スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
惑星レインボー、それは命が静止した、星屑のポンペイ。
スターカラーペンの反応を追いかけ、ブルーキャットの秘密に踏み込んだ好奇心が、単眼の悪意を引き寄せる。
我欲のために星すら喰らう、兇猛なる我欲。虹の星最後の生き残りは、荒野に何を見る。
そんな感じのキュアコスモ攻略全編！ アイワーンアンタもう死ぬしかないよ！！ なお話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
かわいい系の外見と小悪魔ムーヴ、恵まれた声でもう誤魔化せないレベルの邪悪がぶっぱされ、詐術とか裏切りとかが可愛く思えるドス黒さが、単眼幼女に宿るお話。いやー、良いヘイトアーツだった。畳み掛け凄い
第15話以来のマオたん強化月間も、次回の変身を持って一区切りとなりそう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
その前にブルーキャットのオリジンを見せていく回であり、もしかすっとアイワーン退場の前振りをする回でもある。そして少女たちの冒険と成長のお話であり、学びの意味を問う物語でもあった。相変わらず欲張りなアニメだ。
今回も良いところたくさんあるのだが、一つにはスペース社会見学としての切れ味の鋭さがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
スタプリの少女たちは、世界の明るい側面からも、暗い側面からも色々なものを学ぶ。石化した住人たちはフィルターを掛けられた”死”で、アイワーン（を、自分たちが引き込んでしまったショック）は”悪”だ。
それは子供から遠ざけられてはいるものの、世界に確かにあるものの一つで。ロケットに乗っかって宇宙を旅する中で、プリキュアに変身し戦う中で、少女たちはそれと出会う。強くショックを受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
しかし、見知らぬ恐怖に足を止めず、その内側に踏み込んでちゃんと”死”、あるいは”悪”の目を見る。
まっすぐ見据えれば、そこには想像力の輝きが残っていたり、善悪に揺らぐ危うさが、あるいは逆転のチャンスがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
イマジネーションを殺さず、あるいは過剰に薄暗さから保護されることなく、知らなかったけど確かにそこにあるものに、誰かの助けを借りながら立ち向かっていく。
スタプリはそういう、『闇と対峙することで得られる学び』みたいのをとても大事にしているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
今回それが一番出ていたのはララで、かつて過剰に”大人”であることにしがみつき、AIが提示する冷たいデータだけを重視していた彼女は、数字の裏側にある生命の鼓動を、実地で学び取る。
ほんとブルーキャットのカバーに入った時、その後自分が見つけたもの、キャットとの共通点を大きく叫ぶ羽衣くんが立派すぎて、ガチで尊敬してしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
スタプリはキャラに尊敬させられるシーンが多めで、非常に有り難い。ひかる達と出会い、時にぶつかって見つけれたものなんだよなぁ、今回の言葉。
冷たい数字の裏に、自分と同じ個別の命があること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
あるいはブルーのサングラスの裏に、確かに笑顔と輝く瞳があること。
見ること、学ぶことは明暗を問わずに投げかけられて、少女たちをより良い方向に進めていく。冒険に飛び込み、新しく出会うことが、可能性と知恵を広げていく。
ワクワクする超越的冒険譚の中に、凄く普遍的な学習と教育の力を入れこんで、それを真に迫る言葉とドラマでちゃんと届けられているのは、児童向け番組としても、むき出しの物語としても非常に強いことだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
説教臭くない形で、すげー真っ直ぐな”善”を問えてるのは偉い。
今回はまだ、プリキュアたちが見つけた…サングラスの向う側にあるのだと信じた輝きは、ブルーキャットには届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
奇跡の南十字星が、過去を取り戻してくれるかもしれないと信じたからこそ、ブルーは浄化を待ったのだと思う。でも、必殺技は救済を連れてこなかった。だから悪徳を続けることにした
そこで”怪盗”に戻らざるを得なかったブルーもまた、惑星が石化する前はただの子供であったはずで、突発的な暴力により幼年期を奪われてしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
これはかつてのララ、今現在のフワと同じであろう。ブルーは幼く無垢だった自分自身を盗み出し、自分の願いのために濫用しかかっているのだ。
それは誰かに止めてもらわなければ、悪いと解っていても止まらない魂の躍動だろう。そうやって”大人”になること、子供であることを捨てることでしか、マオ（とかつてのララ）は思い出や倫理を守ることが出来なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
フワを追いかけることは、マオの失われた幼年期を取り戻すことになる
どれだけ自分と違っているように見えても、どこかに共通点がある。同時に、確実な境界線があって、それを踏み越えないための条件がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
アイワーンは『裏切られた！』と叫ぶ。盗人猛々しい限りだが、裏切りは信頼の背中であり、『誰かを信じたい』という”善”が大量殺戮者の墓場泥棒にもあるのだ。
そういう気持ちがあるのに、アイワーンはマジカルハザードで星1つ石に変えて、遺産を盗み出して売っぱらう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
プリキュアにも色んな悪役出てきたけども、『死体の服を剥いで売る』タイプはなかなかない生臭さで、良いヘイトアーツだと思う。ただぶっ殺すより”肌理”が細かい悪だ…。
アイワーンはその単眼の視線で、凄く身勝手な世界しか見ていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
ブルーが必死こいて集めたペンを略奪して、取替されれば『アタシのだっつーの！』と吠える。
