ID:INVADEDを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
名探偵・酒井戸は、カエルちゃん殺害事件を追う。
生き死には問題じゃない。事件を解決するために、殺人犯の無意識に潜る。
機能体として、拘束された身分で飛び込む犯罪。
連続爆破犯”ハナビシ”の世界は、塔と銃弾。
回転する地獄で、名探偵は何を夢見るのか。
そんな感じのスペキュラティブ・ディテクティブストーリー、第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
酒井戸=鳴瓢の過去などに触れつつ、追い詰めた”犯人”をその弁説で殺してしまう彼の犯行現場などを追う、滝の世界の物語となった。
話のフレームが二話連続放送で掴めたので、今回は語りに集中できた印象。
とにかくまぁ陰気で血生臭く、ドリルで穴掘るように思索の海に潜っていく話である。舞城節が一切手加減なく、原液でドクドク注ぎ込まれて大満足であるが、マニア以外は楽しいのだろうかコレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
俺は死ぬほど楽しいよ。
まぁ謎のチラ見せ、エグさの使い方も良いので、フックできて…いるのだろう多分。
さておき今回、鳴瓢は幾度も目覚め、夢の中に落ちていく。覚醒はミヅハノメの中の死であり、過去からの切断である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
連続殺人犯”タイマン”(”アナアキ””ハナビシ”と、カタカナ4文字がルールのようだ)の被害を受け、殺された娘。カエルちゃんに覆い焼きされる、その遺骸。
今回はハナビシの世界に潜ると同時に、鳴瓢の過去に潜るエピソードと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
事件の全体像を掴むことは出来ないが、ヒントは出ている。僕らは井戸端から凄惨な悪夢を覗き込んで、情報を引っ張り出し繋ぎ合わせる必要がある。
劇中の分析官と同じ立場に、視聴者は置かれている。メタミスだなぁ…。
先週は”JIGSAWED”、今週は”SNIPED”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
受身形の英字サブタイトルは、連続殺人犯が凶行に及ぶに至ったトラウマと重なる。
頭に穴が空き認識がバラバラに分断されたから、同じように他人が頭に穴をあける瞬間を見たかった。
テロルに狙撃され、地獄に魅入られたから、”花火”で再現し特等席で見たかった。
かつて被害者であり、今は加害者にもなっているエピソードごとの”敵”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
それは名探偵たる酒井戸、犯罪者たる鳴瓢に共鳴し、彼の謎めいた過去と無意識を照らす鏡でもある気がする。
名探偵は、自分の無意識には潜れない。ドグマに落ちて、肉体が死んでもとらわれる。
松岡さんが語っていた、ミズハノメの基本設計。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
名探偵・酒井戸は自分自身の事件に潜ることは出来ない。記憶のない単機能な探査機として、誰かの無意識に潜り、遠回りな自己探求を続けるしかない。
バラバラにされ狙撃されたのは誰か。何故か。
それは死体のように静かに、本命の周囲に配置されている
今回酒井戸が潜るのは”滝”だ。水は上から下に落ちる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
井戸は地下から滾々と湧き出る水が、上に吹き出す構造だ。
つまりサカイド…逆井戸は”滝”ということでもある。ひっくり返ったイドは恵みを地上にもたらすのではなく、何かを覆い隠し、溢れさせる。
しかし、犠牲者の死因は溺死ではない。
滝≒逆井戸はあくまで犯行を覆い隠す煙幕として機能する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
自動的な機械によって製造される、この世の地獄。それを楽しむためには、水に溺れてはいけないからだ。
”ハナビシ”の身勝手な世界を暴き、鳴瓢は彼を死に至らしめる。”敵”が溺れ自死したものを、名探偵は直視し、観察/搾取し続ける。
