恋する小惑星(アステロイド)を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
幼い頃の出会いを胸に、天文部入部を夢見て高校に入学した木ノ幡みら。門を叩いた”地学部”で彼女は、形を変えた約束に出会う。
天文と地質。過去と現在。2つに別れた世界は、どんな出会いを連れてくるのか。流れる星に願いをかけて、今青春が始まる!
そんな感じのアストロノーカ・ガールミーツガール第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
どんなもんかと構えてみたが、地に足がついた部分と軽やかに浮かれる部分、生っぽい部分と夢っぽい部分の割合が独特であり、明暗の表現、劇伴の使い方などに独自性があった。なかなか独特の歯ごたえで面白い。
”天文”というロマンティックな題材へシンクロするためには、星空が美麗でなければいけないわけだが、そこはしっかりとクリアしてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
美術が仕上がっているだけでなく、見せ方も良かったし、星空が広がる前段階での明暗の使い方、そこにキャラクターの心情や環境を乗っける演出がキレてた。
第1話というのはどんなアニメでも気合が入るものだが、淡々とテンポよく状況が進みつつ、”何か”が起きそうな善い予感が力強く唸る、良い出だしとなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
そこまでコアなネタはまだ振っていないけども、部活という場所、天文/地質学という領域を選び取った理由が、静かに息をしている感じがあった。
出だしからして、瞳が印象的な入りである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
星空に広がる無限の星と同じくらい、強く輝く瞳の光。人間の心こそが一番強い光なのだと、言外に告げてくる演出がなかなか心地よい。
主人公・みらはメジャーな輝きではなく、夜闇の輝きにこそときめきを見出す。
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影の中に引き込まれ、そこで美しい光(と、運命を導く出会い)を瞳に宿す流れは、”天文”というややマイナーな題材を上手く浮き彫りにしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
キャンプ場の喧騒と光に背中を向けて、あえて薄暗い場所から天を見上げる。その体験が、みらの未来を照らしていく。
ちょっと薄暗く内省的な、作品のコア。ただキラキラとひかるだけでなく、輝きに隣接した陰りを丁寧に追う色彩は、出だしから…作品の入口となるファースト・シーンだからこそ鮮烈に息をしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
ライティングの表現がパキッとしつつ、どこか湿り気を宿した暗さと両立しているのが、なかなか良い。
自分の名前を宿した、くじら座の偏光星。いつか出会うだろう、あなたの名前を宿した星。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
みらが出会ったものは地面から照り返す光となって、静かに少女たちを輝かせていく。この夜気の静かな美麗は、非常にワクワクしていい。
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天体観測は夜に行うものであり、そこには独特のオーラとリズムがある。寒くて、暗くて、だからこそ胸躍る特別な時間。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
そんな肌感覚があればこそ、みらは”天文”に引かれていく。そういうワクワクとのシンクロは、運命の出会いを描く鮮烈な筆で、しっかり果たせていると感じた。
状況はスルリスルリと流れて、みらは”地学部”への入部を果たす。あおの正体もすぐさま判明し、過剰に持ちすぎることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
このスピード感とテンポは、なかなか良かった。手垢のついた定番部活イベントで、時間を使うつもりはあんまないわけだね。
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やっぱ瞳の表現力がかなり独特、かつ引力があって良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
銀河のようにうねるみらの紫。再開に心躍るあおの翠。鈴ちゃんの妖しげな蛍火。
眼光に独自のパワーがあって、”何か”が起きそうな期待感を上手く盛り上げてくる。透明度の高い色彩で清潔にまとめてるからこそ、”眼”が際立つ感じ。
部活に入らないけど、女と女の関係を特等席から観察し、支援し、蕩尽する鈴ちゃんのジャンル適応っぷりとか、強かな計算が見えていい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
”男”を隔離し切断しつつ、女との親密な交流は確保し、加速させる。透明な”男”の目線を背負いつつ、必要な状況を整えていく手際のよさ。紫に濡れる視線。
彼女が『女女っていいよね!』と言語化し、行動していくことで作品世界のムードが整い、みらとあおが青春を二人で駆け抜けていく足場も整う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
