ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
邪悪極まる緑の悪鬼は、ジョルノの憤怒でゴミと化した。しかし、まだ戦いは終わっていない。石畳の奥、人目の届かぬ地下の泥濘を泳いで、ブチャラティとセッコの死闘が続く。
目指すはコロッセオ、希望が待つ場所。力を奪われた戦士も、そこで静かに運命を待つ
そんな感じのVSオアシス決着編ッッッ! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
チョコラータ先生がおっ死んだ途端、IQ上げて従順度を蒸発させたセッコが、知恵比べ生き様比べでブチャラティとバトルである。
ジョルノとチョコラータとはまた違った、ゲス極まる強敵を鏡に魂の色合いを見せる、良いバトルであった。
セッコはチョコラータの遺志にツバをぶっかけ、欲望をドライブさせて主体性を手に入れた…ように見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
しかしその実欲しいのは"安心"であり、自立したのは今まで自分を飼って責任から遠ざけてくれたスーパーエゴが死んでしまった代理でしかない。ある種の逃避として、死んだ依存先を侮蔑している。
何しろ人非人同志の繋がりなので、一般的な価値観では図りきれないけども、チョコラータが生きている間に、セッコが求めるものをちゃんと与えていたのは間違いない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
金、角砂糖、安心。泥濘に包まれ、敵と対峙することなく殺すスタイルは、セッコの能力と深く繋がっている。
セッコは今までの奴隷スタイルを投げ捨て、かなり頭が切れる所を見せる。これまでブチャがそうして、運命を切り開いてきたように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
ブチャが"スティッキー・フィンガー"で『泥中を泳ぐ』という自分のスタイルを模倣した時マジギレしているが、模倣は実は同じことだ。
ブチャは泥潜りの新参者として、能力面ではセッコに圧倒される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
しかし"死体"という新たな要素(時限タイマー付きの呪いでもある)を活かし、持ち前の覚悟と知性を活用することで、コロッセオにたどり着く資格をもぎ取ることになる。
それは安心のための逃避ではない。
セッコは不慣れなギャングスタ・スタイルを維持しようと強がるが、覚悟を持って危機に飛び込む、"安心"とは程遠い生き様を乗りこなせない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
そんな弱さを虚心に認めて、策と意志で足りないところを埋める工夫もできない。そういう機転は、今までチョコラータに任せていたからだ。
『自分は独り立ちできる』と勘違いしたマンモーニが、魂のドス黒さ、根本的な未熟さを見せてぶっ倒されるという流れは、ペッシとよく似てもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
あっちは兄貴が好きすぎて負けたが、こっちは自分がどんだけチョコラータに依存していたか、正確に把握できず負けた感じだなぁ…。
闘いは近距離パワー型同志の、激しい殴り合いで開幕する。ただぶつかるだけでなく、ジッパーVS地面潜り、お互いの異能を白兵戦としっかり組み合わせたアクションが興奮を呼ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
やっぱ拳VS拳の真っ直ぐバトルは、原始的な味わいがあって非常に良い。血圧上がるわ。
シンプルな打ち合いでは勝てないと踏んだ(あと勝利条件を『コロッセオに先に到達する』に変えた)ブチャラティは、能力を活用して相手の領域に滑り込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
それをセッコは最初、『隠れ潜んでいる』と解釈する。自分の価値観で世界全てを判断するのは、ちょっとボスに似てるな…。
お互いの能力を活用し、泥中で展開する盲目の追いかけっこ。ここら辺の描写は人間サイズのサブマリン・バトルで、文法が完全に潜水艦映画だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
音響で敵を見据え、探り合う緊張。窮地に追い込んだ油断が、敗北を呼ぶ知略戦
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そして音響爆裂で相手の"耳"を潰し、勝勢を揺るぎないものにする決着。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
深海で静かに息を潜め、必殺の機会を待つ。お互いが見えないからこそ、知恵と覚悟が問われる潜水戦を、人間サイズでやれるのがスタンドの異能だ。
前半のバチバチ殴り合いと合わせて、アクションで魅せる回といえる。
何かとモノが落ちてきて、地面を揺らす描写が多いのも、爆雷投下を思わせ面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
西部劇のガンファイト、クリーチャーホラーの文脈とかもそうだけど、異質な分野からエッセンスを引っ張ってきて、面白く活用するセンスが荒木先生は高いなぁやっぱ…。
耳を潰されることで、セッコは安心"から引きずり出され、足を潰される。看板や猫に怯え、卑劣な人質作戦に打って出る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
完全にチョコラータの末期と同じ流れで、『君ら仲いいねぇ…』って感じ。
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卑劣漢、悪党、殺人者としてもセッコは新参者で、ドッピオ(の奥に宿るボスの殺意)には届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
よりにもよって分厚い死亡フラグを抱え込んだセッコだが、携帯を睨みつける怪物の視線には気づかず、敗北に近づいていく。
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このディアボロの"眼"は今回一番印象的なところで、無害を装いつつ冷たく周囲を睥睨し、"安心"のためならどんな犠牲でも払うどす黒い覚悟がしっかり宿っていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
この"眼"を手に入れきれなかったからこそ、セッコは状況を判断しそこね、最悪の選択をする。ブチャの声も耳には入らない。
耳には入らないのに、推察自体はブチャの行動と重なっている。やはり推察する知性自体は高く、しかしそれで未来を掴む意志を持たないから、ゴミ収集車にINなのである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
ほんと仲いいね、君ら。ゴミ同志だからな!
