A3! SEASON SPRING & SUMMERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
手紙に誘われ、劇団の整地”天鵞絨町”をやってきたいずみ。
父の設立した劇団は、借金苦に喘ぎ破壊寸前。ヤクザの無茶振りに答え、たった一人の団員と新入りを探すべく、街中走り回るハメに…。
オンボロ劇場に夢を賭けるアクターズの物語、堂々開幕ッ!!
そんな感じの、劇場ガッツストーリー第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
乙女向けソシャゲで相当”強い”って話だけは聞いてて、さてどうなるかなと思っておりましたが…面白かったです!
主人公いづみが名塚の汚ぇ声でヒロインやってる所がまずフックなんだけども、『なぜ演劇か』『なぜこの男たちか』が第一話でよく見えた
話としてはボロは着てても心は錦、ゼロどころかマイナスから劇場をぶち上げる団結ガッツストーリー…なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
最初の課題が『ガチャ引いてSSR二人取ってこいよ!』なところに、ソシャゲ味を感じて面白かった。あのヤクザ、露骨に演劇好きすぎるからな…メインルート後攻略可能でしょ(エロゲ脳)
お話はオンボロ劇団唯一の団員、佐久間くんの会場前から始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
立ち位置ゼロのバミリ、会場前の緊張感、流れる花びらと開く幕。スポットライトと観客席。
『なんか凄いことが始まる』感じのあるワクワクな出だしが、なかなか良い。
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劇団をメインに据えた話らしく、舞台を降りた日常も何処か芝居ががっていて、ちょっと空気が大げさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
その大仰な感じが、劇的な雰囲気をうまく醸し出していて、ちょっとフツーのアニメとは違う感じがする。これはオリジナリティもあるし、テーマとの噛み合いも感じて良いムードだと思う。
春の気配を感じさせる桜の花びらをイメージカットで見せておいて、現実のオンボロ劇場でペンキを剥がれ落ちさせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
夢っぽさと生っぽさが奇妙にシンクロする演出だが、オープニングで生み出した風情を上手く引っ張って、ボロ屋を夢の根城に見せるのは面白い。
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多分いづみChangが色々頑張って、このボロ屋はデコボコ個性のある団員たちの夢の城に変わっていくのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
そういう未来の気配が、赤いペンキの剥片に香る春の気配に、静かに香っていた。
夢を板に乗せる”演劇”という素材を扱う上で、こういうロマンティシズムは大事だと思う。
手紙に呼ばれて事情も知らず、ただただ巻き込まれていくいづみちゃん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
ヤクザがユンボでやってくる異常事態を前に、まぁ取りあえずの観劇となる。
客一人、役者一人。そこに宿る輝きと、自分を重ねる視線がとても優しい。
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自分も演劇に夢中になった過去がある。才能がないと、舞台を降ろされた辛さが判る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
天衣無縫、明るく楽しくステージをやりきる佐久間くんに、いづみちゃんは強く共感していく。
他人事が自分事になって、流されるばかりの世界に主人公として介入していく足場づくりが、結構丁寧だ。
『演劇の才能がないド下手な演技を、上手くやりきる』という難事を、飄々とこなすあたり流石の名塚佳織である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
素朴で人のいい感じがデザインからも滲み出て、なかなか好感の持てる主人公だ。
ただのお人好しではなく、自分に似ているからこそ無碍には出来ない軽いエゴが、上手く実在感を出す。
夢の舞台を潰しにかかるヤクザに、いづみちゃんはヘッタクソな芝居を打って、時間を稼ぐ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
自分が追い出された舞台に立つ、男たちの夢。それを少しでも守ってあげたいと、自分なりぎこちなく、真心を差し出す仕草が健気だ。
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”圧”をかけて状況に緊迫感を出す仕事を、金髪ヤクザ非常に頑張っていたけども、劇場運営と芝居に詳しすぎるし、劇場作った親父さんに巨大感情持ってる素振りも見せてるし、ぜってぇなんか事情があって執着してるでしょ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
1000万の焦げ付き待ってる時点で、”人間”だってバレバレなんだよなぁ…。
突きつけられた無理難題は、日没までに二人、団員を集めること。オラっ! 石入れてガチャを回すんだよ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
ここで主人公とメインヒロイン、それぞれ一人ずつ引っ張ってくるのは面白い。
いづみちゃんは役者としてはポンコツなので、”演劇”で縁をつなぐのは佐久間くんの仕事になるわけだ。
勝手な推測だけども、乙女コンテンツの類にもれず、色んな個性を持ったボーイズとドキドキな交流をするのも、ゲームの醍醐味なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
いづみちゃんはそういう出会いを求めてる消費者のアバターにもなるわけで、一目惚れで青いボーイを一本釣り、ガッツリ引き寄せてミッション半分達成だ!!
