鬼滅の刃を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
鬼に奪われた少年。鬼と化した少女。兄妹は闇を抜け、山を駆ける。
人理を超越した鬼との戦い、育手・鱗滝 左近次の試練。
傷だらけになりながら、炭治郎は明日の方角へ駆け抜けていく。背中に人と鬼の間で彷徨う禰豆子を背負って…。
というわけで鬼滅二話!
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
楽しいコメディ!
血みどろバトル!
男ツンデレ!
俺の好きなものしか乗っかってない伝奇お子様ランチが、大盛りで押し寄せてきた!!
そんな感じの第二話である。
可愛い可愛い禰豆子ちゃん祭りありがたい…義勇さんに続く芳忠声の男ツンデレありがたい…。
今回は第一話であえて抑えていたもの(コメディと”鬼”の直接描写)を前半に出して、後半は義勇さんとも通じる、鱗滝さんの厳しくも優しい思いが唸るお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
キャラが良いので、笑えるシーンがちゃんと面白いのが良い。血みどろの中にも笑顔がある、人間の生き方って感じがする。
つーかもぐら禰豆子ちゃんがマジ可愛い祭りで、『そういうのは早く言っておいてくれないとさぁ…今から神輿は作れないじゃん?』って思ったら、炭治郎兄ちゃんが手製の輿できっちり担いだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
出来る男だ…せいぜい練り歩いてくれ。いやマージ禰豆子ちゃんは凄いね。可愛いの概念存在だね。
冒頭、農家との払う払わないコントで生真面目な炭治郎の気性(”頭が固い”が、後にバトルで生きるところが天才の話運び)を見せ、一笑い取りつつ禰豆子ちゃん可愛い祭り。
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ハードな第一話に固まってた腹筋が緩んだところで、血の匂いを嗅ぎつけ”鬼”とのバトルへ。緩急が巧い。
炭治郎の善性は到るところで描写されていて、例えば血の匂いがしても『誰かが誰かを害している』より、『誰かが怪我している』という想像が先に立つ。
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前回殺された家庭でどう育てられたかよく判る発想力だが、戦士にその優しさは時に毒ともなる。それは石を握っての逡巡とも通じる。
鬼相手でも鬼になれない、炭治郎の中にぶっとく居座る”人間”。
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怪物が相手の、表に出ない戦いなんだからそんなものは投げ捨ててしまえと、鱗滝さんは言わない。
天狗の仮面の裏に表情を隠し、厳しい声とビンタで炭治郎を張る。”鬼”たる妹を背負って、人のまま戦えと教える。
鱗滝さんは禰豆子が人食いに落ちることを『あってはならない』と戒める。
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それは天の理法を黙って待つのではなく、人が刃を握り傷だらけで駆けずり回り、自分で守る決意だ。
『あってはならない』ことは実際に起きる。家族は皆殺しにされ、妹は鬼に落とされる。鬼滅の刃は、そこが起点だ。
それでも。
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それでも人であることを諦めず、あるべき正しいことを貫く。そのためには、妹を殺し己も腹を切る覚悟で戦い抜かなければいけない。
ただ『かくあるべし』と理想を押し付けるのではなく、炭治郎の痛みを引き受けた上で、正しさと理想を背負わせる。
鱗滝さん…”秒”で好きになっちまったな…
『鼻の良さ』で師匠と弟子の共通点を見せる演出も好きだし、何より禰豆子ちゃんにお布団をかけるこの”手”…一発で”人間”が見える。
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この人も”鬼”に何かを奪われ、しかし絶望に身を投げることなく生き抜いてきた男なのだろうと。
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強さと優しさを兼ね備えた人間なのだろうと理解できる芝居。
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そういう男が、同じく強さと優しさを抱えた炭治郎の”親”となり、厳しく鍛え優しく導いていく道のりが、今回整えられる。
深い闇と、人間性の光。その合間を行ったり来たりする兄妹は、温かい灯火に迎え入れられたのだ。
今回のお話は昼と夜とを行ったり来たりするエピソードである。
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明るいコメディパートから逢魔が時を超えて闇の中、鬼と出会ってバトル。
血闘が払暁して、禰豆子を背負って昼を走り、夜の霧山を駆け下り、また夜が明ける。
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光のある昼間は人里をちとコミカルに走り抜け、夜の山では血なまぐさい戦い(あるいはその準備)が展開する。
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今回のエピソードは時間経過と、それに伴うライティングの変化がそのまま、作品が踊る2つの舞台(人の領域と鬼の領域)を照らしている。
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鱗滝さんと出会う前の炭治郎は、鬼との戦い方、殺し方を知らない。”鬼”になってしまった妹と生きていくことが、どういうことなのかも知らない。
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それは自分の中の自費を仮面で隠し、悪鬼を容赦なく叩き潰すこと。
道を過てば、愛する人を殺して自分も殺す覚悟を持つこと。
本来なら”親”が教え導いてくれる、世間の明暗。
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しかしそれを奪われてしまった炭治郎にとって、鱗滝との出会いは唯一の導きとなる。それが”鬼滅の刃”という、物語の本道に繋がるトレーニング開始でもあるところが、非常に良く出来た構成である。
キャラの仕事が、その魂にしっかり食い込んでる。
鬼を殺せなかった炭治郎の代わりに、太陽が鬼を殺してくれる。
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それは鱗滝さんが背負って届けた光であり、しかし彼はそこに炭治郎を置き去りにしない。
血なまぐさい洗礼を受けて、もう普通の幸せには戻れなくなってしまった孤児二人。生き抜くためには、強くなるしかない。
