スタミュ -高校星歌劇-(三期)を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
四季斗真と彼の華桜会は、OPセレモニーに追加を認めるか否かで対立していた。冬沢の頑なな怜悧が、孤独な王を縛る。
カンパニーの運命を決める会議に、気もそぞろな星谷。思いは世代を超えて届き、乱反射する。
星も星屑も輝く、無限の夜空のように。
そんな感じの折り返し後第一回、世代を超えた思いのリレーと、見えなかった華桜会サイドの情動が見えてくる第7話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
未攻略の四季と冬沢先輩を切り崩すべく、足場を作る話と言える。それは同時に、ただの壁ではなく”人間”たる彼らを、星谷と一緒に僕らが見る、ということでもある。
攻略ルートは四季優先で進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
”夢を見る”という行動が離れた場所でシンクロする星谷と四季は、出会いからして共感が強かった。鳳先輩をメンターにし、学園の本道から少し離れたトリックスターである所も似ている。
しかしその夢は、最初すれ違っている。
今回の話を通じて、星谷達は身勝手で優しくなかったな、と思った。それはつまり、星谷を通じて世界を見てる僕が優しくなかった、という反省でもあるのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
華桜会にも当然、彼らの思いと物語がある。冬沢先輩が守りたい『俺たちの舞台』を、9人追加して無茶苦茶にする。思いを踏みにじる。
立場を変えてみれば、三期の星谷の奮闘はまぁそういう側面を持つ。それを身勝手にしないためには、相手の事情と感情、背負った物語に目を配り、相手の領域に踏み込む優しさと勇気が必要になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
冒頭、勝手な妄想にうなされ、華桜会を看守に見立てている星谷は、そういう事情を見ようとしない。
それは当然でもあって、ド素人星谷はそんなに完璧なキャラクターではないし、だからこそ一歩一歩物語を進んでいく確かさを持てる。凡人であることは親密さと体温を宿す、大事な属性なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
だから、まず間違えたところから始めなければいけない。あの悪夢は、そういう状況の活写でもある。
同時に既に知っているものに対しては嘘がなく、活動的で、しっかり手を伸ばせるのが星谷のいいところだ。身内認定されると、その光が届きやすい、というか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
二期物語を共有したカンパニーは(星谷にとっても僕らにとっても)”身内”である。だからそっちの事情も感情も、しっかり背負えている。
しかし三期で追加された華桜会は、(星谷にとっても僕らにとっても)見知らぬ追加キャラであり、ソッチの事情はしったこっちゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
その断絶に手を伸ばして、身内の範疇を広げていけるのが星谷(そして星と星屑、両方大事にしたい四季)の資質といえる。
星谷は悪い夢を見て天から堕ちても、同質の那雪が心配してくれる。積み上げてきた物語がクッションとなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
対して四季は孤独である。千秋は隣りにいるが、その距離はとても遠く冷たい。
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斜に構えて、まっすぐ四季の悪夢(それは過去の回想でもあり、決断の重さでもある)を受け止められない千秋。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
冬沢を間に挟んだ複雑な距離感の中で、彼も四季を心配している。まっすぐ目を見る瞬間は、星谷を媒として存在する。
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目を見る/見ない/見えないというのは、いつにも増して今回重要な演出となっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
四季の内面と過去に切り込んでいく展開は、心の窓である目を覗き込むことで僕らの中に入ってくる。主人公として僕らを物語の中に入れる星谷が、誰の目を見るのか。または、見えないか。
そしてもう一人の主人公として、内面と過去を公開する権利を確保して来た四季の目を誰が見て、彼の目から誰の瞳が見えないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
これはW主人公態勢で進む三期にとって、かなり大事な視座となる。冬沢先輩の瞳が見えないシーンがとても多いのは、四季と僕ら、両方から彼の心情が隠ぺいされているからだ。
そこに踏み込んで、ガチガチ効率ツンデレ人間を切り崩していくのが三期最終決戦となりそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
千秋も冬沢先輩に巨大感情を持っているっぽいの含めて、一期の鳳-柊-暁のラインに類似してるかな…そこにトリックスターである星谷が割って入って、関係性を変化させていく所も含めて。
千秋は幼馴染との関係の難しさ、”亮”のけわしさと冷たさを『ナンセンス!』と愛でつつ、四季の顔もしっかり見ている。そこにはすれ違いと、融和の可能性が確かにある。明るい感じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
一方、冬沢先輩はむっちゃ暗い。巨大な光(おそらく四季と星谷)に背中を向る。
