彼方のアストラを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
かくして”刺客”は倒れた。
代価は腕一本、手に入れたのは全員一緒の帰還。
世界全てを変えてしまう発見を携え、冒険を終える子どもたちを、世界はどう出迎えるのか。掴み取った未来は、どんな色で微笑むのか。
そしてまた、旅に出る
たどり着いた彼方、その先へ手を伸ばして。
というわけで、最終回も一時間スペシャル! 最後までどっぷり浸ってもらうぜ…”アストラ”によぉお!!! ていう回。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
OP/EDを削り、放送枠を確保し、見事に最後まで原作を表現しきった尺確保…アニメスタッフの努力に、僕は敬意を表する!! って感じ。マジ凄い。
僕原作読んでないので、何が足されて何が削られたか判別し得ないんだけども、全体通して大満足の仕上がりでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
キャラの心情と変化、ミステリの出題と回答、冒険と成長、抑圧と決断。色んなものをたっぷり盛り込んだ貪欲な作品を、しっかり描ききる努力が、見事な花を咲かせていました。
最終話に一時間もぎ取ったのもその一環で、ここにたっぷり時間を使えるからこそ、余韻が生まれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
シャルスのケジメとか、食料確保とか、今まで思い出深かった場面の回想とか、今回結構ゆとりのある進行なんですね。
デカい問題を解決するためだけに、急いで時間を使わないですむ。
その余裕が、『苦しいこともあったけど、やっぱりいい旅だった』というキャラクターの感覚、作品からのメッセージを『その通りや! ありがとうアストラ号…ありがとう”彼方のアストラ”…』と受け取る足場になるわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
惑星サバイバルで、じわじわ生活基盤作って維持していく描写好きだったなー…。
無論もうサバイバルは主眼じゃないから、最後の惑星はボーナスゲームというか、楽しかった雰囲気だけを味あわせてくれるのだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
自分の起源を探したり、初期条件の抑圧から開放されたり、世界の謎を紐解いたり。
そういうデカいことだけが、旅の楽しさじゃなかったよね? と静かに語りかける。
そういうシーンを最終話にねじ込んで、旅全体を追体験する形で余韻を味わえたのは、やっぱ構成の妙だと思うわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
怒涛のラッシュでグイグイ引っ張った物語が、最終話はペースを落とし、今までを振り返る形で進んでいくのは、心の落ち着きどころがしっかり見つけられて有り難い限りだ。
さて、シャルスくんから公開される世界の真相は、なかなかの衝撃でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
地球暦とアストラ歴の間にある、時間のズレ。歴史殺人の真相を暴く旅は、同時に意図して創られたアリバイを破る探求でもあったわけだ。
惑星レベルのデカいレイヤーでも、ミステリが機能してるのは面白い。
地球史を封印し、人類から武器と国家を取り上げてやり直す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
アストラの始祖たちが選んだ嘘は、とても立派なことだと思う。多分アストラは、地球よりも良い世界だ。
でもその願いも、長い時間の中で腐敗する。”子”に代用品の運命を押し付け、身勝手に倫理を踏みにじる存在は消えない。
そういう存在をちゃんと自浄出来る態勢、真実を知った若造必死の弾劾を、大真面目に受け止めて社会全体を変えていく決断ができる清廉も、アストラ社会にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
この”社会”へのポジティブな(ヒネたオッサンの目線だとちと明るすぎる)視座は、この作品がジュブナイルであることと繋がっていると思う
自分も世界も変えられる。社会は正義を遂行でき、真実を抹殺することはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
甘っちょろい結論かもしれないけども、厳しい冒険を乗り越え自分を掴んだ子どもたちが、そこにたどり着けない物語には余りに希望がない。
B5班が個人レベルで掴んだ希望が、社会全体に拡大していけるという夢。
犯人たちの反撃を、星界のボトルメールが、それを受け取った”母”と”大人”がちゃんと封じてくれる展開は、未来への希望を殺さないための、甘くて優しいお伽噺なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
最後に最重要ポイントを抑えたグレース警部が、正義と法の権化過ぎてマジでヤベェ…。
”家族””親”という存在を全て抑圧の色に塗りつぶすのではなく、アリエスのお母さんだけは”母”に求められる善性をすべて果たしてくれる展開も、希望を殺さない方策なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
親は子を身勝手に使い潰し、殺そうとする。
それは真実の一面だが、全てではない。幸運にして幸福に、思い合う家族もある
そういう可能性をアリエスに残したことで、最後のSOSを受け取って、社会にまだ(というかむっちゃ元気に)生きている法と正義に繋げてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
子どもたちがただ自力で立ち上がるのではなく、悪しき”大人”を自浄できる可能性を、”大人”に残す。
そういう運びになったのは、公平で良かったです。
アストラ機関を前に、無事帰りつけるかどうか、最後のサスペンスを盛り上げたのも良かったですね。やっぱ最後まで緊張の糸を切らず、ワクワクして見たいからね!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
アストラは、子どもたちの信頼に足りる正義を保てるのか。苦難の道程は報われるのか。
ハラハラを盛り上げた上で、しっかり終わりました。
カナタとアリエスの甘酸っぱいロマンスで、最後の盛り上げを作ることもできたと思うけど、そこは今まで通りおしとやかに、しっとり進める感じに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
