スター☆トゥインクルプリキュアを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
遂に辿り着いたララの故郷、惑星サマーン。そこは高度に発達したAI文明が、人の在り方まで決める未来都市だった。
全世界リアルタイムの疑似体験が、全てを覆うメディアシティ。その”当たり前”から既にはみ出したララは、責務と友情の間に悩む。
つーわけで、スーパーシティーの無事帰還! ララのオリジン掘り下げ回第一弾である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ここ序盤で伏せ札になっていた所で、思い入れで読み違えちゃった部分でもある。
焼け出されたというわけではなく、家と世界のプレッシャーから逃げる意味合いもあって、フワと旅立ったわけね…。
惑星サマーンは効率化が極限まで進んだテックシティで、何でもかんでもAIが決定、遊びも無駄もありゃしないプラスティックな街である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
超高度文明化社会だからこそ、環境負荷を下げるために個別居住って贅沢を切捨てて、軒並み集合住宅ってのは、なかなか新しいフューチャーデザイン。
AI様のご宣託どおり、非効率は切り捨てる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
序盤のララをそのまま延長した世界だけども、人間の心を完全に塗りつぶすところまでは行っていないようだ。
ララはAiが選んだデブリ回収業にも、ニコニコ顔で当然のように抑圧押し付けてくる家族にも、色々不満がある。
あるけど、そういうもんだから。
社会インフラをそのまま人格に接続してたララは、ひかると出会い、地球で過ごすうちに色々変わった。ドーナツを食い、ジジイをたらし込み、女と女の巨大感情に揉まれる過程は、僕らが見てきたとおりだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
惑星サマーンが過去に捨て去った無駄とマージンを、ララは地球で再学習した、とも言える。
無駄に思えるものが実は大事で、何が役に立つかは判別しにくい。だからそこからはみ出して、心の赴くままに突き進んでみるのも、時には大事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ひかるもまた、”普通”の社会規範にはなかなか収まらない子供で、しかし自分を殺さず、社会を否定もせず、結構上手い位置取りで生きている。
ひかるの学校生活が描かれたとき、僕は結構意外で、なおかつ納得もした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ああいう知性と個性を持っている子供は、当然社会と軋轢を生むし、それをどうにか乗りこなすために色々工夫もするだろう。
結果、先輩には敬語で喋り、学校でも浮きすぎない程度に社会性を獲得した上で、ぶっ飛び直感女となる。
ララはフワを巡る宇宙規模の大冒険に飛び込み、地球に落ちて来た。それは、サマーンの規範からある意味逃げ出す旅路でもあったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
世界の当たり前は、環境が変われば当然変わる。そこで差異に苛立つよりも、お互いの良さを学び取って、自分を変えていったほうが多分楽しい。
『宇宙留学生』としてのララは、サマーンの”当たり前”から離れることで、はみ出しモノの自分が活かせる場所を見つけられた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
しかしサマーンの”当たり前”を内面化し、大きな成功も得ている家族は、ララが抱える個別の体験、新しい価値観になかなか目を向けてくれない。
スペシャルな(あるいは、環境の価値観によく適合出来た)兄ばかりを(無意識に)優遇し、(それが抑圧だとすら気づいていない)抑圧を妹に押し付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
トトカカの『明るい虐待』が、その毒気のなさも含めて妙に生々しく、重い気分になった。規範を矛盾なく内面化出来ると、弱者は死角になるね…。
しかしララも、地球の新しい価値観だけを是認するのではなく、今まで自分を形作った価値観に愛着がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
サマーンの”当たり前”に従う義務感も、家族への愛情も、地球で見つけた新しい自分も、どれも大事。
新旧世界の矛盾に引き裂かれて、ララは道が見えなくなる。
テックレベルとしては”旧”な地球が、”新”なるサマーンのはみ出しものたるララには”新”しい救いだったという転倒は、SF的で結構面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
根本的にはいい子なので、世界や家族に嘘付いてるのも心苦しい。
しかし、嘘は必ず悪なのか。まさかまさかのララまどである。
打たれてみると、”当たり前”の強要に思い悩み、嘘を抱え罪悪感に苦しむまどかは、完全な正着といえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ひかるの直観主義に、新しい景色を見せてもらった経験も同じ。アドバイスを与えるには、絶好のキャラクターを的確に使ったと言える。
スタプリ、関係性を上手くクロスさせて固定させないのが良い。
今回は二本立ての前編なので、まどかのエピソードはまだ的を得ない。言い出す前にバトルが始まり、誤解が生まれてしまう。効率化されたテクノロジーシティは、効率的に異物を駆り出す監視社会へとトランスフォームする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
あそこのディストピア演出は、メディア技術の怖さがよく出てて好き。
同時に技術は幸福も連れてきて、バーチャルな仮初であっても絶景は笑顔を引き出す。満面の笑みでキャッキャし続けるえれなとひかるが、マジで尊くて少し泣いてしまった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
その笑顔に入れない、”家”に縛られた二人の陰りと対比もしてっからなぁ…影と光、裏腹背中合わせなわけよ。
VRな経験が思い出を引き出して、ユニが”マオ”としての日々を肯定的に思い出せたこと。それをプルンスくんと共有できたことも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
故国を救うための嘘っぱちの芸能活動でも、楽しいことはあった。それを見て、喜んだ人がいた。
ユニはそろそろ、嘘をついてた自分を許していいだろマジ…。
機械に頼った倫理は、機械が壊れた時に誤作動を始める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
監視カメラの映像が途切れたことで、真実を誤解し部下を駆り立てるカカ。
自分の頭で考えねぇ直線勝負は、テクノロジー化されたひかるの陰画と言えるかも知れない。効率化を進め過ぎると多様性が削れて、システムハックに弱くなるなぁ…。
と思ってたら、暗黒科学の申し子、渦を巻く巨大感情アイワーン様、堂々の登場である。まーこの星切り崩すなら、アンタ以上の適任はいないよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ユニへの巨大感情の描き方が良すぎる&悪党としての描き方が不退転すぎるので、アイワーン画面映るだけで”圧”と期待感あるの凄いよなぁ…あの女は”やる”。
効率化し、均質化されるAI世界。今まで旅の仲間として一緒に歩いてきた”ララのAI”が書き換わる伏線を埋めて、さて次回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
ここで機械知性の尊厳を俎上に載せんのは面白いなぁ、と思う。インフラに組み込まれ、倫理や価値観という人格インフラすら書き換えてしまう、高度に発展した技術の申し子。
悪意に技術社会がクラックされたとき、その申し子は何を成しうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年8月26日
同じくAI社会の子供として生まれ、そこからはみ出した所で喜びを見つけた少女は、自分を包囲する故郷に何を返すのか。
単眼の悪感情は、何をやらかすのか。
緊迫の惑星サマーン、来週も楽しみです。