クールな青担当の碓氷くんが、ヘッドフォンを外していづみちゃんの声を聞くの、ベタ足ながら良い演出だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
普段は世界を遮断してあんま興味を示さない少年が、前のめりになる恋の予感。あまりにも亜音速で一目惚れメーターが振り切れたので、おじさん何かと思ったよ…。
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ダイナミックな柵の乗り越え方とか、クールボーイの声に思わず振り返る女達とか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
『フツーそうはならんやろ…』とツッコみたくなる大仰な芝居が、逆に演劇的な空間を力強く演出する。
碓氷くん、ホントいづみちゃん好きで他どうでもいいね…。
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こういう恋で釣られたクールボーイが、演劇の魅力に触れ、仲間とカンパニーになっていく面白さにズブズブ沈んでいく藻の語りを見るのも、また群像劇の醍醐味と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
『俺には関係ねぇ…』とかスカしてるやつほど、ハマるとズブズブなんだから…知ってんだぞ!!
女性客のリアクションで、碓氷くんが客を釣れる強い顔面の持ち主だと理解らせたのはなかなか良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
客引きパンダとしての強みはあるけど、いづみちゃんにだけ興味があって、演劇には冷たい少年。彼を夢中にさせれば、劇団の大きな力になるのは間違いない。
さー、どうズブズブになってくかなー。
恋の一本釣りで一人ノルマ達成したけど、もう一人がなかなか捕まらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
ここで佐久間くんが演劇…冒頭練習してた”お気に召すまま”で皆木くんを引っ張り込む流れは、この話が役者の話なんだとよく判って、とても良かった。
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一節がなり立てたら即座にざわつく、天鵞絨町の演劇リテラシーの高さにビビるけども、まぁ”聖地”だからな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
ド素人ばかりの劇団で、唯一”演劇”に視線が向いてる役者二人。
声が重なり、想いが伝わる瞬間が、妙に熱い。この二人はど真ん中を早く走る担当っぽくて、真っ直ぐな所が良いね。
ガンダムで言えばカツ・レツ・キッカ、モバマスでいえばニュージェネレーションズが揃って、ヤクザの課題はまずクリアー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
普通劇団ものって支配人や座長が”壁”になって試練与えるんだけども、両方とも味方サイド(一人はPL)だからねぇ…難癖つける仕事を、金髪ヤクザは非常に頑張っている。
彼が課題を整理し、乗り越えることでカンパニーになっていく道のりを整えてくれることで、お話の輪郭も見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
とにかく芝居を頑張って、評判を取り売れる。そうすれば、問題は解決する。
第一話で目指すところをしっかり示してくれるのは、消化がしやすくて助かる。
おまけに一ヶ月後の春公演達成と、短期目標まできっちり突きつける所が、壁役として完璧な立回りである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
借金まみれのズタボロ小屋、銭も人も不足の素人集団。暗中模索の未来へ、決意を込めて踏み込めるか、否か。
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逆光にメガネ光らせ魔王役をやってくれるヤクザの仕事っぷりに、思わず頭が下がる。お前マジ偉いよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
まずいづみちゃんをグイッと引っ張って、彼女個人がモチベーションになってる碓氷くんを、光の中に連れ出す。
続いて演劇バカたちが、夢を抱えて堂々、主役を追い越す。
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舞台は整った。あとは主人公がいるべき場所に、思い切って踏み込むだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
親父をDisり、劇団主宰就任を条件に掲げ、いづみちゃんが何処に踏み出せばいいかうまーく道を作ってるところに、ヤクザのいい仕事が光るぜ…。
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かくして最初の四人が顔を合わせ、物語は転がりだす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
多大な借金、短い準備期間、容赦のない追い込み。
問題山積なれど、妙にワクワクするドラマの予感はそれぞれの顔に、しっかり宿っている。
とにもかくにも、俺たちは”演劇”をやる。そういう話が、美しい春に飛び出していくのだ。
つーわけで、主役がプレイヤーの立ち位置に座るまでを、ベタ足ながら独自性もある良い踏み込みで描くスタートでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
いづみちゃんがなんで、厄介事を抱え込んで劇団やるか。何処に共鳴し、何に惹きつけられたか。
家庭事情や過去を織り交ぜつつ、しっかり見せたのが非常に良かったです。
ボーイたちもそれぞれの個性と強み、欠落を軽く匂わせつつ、熱い思いに火を灯し一箇所に集まっていくドラマが、力強く回転してました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
まぁ劇的なものを扱うんだから、話運びやタッチはちょっと大げさなくらいが丁度いいよ、多分。
中野モチーフの街の景色が、うわっ付いた話に重心を与えてる印象。
あとあの金髪ヤクザね!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
マジ”壁”に要求される仕事を120%で果たして、これからカンパニーが何すればいいか、何が課題になるかをキッチリ方向づけたのは、どれだけ褒めても褒めたりない。
憎まれ役を頑張る隙間から漏れてくる、巨大感情の放射能。ぜってぇコイツ美味しい立ち位置だぞ…。
ヤクザが突き立てた、一ヶ月後の春公演。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月14日
真っ直ぐだけが取り柄のルーキー、恋しか耳に入らないクールボーイ、落ち着いた印象の脚本家志望。
なかなか面白い手札が揃い、更に増えそうな予感もある。このカンパニーがどんな劇を作り上げ、舞台の外のドラマを盛り上げるか。来週も楽しみです。