放課後さいころ倶楽部を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
あの屈辱的な出会いから5話…遂に翠ちゃんがリベンジに踏み込んだ!
コンペティションに自作”ワンルーム”を送り込むべく、テストプレイとブラッシュアップを繰り返す一同。
しかし、何かが足りない…。ゲームを楽しい体験に変える魔法は、一体どこにあるのか!
という感じの、翠ちゃんデザイナー奮戦記第二章である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
同じデザイナー属性のエミーが凄まじい安定感と特別性を誇り、『あー…これだから”デザイン”知らん女は、女の涙を受け止めきれんなぁ…』と言い出しそうなオーラを出していた。(出していません。エミーは袴田めら作品の女ではない)
今回は第6話のダイレクトな続きで、ゲームを作る、プレイする楽しさが何処からやってくるのか、ゲーム制作を通じて考えていくお話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
高いプライドの鎖を引きちぎって、他人に意見を求めるようになった翠ちゃん。立派な成長だが、遊べるゲームにはちと足らない。
どんだけ優秀でも一人の視点には限界があるもので、テストプレイと意見出しは大事である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
一切面識も知識もない、情で評価を左右してくれないカスタマーを相手取ることを考えると、『まぁ良いんじゃないの』は許されねぇしな…。
今回は、そういう客観的なブラインドテストはやらんのだけども。
美姫と彩は遊び専門のボドゲエンジョイ勢、店長とエミーはデザインも嗜むボドゲガチ勢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
それぞれ出てくる意見も違うし、立場も違う。
エミーが構造解析と言語化に凄まじい才能があって、テスターとして異常に良い性能しているのが、翠ちゃんにとっては後押しだよな、このテストプレイ…。
Ver2はプロトタイプの弱点を踏まえ、遊びのロジックを整理して、楽しさを増やした感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
しかし”ほころび”みたいな物語なくて、時間を忘れるようなゲーム体験に至るには少し足らない。楽しいを分解するツールとして、色々言語化するのは良いんだけど、それに縛られすぎた感じか…。
”ワンルーム”は抽象的な駆け引きと数字の増減、ルールの妙味だけで構成されているのではなく、『部屋を飾る』『そのためにお金を稼ぐ』という、ドラマ的な体験が楽しさの中心にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月12日
それを翠自身が見落として、ロジック方面から攻めすぎたことが『良くも悪くも隙がない』ゲーミングになったのだろう
数字だけでかっちり固めすぎると、ある程度なれると最善手が見えすぎたり、プレイ展開が固定されてしまったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
何回遊んでも楽しいゲームに仕上げるためには、何が起きるか解らない”ほころび”を、ルール面なりドラマ面なり、人間心理の駆け引きなりから引っ張り上げる必要がある。
同時に完全に無秩序な体験だと、それは楽しさとしてなかなか立ち上がってこないわけで、固めるかほころばせるか、非常に難しいバランス取りが要求される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
そこに思い悩んだ翠ちゃんは、睡眠不足でフラッフラになりながらディベロップメントを続ける。突破口を探しやってきた、自分の原点。
そこで坂本さんと語り合い、過去を思い出したことがゲームを進化させる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
家具屋という家業、幼い日の発見、”家具”というテーマへの愛情。
いつの間にか頭でっかちになっていたけども、”このゲーム”をわざわざ作る根っこには、個人的な体験がしっかり根を張っていた。
なぜ、あの時自分は楽しいと感じたのか。その喜びをプレイヤーにも共有してもらうためには、どういうルールデザイン、どういうコンポーネントに仕上げるべきか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
ルールのためのルールではなく、体験のためのルールを整備できるようになると、完成までは早い。何やればいいかは見えてるからな。
”家具”にはモノとしての美しさ、集めコーディネートする喜びがある。だから手元に置くトークンも、それを並べるマットも、無味乾燥なデータ集ではなく、目を楽しませるしっかりした仕上がりに。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
