荒ぶる季節の乙女どもよ。を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
真夜中の学校で、思い切りはしゃがないか。
それぞれが見る世界の色を語って、それを見つけにいかないか。
ハズレ者たち、最後の授業。
青い季節の終わりに、まだ続いていく文学に、終わらない歌に。
運命を入れた箱は、まだ駆けていく。
というわけで荒乙最・終・回!
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
今まで触ってもいねぇ学校社会との真っ向勝負はスパッと外して、ミロ先最後の授業”色鬼”で世界と己を見つけ、なんか納得した風味に未来に突き進んでいくエピソードでした。
全てがスパッと終わるわけじゃない半端な煮え方、むしろ続いていく豊穣となり、この話らしかった
ちっと身構えた理不尽な抑圧&学校占拠は、ゆるーい雰囲気でザラザラ解散となり、夜の学校は文学部&カレピの解放区となる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
リア充どもの恋愛文化祭ともまた違う、陰キャ共の最終決戦。相応しいリングの整え方だと思う。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/n8bWBXicCi
ここで張り詰めた”VS社会””VS大人”の攻撃性を抜いたのは、僕はとても良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
だってこの話、そんなん全然書いてなかったし。廃部の危機もミロ先ハメてとっとと乗り越えたし、いつでも大事なのは狭くてちっぽけな心象と個人的なサークルだったし。
だからそんな、小さな土俵に戻すのが”らしい”
ワーワー騒いだおかげでクライマックスの沸騰感も盛り上がったし、それぞれ内心に秘めた爆弾も吐き出せる土壌ができたし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
こうしてまとまってみると、降って湧いた社会的ピンチは話をまとめるいい横車だったな、と思う。
強引な展開は、上手く使えるなら最高のスパイス、と。
一足先にHoney Worksの領域に踏み込んだり香を、文芸部員はガラスの向こう側に遠ざける。最強カレピに、肩を抱いてもらえるなんて裏切り者ッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
この隔意もまた、表面化させて乗り越えないといけない問題。最終話序盤は、今まで煮込んだ心の問題を全て表面化することに費やされる。
イベント気取りで夜食を持ち込み、しかし妙にギクシャクする食事処。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
入れてしまえば『後三分』というリミットが出来る、即席麺の調理までは状況が進まないのが、なかなか面白い。
状況が煮込まれるのも、飯食って和解するのも、”ここ”ではないのだ。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/E3cdiE8bfF
り香を締め出す原因になった”ふれあい”を、もーちんと菅原氏も持て余している所が面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
お互いのセクシュアリティも、求めるポジションも違うけど、好きは好きな二人。そのギャップを捕まえるためには、一回向き合わなければいけない。
でなければ、触れ合う度離れるだけ。それじゃ”友よ!”とならん
もーちんが苛立ちを隠そうともせず、割と最悪気味に状況を煮込んでいくのが最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
いつまでも、無垢な天使じゃいられない。フワフワいい子だった時代を一気に飛び越えて、エゴイスティックな最悪人間にジョブチェンジだ!