そういうオヒキを”部”の外側に用意してあるのは、なかなか巧いなぁ、と思う。その巧妙さが、角を出さない程度に丸められてること含めて。
かつてみらに星を教えたあおは、すっかり引っ込み思案な少女に成り果てていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
屋上の食事シーンで、二人の人格を伝える演出は良い。
こじんまりとまとまったお弁当、卵が落ちるのも気にせず食む大胆さ。噛み合わないデコボコと、縮む距離感。
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やっぱ状況を適切に調整する、鈴ちゃんの”巧さ”が目立つ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
子供じみた直情で突っ走るみらの背中を支えつつ、唯一絶対のポジションを目指さない…むしろ積極的にあおに明け渡す物分り。
それでいて、不出来ゆえの依存をたっぷり握り込んでいる。運命の相手役とは、別角度からの特別性。
それが状況を整えるまでの一時的な出番なのか、今後も”部”の外側から作品をコントロールしていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
作品全体の感情の解像度とあわせてなかなか読みきれない段階だが、面白くなりそうな気配は強くある。
ジャンルの定形からはみ出す独自性を、どれだけまとまりよく食べさせるか。
そういう手際を楽しむアニメになりそうでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
携帯電話で繋がりつつ、離れて見上げる一つの空。
ちょっと”ゆるキャン”第5話っぽさもある空の色は、一色ではなく静かなグラデーションが宿っている。
繊細な美しさの中に、あおは誘い出され身を乗り出す。
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ここはクオリティをどう使っていくのか、作品の方向性がよく見えるシーンで良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
ただ星空が綺麗なだけではなく、その美麗に誘い出されて少女が変わっていく予感。夜闇の底で輝く光を、共有する吐息の熱量。
そういうモノを切り取っていく気概が、上手く画面に満ちている。
やっぱ”星”の話なので、空が綺麗じゃないと作品には入り込めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
薄紫から藍色へ移り変わるグラデーションの、自然な突き刺さり方はとても良くて、そういう足場をしっかり作る意志を感じさせる。
ここが丁寧なのは、作品と製作者への信頼度が上がって良い。キレイなものが見たいのだ。
みらの元気なときめきは一方通行ではなく、双方向に互いを侵す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
背伸びして見上げたあおの表情は、昨夜の逢瀬を反射して熱を帯びている。思わず見を乗り抱いた赤い靴底に、みらの感情が乗っていてなかなか良い。
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二人の距離感だけでなく、”部”の空気も初回、上手く描かれていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
地質学と天文学、正反対の二つがひとつにされた箱。それは真ん中で分断され、なかなか融和していかない。”地質”に拘る副部長と”天文”を、ピンクの猪瀬が上手く繋げていく。
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ホワイトボードの上で真っ二つになった、地質と天文。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
それは猪瀬が『お互いが混ざり合うのが大事だと思います』と提言することで、孤立から救われていく。
しかしどのように混ざり合っていくかはまだ白紙で、とりあえず分断状態を消すところまで。”地学部”というキャンパスに何を描くかは、まだ不明だ
しかしトゲトゲしたぶつかり合いのまま進める気がないことは、ホワイトボードをフェティッシュにした交流で既に見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
副部長の頑なさも、猪瀬くんが間を取り持つことで柔らかく変化していきそうだし、その舞台となることで”部”にも独自の空気が生まれてきそうだ。
リアリティのある美術設定も活きて、フワッとした雰囲気が上手く締まっている印象を受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
確かに夢みたいだけど、どこかで起きていそうでもある当たり前の部活動。そこまでバチバチした衝突も、夢みたいなキラキラもまだないけど、”何か”が静かに胎動している気配。
そういうモノが、手探り自分たちの為すべきことを探していく”部活動”から、少し見れてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
まだ天体観測も鉱物採集もしていないのだけども、そういう具体的でマニアックな行動が乗っかる土台、人と人が入る箱としての”部”の楽しさ。