天狗の面に同情の涙を隠して、鱗滝さんは夜の深山、罠だらけの世界に炭治郎を投げ込む。鬼に家族を殺され、鬼を滅して生きるしかなくなったのなら、その厳しさを正面突破するしかないのだ。
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炭治郎は課せられた試練を見事潜り抜け、己を証明する。鱗滝さんも、堂々それを認める。
俺は今『宇宙で一番鱗滝さんの気持ちが判るマン』だから断言するけども、炭治郎の勇気、健気、人格に触れる度にあの天狗マジ号泣寸前。
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鱗滝さんも義勇さんのように、兄妹の絆、惨劇に押しつぶされず人であろうとする意志に感じ入る。その共鳴が、烏が届けた丁寧な手紙でしみじみ染み渡るのは最高。
鬼としての本能。時分を試す厳しい育手。
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兄妹それぞれが、向き合うべき試練の前で足を止め、本当に進むべき方向に必死に転がっていく姿は、強く心を打つ。
その一線を越えるか、超えないか。溢れる涎は魂の涙なのだ。
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禰豆子は闇の奥の血をすすらないこと、禰豆キックで鬼の首を取ることで、兄の隣りにいる資格を得る。
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炭治郎は温かい灯火に自力でたどり着くことで、”鬼滅の刃”を目指す資質を証明する。
敷居をまたがないことで顕になる、人間の証明。敷居をまたぐことで繋がる、新しい家族。
鬼(序盤の雑魚に緑川光を使う贅沢、圧倒的に”正解”)とのバトルは、その奇っ怪さと凶暴、荒々しい殺意がよく出た良いアクションだった。
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禰豆子と取っ組み合いしているときの体重移動が、非常に生々しく暴力的で『禰豆子ちゃんにひどいことすんな!』と思わず吠えてしまった。
炭治郎は鬼の首と闘う時、斧を手放し相手を縫い止めることをためらわない。
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ジャンプ主人公として血みどろの運命を約束されておきながら、武器を手放せる少年なのだ。そのことが、彼に正気を呼び込む。
また、禰豆子の危機に不惜身命、己を顧みない突撃で勝利を呼び込みもする。
その迷いのなさがオッサンは心配であるが、落ちかけた手を禰豆子は掴む。その小さな手には”鬼”の怪力が宿るが、人の命を繋げる手なのだ。
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首一つになりながらキーキー喚く”鬼”は、コミカルでありながら凶暴で、命の取り合いをしているのにどこか面白い。この裏腹に奥行きがあって、結構好きだ。
炭治郎は月が見守る中、刃で命を奪うことを躊躇う。家族を奪い、眼の前で人を殺した悪鬼でも、その痛みを想像してしまう。
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人の道具である刃より、もっと野蛮で直接的な暴力。石を抱きしめつつも、やはり躊躇う。道具を使う知性を捨れないのだ。
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その逡巡を内心では高く評価しつつ、鱗滝さんは判断の遅さを怒る。ビンタで張る。
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強くなければ生き残れず、優しくなければ生きる甲斐がない。
チャンドラーのLAめいた、ハードボイルドな山里。
『鬼に勝ちたければ、鬼になれ』と吠える天狗は、『妹が鬼に落ちたらお前も死ね! 俺も死ぬ!』と続ける
いや絶対、ガキに腹切れって口に出す以上は、自分も腹切覚悟人間ですよあの天狗マジ…。
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仮面で人外演じつつも、無縁の仏をきっちり弔うところが弟子そっくりで”人間”過ぎんだよなぁ…第一話の炭治郎といい、葬礼を大事にしてるお話だね。凄く良い。
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人ならざるものに、『あってはならない』殺され方をした魂を、せめて人として葬る。哀悼と敬意を込めて手を合わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
炭治郎も手を真っ赤にして、母と弟妹を見送った。それと同じ心象を、奇っ怪な天狗面の男もしっかり持っているのだ。
少なくとも今見えてる範囲では、そういうモノが”鬼滅の刃”になる
鱗滝さん-義勇さん-炭治郎という、世代を超えた人情爆弾の系譜が感じ取れて、非常に良い第2話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
今思うと、禰豆子に口枷をつけた義勇さんの行動は、鬼に落ちつつ人であって欲しい、血を啜らないで欲しいという祈りであったのだな…人間試験主席合格か、あの櫻井。
鱗滝さんに因果を含められちゃったことで、『禰豆子の鬼落ち、魂の死=炭治郎の生命の終わり』と繋がり、それが『あってはならない』ことだと強く強調された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
人のあり方を問う闘いが、鬼を殺す戦いと同時進行するなら、弱点に見える炭治郎の慈悲は、むしろ何より強い刃となりうる。
その可能性を見せつつ、戦士としては優しすぎる魂をどう鍛造していくか。人間刀鍛冶、鱗滝左近次の人間力が今後問われそうです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
炭治郎、鬼バトルに禰豆子背負ってのマラソンにトラップ山RTAと超ハードなのに、弱音一切吐かないんだもんなぁ…強い子だよ。オジサン心配。
人一人背負って疾走しながら、思い返すのは過去の幸福、あり得たかもしれない未来。それを掴めなかった無念と、必ず掴むという希望。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
炭治郎の清廉な魂が色んな所で感じ取れ、主役への信頼感・期待感がモリモリ高まるのは、非常に良いですな。俺この子のこと、かなり好きになっちまってんなー。
そんな炭治郎に背負われつつ、物言わぬ禰豆子もまた苦しい戦いを続けている。そんな兄妹に、ビンタと布団を差し出す天狗仮面。
— コバヤシ (@lastbreath0902) April 13, 2019
炭治郎の傷と魂を認め、鱗滝左近次の元で始まる修行時代。そこでどんな
感情がうねり、残酷と美麗が踊るのか。来週も楽しみです。