ああ、幻想は壊れるだろうよ。でもそれでいいんだ。
親友二人が自分を置いてけぼりに、三角関係に決着をつけようとしていた事実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
結局好きな人が、自分を性対象としては見てくれない事実。
もーちんは感情を激発させて、青春の現場から逃げようとする。ガラス越しに薄暗い影法師になろうとする。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/do07bCs2Vw
そんな曖昧さにタックルかまして、菅原氏は友情を捕まえる。ずっと探していたもの。求めていたもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
性とも愛とも同じくらい真実で、大事なものを抱きしめる。そこに追いついて、逃げずに食らいつく。
口だけ大臣だった過去、三枝の長い影から抜け出した新菜は、欲しい物を掴まえていく。
ここにおっとり刀で駆けつけるのが、曖昧ボーイ泉くんである。ガラスの内側に飛び込み、実感と真実を掴む特権を、当然彼も持ちうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
(ここら辺、最終段階に三枝や杉本くんが入れないのとは対照的だ。優しいボーイだけが、女の園へのパスを貰えるのね)
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/m3Rf83Inxv
新要素がガバガバ追加されて、加速度的にややこしくなっていく状況。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
自分の感情だけを叩きつけた、分かりにくい文学を泉くんがパなし、少女は性欲の対象足り得ないこと/でしかないことに心を動かされる。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/m7NRswwaqc
『ペルソナかよ!』と思わず突っ込む眼球カットインに爆笑しちゃったけども、ここで一回致命的に間違えるのは大事だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
泉くんの真意は、性(を伴う女性人格)の対象化にあるわけじゃない。ティッシュ代わりに相手も見ず、勝手な欲望のはけ口にしたいわけじゃない。
むしろ”大事にしたい”のだ。
しかし自分も見えてねぇ、相手も見えてねぇ、文学も世界も解っていねぇボーイは、言葉が足らず状況を混乱させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
その不鮮明な段階を経て、思いっきり間違えることなく、本当のことなんて見えねぇし掴めねぇのだ。書き損じなしで、傑作が出来ると思うなよッ!!
彼が自分の文学を掴むシーンは、青い夜に約束されている。ここで一回間違えるから、あのシーンがよく心を動かすのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
そういう意味では、初手から自分の文学を掴み、屋上で曾根崎パイセンにしっかり思いを伝えられた天城くんは、やっぱ”アタリ”よね。
同じくガラスを乗り越え闖入してきた、パイセンと彼氏。本郷ちゃんとミロ先。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
人数が増え、混乱は加速し、嘘のない思いがバカスカ投げ込まれ受け取るやつがいない。大混乱の中で、菅原氏は自分が見つけた”性”の答えを言葉にしていく
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/2wlahFtCtw
もーちんのアッチョンブリケ顔が二億兆点であるが、菅原氏はクールに『セックスと心は別だから』とパなしてた過去に決別し、『性と感情は繋がっている』という実感を語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
性の対象にされる…性の対象にしかされない阻害が、ときに分厚い幸福を伴う人生の不思議を、潤んだ瞳で抱きしめる。
それは彼女が見つけた、彼女だけの文学であって、その時点で”正解”なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
他人や社会通念がどう思おうが、そこに血が通い乖離がないのなら、どんな答えも文学たりうる。さんざん彷徨って、ようやくそこにたどり着けたのだ。
おめでとう、菅原新菜。だが戦争はこれからだよッ!
赤い混乱、雲間の月。何もかもがはっきりしないまま、加熱していく状況に、和紗は闘争を求める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
パイセンは対話を主張し、ワーワーやかましいカオスが沸点に達した時、ミロ先が先生の仕事をする。
さて、文学の時間です。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/MXTxN8Qdx5
和紗(と一緒に、ガラスと夜に封じられた運命の箱に乗っかった、少年と少女と教師全員)が見つめる、赤い混乱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
それに自分だけの名前を付けていきましょうと、ミロ先は言う。
それを目の前の人に問いかけて、目の前の人が見ている色をちゃんと見ましょう、と。
それは、文学にしか出来ないことだ。
ここで色鬼という”遊戯”が出てくるのは、あの花最終話における”かくれんぼ”のセルフオマージュでもあるかなー、などと思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