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冬沢先輩のエリアが凄く暗くて、しかし純粋な暗黒ではないのは面白い。光は確かにそこにあるが、彼はそこに目を向けない。向けることが出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
ならば向き合えるように、光の側が回り込むこと。そして闇の住人が、そこに確かにある光に顔を向ける勇気を持つことが、このエリアを変化させる要諦だ。
思いを預ける。他人に頼る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
四季が華桜会という彼のカンパニーにおいて、なかなかうまく機能させられない能力を、星谷は世代を超えて連鎖させていく。
昔の男と即チョロり、その波紋が色んな連中に波及していく。
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鳳世代からアンシェントまで、色んな連中を巻き込んで問題に目を向けさせれるのは、星谷の人徳(と、二期分の物語的蓄積)であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
彼は色んな人の懐に飛び込み、壁を乗り越えてきた。その真摯な瞳が、巡り巡って助けとなる。
様々なカンパニーが、”食事”を媒に繋がってる描写も良い。
既に物語を終え、充足と結束を手に入れたカンパニー達は共にメシを食う。携帯電話で繋がり、お互いを心配し合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
カンパニーの範囲は同年代に限らず、後輩/先輩の絆が思いを伝えもする。
既に二回出した、スタミュ的な正解。舞台は助け合うものだし、広がっても行ける。
同じ円卓に座りつつ、正面にお互いを見据えることの少ない華桜会は、当然食事を共にすることも少ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
夢を諦める寸前で四季に救われた春夏コンビが、個人的で温かいつながりを甘味処で共有している様子は、これまで行くども描かれたとおりだが、”五人”としては冷たい感じ。https://t.co/IkEg3FAS8f
しかし懐かしのメンバーがサラッと総揃いするのは、懐かしくも豊かで楽しかった。やっぱ楪先輩のエセ外人っぷりと、魚住先輩のツンデレは良い…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
柊先輩が弟子たちをしっかり思って、固いけど誠実な手紙書いてたのも最高だった。やはりスタミュの男ツンデレは良い…。
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遥斗が星谷サイド(僕らが今まで足場を起き、作品を見ていた側)でなく、現華桜会の味方をしてるところが、僕は凄く良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
前半戦の”壁”から、折返しを経て”身内”へ。物語の潮目が変わるこのタイミングで、誰かが彼らに優しくするのは大事だ。
それは低い場所から必死にレジスタンスしてる立場からは得られない視点で、学園を離れ、より大きな立場で見守る遥斗だからこその視座だろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
後輩を背負う指導者から、実力が試される一プレイヤーへ。立ち位置の変化に上手く馴染めない柊先輩に、演劇人としてアドバイスしてるのも好き。
学園のヒエラルキーの中では、先輩-後輩ははっきりしていて、教え導き、あるいは抑圧し強制する関係がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
しかし柊先輩は二期でそのフレームから飛び出し、家も学園も関係ない一個人として演劇に挑む道に踏み出した。
それは誰かを背負うのと同じくらい、厳しく大変な道のりなのだ。
先輩-後輩の関係性(と、カンパニー内部の不和と感情)を掘り下げる今回のエピソードで、そこからフッと離れた広い視線があること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
今回先輩世代を描いたのはただのファンサービスではなく、世界を見る視点の多彩さ、それが生む面白さを盛り込みたかったからだと思う。鋭い描写であった。
星谷の思いが世代的にも空間的にも広く広がっていくのに対し、四季と冬沢先輩の思いはより狭く、深く凝集していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
同じ光を見つめつつも、向き合ってお互いを見れはしない関係性。選ばれなかった寂しさと、選ばれたものの憧れが交錯する特別な空間
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基本的に冬沢先輩は、この重苦しい空間の中で”眼”を見せない。優秀だったのに代表に選ばれなかった過去を語らないし、そこに秘めた思いも言葉にはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
素直な気持ちを語るのは四季の特権で、いつでも理想はお前だったと、サラッと巨大感情を投げつけてくる。お前そういう無防備なところがさぁ…。
しかし一回だけ目を見せ、”人間らしく”動揺する瞬間がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
トップとしての自覚を問われ、『敵わないな』と四季に言われた時。先輩は瞳を揺らし、何か心が動いた様子を見せる。
それを見咎められないように、顔をそらし、前髪で瞳を覆う。そこに宿るのは、憧憬か嫉妬か。