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それが部誌のタイトルを考える歩みの中で、文字通り”キラキラ”しているのは喜ばしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
何かと浮かれがちで、だからこそ牽引力のあるみらとは正反対の、沈思黙考気味なあおのキャラクター。
それが何を見つけるかを、セリフではなく視線でしっかり描くカメラも良い
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夜桜が溜息つくほどに綺麗な世界で、あおは副部長の握る鉱物標本を見つける。そこに人が思いを載せていて、自分が星を見上げるのと同じ視線があることに気づく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
足を止めて、何かを見つめる能力。それはみらには(まだ)無い、あおだけの特質なのだろう。
それが天と地を繋ぐ架け橋になる…
かは、今後を見ないと分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
しかしマニアックで具体的な話が回る中で、他人の好みを尊重し、そこに何が宿っているかをちゃんと見れるキャラが主役にいると判るのは…それを描く筆が説明的でなく、詩情に満ちていたのは良かったと思う。
キャラが賢く、優しいやつだと判る第一話。凄く良い。
副部長の(地質を愛せばこその)尖り加減を、猪瀬くんが上手く受け止めて、地質コンビのキャッキャ感がよく出てたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
こいつもかなり、瞳に”星”を宿す女でな…地味なやつの芯の強さが、静かに香ってくるのは良い表現力。
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地質サイドの二人が、何故惹かれ合い、どんな”星”を地層の下に見ているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
それは今後、部活が動き出し部員たちがお互いを知っていく中で…天文と地質のマニアックなうんちくが楽しく染みてくる中で、見えてくるだろう。
ここら辺の感情を潤滑油に、知識がすっと入ってくると良い語り口だが…・
今回はあくまで人物重点。専門知識はベーシックな地盤を固めた後に、ということか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
あのキャンプ場から時は流れ、それでも見上げる二人の星。かばんにぶら下がったくじら座は、あおの心に強く光る思い出を凝集している。
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既にかなり良い距離感、良い温度で感情が唸っている塩梅だが、”部”を進めていく中でこれがどう煮詰まっていくか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
天への視線だけでなく、地に目線が導かれていくことでどんな新しい変化が生まれるか。
そういう未来にも期待が持てる、良い現場のスケッチであった。
天体観測が持つロマンチックな空気を、少女たちの再開にしっかり焼き付けて、オープニングとエンディングを繋ぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
空間を埋める携帯電話と同じく、星を見上げる行為自体が過去と現在、出だしと幕引きを上手く繋げているんだな…凄く綺麗な構造。
というわけで、なかなか期待の持てる第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
作品がどれくらいの解像度で部活とか、天文と地質学とか、女と女の距離感とかを彫り込んでいくか。
当然確言は出来ないわけですが、『俺たちはやる』という静かな迫力が、丹精な画面と的確な話運びの中、熱く燃えている出だしとなりました。
マニアックな題材を選びつつも、あくまで地道な人間関係、変化への期待感と夜空の美しさを真ん中に据える足腰の強さは、テーマに振り回されていない感じでとってもグッド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
出てくる子が軽い凹みはありつつ、皆良いやつっぽいのがグッドですね。鈴ちゃんには重力感じるけども…。
みらの軽薄な前向きさ、あおの後ろ向きな賢さも巧い対比で、お互いを補いながら進んでいく未来がクリアに予感できました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
主役がどこに進んでいくかは、話がどう転がるかの指針でもあり。第一話でしっかり刻めたのは、非常に良かったと思います。これが見えないと、どう視聴するか迷うのよね…。
部の仲間も一癖二癖ありつつ、お互いにいい刺激を与えてくれそうな連中ばかりで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
未だ定かならぬ物語に、どういう星座を描くか。その指針がしっかり届く、良い第一話だと思いました。このアニメ…面白いぞッ!
既に強火な”みらあお”を、どう転がしていくか。部はどう変化していうか。次回も楽しみ
しかし天体と地質って、モロに宮沢賢治な話だよなぁ……。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月4日
”放課後のプレアデス”みたいな空気でやってくれると、俺に良い。