7年後のエピローグで、しっかり結末も描いてくれて、とても良かったです。応援できる若人の恋が、ちゃんと成就するのは気持ちがいい。
かくして”母”に出迎えられ、帰還なったアストラ号。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
世界は思ったよりも腐っていなくて、星の歴史が書き換わっても、再びの大破壊は訪れなかった。
それは社会が健全さを失っていないからこそだし、カナタ達が頑張って働きかけた結果でもある。
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7年後のエピローグを、立派なジャーナリストになったウルガーから始めるのは凄く好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
自分を守る防具であり、兄の生き方に自分を縛る鎖でもあった帽子を、”父”の前で脱ぐ。生身で向き合う。
そういう強さを、少年は手に入れた。
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同時に、星で飾られて少し可愛くなった帽子を、自分の象徴だと誇る事もできる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
何かに縛られるのではなく、過去をただ捨てるのでもなく、未来を掴むための武器として使いこなす。
ウルガーと帽子を見ているだけで、冒険が彼らに与えたものが良く見える。凄く良い。
カナタの旅に同行するやつもいれば、しないやつもいる運びも良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
みんな自分の人生を手に入れて、自分で決断して決めれる存在に、自分を変えたのだ。
そのための試練として、あの旅路はとても大事だった。”親”に殺されかけたトラウマを超えて、自分を前に進めていく。
最後のアリエスの言葉は、作品全体からのメッセージなのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
『あなたが今まで見てきた物語は、遠い未来、遠い星の物語だけども、同時にあなたがいつか…あるいは今挑むべきあなたの物語でもある。
私達の物語のように、苦難に満ちたあなたの物語も、必ず未来へ進めるから』
甘っちょろい、夢みたいなメッセージだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
でもそういうものを、堂々真っ直ぐ、とても面白いドラマとして届けることが出来るのが、創作物の良いところだと思う。
堅苦しい説教だと届かないものも、大冒険の背骨にすれば、明日を生きる糧として受け取ってくれるかもしれない。
そういう青臭い理想みたいなものを、ちゃんと見据えて届けたいからこそ、この作品はジュブナイルであることをとても大事に進んできた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
デカいことを言うだけの実績は、ここまでの12話でしっかり積んだからな。面白いことやったやつには、文句言えねぇ…面白かったからね!!
シャルスを”刺客”にしていた世界から、子どもたちが開放される象徴として、チューリップの花が印象的に使われていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
檻の中、それでも抱えた赤い花。花言葉は”真実の愛”だ。
それは檻を抜けた未来で、地面にしっかり根を下ろし生き続ける。
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白い方の花言葉は”許しを請う””失われた愛”で、これもシャルスらしいかな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
花があったから、自分を押し込める抑圧から抜け出せた。思い出に力をもらい、その奴隷になることもなく、前に進めた。
それは生きては枯れ、また咲いていく生命なのだ。
カナタは再びの旅立ちに、”先生”の幻を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
かつては見上げていたものを追い越し、失われたものを背負って前に進む。未知へと踏み込み、夢を追う。
片腕の喪失を見事に乗り越えたカナタは、立派に”冒険家”の顔をしている。
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最後の最後に、”凶器”だったワープゲートがアストラ号(と、アストラ全人民)の未来を拓いているところが、凄く好きなんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
それはかつて全人類を抹殺した愚かしさの象徴だったけども、封印から飛び出して、より良い未来を掴む”船”に変わった。
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自分たちを身勝手に利用し、すり潰そうとする”大人”の思惑を、”大人”になった子どもたちが乗り越えていく物語の結末として、自分たちを殺さんと迫った白い闇を乗りこなさいて、未来への突破口に変えるこの”絵”は、非常に強い説得力を持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
悪意を持って奪う道から、希望を込めて進む道へ。
カナタ達が持ち帰った真実は、ワームホールもまた、捻じ曲げられた抑圧から開放して、本来の道へ戻せた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
世界を滅ぼす”凶器”を、正しく使える可能性に向かって、社会と人類を進ませることが出来た。
無論、その強大な力は争いを呼ぶかもしれない。また愚かしくも、子供を殺そうとするかもしれない。
それでも、人は正しく進むことが出来る。最初に定められた在り方から、本当に大事なものを見つけ直して、力強く前へ、前へ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
そういう物語が、”凶器”を血塗られた宿命から開放してあげることで終わるのは、とても優しく鋭い描写だな、と思います。
かくして大団円! ”彼方のアストラ”、その旅路を走りきりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
いやー面白かった…素晴らしいッ!
