”ミシェル”という仮想のキャラクターを背負うことでハロハピの参加資格を持つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
ダルくてフツーの奥沢美咲では、奥沢美咲の使徒たる資格がない、とでも言うように。んじゃかのちゃん先輩はどーなんだよ!
ハロハピ的な価値観を肯定できるミシェルと、僕らプレイヤーの一般的な価値観の”窓”であり続ける意味もあってそれに『いやいや、ないから』と言い続ける奥沢くんの乖離(つまりはその先にある融和)も、今後展開していくのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
その前に、ミシェルがバンドメンバーとして馴染む必要があるけど。
パスパレがかなりの速度で状況を進めれたのは、『夢と現実の衝突』というバンドテーマが馴染み深く、あまり説明を必要としないからだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
それはそこに、いつでも当たり前にある。皆が悩み、傷つけられ、足を止めている。パスパレの抱える問題点は、説明不要の僕らの悩みだ。
しかしハロハピは、そういう対立項が実は頑迷な思い込みであり、幸福は当たり前に身近にあると言ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
弦巻こころのあの”眼”が見据える『幸福な世界』…道化で王者で子供な天才のぶっ飛んだ世界が、やべーやつの遠い夢ではなく、手を伸ばせば触れる場所にあると告げてくる。
それは(あらゆる真理がそうであるように)容易には飲み込めず、事前にかなりの描写を必要とする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
愚者は真理をすぐさま飲み込み、『幸福な世界』にハローというべくとにかく前に進む。当たり前の常識で足を止めず、楽器を手に取りバンドをはじめる。迷いはない。
かのちゃん先輩はそんな大嵐にグイグイ巻き込まれて、一般人気取りの奥沢くんは取り残され、かのちゃん先輩への義侠心から『やれやれ』と追いついてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
でもなぁ奥沢くん…ほんとにフツーのやつは卑怯だから、巻き込まれた女の子を見捨てて日常に帰っちまうもんなんだよ。
ミシェルという嘘を着込むことで、奥沢くんは自分の中にある優しくて強い存在…弦巻こころ的な存在に接近できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
常識を蹴っ飛ばし、『幸福な世界』に素直にハローと言って握手できる生き方に踏み込める。当たり前に熟成されてきた”奥沢美咲”には、そんな難しいことは出来なくても。
それを素面で受け取れるようになったときが、奥沢美咲の物語の一つのピークであろうし、そう思えるよう影響を及ぼしきったら、弦巻こころの物語も一つの完成を迎えるように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
やれやれ主人公とぶっ飛びヒロイン。実は少年漫画ラブコメの基本構図なんだな、この二人…。
こころはまだ、自分が手にしている”当たり前”が社会を構築しているドクサと強く反発し、見据えている幸福に近づく/引き寄せるためには色々苦労をしなければいけないことに気づいていないように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
それなりに体が発育したこころの幼年期は、今からようやく始まるのだ。その先達として美咲がいる。
美咲は自分の中に隠れている幼さ、いつの間にか見失ってしまったものの意味に無自覚だ。それはけして死んでいなくて、妹とかかのちゃん先輩とかを前にした時、あるいはミシェルの外装をまとった時に顔を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
…変身ヒーローなんだな、奥沢美咲くん。
ミシェルに仮託された、あるいは弦巻こころに定着している『幸福』と、素顔の少女がどういう関係を繋ぐのか。ハロハピの眼目はここかなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
他のおもしろメンバーがこの主軸にどういう反応を返すかも、なかなか気になるところだ。はぐちゃんが特に可愛くて好き。
ハロハピが見据えているものって『幸福』であって、バンドはあくまでのそのためのメディアでしかない。ようやく楽器を手にしたバンドが、そのメディアでしか伝えられないものを見つける話も、そのうちやるのかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
それは”バンド”ありきで物語を背負う他バンドとは、また別の角度からの照射になろう。
やっぱガルパは、特定のバンドに足場を固定すると絶対発生する物語的死角を、複数バンド同時進行という”語りの形態”で多角的に相補するように組み上げられている気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
ハロハピの話だけだと、フワフワ浮きすぎる。パスパレの話だけだと、ずっしり重たすぎる。その両方で均等が取れる…気がする。
パスパレでは氷川日菜という”天才”はあくまでジョーカーのしごとをするけど、ハロハピでは強力な中心として弦巻こころが据え付けられているところとかも、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
世界の実相を迷わず直感できるが故に、凡俗の共感を得られない存在は、己の特質をどう世界と、他者と、音楽となじませるか。
そこにバンドメンバーがどういう役割を果たし、バンドは彼女たちに何を与えるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年1月20日
夢のカタチは一瞬で見据えられていて、近づくというより引き寄せる物語がハロハピを待っている。その中で、奥沢くんは何に出会うのか。
”自分”という名前の決闘が彼女を待っている気がするが、さてどうか。楽しみ