スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ダークネストの溢れる力が、アイワーンから意識を奪い取る。荒れ狂う暴威そのものと化した単眼鬼に、星奈ひかるは苦しみを見る。
想像力は孤独を超えるのか。優しさは哀しみを贖いうるのか。
思いを拳に込めて、少女と少女が出会う。
今、星が動く時。
そんな感じの誕生! キュアコスモ回である。ツンツン小悪魔のままなし崩しに呉越同舟という、なかなか面白いチーム参入となったユニに、今後の期待も高まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
お話としてはバリッバリのアクション、ラスボスとの対峙に主人公が主人公たる所以、その影響を絡めて描く、勝負のエピソードとなった。
脚本・村山シリーズ構成、コンテ演出・座古SD、作監・板岡錦という強すぎる布陣で描かれるアクションシーンは、圧巻の一言。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
特に1カット長回しで展開するチームアクションは、背景動画のダイナミズムも合わせて非常に見応えがあった。スペクタクルだぜ…。
ユニの魂の色合いは先週濃厚に描いたので、今回は過去を超えた現在と未来を描いていく話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ひかると出会って、プリキュアとして運命を切り開いていく。それがバンダイ様が敷いたレールではあるのだが、同時にお商売の都合だけで物語は駆動しない。感情と説得力、というものがいる。
今回ひかるは”見る”ものとして描かれ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
アイワーンの怪物的外見の奥にあるもの、”敵”とされるものの苦しみをしっかり見る。見えないのなら想像する。
世の中全てが、甘い優しさの中にあるという夢は第11話で砕けてしまった。しかし仲間に支えられ、星奈ひかるは持ち前の想像力を新造している。
それは暗くて怖い場所の奥にも、自分と共通する光や優しさがあるかもしれない、と想像できる力だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
確かに世の中暗い。恵まれたものには思いもつかない闇が、たくさんあるだろう。しかしそれは、そこからはじき出された存在が暗がりを覗き込み、手を伸ばす可能性を全否定し得ない。
私とあなたは違う。世界には知らないことがたくさんある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
あらゆる子供が出会って足をすくませる、世界の真実。ひかるはその重たさに一度立ち竦み、しかし二度目は諦めない。
見る。考える。想像する。カッパードさんに投げかけられた未熟さを、必死に善いものにしていこうと自分なり、努力している。
”見る”ひかる、アイワーン個人の苦しみへの想像力に、ユニが見入るのはよく判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
仇敵たるアイワーンをバケニャーンが殺さなかった理由は、今回よく伝わった。奪われてなお、身近にいれば見えてしまう。身勝手で残虐な存在の中にも、微かに残る人間性の光が。
それをむしり取ることは、自分自身も無明の闇に落とすこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
それが見えていたからこそ、バケニャーンは刃を収め、奇跡を待ち続けた。ただ座るのではなく、悪に身を染めてでも奇跡をもぎ取りに行った。
そういう賢く強い少女だからこそ、諦めず考え続けるひかるの”目”に見入るのはよく判る。
しかし積極的にひかるを煽り、試すカッパー度さんもまた、ひかるの”目”を覗き込んでいたように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
今回カッパードさん、影の濃い作画がシャープで印象的だったけども、深い狂信の奥に何か強い感情を、ひかる(が背負う価値観)に向けている印象も受けた。
見ること、想像することを諦め単機能になれば、確かに強い力が手に入る。脇目もふらず一直線、敵は敵で味方は味方という狭い視野で世界を見れば、暴力で他人をねじ伏せるのは簡単だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
しかしそれは、わかり合いたいという希望の薄暗い反射なのではないか。”見る”ことを蔑するのは、”見たい”からでは?