最初正直『こんなに貪欲にネタ盛って大丈夫か?』と思ったんですが、ミステリ、ジュブナイル、SF…全ての要素がお互いを高める、力強い複合エンターテインメントでした。
厳しいサバイバル、残酷な宿命、邪悪なる”親”…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
沢山の試練を用意することで、それを乗り越える子どもたちの奮戦、その先にある変化と成長に真実味が生まれ、前のめりに応援することが出来ました。
やっぱハードコアなピンチをちゃんと描かないと、それを乗り越えた強さに”芯”がねぇからなぁ…。
謎の出し方、話のスケールコントロールも見事でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
最初はありふれた(だからこそ普遍的な)思春期の悩みと思われたものが、クローンという出生の秘密、惑星アストラ成り立ちの謎に繋がり、グンとデカくなっていくダイナミズム。
それが上滑りせず、社会を変えていくエンディングにしっかり繋がる。
そこに説得力を出すべく、B5班一人ひとりの魅力と苦難をちゃんと掘り下げ、生き生きと物語を進めたのもとても良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
生まれの謎、世界の秘密。そういうデカい話も、悩み前に進む”自分”が、しっかりあってこそ。
壮大なストーリーをしっかり掴めるキャラの足場を、大事に仕上げてくれました。
世界の薄暗い場所をシビアに見つめつつも、作品全体が前をしっかり向いて、パワフルに進む意志をみなぎらせていたのも、とても良かったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
明るい未来は、必ず君の前に広がっている。
そういうお伽噺を堂々吼える矜持こそが、ジュブナイルの要点だと教えてくれました。
こういう前向きな物語を支え、引っ張る主人公として、カナタの造形は本当に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
不屈で無敵なんだけど、他人の痛みがわからないわけじゃない。むしろ深い傷を追ったからこそ、強く優しくなれた。
そんなリーダーの影響で、仲間たちも過去を振りちぎり、自分になっていく。
やはりそういう成長物語としての強さが、作品をしっかり支えていたと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
ミステリ要素もSF要素も手抜かりなくしっかりやってくれてるんだけども、やっぱ物語は”人間”だからね…。
群像がそれぞれ抱える薄暗さを、誰かに照らしてもらい振りちぎる。
その熱さが、エンジンを回すわけよ。
いろんな惑星を飛び石していく展開が、サバイバル状況を巧くシャッフルし、生き死にのハラハラを強めてくれたのも良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
いろんな惑星の危険と美麗を楽しめたのは、旅物語としてとても良かったなぁ…。ヘンテコ宇宙動物がたくさん出てきたのも、ワクワクしてグッドだった。
良い所がたくさんあるんですが、それが衝突して物語を壊さないよう、精妙にコントロールされていたのも素晴らしかったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
思い返すと、何気ない描写がしっかり伏線になっていて、のちのどんでん返しを支えてたりする。要素を何処において、どう活かすかの見切りが上手かったと思います。
というわけで、素晴らしいアニメでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
ありえないほど巧妙にまとまっているんだけども、巧さに溺れることなく、『こういうことを描きたいんだ!』という情熱で物語を駆動させ、熱を届けきる。
テクニックとパッションが理想的に同居した、とても完成度の高いエンターテインメントだと思いました。
変化を畏れず、愛と友情を抱えて前に進む。誰かの思惑を乗り越え、自分の航路を掴んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年9月18日
そんなメッセージがしっかり物語に食い込んだ、力強いアニメーションでした。いやー、面白かった!
良い物語を見終えた余韻を受け止めつつ、今は”お疲れ様”とありがとうを。
楽しかったです!!