そういう不気味で、凶暴な構図が見え隠れするエピソードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
マジ分かりにくいが、だからこそ読み甲斐もある。執筆文法が完全にミステリ小説で、全然アニメ向きじゃないところをあおきえい監督の映像センスで強引に”アニメ”にしている、相当無茶苦茶な作品だと思う。
面白く機能してるんだから流石だ。
物語は夢から始まる。存在しなかった幸福、あり得なかった現実。鳴瓢は警官だった過去の自分を見つめ、それが失われたことを認識し続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
無垢なるものとはなり得なかった、白い自分。無意識の表出たる夢は、都合よく過去と現実を改ざんし、塗り替えていく。
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夢に潜り、同時に影に潜んで冷静に認識し、読み解く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
鳴瓢を苛む悪夢は、ミズハノメが紡ぎ出す連続殺人犯の無意識、井戸端での読解作業にも似ている。
あるいは繰り返す悪夢のただ中にいるからこそ、ミズハノメのパイロットたり得ているのか。
剥けた拳の皮。矯正された抵抗と、バラバラにされた残骸
それを鳴瓢は確かな記憶として刻みつつ、白く綺麗な死体を夢見る。こうあってほしかったという後悔が、塗り替える認識の世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
白と黒に塗り分けられた過去=死者と、現在=生者の世界は隣接しつつ、行き来はできない。夢、冥界、あるいはサイコダイブへの旅のように。
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かくして鳴瓢は夢から覚め、監獄に帰る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
妻子を殺された被害者であり、法の番人でもあったはずの彼が、なぜ自由を奪われ刑に服しているのか。
過去を共有する松岡さんは、匂わせつつ肝心なことは言ってくれない。ヒントは十分出てる、と言わんばかりだ。
僕らは井戸端で、悪夢を読み続ける。
大量の死人が生まれているとは思えない、華やかな花火。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
連続殺人犯”ハナビシ”を追う途中で、松岡さんは本堂町くんを見舞う。
頭骨に穴が開いても明るい笑顔の本堂町くんが、妙に不気味で怖い。闇濃そうだなぁコイツも…。
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病室での会話は”ハナビシ”追跡には直接関係ない、しかし作品全体に伸ばされた重要な探査針だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
ミズハノメの設定、鳴瓢の過去、名探偵という存在。作品を貫通する重要なテーマと設定が、ドロドロと垂れ流しにされていく。情報量多すぎて溺れそうだよ…。
松岡さん、想定してたより重要ポジションだな…
ブラックボックスの多いミズハノメが、重大な禁忌として設定している自己投射。自分自身を直接に知るショートカットに、本堂町くんは憧れ、松岡さんは制止する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
名探偵としてミズハノメに潜るためには、人を殺さなければいけない。つまりあらゆる探偵は、殺人犯としての自分の世界に潜る資格がある。
しかしそれは、魂を永遠の迷宮に閉じ込める、一方通行のダイブだ。名探偵ならぬ本堂町くんも、名探偵たる鳴瓢も、自分自身を直接見ることは出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
連続殺人犯という水鏡に自分を反射することでしか、名探偵=殺人犯に…そして僕らに、過去と内面は見えない。
輪郭だけの世界を、井戸端から読み解く
松岡さんが眉間をしかめるほどの重大事が、鳴瓢を牢獄に追い込んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
怒りと楽しみが奇妙に密接している、危うい精神状態。それが彼を”名探偵”にしたのだとすれば…さて、過去に何があったのだろうか?