良い”家具”は高い。それをわざわざ買う喜びを、得点勾配の調整でゲーム的体験として抽象化していく。
”家具”には部屋を特定の雰囲気に飾るルールが有る。だから、セットを揃えた時にボーナスを貰えるようにして、そのルールを体感してもらう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
そしてゲームとして、安く早く立ち回るか、稼いで高い家具を揃えて勝つか、勝利につながる色んな筋道を用意する。ゲーム体験を多様にしていく。
実体験に立ち返った後のブラッシュアップは、『このゲームをどう楽しんでほしいか』が明瞭かつ的確で、色々納得できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
無論ゲーム体験は非常に多彩なので、”ワンルーム”型のディベロップメントだけが正解ではないけど、正解の一つとして説得力があったと思う。
手応えのあるゲームを出すと、テストプレイヤーの反応も良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
新しくなったコンポーネントに喜び、奥行きを増したゲームプレイに頭をひねる。それを間近で見ることで、翠ちゃんは自作が批評される痛みより、改善されていく喜びを重視できるようになる。
こうなると、作品は加速度的に良くなる。
耳の痛い意見もしっかり傾聴できる、尊敬する仲間を作れたのも大きいだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
特にエリーは同ジャンルで競い合うライバルであり、ただの共感を越えたより微細な苦しみを理解してくれる。
マージでエリーが翠ちゃんの痛い所、全部先回りで理解ってて”強”かった。クリスマスで番になったのは伊達ではない
”ワンルーム”Ver3は、翠がデザイナー(≒一番勝ち筋に習熟している人)だと忘れてしまうほど、白熱した体験になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
時間を思わず忘れるほど、楽しい時間。相手の属性に関係なく、無心で一緒に楽しめるゲーム。
それはゲームデザイナーに与えられうる、最高の褒め言葉だと思う。
まぁ商品にするなら、な~んも知らないクソ他人がアホみたいにこき下ろす意見を奥歯ですり潰して、『クソが…何も理解ってねぇ…』とブツブツ言いつつも、より良いゲームのために改善繰り返す日々が待ってるとは思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
キツいぞー…他人様の意見は。嘘と忖度と容赦が無いからな…。
さておき、ぶっといプライドを横において、ムカつくアイツをギャフンと言わせるべく挑んだブラッシュアップは、翠ちゃんに大事なものを思い出させた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
ゲームはルールやコンポーネントだけで出来ているのではなく、何かを楽しいと感じた記憶、その共有で出来ていること。
自分の中にしかない、曖昧で個人的な感覚を、如何に再現し共有可能なゲームとして仕上げていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
その時、鋭い分析眼とか、ゲーム構造への理解とか、ゲーム史の知識とかはアホほど役に立つ。
でも情熱を置き去りにして、他人の心が動くゲームはなかなか作れない。
そういうことを、翠ちゃんのデザイナー修行を通じて見せるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
いやー…全TRPGゲーマー、この話数は見ておいたほうがいいんじゃないかな…。
ボードゲームのみならず、TRPGシステム、TRPGシナリオを作るときの勘所が、かなり精妙に凝縮されている気がする。オススメです。
どっしり構えたエリーが『お前ら半年間、何やってたのよ?』と言わんばかりに彩と美姫を追い抜いて、翠ちゃん最強の理解者として苦しさを受け止め、手を差し伸べほくそ笑む姿も素晴らしかったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
ウソ、エリーはいい子なのでほくそ笑んだりはしません。でもあまりに”強”すぎて、そういう妄想が…。
ボドゲ開発を通じて、自分の人格や人生、人間関係をブラッシュアップさせていく友人たち。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2019年12月13日
その進歩に、美姫ちゃんは少しの寂しさと焦りを感じる。出会ってからの一年間、その総決算は次回である。
いやー、久々に美姫ちゃんの面倒くさい所見れそうで、非常に楽しみだ。ワクワクするね!!!