そういう疑問も、今回アイワーンを殺さなかった運びに見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
醜くおぞましいものこそ、その実救済を求めている。凶悪な外見、悪しき行いの奥にある叫びを受け止めて欲しいと、真実願っている。
ひかるの想像力は、綺麗で楽しいものだけでなく、醜く目を背けたいものにこそ向きつつあるのだ。
そしてそんな変化(普遍的価値と繋がる”成長”と言い切ってもいいかもしれない)を促したのは、怒りをむき出しにしたカッパードさんの言葉だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ひかるは(視聴者、つうか僕)と同じように、第11話の衝撃を忘れていない。子供時代が破綻した瞬間の痛みを、よく覚えている。
しかし”キラやば”な世界が壊れてしまった痛みにうずくまるのではなく、自分が知らなかった世界の真実を受け止めた上で、自分が抱える光は嘘ではないと、しっかり目を凝らして新しいものを探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
その強い視線こそが、想像力が断絶を乗り越える時不可欠な知恵なのだろう。
それが胸元に×を掲げ、かつて受けた疵に足を止めている(だろう)ノットレイダーに届くか否かは、物語が最後まで走らないとわからない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
今回ダークネスト様が目立ったことで、狂信集団としての凄みもよく出て、なかなか盛り上がった。他人と自分にNOTを突きつけるからノットレイダー、でもあるんだな
ひかるの視線も、それに感化され憎悪を乗り越えることにしたユニの思いも、アイワーンは一旦拒絶する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
それでも、想像力を塗りつぶし意志を略奪してしまう在り方に、プリキュアは俄然NOという。ひかるを中心に広がる”見る”強さは、今後も靭やかに作品を支えるだろう。
今回はユニとひかるの接触編としてもヤバな仕上がりで、グイグイ女とツンツン小悪魔が出会っちまって、拒絶したいのに溢れる光が影の中に滑り込んできちまう心の動きが、随所に瑞々しく輝いていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
戦うときでも、フツーの時間でも、星奈ひかるの真っ直ぐな視線は、疲れた少女の鎧を突破してくのよ。
マオに裏切られ、ブルーキャットにも裏切られたプルンスくんが、星なき仲間、出会った隣人としてユニにドーナツを差し出すところも最高だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
やっぱメシで繋がる関係描写に自分は死ぬほど弱くて、ドーナツを受け取り口にした瞬間落涙してしまった。プルンスくん、お前は本当に偉い…。
お腹が空いたらみんな哀しいし、そういうところに想像力を伸ばすところからどっしりした人間関係が始まるわけじゃないですか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
食物を分け与え、腹を満たす。それは本当に大事なことで、子どもたちを見守るプルンスくんが異星の”ドーナツ”差し出すことには、俺凄いデカい意味があると思っております。
ユニは今後日常にほだされて笑顔を思い出していくとは思うが、惑星レインボーには未だ奇跡は起きていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
去りゆく故郷を見送る時の、少し寂しい表情はとても良かった。それはそれとして腹は減るし、ドーナツは巧い。生きてる限り、怒りも哀しみも喜びもつきまとってしまうのだ。
アイワーン一生ウガーしか言わないので、カッパードさんを質問投げ役として設置して、プリキュアサイドに深みを出してくスキのない配置とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
レインボー星人驚異の生態とか、色々技ありな話であった。一個の源流から枝分かれする、全にして一たる生命体…マジSFが”太い”なスタプリ。
レインボー星人が獣の外見をしてるのも、有性生殖をしないのも、異質な存在との断絶を想像力で埋めていく作品として、とても大事な描写だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
外見も生まれ方も違うとしても、痛みと笑顔に想像力を伸ばすことは出来る。それを導きに実際手を伸ばして、お互い歩み寄ることだって出来る。
主人公の特質たる想像力を描く上で、異質なユニを五人目のプリキュアにしたのは凄く生きてくると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
それはデカい倫理や概念の領域だけでなく、ツンツンしててなかなか馴染まねぇとか、生活習慣が違うとか、趣味がちぐはぐだとか、当たり前の日常でこそ土台ができる描写だ。