大量殺戮をサラッとやってのけるのに、復讐者の謀略には怒ってみせる。
自分だけが特別、お前ら全部エサ。そういうエゴイズムが宿っている
いや実際、ブルーはアイワーンよく殺さなかったと思う。あんだけ信頼預けられてると、背中から刺すチャンスは何度もあったわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
一時的な感情を解決するより、同胞が人間に戻る方法を見つけるまで怒りを飼い殺して待つ方を選んだんだろうな…メンタルが宇宙超合金で出来てんな、あの女…。
散々他人の命石ころ呼ばわりしておいて、追い詰められたらそこから逆転をその”石ころ”に預けんだもん…首尾一貫した視野狭窄っぷりで、死ぬしかないポイントがあっという間にカンストしていった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
ブルーにとっては、同胞の魂にクソまみれの足擦り付けられてる状態なのが、ヘイトを強化してグッドです
アイワーンのマジカルハザードは、ひかる達を楽しい冒険に導いた魔法科学の影でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
正しく知恵を使わなければ悲劇が起こるし、そこで正しく過ちを振り返られなければ、さらなる最悪が拡大していく。ファンシーな外見で装いつつ、すげーディープな科学倫理の話に踏み込んでいると思う。
ブルーはアイワーンのように、エゴイズムで目を塞いでしまっているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
サングラスを用いた演出が今回よく冴えて、まだイマジネーションを殺しきっていないが、現実の重たさを前にイマジネーションを信じ切れもしない彼女の震えを、よく反射していた。フワの無垢さを前にだけ、その瞳は見える。
だがレンズは彼女の迷いを反射して、彼女が見据えている（はず）のものをしっかり見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
滅びた星への、譲れない愛惜。どす黒い悪への怒り。子供が復讐者、奪還者であり続けるためにまとった鎧は、噛み殺した輝きを抑えきれず、鏡に写し取る。
その反射をひかるは、バケニャーンの瞳越しにじっと見つめる。あるいはフワは、変身香水の匂いを嗅ぎ分ける。本当にしっかり見れば、まだイマジネーションが死んでいないかどうかは、結構分かるのだ。そこには年は関係ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
ブルーの人間性の残量を、フワの『いい匂いがする』で見せるの旨かったなぁ
プリキュアたちは奇跡を起こせなかったことを、奇跡を信じる幼い子供をブルーの中に蘇生させれなかったこと、悔やんで追いかけるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
伸ばした手が触れた時、マオはまだ自分の中に復讐者以外の部分が残っていることに目を向け、思い出すだろう。
そういう歩み寄りと変化の予感があるのはとても良い
やっぱフワくんの幼さがブルーにどう刺さるかが、来週の重要なポイントだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
カッパードさんは『奪われたから奪い返す』というロジックだったけども、ブルーもそっちに行っちゃうのか。それともフワの無垢な笑顔の中に、幸福だった時代の自分、取り戻したい光を見つけ直すのか。
その手助けをする（だろう）プリキュアにとっても、なかなかの正念場である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
まぁあの子ら根源的に真摯だし賢いんで、ちゃんと言葉は届くと思うけども。殴り合いと同時並列で、霊を救う瀬戸際のバトルに勝たなきゃいけないのは、ヒーローの辛い所、尊い所だね。
アイワーンは予告で生身巨大化してたんで、退場第一号になるオーラがムンムン出ているが、どんな相手であれ命を奪うと、スタプリの子らマジガン凹みすると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
ので、あんま傷残さない形で報いを受けて欲しい。外道の上に外道を積んで、一気に死地までぶち抜ける勢いはかなり好きだけども。
つーわけでスタプリらしい、明暗が複雑に入り交じるお話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
ブルーが嘘つきの盗人で、アイワーン裏切って仲間についてもモヤッとしそうなところを、最悪のド外道にして『あ、裏切りとかはまぁどうでもいいや』って所までぶっ飛ばしたのは、なかなかの豪腕だなと思う。そらー裏切るわ。許せねぇわ
まぁ来週は声が保志総一朗になったひかるが『何我慢してやがる…お前は今泣いていい！ 泣いて…いいんだ！』って叫んで、声が緑川光になったキュアコスモが惑星レインボーの大地に突っ伏して慟哭すると思います。（ジジイは何でもかんでもスクライド病）
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
犠牲者達の命運は。復讐者の魂は。戦士たちは奇跡を掴みうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
お互いの瞳の奥を見据え、そこに宿る想像力の輝きを受け取りつつも、手を取り合えない怪盗とプリキュア。その断絶を乗り越える運命の闘いが、一体どう描かれるのか。
一つの区切りになりそうで、来週もとても楽しみです。
追記 壁の向こう側を見る能力は、今後様々な形で格差が広がっていくだろう世界に進む子供たち（と、かつて子供たちだった全ての存在）にとってとても大事になるだろう。だから今”Imagination”なんだと思う。
スタプリ追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
書面上の数字の知識から踏み込んで、その奥にある一個一個の悲劇に思いを馳せる。ララが今回見せたのも、多分想像力の飛躍、イマジネーションの力の一つなんだと思う。
メインテーマに定めたものを、色んな角度、色んな強さで毎回しっかり掘り下げるのはスタプリの強い所。
あの年でその事実に気づけたことで、ララが例えば将来難民高等弁務官とか大企業の社長とか政策意思決定者とか、シリアスな”数字”を扱う職についた時（そしてつかなかった時）より正しくより善い決断を果たせるわけじゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月9日
それはファンタジックな物語の中で生まれる、リアルでシリアスな学習なのだ