今回は成仏できない子供の幽霊ではなく、言葉にならない感情に名前を付け、自分たちがいる世界と、世界にいる自分を見つけるのがクライマックスとなる。
和紗が求めるプリミティブな闘争と、部長がしがみつくロジカルな対話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
それを『遊戯化された闘争』『儀式化された対話』としての色鬼にまとめ上げて、それぞれの感情と混乱を昇華していこうってのが、ミロ先最後の授業である。
思わぬ所で『ゲームの力』を見せられて、TRPGモノとしては嬉しい不意打ち
遊ぶこと。ルールを制定し、それに則って相手を尊重すること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
抜身で振り回せば相手を傷つける感情も、”遊戯”に落とし込むことで優しく扱える。混沌としすぎて難しい自分と世界も、遊びの中で飲み込んでいくことが出来る。
そういうパワーが”色鬼”にはある。”文学”にも。
色を追い、色に迷う。セックスに振り回されて進んできたこのお話、最後の授業としての”色鬼”が始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
相手が定義する色彩を、どう受け止めどう表現するか。
『作者が言いたいことはなにか』なんて解ったもんじゃないけど、多分文学のコアはそこにある。
自分の見た色だけじゃ、ゲームは成立しない。
色を受け渡しながら、鬼とターゲットはお互いの思いを知っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
自分すら見つけられない”百々子の桃色”は、当然菅原氏だってわかんない。その必死な探求を見ることで、もーちんは自分を選んでくれない親友を抱きしめることにする。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/Y4OMdas1U4
結局もーちんの性自認は、曖昧な雲の中だ。自分に問うても菅原氏に反射させても、女を抱きたい女として確固たる自分があるのかは解らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
それでもいいやと、確実にセクシュアルな欲望を込めた指先で肉体に指をうずめ、抱きしめることで、もーちんは曖昧さを曖昧なまま肯定する。
”百々子の桃色”はまだ見えないけど、菅原氏と一緒に探して行くことを自分と親友に許せたことが、もーちんの到達点である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
その曖昧さを、僕は良いな、と思った。恋に一つの決着が付くことだけが、全ての終わりではない。
世界を埋める曖昧な色、曖昧なままの自分を知ることが、”終わり”でもいい。
それは結構、いい終わりだったなー、と思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
他方、本郷ちゃんは色を追いかけないことで己の終わりを定める。
最後まで”先生”を演じ続けた、ぶれないミロ先(ここらへん、ブレることがキャラ立てだった泉と面白い対比)が、退屈しない作品として自分を見てくれたこと。
主役になりえない自分の冷たさを見つめて、今青春の真っ只中にいる子供たちに的確な問掛けをすること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
そんなミロ先の”終わり”を見ることで、本郷ちゃんは惨めさにしがみつくより先の、明るい面白さに”終わり”を見出していく。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/wiZbipwHpF
ここで本郷ちゃん泣かないの、キャラに愛情と作品にプライドあっていいなー、と思う。そういう段階は、あの安ホテルで終わったのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
それでも、”終わり”を前にした感慨にじわりと滲む。終わってしまった恋に、愛着が流れる。
そういう”色”を見ることで、本郷ちゃんの作家性は豊かになっていくのだ。
エロチャで出会ったり、パンツ見せたりパンツ脱いだり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
色々変態的だったけども、ちゃんと大人してちゃんと教示し続けたミロ先と出会えたことは、お話にとっても本郷ちゃんにとっても良かったと思う。
ミロ先も、退屈しない女子高生に出会えたことで、スネた文学少年から”大人”になれたのだろうし。
そして三角関係も、終わる時が来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
長い長いトンネルの奥、月に叢雲華に風。
和紗は真っ黒な暗がりに”青”を見る。群れとして、一つの箱に押し込められて、ずっと走ってきた場所の終わり。
そこは月光に塗られた、美しい夜の底。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/e7zXcRyJyi
夜の闇は、黒というより青だった。色彩に関する盲が開ける…こう言ってよければ”文学的”な体験をすることで、和紗は豁然と己を悟る。己を振り回してきた性の青さ、自意識の青臭さを客観で見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
それは泉との和解であると同時に、自分自身への理解でもある。
泉の瞳に写った自分、自分の瞳に反射する泉。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
必死に言葉を探し、自分の思いを伝えようとする泉の”文学”を聞くことで、自分だけが見ていると思った性の複雑さが、同じ色彩で泉の中にもあると解ってくる。