この伏せ札は、存在だけ顕にされて、今回は表にならない。
今回表に出るのは”ハナビシ”の世界、滝に包まれた自動的な殺戮楽園である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
その渦中にいては自己を認識できない、巨大で残酷な装置。その只中に当事者として、名探偵は身を投げ、死ぬ。
しかし、生き死には問題ではない。名探偵の機能は、事件解決のためにある。
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それはカエルちゃんも同じで、彼女は名探偵・酒井戸の存在意義(ID)を定義するために、あらゆる世界で真っ先に死に続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
カエルちゃんという犠牲者があって初めて、酒井戸は自分の名前と役割、果たすべき使命を思い出すことが出来る。
犠牲なくして、事件もその解決もない。
カエルちゃんが死に、酒井戸が死に、緑色の瞳が交錯する。繰り返される想像上の死体が、現実世界の殺人を暴き立てていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
それを井戸の上から、じっと見下ろし分析する瞳。滝の中の塔と、”井戸端”の風景はよく似ている。
ヒントをえぐり取り、真相を暴き立てる巨大な瞳。暴力的な太陽。
それが作中散りばめられた謎を追い、繋ぎ合わせて物語の総体を見つけようとする僕ら視聴者の瞳と、狙ってシンクロされているのは間違いないと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
酒井戸の飛び込む仮想と、鳴瓢が縛り付けられる現実。それを俯瞰で見下ろす井戸端と、更に上から見下ろす”現実”の視聴者。井戸の中の井戸の中の井戸。
酒井戸が死ぬことで、鳴瓢は闇の中目覚め、また悪夢に飛び込んでいく。彼自身が現実そうし続けているように、血腥い殺戮の記憶に飛び込んで、真実を探す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
潜ることで乱れた髪は整えられ、周囲を追う闇は晴れ、名前(ID)は”鳴瓢”から”酒井戸”へ変わる。
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この変身は、犯罪者たる鳴瓢を自由にはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
酒井戸も記憶を失い、事件を解決してもしなくても、毎回自分を持たない白紙存在として、空想に投擲され続ける。
運動しているようでいて、同じ場所をぐるぐる回り続ける苦行。殺人犯は捕まるが、それで世の中どうなったか、書かれることはない。
名探偵に生き死には問題ではない。ただ謎を見つめ、観測し、解決に近づけていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
そのドライな感覚を鳴瓢は、”ハナビシ”を自殺に追い込むことで立証するし、酒井戸は謎を解くことで解決していく。
垂直に降り注ぐ影が覆い隠す、回転体の運動。
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カエルちゃんが指し示そうとした、殺人犯の在り処。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
回転し続ける塔と、動かない狙撃手。殺戮の渦中で、地獄を消費し続ける犯人の顔を、ようやく名探偵は見つける。
その決定的なヒントになったのが、死にゆくものの手を取る行為なのは象徴的だ。
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”ハナビシ”は死体の手を繋がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
バラバラに分断された手のひら、手遅れになった救済は彼を歪め、テロルの再生産に追い込んでいった。
そんな連続殺人を解決するきっかけは、自死者の”手を取る”こと、カエルちゃんが教えようとした指先のズレを読むことで生まれている。
誰かの死体を前に、それでもメッセージを読み解こうとすること。繰り返す生き死にの前で、それでも手を伸ばすこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
無意識の迷宮を写す物語が、こういう行動を決定的なトリガーとしているのは面白いし、大事な気がする。
存外これ、ヒューマニスティックな話なのかも。今までの舞城作品と同じで。
滝の殺戮自体は、”ハナビシ”の用意した…しかし自動的な地獄の中で踊る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
それは抗い難く残酷で、滝と太陽によって隠蔽され、自動的に進む。少なくとも”ハナビシ”にとって、世界と生死はそのように認識されている。
この世の地獄を見た瞬間から、彼の世界はそういう歪み方を始めた。
結果、爆弾テロでの大量殺戮があるわけだが、それは空疎な観客席から地獄を楽しむ(ある意味探偵小説的な)エンターテイメントでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
だから彼は、犯行現場を花火で飾ったのだろう。美しい地獄が忘れられず、再生産する身勝手を、滝のように自分から覆い隠すために。
酒井戸が潜る”世界”がどういう意味を持ち、どういう繋がりで犯罪を支え生み出しているかを、作品は十分説明しない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
現実世界で犯人確保につながる謎解きをやって、お話を先に勧めはしても、殺人犯の悪夢が何処から溢れ、何処に繋がったかを読むのは視聴者の仕事になる。
この夢解き(あるいは精神分析、文脈読解)の構造も、作中の”井戸端”と視聴者の目線を重ね合わせる、面白い仕掛けだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
語られないものは、想像し推理し補う必要がある。ヒントを繋ぎ合わせ、犯人を探す余地は、不親切に僕らに任されているのだ。メタミスだなぁ…。