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くっさいゴミに囲まれ、チョコラータの死骸と顔つき合わせながら、セッコは何を感じたのだろうか。みっしりと何かに包まれている安心感か、自分に安心を与えてくれる存在の不在か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
どっちにしても、チョコラータは死にセッコは生き残る。ジョルノとブチャの魂、それぞれの色合いが見える決着だと思う
ジョルノは燃える怒りを超なげぇ無駄無駄に乗せ、敵を完殺せしめた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
ブチャは『命までは取らない』と慈悲を見せ、人質を取るゲス野郎相手でも戦闘力を奪うだけだ。
やっぱブチャ、根源的にギャングに向いてない。ジョルノが向いているかというと、結構悩むところだけど。
向かない仕事に本気で挑んだ結果、ブチャは一度死にロスタイムに入った。体を貫かれても止まらないタフネス、世界を見据える瞳の強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
"死人"であることはこの戦いでは強みだったが、ついにそのツケを払う時が来た。迫るドッピオ、緊迫の次回を待て! って感じだ。
良いヒキだなぁ…。
安心から這い出して、自分の責任で未来をつかもうとすれば、時に代償を払わされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
コロッセオで待つポルナレフの義足は、一足先にその重たさを教えてもいる。ポルポルくん…陽気だったキミがこんな姿に…。
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四部で暴れまわった"矢"を抱え、三部のキャラが顔を出す。ジョジョ・サーガの力強いうねりを感じるが、その実相は来週を見なきゃ分からん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
ブチャの『進む厳しさ』と、ポルナレフの『待つ辛さ』が同時に描かれるのは、奥行きがあって好きな描写だな。同じものを求めつつ、別の苦痛、別の力がある。
後セッコの安心第一主義って、組織に身を寄せた時のブチャチーム…特にアバッキオにも通じる部分で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
実際ヴェネツィアで舟に乗るときも『欲しいのは安心だけだ』みたいに、今までの生き様にしがみつく言葉を言ってじゃんアバッキオは。
しかしそれはあくまで言葉で、生き様は"安心"に背中を向けた。
巨大な組織に背中を向け、常に命を狙われることになっても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
自分を長い雨から引きずり出してくれた男に魂を預け、自分の意志と判断で窮地に飛び込み、何かを残して死んだ。
それはセッコには出来ない生き方で、そこら辺の呼応も面白いな、と思う。
結局セッコがゴミまみれの奴隷に戻って退場したことを考えると、アバッキオも自分の原点…『善いと思えたことを必死で貫く警官』に帰還して、真実の自分を取り戻して退場したんだなぁ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
迷い、強がり、偽っても、結局人はその起源に帰ってくる。変わったように見えて、元々あった魂が息を吹き返す。
それはGEにぶん殴られることで、青雲之志を思い出したブチャにも通じる部分だ。そうやって生き直した男の物語には、もうあまり時間が残されていない。それでも残るもの、受け継がれるものは確かにある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日
過去の英雄たるポルナレフは、泥から這い出し天を目指すギャングスタに、何を委ねようとしてるか
最凶コンビを退けても、ローマ決戦はまだまだ続く! クライマックスはまだまだこれから、ジョジョ五部、更に盛り上がっていきます。来週も楽しみですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年5月31日