ただ、それを見て伝えれば、闇は終わるのだ。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/yvTDNTNoYt
最初二人を分断してた柱が、対話と照応を経て乗り越えられ、身体が接触する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
横と縦、客観と主観が高度に入り交じる演出を通じて、和紗の自意識が的確に形成されていく瞬間…文学が生まれ、人が大人になる一瞬が切り取られていく。
やっぱ心理主義的なレイアウト、巧いアニメだったなぁ…。
泉は菅原氏に『女にだって性欲はある!』と突きつけられて、世界を異化した。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
泉は必死に言葉を探して、性に焦がれつつ怯える少年の”色”を言語化していく。それを受け取って、和紗は『男にだって繊細がある!』と学ぶ。
青い夜を共有できる、特別な関係
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/fJuZE7CQB7
同じ色を見つけたのに、菅原氏はそこからはじき出される。薄暗い闇に見えるものは、やっぱり月光の青をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
みな、青春の中にいた。同じ箱に運命を預けていた。
でも、同じ強さで繋がるわけにはいかない。同じ欲望で、別の誰かを選ぶわけにはいかないのだ。
少なくとも、それがここでの”正解”だ
ここで”鬼”がターゲットを見つけないこと、自分が泉を掴まえられない事実を横で聞くことで、菅原氏の片恋が”終わる”のも、良いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
そういう静かな理解も、世界にはあるのだ。
一方、かなり早い段階で”アタリ”を引いた曾根崎パイセンは、手で触れる以上の身体接触を”色”の答えとする。
『やはりこの天城…”無敵”…ッ!』て感じの、他人を思いやれるいい人間っぷりであった。断絶? ”一瞬”ですよ乗り越えるのは。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
エゲツない露骨を描いてるようで、やっぱ”大事にしたい”に集約される岡田麿里のロマンスが、甘っちょろくて僕は好きである。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/h8YXk7h4Xx
かくして男の子とのこんがらがった関係、女の子同士のこんがらがった関係も綺麗にほぐされ、夜が終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
色々あった。振り回され、暴走し、間違え続けてこの箱にたどり着いた。だけどずっと仲間で、ずっと一緒だったから、”終わり”はこの五人で。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/Se1yORQy4O
ビミョーにズレてて、同じ方向は向いていなくて、それでも体温を感じられる距離にいて、やっぱ大切で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
”部”であること、仲間で親友であること、世界のはみ出しものであることを上手く”絵”にした、良いフィナーレだと思う。
みんなクソバカだったけど、青春だったなぁマジで…。
かくして特別な夜が明け、友情河原に日が昇る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
白日にさらされたガラスの向こう側に、自分たちの文学を多彩な色合いで描いて、少女たちの反抗が終わる。
止まれないはずの列車は、一晩暴走したら落ち着きどころを見つけました。このお話らしい。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/My7qqpEA8b
血のように真っ赤な色合いで描いた”純潔”は、半地下の文芸部室でしか共有されない、クローズドな価値観だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
だが今ここに至って、陰キャ軍団は堂々己が見つけた色を、”外側”に問うこととなる。
いやまぁ、『文芸部っつうか美術部の抗議じゃね?』とは思うよ。エモいから良いけど。
『真っ白に燃え尽きたからジョー最終回パロか…実質”メガロボクス”じゃん』とか思いつつ、五人は真白な想いを様々な色に汚す。あるいは色彩を増やす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
性を拒絶し、自意識を肥大させ、身内できゃっきゃし、成熟を排斥してきた時代を、自分の手で塗る。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/hgElJSeooC
ここで曾根崎パイセンが宴会終わりのリーマン、もしくは丑の刻まいりの鬼女みてぇな格好して、全然締まらねぇ所が良いと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
あと露骨に、ヴァージンブレイクを想起させる下品さな。私達の純潔は奪われるのでも捨てるのでもねぇ…選び取るんだッ!!!
かくして栄光に向かって走る列車は、一つの時代を通り過ぎていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
家庭を持つもの、学舎を変えるもの、新しい仲間を受け入れるもの。
新しい季節、新しい歌、新しい文学がまた始まっていくのだ。傾いだ”純潔”も貼り治せるぞ!
