からくりサーカスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
愛。不可思議なるもの。身勝手な我欲と、己を顧みぬ献身のアマルガム。
人も人形も、歪なその歯車で踊る。
傷つけず縛り付けることが愛か。痛みとともに前に進むことが誠か。
愛を探した人形の歩みが、今止まる。
夢見た場所に帰ろう。どこにもない家(ユートピア)へ。
そんな感じのさらばコロンビーヌ! 女の涙は一度だけ!! なエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
勝ちゃんと合流してからブッチギリのヒロイン力を見せ、このままでは作品をひっくり返しかねないので、いいタイミングで退場した感じすらある。最期まで貫禄の圧倒的ヒロイン背筋であった。つ、つええ…。
前半作画がちょいヘニャで、バチバチやり合う緊迫感がスースー抜けてシュールな味わいにもなっていた。嫌いではないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
その分後半、コロンビーヌの退場にはしっかり力が入って見ごたえがあった。ここはディアマンティーナとフェイスレスの関係にも刺さる楔なんで、キッチリやってくれて嬉しい限りだ
さて前半はフェイスレスくんベコベコ大逆転フェイズである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
増殖し変形する思念体フェイスレスが、悪い夢としか言いようがなくてキモかった。いやアイツ、現実でもキモいけどさ…。
"哲学者の石"を飲み込んだ勝ちゃんは、暴力的ダウンロードにもめげず、ロジックを突き詰め、"敵"を問い殺す。
勝ちゃんは対手のこともしっかり見て、自分に都合の悪い事実もしっかり見据えようとする冷静さがある。それが、ダウンロード以降手に入れた暴力をうまく制御もしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
せっかく手に入れたパワーを、女子供の顔面腫らすことばっかに使ってるフェイスレスとは大違いだな!
これまで身体的な傷を癒やし、死ねない苦痛を強化するばかりだったアクア・ウィータエ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
しろがねとの血液交換は、意志を塗りつぶすダウンロードを否定する。抽象的で精神的な価値を”命の水”は守ったのだ。
自動人形が人間になる展開と合わせて、これまでの価値が転倒し始めている。
運命逆転の奇策、価値転倒の特権は新世代にこそ与えられるもので、勝ちゃんは繰り返す悲恋とか、悪用される錬金術とか、色んな"今まで"をひっくり返している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
鳴海兄ちゃんが来る前に勝負をつけたのも、見てるだけヒロインな自分の"今まで"を否定する立ち回りだ。トリックスターなんだな。
かくしてダウンロードを跳ね除けた後は、エレオノールを玉座から開放し、天に向かって突き立つ鋼鉄の男根から逃げ去る闘いである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
身勝手な妄想でプリンセスを押し付けて、鎖で強引に縛り付けるフェイスレス、いわゆる"白馬の王子様"最悪の戯画でもあんのね。マチズモ!
そういうキモい妄想から愛する人を救うためには、分解技術をいままでどおり使っていては駄目だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
愛していればこそ傷つける。それを受け止めてくれると信頼して、オリジナルが思いもつかない飛び道具を出す。
関節ボキボキ大脱出が、サーカスの出し物っぽいのが好き。"芸人"なんだよなぁ…。
ダウンロードも分解技術も、用意した自信を軒並み下され、フェイスレスは一人で天に絶頂する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
『世界の果てで、一生妄想シコってな!』と言わんばかりの仕打ちだが、ストーカーでDV野郎で相手の話聞かない顔も見ない超エゴイストには、当然の仕打ちか。
人形は人の荷姿であり、製作者のエゴを跳ね返す鏡。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
本当に求めている愛は死せるフランシーヌ(と兄)に向いているのに、その事実を受け止めきれず、世界を玩弄した顔なしの怪物。
それが生み出した人形は、身勝手な愛をぶん回し、犠牲の意味を理解することなく去る。
創造主と同じ顔、同じ血、同じ意思を継ぐエレオノールは、"最古の四人"を再定義し、道を変えさせた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
リーゼを救うアルレッキーノ。白銀の槍を自分ではなく、勝の愛を守るために差し向けたコロンビーヌ。
その在り方が美しく見えるのなら、造物主の魂が持つ輝き故だろう。
魂を持つものは生き方を変えられる。見えている世界を変えて、より良い方向に歩き直せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
サハラではドットーレを殺した"変化"が、生き残りの三人には別の形で響いていること…その証明をコロンビーヌが見事に果たしたのは、なかなか面白い。
フェイスレス君は魂の根っこを凝り固まらせてしまっているので、そういう変化は届かない。"分解"は出来ても"再構築"は出来ない辺り、錬金術師としても三流なんじゃねーの?(時を超えたオカルト罵倒)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
まぁラスボスもうちょい頑張ってくれないと困るので、キモいスーパーエゴのキモキモ人生は続くのだ
一方、そういう業から自分を開放したコロンビーヌは、勝とエレオノールを守るために、武器を救いと差し伸べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