自分が最優秀だったはずなのに、四季がトップに立っている。自分を追い抜いた男が、勝ち誇るでなくまだ憧れを語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
捻じくれるには十分な状況であるし、このコンプレックスを解消しないと冬沢攻略はならんとも思う。後半戦の重要課題なのだろう。
私室では冬沢先輩は少し荒っぽい、”俺”口調で喋る。後輩を威圧する時、あるいは華桜会として責務に殉じている時とは違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
私人としての感情を預けられる相手が、四季以外にはいないということなのかもしれない。その四季とも、捻れた関係性が邪魔をしてまっすぐは向き合えない。め、めんどくせぇ…。
王はかつての憧れを、氷の宰相は揺れる心を仮面に隠して、再び執務室へと足を運ぶ。議題は未来、あり得るべき学園と僕らの形。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
そこに譲れない何かが入っていることは、よく判る。実現したい夢、カンパニーとしての情熱。
しかし見えるのはあくまで輪郭、内実は不明だ
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なぜ冬沢は、規定した通りのプロトコルに固執するのか。カンパニー全員で舞台に立ちたいという、二年生の思いを踏みにじるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
憎々しい壁役を続けてくれないと、物語のテンションが保てない状況の中で、冬沢先輩が『僕たちのステージ』に賭ける思いはまだ、隠ぺいされている。
しかしそこに、星谷たちにも劣らない”何か”が確かにあって、だからこそ頑なに仮面を付け続けている状況は伝わってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
それを突きつけるのが、今回のお話の狙い(の一つ)七日なぁ、と思う。慣れ親しんだ星谷たちだけが、血の通った人間ってわけじゃねぇぞ、っつう。
積み上げた歴史とキャラ愛を玩弄して、一生身内でキャッキャするファンサービスを三期として出すことも、可能だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
しかし作者は馴染みのない新キャラをだし、『先輩世代の重責』という新テーマにあえて踏み込んだ。新しい鏡が、見知った顔の意外な魅力を引き出してくれると確信した。
それは例えば、第五話における南城の掘り下げで既に証明されているように思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
同時に、新しいキャラクター、新しいテーマは魅力的で面白い。巨大感情が解決され、乗り越えるべきコンプレックスを抱えてない連中ばっかじゃ、話がスウィングしないからな!
話を構成するキャラクター全員をカンパニーとして受け止め、主役脇役悪役割り振りつつも、その内面を掘り下げていく。書き割りにはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
そういう気持ちが、今回冬沢先輩を描く筆致には確かにあって、作品全体をあらためて信頼する気持ちになれた。やっぱそういうの大事よ。
『登場人物、みんなを人間として扱う』って、言うのは簡単だ。しかしやりきるのはマジで難しく、腕前と情熱とセンスが山程いる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
登場人物が過積載気味に多いスタミュが、あえてそれに挑む意義。今後冬沢先輩に切り込む中で、星谷達がどう描かれるかによって、証明されていく部分だろう。
居ても立ってもいられず、自分のカンパニーを離れた星谷を、四季はしっかり”見る”。後のステージで示されるように、彼は煌く星(team柊)も星屑(選ばれなかった九人)も見捨てたくない男だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
しかし華桜会代表の立場が、その信念を縛っている
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星谷と出会うことで、四季はそういう初期衝動に立ち返っていく。『敵わない』と認めた己の憧れに、正面から対立する道を選べるようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
二人の関係を”少女漫画的”と言ってきたけども、どっちかというと孤独な王と、無垢なる宮廷道化師の関係性なのだな。タロットの零番と四番だ。
扉前の踊り場を横に切り取るカメラワークは、星谷と四季の出会いを僕ら観客に見せる、ステージワークとして機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
舞台で演じられていたソロ・コメディに四季が入り、弁当を受け取る、受け取らないの距離感を演じる。ここでも”食事”は、想いの媒介である
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一度は”賄賂”と拒絶した『口に入れるもの』を、四季は
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
思い出の屋外演劇場で受け取る。
それは星谷が四季の不調(カンパニーのはずの、華桜会が気づかなかったもの)に目を配り、手を差し伸べたからだ。
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飄々として自由に見える存在が、その実凄く傷ついていて、問題解決の助けを待っている。かつて鳳先輩が抱え込んでいた問題に、知らず(知らないからこそ)思い切り踏み込めたときと同じ距離感で、星谷はジュースを差し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
