スタミュ -高校星歌劇-(三期)を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
カンパニー全員での綾薙祭参加を目指し、星谷を先頭に走り抜ける二年生たち。
南條が持ち出したデータを頼りに、パフォーマーとして自分たちを認めさせる計画を立てていく。
思いは分厚い氷を溶かし、華桜会に届くのか。王の心は動くのか。
そんな感じの、折返し第六話。現華桜会攻略は半分しか終わっていないけども、一旦ガッと状況を進めつつ整理していきましょう! というエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
レジスタンスとしての二年生が強調され、ハチャメチャながら勢いのあるお話となった。星谷の少女漫画主人公力が、やっぱスゲェな。
今回はお話全体が動く話であり、分断されたteam柊と合流するまでのスラップスティック含め、カンパニーとして14人が動くエピソードとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
"Magic Time Maker"の仕上がりが二年生の思いをしっかりまとめ、『向こう側の観客』に思いを届ける仕事を果たしていた。
星谷は観客席とコール&レスポンスして、カンパニーの総和より遥かに大きなモノが生まれる演劇の可能性を信じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
それは『彩薙ブランド』にこだわり、カンパニー内部での完成度を重視する(故に、完成度の低い9人は切り捨てる)冬沢とは真逆のチョイスだ。
どちらが『画面の向こう側の観客』たる僕らアニメ視聴者に届くかと言えば、当然主人公であり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
その決断を支持する王子様、四季の介入を支援したくもなる。
冬沢先輩は徹底して憎まれ役、超えるべき壁をやり続けているが、彼がこだわる完成度重視の論拠はなかなか示されない。
星谷を筆頭にして、変わっていくこと、思いを強く燃やすことを軸に進んでいく二年生のイズムは、よく見えるし届く。良いものだと思える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
しかしこれに対抗し壁となる現華桜会(というか冬沢先輩)のイズムがどんなものであるか、それにまとめられたカンパニーの実力は、まだ見えないわけだ。
おそらく後半戦は華桜会が二年を分断する理由、その哲学が秘めているパワーが描かれていくことになるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
野放図なだけではダメ、定められ押し付けられた理想に従え。
現状結果だけが見える現華桜会のイズムが、どんな感情やエピソードから生まれてきているのか。
USBを受け取ってからの猛特訓、入夏スタジオ潜入ミッション、野外演芸場での対話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
そして"Magic Time Maker"が示す星谷側のロジックと力強さが示された回だけに、その対となる華桜会のイズムが未だ無表情で無個性なのは、不気味で気になる。
『なんで先輩は、ここ迄こだわるの?』
来たるべき後半戦に備えて、視聴者側の疑問をタメ、先を見たくなる圧力を高めるエピソードでもあったかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
二年が造反有理のレジスタンスと書かれるほどに、冬沢がとにかく理由も感情もなく、片っ端から努力を却下する冷たさが目立っていく。
しかし彼がそこまでして掴みたい理想は、まだ歌にならない
"Magic Time Maker"はキャラの心情を幻想的に描き出す、PV形式ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
作中の現実に描かれているものと、ステージで描かれているものが全く同じだ。よく訓練された観客、あるいは現華桜会と四季が見ているものを、僕らもモニター越しに見る。
そこに照らされるのは内面ではなく、行動を伴った外面だ
『僕たちが信じる感情のカンパニーは、こんなに力強く良いものなんです!』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
星谷達が見て欲しかった"僕ら"とは、白と黒の衣装が素早いサイドチェンジを繰り返し、綺羅星のような個性が複雑に混じり合う、"Magic Time Maker"に他ならない。
そこに意味深なメタファーはない。ただ、役者の身体がある。
そういう具象性、直接性こそが"生身の演劇(をテーマに据えたスタミュ)"の良いところだと思うので、"今の自分達"をまっすぐに突きつける"Magic Time Maker"は非常に良いステージングだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
ここに至るまでに、カンパニーがとにかく努力する描写が積まれたのも良い。
南條が盗み取ったUSBには、OPセレモニーの設計図が入っている。冬沢先輩を揺すったり、自分たちを有利にするネタがあるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
そういう政治の結果ではなく、あくまで演劇人の努力の結果として、分厚い氷を溶かしたい。パフォーマンスの仕上がりで、華桜会を納得させたい。
そういう演劇バカな思いを届けるための翼として、南條の裏切り(に至る、ニヒリズムの発露と克服)は必要だったのであり、星谷は主役としてそれを最大限に活かす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
