ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
最終盤戦を前にしての、一息入れる総集編である。
普通の総集編を、エフェクトバリバリのPVで挟むこむような構成。五部アニメは長丁場をダレさせないために、色々工夫しているなぁ、と感じる。
おさらいパート短めも、そのひとつな感じ。
合間合間に字幕を挟み込み、ボーッと忘れてる視聴者に『ここがポイント!』と強調するような編集。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
それを見ると、アニメスタッフが原作から見て取り、再構築した作品のコアがなにか、少し見える気もする。基本的には今まで書いてきたものなんだけども、こうしてまとめ直されると、新たな発見もある。
前回のSPからスクアーロ&ティッツァ、ノートリアスBIG、サルディニア決戦を挟んでいるので、トリッシュ覚醒が強調されるのは納得。大きな事件だからね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
並べ直されると、"未来"が一つのキーワードなんだな、ということが見える。未だ来ず、だからこそ様々に変化しうるもの。
ボスは『ポッカリと空いた穴』として、未来を表現する。自分の絶頂を邪魔する、マイナスポイントでしかないと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
ブチャチームは黄金の可能性を未来に見ていて、だからこそボスに反逆した。恐怖に屈し、首輪をつけられ生きていくことを拒絶した。
自分の手で、不定形の未来を掴むことを選んだ。
それは組織のトップに立って、全てを真紅の暴力で従える"父"と、その圧政に叛逆する"子"の世代間闘争なのかもしれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
未だ成長途中の子供にとって、未来は可能性に満ちている。
ドッピオという自分の中の幼年期を、成長を止めて圧殺したボスにとって、変化の可能性は悍ましいだけだ。
やっぱ世界認識のぶつけ合い、何を尊いと感じるかの価値観バトルなのだなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
『子を疎むような親はいない』
ブチャラティは自分をマフィアに追い込んだ、父への愛をそれでも信じて、ハッキリと断言する。自分を包んでくれた"父"の愛が、ボスにもあると、まだ信じたい。
だから『裏切った!』と叫ぶのだ。信頼し、体重を預けていたものが期待から反していた。失望に食いつぶされないために、"子"たるブチャラティは反乱を選んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
その代価は、既に支払われている。今がロスタイムであることも、この総集編は抜け目なく再確認させてきた。
先週散ったアバッキオも、かつて法に信頼を預けていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
腐った現実に未来を閉ざされ、同僚の命と明日への希望をぶっ殺された後で、彼はブチャラティに出会う。チームとジョルノに出会う。
『全てダメにしちまう』と己を評した青年は、チームが見据える黄金の風に、魂を蝕む腐敗を浄化してもらえたのか
それを断言しきれない余韻がある所が、"今にも落ちてきそうな空の下で"を名エピソードにしているのかもな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
五部アニメは血なまぐさい暴力、画面を埋め尽くす赤を敵味方区別なくしっかり描く。彼らはギャングスタ。普通人を巻き込むのを嫌っていても、やる時はやるのだ。
アバッキオも法を投げ捨てて暴力に身を投げ、それでもブチャラティに引っ張られる形で光の方にあるき出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
『空っぽの信じるのは、大きな力だけだ』
そう言いつつ、リーダーより巨大な組織ではなく、ブチャラティ個人に命を預ける。船に乗る決断で、アバッキオの過去は克己されていたのではないか。
そんな事を考える総集編だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
他人の幸せを定義することは出来ない。志半ばで、しかし何かを手に入れ何かを残して死んでいったアバッキオは、幸福だったのか。
それは僕には分からないけど、考えることは無意味ではないと思う。とても広く大きいものを五部は書いて、アニメはそれをよく見ている。
これから散っていく命と意志、受け継がれ叛逆する運命もまた、答えの出ない問いで満ちている。それはスパッと答えを出されるより、馥郁とした余韻を残すだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月3日
ここで一息入れて、ラストスパートの終盤戦。血みどろの聖戦がどこにたどり着き、何を描くか。来週も楽しみですね。