ユニはラテン語のウーヌム、つまり”単一”からツケられた名前だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
世界にたった一人、レインボー星の生き残りとして取り残されてしまった彼女は、しかし運命に導かれて繋がった。けして同質にはならない、しかし手を伸ばし見ることが出来る存在と、一つになれるかもしれない希望を残して。
接頭語としてUniを使うと、”統一”という意味合いも出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
”宇宙(ひかるが好きなもの)”を意味するUniverseはUniとVertere…”回転”が合わさった言葉だ。世界はくるくると、奇妙な縁の中で回っていく。離れて、繋がり、混ざりあって、それでも一つである。
個としての別れつつ、全体になりうる。
ひかるはこういう言葉遊びを、多分知らないだろう。肌で感じ、興味の赴くままに学び取ったものが、時代も場所も離れた誰かの思いや知恵と呼応している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
そういう自然体の賢さと強さが主人公にあること、それが様々に響き広がっていくことが、良く見えるエピソードとなった。
アイワーンが猫耳宇宙船をパクって去っていって、しょうがねぇからユニが同じ船に乗る流れは、重苦しさを上手く逃して風通しを作る、優しいコメディだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ツンツンキャラを維持するためには、一緒に動く理由付けが要る。ユニたんはめんどいねぇ…そこが可愛いねぇ…。
TRPGゲーマーとしては
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ユニ「いや、話の流れとしては合流する感じだと思うんですけど、この子まだデレ期入れないんで…星直ってないし…あ! GM船パクってくれませんか!!」
ひかる「それだ! 『しょうがないわねぇ…』とか言いつつ、一緒に地球に行く流れだ! 後は仲良し柔術で丸め込むッ!」
みたいな流れがあったんじゃねぇかなぁ、などと想像したくもなるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
ほんとスタプリ、ゲーマーとして勉強になりすぎるアニメで毎週ありがたい。『敵の凄みはしっかり見せて、後々蹴散らすカタルシスを上げろ』とか、『否定されるためのトス上げは積極的にやれ』とか。
さておき、奇跡を信じて裏切られた少女は、自分の真実を受け止めてくれる仲間に出会い、新たな旅路へと漕ぎ出した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
それは奪わず、しっかりと相手の顔を見る道。想像力を殺して、無明の闇に落ちるより無力で困難で、多分豊かな未来。
想像力を殺したほうが”強い”って事実と、なんのために強くあり続けるのかっていう問いかけが敵サイドに同居してるのが、なかなかいいなぁと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
他人を受け入れる柔軟性を切除した”強さ”は、このネット上に嫌ってほど溢れてるからな…そういう時代だし、ずっとそれと向き合ってきたとも言える。
新アイテムの販促とか、ワクワクする友情とか、ヒロイックな大活躍とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
エンタメに必要な楽しさをたっぷり詰め込んだ上で、現代性のあるテーマを子供(とかつて子供だったあらゆる人)に届けようと頑張るスタプリの強さが、よく出たエピソードだったとも思います。
いやー、面白かった。
第19話が雨空へ飛び立つロケットで始まって、今回晴れ渡る空にロケットが帰還して終わる絵がすげぇ綺麗で好きなんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
お爺さんが当たり前に過ごす日常に、不思議で可愛いピンクのロケットが飛んでいく。放課後の冒険を、大人は知らないけども、当たり前の世界は優しく寄り添っている。
夢と理想を語るのを畏れない児童文学のテイストと、レトロフューチャーなデザインを見事に噛み合わせて、”今”のファンタジーとしてヴィジュアル面からもしっかり勝負してる強さが凝縮されてて、すげぇ良いと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
やっぱジュブナイルSF、幻想児童文学としての強度、鮮度が太いよなぁキラプリ…。
来週は不在なる星奈家の父が、銀の河を超えてどどんと顔を出すエピソード。予告の段階で『あ、ひかるのパパだ。キラやばだ』と判るのは流石ですね。非常に楽しみです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年6月30日
祖父の頑なな態度とかも気になってるんで、そこら辺に切り込む内容になるのか。来週も楽しみです。