すっかり男惚れしてる仲間たちを率いて、蓮宗に練習を重ねる。分断を乗り越えて、辰巳に思いを伝え、動きを重ね合わせる。
OPでも示唆されているが、三期は辰巳と星谷の対置を彫り込むシリーズにもなるようだ。第一期の構図を再演する姿勢は、例えば四季との野外劇場での邂逅からも見て取れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
白と黒に塗り分けられ、向き合いつつも届かない距離。これをレジスタンスの叛逆が埋めていく。 © ひなた凛/スタミュ製作委員会 pic.twitter.com/bIly21cjjj
『では後は若いお二人で…』とばかりに空気を読んで、リーダー同士の世界を生み出すteam柊が面白かったが、この距離を先輩に見つからないように縮めて生まれた"Magic Time Maker"の後に、何を描くのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
期待の優等生・辰巳と、叛逆の劣等生・星谷の距離感が再度可視化されたのも、ちょっと面白い。
星谷自身が言葉にしているように、『実力は未だ足りない』のだ。冬沢先輩の選別には、実際の裏打ちがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
しかしそれを超えうる思いの強さ、変えていく力が主人公・星谷にあるのも事実で、それは今回のステージにも、一期・二期の物語にも満ちていたと思う。
それがこの状況をどう変えうるか。変わるべき冬沢先輩の世界、それを生み出した物語はどんなものか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
現華桜会なりの"譲れない理由"とはいかなるものか。
二年側の"今"を色濃く描き、身体性あるステージに凝集することで、それを残り半分追いでかけますよ、と確認するエピソードだったと思う。
攻略済みの春夏、多分人が良い千秋はサプライズに満ちる感情の熱量に動かされ気味だが、冬沢先輩は動じない。(つまり、冬沢を除いた華桜会カンパニーは、冬沢の冷たさを溶かすパワーと結束が足りてない)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
不動の氷壁を揺るがす特権は、敵のリーダー…四季斗真だけにある。
鳳樹との関係性を再演するように、幾度も接触を果たした野外劇場。今回も星谷はそこで四季と出会い、その正体に不自然なまでに鈍感に気づかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
王子様の素性を知らないまま、立場のフラットな場所で交流を深めていく。四季を受け止める星谷の構図は、少女漫画的(シンデレラ・ロマンス的?)だなぁ
四季の方は感情優先のお騒がせ人間のことはよーく知っているわけで、そこに既知と無垢の不均衡がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
事前によく調べて、身の丈と理想の距離を測っておく。可能な限りの最上を目指し、無理な夢は追いすぎない。
華桜会の抑圧は賢く、大人であることを要求する。四季の態度にそれが透ける。
星谷が生み出す混乱と情熱を、四季は『少し羨ましい』と言う。一年前、四季と現華桜会がカンパニーになったであろう彩薙祭に、一体何が秘められているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
ここを掘ることが今後のクエストになるだろうから、星谷との対話で導線を引いていくのは、大事な布石だった。上手く活かしてほしい。
春・秋、少し迂回路を回って南條と、現華桜会攻略ツアーを重ねるうちに、理不尽な壁の向こう側に人間がいることが見えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
しかし不動の氷壁として三期を支える強敵・冬沢先輩の根っこはまだまだ見えない。見せちゃったら、人間だと判ったら"壁"はやれないので、当然ではあるのだが。
秩序を重んじ押し付けるようで、妙に人間臭い接触も果たす。冬沢先輩のにべもない拒絶に、特別な地位から罅も入れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
『野外演芸場で出会う変な人』から、華桜会主席へと認識が変わった四季と星谷が触れ合うことで、三期追加キャラの過去と内面はより深く掘られるだろう。
そのための特攻兵装として、あの男が再び舞台に上がる。鳳樹、三度目のカンバックである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
鳳先輩はあまりに存在感が強いので、出てくると現役世代を全部食っちゃう恐れもある。しかしだからこそ、状況を大きく動かす無茶にも納得がいくキャラだ。
その"強さ"を生かして、地ょ右京をどう動かすか。
星谷が代表するカンパニーの想いは、今回しっかりかけたと思う。それがぶつかる"壁"が何に立脚し、どんな過去を持っているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
青春の強い光が、現華桜会…四季と冬沢を掘り下げていく先行きを見せもする中盤折り返しでした。
星谷達の思いを弾き返すだけの"理"と"情"が、華桜会にあるのか。
彼らの過去を掘り下げる楔として、鳳樹という特大のジョーカーをどう使ってくるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月6日
主人公たちの"今"を鮮明にステージングしつつ、その先への期待感も上手く煽ってきました。やっぱ冬沢先輩の懐は、早く中が見たいところだ。来週も楽しみ。