それを四季は掴んで、消えゆく夢を思い出す。
俺は、星を掴みたかった。
形だけの王様ではなく、この学園をより善い人生の舞台に変えていくために、全てが見渡せる場所に立った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
世界に満ちるのは、巨大な星の光だけじゃない。小さな星屑の個別の輝き、多彩だからこそ美しい虹だって、空にはある。
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迷妄と踊っているうちは曖昧な緑だった空が、思い切り晴れ渡る。百万の翼、弧を描く虹が映える青。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
それはかつて、鳳に会長職を勧められた時見た夢の色。そんな鳳の教え子が今、自分に乾きを癒すものを差し出し、夢を思い出させてくれている。
そら、次の華桜会進めるわな。”継承”ってことですわ。
この野外劇場のシーケンスは色々上手くて、星谷に『式先輩のこと好きになりました!』と明言させることで、彼を主人公として物語に感情を載せている視聴者を、今後の展開に上手く誘導できている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
まぁ主役が好きになったもんは、だいたい見てる側も隙きになるわけじゃん、フィクションの構造上。
今後四季の伏せ札は顕になって、”壁”でしかなかった華桜会はカンパニーの一員になっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
序盤のギスギスムードを引っ張ったままじゃ、その転換に視聴者は乗れないわけで、どっかでジャンクションを切り替える必要がある。
星谷の無邪気な『好き!』は、まぁそういう言葉である。巧い。
巧いと同時に、そういうファンクションが悪目立ちするでなく、自然と四季が好きになれるよう回想を入れ込み、視線で芝居をさせ、表情の奥行きを見せてもいた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
作者サイドの意図を食わすには、キャラとドラマを最高にチャーミングにしないといけない。難しい所をスムーズに曲がった印象。
差し出された手を、四季は未だ取らない。でも鳳から受け取ったものを言葉として差し出し、華桜会に誘う。(星谷の手が、中央分割線を少し超え、四季に歩み寄っているレイアウトに注目)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
ここも、今後の展開にさりげなく導線を引く巧いシーンだなぁ。
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ド素人星谷のサクセスストーリーとして、”あがり”は華桜会代表で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
四季が鳳から受け取り、(確かに重責と困難はあるけど)色んなものが見えると示した場所に、鳳の直弟子が立つってのは構造的にも綺麗だ。
まぁそれやると四期、五期が必要で、出来るかは判らんけども。でも見たいなぁ…。
星谷の言葉を受け取り、四季は芝居がかった仕草で思いを語る。椅子に座らない(対等の立場にあえて立たず、リーダーの特権を行使する)姿勢は仲間の視線を集め、立場と情熱が噛み合った演説が一つの結果を連れてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
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他メンが星を見上げるように視線を向けているのに対し、冬沢先輩は瞳を隠して王の宣告を受け取らない辺り、マジ闇深い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
この壁を突破して、より良い方向にステージを進めていくのが今後の課題なのだろう。そのためには、冬沢先輩の頑なさがどこから来るのか、掘り下げる必要がある。
四季が思いを、普段とはちょっと違った演説調で告げるのが好きなのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
彼は星谷とプライベートに話すことで、私人として思いを叩きつけるのではなく、リーダーを”演じ”、説を演る自分のロールを思い出せた。
演劇人だからこそ、届く言葉をしっかり引き寄せ、必要な仮面を付ける。
ここで個人的な関係と感情に頼る道もあったんだろうけど、四季は華桜会代表として、演劇人として、”演ずる”ことこそが自分らしさなんだと思いだして、仲間に叩きつけた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
これはスタミュがミュージカルのアニメだっていう、とても良い証明だと思う。最後に頼る武器は、何かを装い見せる能力なのだ。
そんな先輩たちの桎梏を知らず、星谷は無邪気に空を見上げる。未だ、星を追う永遠の子供。オレたちの主人公はそれでいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
しかし世界には、それ以外の物語が沢山ある。四季と冬沢に切り込むことで、その多層がよく見えたエピソードでした。
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とかおもってたらさー、Cパートでまさかの巨大感情おかわりですよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
漆黒の私室、思い出に這い寄る指先、鏡の中の邪悪な俺、溢れかえるコンプレックス。
こいつ…想像よりデカい”獣”をすまし顔の奥に隠していやがった!!