かくして無意識の絵解きは終わり、犯人は逮捕されて秩序は快復される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
犯人の根城に刻まれた地獄は、死体の色合いではなく顔のない群集のものだ。
目の前の地獄をショーとして消費する、ゾンビめいた野次馬。生きながら死んでいる大衆。
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それを暴いた、とうそぶく”ハナビシ”に、鳴瓢は言葉で切り込む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
酒井戸として知り得た、深層心理の奥。当事者ですら見たくないイドの泥を掻き出して、悪意万歳に殺人犯を追い込んでいく。
客観のカメラが暴き立てたつもりの、群集の無責任な顔。
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それはお前自身でしかなく、捉えたものが薄っぺらならば、それは自己の反射だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
それを鳴瓢は知っている。ミズハノメのパイロットとして、無意識の井戸に潜り真実を探り当てた名探偵は、何でも知っている。
その重たさが”ハナビシ”の首に食らいつき、離れることはない。
真実は人を殺す。本当の自分と出会うことは、死に至る道である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
ミズハノメという巨大なファンタジー。その外側に広がっているはずの”現実”でも、同じルールが殺人犯を殺した。
その出口のない構造の中に、鳴瓢も取られられている。過去、後悔、悪夢。井戸の中の井戸。
カエルちゃんはいつでも死体で、死体だからこそ意味がある。だから彼女が生きて言葉を紡ぐのは、都合のいい妄想…無意識が生み出した夢でしかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
そこに投影されている糾弾。無垢で無敵の警察官ではいられなかった、過去への後悔。
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それが鳴瓢を刺し、彼は悪夢から醒める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
生き死になんてどうでもいい。名探偵の、あるいは殺人犯のルールを警察官に適応した結果、彼は出口のない罪の迷宮に囚われた…のか?
言い切るには、まだ判断材料が足りない。どちらにしても、無垢な存在とはなれなかったようだ。
夜が明け、光が戻る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
縊死した(させられた)犠牲者を見つめながら、鳴瓢は幸福だった時代、無垢だった時代を思い出す。
カエルちゃんは、無垢なんかじゃない。
それが誰に向けられた言葉なのかは、井戸の奥に消えて見えない。
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”ハナビシ”が壁に貼り付けた、世界の真実。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
残酷を蕩尽する透明な消費者が、彼の肖像でしかなかったのなら、鳴瓢の独房に飾られた家族の写真は、一体何を照らしているのだろうか。
写真が他者の写像であると同時に、自己の反射像でもあるのなら…。
ここらへんも、今後の結像を待たなければいけないところだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
とまれ、滝の世界の事件は終了した。被疑者逮捕、後自死。世は全てこともなし。
英字サブタイは『その美しい地獄の前で、アンタは立ちすくみ魅入られたんだろ?』と言ったところ。
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”ハナビシ”が歪む原因となった、テロルの美しい地獄。それと同じものが、”タイマン”の赤い犯行現場にあるとしたら…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
そういう事を考えさせる、面白いヒントである。第一話、一体どんな感じだったけな…。(ガサゴソ)
世界は兆しに満ちている。オカルトとミステリはよく似てるよ…。
という訳で、鳴瓢の過去に静かに潜るエピソードでした。現実での事件制圧は本堂町くんがお休みだったせいもあって控えめで、血生臭く”敵”に反射する名探偵の思索が、静かに謎の輪郭を照らすお話だったかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
いやー…難しくて面白いな。情報の出し方が鮮烈かつ印象的なので、読んでて面白い。
謎と情報の奔流に押し流される楽しみ方も良さそうだけど、自分なり棹さして色々無駄に考えてみようと、今回強く思わされました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
作品という井戸に照らされるものを、端から覗き込んで繋ぎ合わせる。真相と、そこに反射する自分を見る。
それが存外、面白いと感じた。
まぁ『当たるも八卦当たらぬも八卦』で、コッチが勝手に読んでいる作中の謎だとか、作品外の仕掛けだとかは多く的を外すのだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
それでも自分が見つけた”絵”は自分のもので、そうやってお話と対話できるのは、貴重で楽しい経験なのだ。ミステリと読書の、基本的な喜びともいえる。
そこへ潜っていく手掛かりは、作品中にたっぷりばらまかれている。バラバラ死体のように、”作者からの挑戦”のように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月13日
次回、酒井戸はまた世界に潜るだろう。その過程と結末から見えてくるものを、僕はまた井戸端から覗き込む。卜占の巫女のように。来週も楽しみ。