殺すための道具で、誰かを救う。ここら辺の相転移は想い人の勝ちゃんと共鳴してて、しかし勝ちゃんの思いはあくまでエレオノールにあり、そんな自分を必死に封じ込めてもいて…。
やっぱ(コロンビーヌ/人形の壁/→勝/子供の壁/→エレオノール/記憶の壁/→鳴海)という構造は、あまりに届かなすぎて見ててしんどい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
人の純粋な想いは、ただそれだけで壁を貫けない。どうしても立ち止まってしまう障壁があって、でも純情は時に理不尽を乗り越えて、奇跡を起こす。
下に鳴海兄ちゃんが待っていると確認しないまま、恋敵であり恩人でもある男に、想い人を預ける。自分を守ってくれた親友に報いるために、もう一度死地に進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
その清廉は、エレオノールも含めて勝を守るために、自分の安全を手放したコロンビーヌを抱きしめていく。
コロンビーヌが"才賀勝"を求めていたかというと、これは難しいと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
心地よい潮風のように、感じられないからこそ憧れる"恋"。王子様に抱擁されるファンタジー。
それが"才賀勝"の形で、生まれ変わったコロンビーヌに舞い降りた。ここ二・三話は、そういう話であったような気がする。
それでもやっぱり、コロンビーヌの瞳に写っていたのはエレオノールのためにズタボロになり、優しさと強さをぶん回す勝ちゃん個人の顔で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
その尊厳に引き寄せられたから、コロンビーヌは命を手放し、命を手に入れる決断ができたのだろう。
与える。手放す。その決意が、愛の根源か。
コロンビーヌは命を絵の具に、尊厳を刻んだ。機械の体でも、魂の尊さを証明できると僕らに焼き付けた。(ここら辺、ジョージとよく似ている。やっぱ脇役の生き様刺さるなぁ、藤田作品は)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
そんな彼女を寂しく終わらせるのではなく、愛を置き去りにしても足を向け、抱きしめる。勝ちゃんマジ偉い。
急にパワーをダウンロードされ、ヒロインからバトルの主役に躍り出た勝ちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
そんな彼の魂を試し、疑問を投げかけ、生き方を問うたコロンビーヌ姐さんは、やはりとても良いキャラであった。彼女と触れ合うことで、勝の人格がぐっと彫りを深め、面白くなったのだ。
首だけになった醜い姿を、見られたくないと強がる最後の美意識。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
機械の形に捕らわれず、コロンビーヌの魂を素手で抱擁した勝の涙。
別れの夕日は非常にいい塩梅に、心に刺さった。ぶっちゃけ、勝のヒロインはコロンビーヌだよなぁ…アニメだと、リーゼの蓄積ないから余計に…。
コロンビーヌがたどり着きたかった"お家"は、どこにあったのだろうか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
愛され、奪うのではなく与え、他人の顔を見ること。変化し、変化の兆しを手渡すこと。
つまり"人"であることが、自動人形の夢ナノではないかな、と思う。
構成素材や初期条件を乗り越えた先にある、見果てぬ万人の夢。
他のキャラクターが物語を(その生死にかかわらず)終える時、たどり着くだろう家路。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
コロンビーヌはそこにたどり着いて、月下の道を帰っていく。そこに彼女を導いたのは、エレオノールの新たな命令であり、勝ちゃんとの出会い、抱擁の決断でもあろう。
恋よりも、今は友を抱く。侠気人間じゃん勝…。
こんだけ重たい別れの最後に、己の心を問われた勝ちゃんは、誠実な行動でそれを証明しなければいけない。コロンビーヌが、人形の可能性をしっかり証明したように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
主役が背負うものが更に重くなり、戦いは続く。宇宙に射出された全世界規模の大迷惑童貞も、まだまだ諦めないぞぉ! 夢は必ず叶う!!
そんな感じのモン・サンミッシェル大決戦、決着のエピソードであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
個人的に、アニメで一番株が上がったキャラかもなー、コロンビーヌ。力だけ手に入れて芯がなかった勝ちゃんを、立派な主役に立ててくれた。
彼女の生き様が、残った二人の"最古の四人"にも引き継がれていくところも良い。
ダウンロードの器から、魂を鋼に変えた主人公へ。人間を貪る悪鬼から、人に憧れ学ぼうとする自動人形へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
様々なものが移り変わる中で、記憶を失った鳴海はエレオノールと再開する。二人の恋はどう動くか。勝の純情はどうなるのか。
からくりサーカス終盤戦、姐さんの魂を背負って、更に加速ですね。
追記 怪我の功名というか、瓢箪から駒というか。人数を削って絞った結果、生まれた集中効果。コロンビーヌちゃんつえー。
からくり追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
黒賀村編をぶっ飛ばした結果、アニメでのコロンビーヌがほぼ唯一の『勝の同年代の友達』になったことが、結果としてヒロイン力を上げた感じもある。
それはエレオノールには与えられない共鳴で、身体が可変な異形だからこそ生まれた奇跡なんだよなぁ…おもろいなぁ。