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/qiauDvMU89
アホバカ軍団の地下アジトに、新しいバカが入ってる所。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
ミロ先が掴み取った新しい選択を、本郷ちゃんが祝福している所。
もーちんと菅原氏が手に入れた曖昧な関係が、曖昧なまま祝福されていること。
和紗と泉の、構えない距離。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/zCIFct8cLg
12話分の狂騒が、一体何を掴み取ったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
それを余韻を込めて描く、良いエピローグだった。
目の真絵に広がる薄暗いものを前に、和紗はもう身を縮めない。真っ直ぐに、愛おしく見つめて、その内側に入っていく私達を見守っていく。
© 岡田麿里・絵本奈央・講談社/荒乙製作委員会 pic.twitter.com/Kyk4QqpCgA
トンネルの中には不明の黒だけでなく、青い季節も、赤い純潔も、真っ白な希望もあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
その多彩を身を持って知ることが出来たから、荒ぶる季節のただ中にいる自分を、その隣りにいてくれる誰かを受け入れることが出来た。
世界と自分の中に満ちている、色と文学を肯定できた。
まぁそういう、コンパクトでアホらしく、とても愛おしいお話だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
非常に良かったです。
最後までみみっちく情けない個人の悩みに、ネトネトとしがみつき間違えまくるアホどもを、慈しみを込めてちゃんと描いてくれました。素晴らしい。
セックスを茶化さず…笑いつつも真剣にその無様さに向き合って、キッチリ答えを出してくれたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
群像を個別に描きつつも、彼らを繋ぐ紐帯を大事に進めてくれたこと。
文学に出会い、自分が文学になっていく歩みのバカらしさと希少さを、大真面目に笑い飛ばしてくれたこと。
色んな所が過剰に真剣で、大真面目だからこそ笑い事になっちゃう人生の面白さ、滑稽な可愛げがキャラにも、作品にも満ちているお話だと思いました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
青春真っ只中のバカどもが、何に悩み何を間違えるのか。何を見つけ何を終わらせるのか。
的確に見せる美術とレイアウト、演出も良かったです。
キャラクターは皆チャーミングで、バカで浅はかで真剣でした。一人選ぶとミロ先かなー…信頼できる男だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
色んなキャラが同じ青春に思い悩むことで、群像劇が動く面白さ、立体感のあるテーマ描写も出来たと思います。
もーちんのセクシャリティ含め、結構多彩な答えが出たんじゃなかろうか。
最初から最後までずーっと、肥大化した自意識とそれが及ぶ小さなサークルでの戦いに終始したサイズ感も、僕は真摯で良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
広い世界との向き合い方を描くのと同じくらい、世界を塞ぐデカい自分との戦いを描くのは難しいし、とても大事だ。
それをちゃんとやりきったのは偉い。
自分的には『運命の乗った箱』というキーフレーズを掴まえられたのが、作品を読む上で大きかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
色んなサイズの箱が人間の中と外にはあって、それを共有したり拒絶したり、出たり入ったりすることで人生が転がっていく。
その箱の大事さ、自由と不自由を見つけるための旅が、多分この話なのだ。
文芸が持つ異化作用や、混沌に名前をつけ殺さないまま親しんでいく力を、茶化さず大真面目に話の軸に据えてたのも、文学オタクとしては嬉しいところでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
言葉と向き合い、何かを語っていくことは、哀しいくらいダサい。上手く行かない空回りばかりで、でも面白くて、大事で強い。
そういうの、腰引けずに真っすぐ突き出したのって偉いなぁ、って思うわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
最初から最後まで、自分が選び取ったテーマとモチーフ、表現の方向性とスケールをちゃんと掴んだ、巧妙で熱のあるアニメだったと思います。
上手かったし、好きになれた。いいアニメだったな…。
少女たちの荒ぶる季節は、一旦終わりを告げた。そこで見つけたかけがえのない色彩を抱いて、また文学が動き出すのでしょう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) September 21, 2019
そういう余韻を、馥郁と味わうことが出来るいい最終回、いいお話でした。
いやー、面白かった。とっても良かったです。ありがとう。
お疲れさまでした!