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こういうの食いたいからスタミュ見てる側面あるんで、『よっしゃ!』と思わず拳を握ってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
そのノートの奥には、どんだけのネトネトと愛情が絡み合って閉じ込められているのか。パンドラの箱が開く瞬間が、今から楽しみでしょうがねぇぜ…。
鏡の中の悪魔を、先輩はどう乗りこなしていくのかな
そしてクローゼットの奥の闇を、『ナンセンス!』と切り捨てていたはずの男が背中で聞いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
いやー千秋くん、君も良い”獣”持ってるねぇ…千秋→冬沢→四季→星谷の一方通行感情バトルが、後半の眼目か! 地獄じゃん! …でも、この地獄を待っていたような…
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このラストカットを挟むことで、四季と冬沢先輩だけでなく、千秋も攻略して内面を覗き込むべき”人間”だってのがよく判るし、見事な構成でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
本丸に取り掛かる前に、まずは愛情拗らせ人間…第何号だ。このアニメそういうの多すぎるから難しいな…をぶっ倒す展開かな。千秋攻略楽しみ。声も小西だし
というわけで、素晴らしい後半戦開幕でした。今後何を掘り下げ、何と戦っていくのか。それぞれ大事にしたいもの、思いを妨げるものが何か。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
しっかり構図を示しつつ、キャラ個別の熱量と、それが交わるドラマは休めない。むしろ構図の確かさを生かして、物語をガンガン加速させていく。
スタミュの強いところがギュッと絞り出されたような、とても良いエピソードでした。ホントクレバーでエモーショナル、素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月12日
複雑怪奇な檻に閉じ込められた、華桜会宮廷の麗人達。低い場所から星を見上げる主人公は、彼らに何を届けうるのか。道のりは遠く、美しく輝く。来週も楽しみ。
追記 主人公は物語にはいる窓であり、作品を追体験する足場でもある。それが弱いと、物語体験自体がすごく危うくなる。そこを理解し、強い主人公に強い物語をしっかり歩ませているのはさすが。W主人公として、四季の好感度を下げない立ち回りも巧妙。
スタミュ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月13日
失礼なこと言っちゃった、いびられそう抑え込まれそう。
星谷の妄念に『ちっちぇーよお前! もっと四季パイセン信じろよ!』と言えるのは、僕が神様の立場から四季の頑張りとか、辛くても堪えてる姿勢とか、仲間に向けた包容力を見ているからで。
星谷の視線からは当然そういうモノが見えないし、身の丈超えて真実掴める主人公でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月13日
だから星谷が悪夢にうなされる(そしてエピソードの中で四季と臆せず交わり、ドクサを超えていく)のは、星谷のキャラを正確に把握した描写だと言える。
この迷いと発見のバランスがスタミュは巧い。
主人公が正解に行き着かないと話が迷うので、即座に行かせがち(あるいは、『キャラの立場からは見えてないんで』で、正解に行き着く前に足踏みしすぎ)なんだが、星谷は星谷らしく浅はかに迷い、勇ましく踏み込み、正しく手を伸ばす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月13日
この一連の流れがスマートなので、体温と正しさが同居している。
主人公が見ていないシーンで、”敵役”の事情や人間性を視聴者にしっかり見せて、今後物語が行き着く方向性を納得させておく物語的整地も巧い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月13日
『この人はいい人だから、仲良くなるんだな』とルートを予感させることで、迷ってもゴールは見えてる安心感みたいのが、作品への不信を超えていける。
コメディに交えて人間の未完成を見せ、それでも前に進んで星を掴む大事さ、尊さを主役に背負ってもらう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月13日
星谷くんが主人公である意味、星谷くんを主人公にしているスタミュの強さが、今回よく出たなぁと思う。折返し一発目でこれが出るのは””強い。