推しが武道館行ってくれたら死ぬ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
ガチ恋純愛彼氏面。アイドルへの想いは様々あれど、その全てを飲み込むのが”現場”である。
汗まみれ涙まみれで走り回って、思いは通じぬから騒ぎ。独り相撲と思いきや、思い思われ、でも気づかず。
そんな切なさたっぷり載せて、オタク列車が今日も征く!
そんな感じの、推し武道アニメ第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
コミカルな味わいで怒涛のラッシュを仕掛け、一気に視聴者の心を掴んだ出だし。そこから少し風味を変えて、ドルオタの独り相撲とステージの向こうの純情、すれ違いの切なさをリリカルに見せるエピソードとなった。
ワリーな、このアニメ”百合”やれんだわ。
いやまぁ、浅ましいオタクの限界コメディも大暴れなんですけどね。ほんとえりぴよヤベーな…”脈”はヤバいよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
ゲラゲラ大笑いして緩んだ腹筋を、リリカルな相片恋で撃ち抜く。
画面のトーン、BGMのムード、映像のテンポも綺麗にコントロールされ、緩急がよく付いた、リッチな展開だった。
開幕、基さんのヤバガチ恋勢っぷりが唸りを上げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
『テニス部チャラい!』と吠え、ラブエプ妄想でテンションはギュンギュン。基さんまじキモいが、大丈夫、他のオタクもみんなキモい。
『相容れない』と視線をそらしつつ、仲良しなのが偉いよね、ChamのTO
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そこまで火力高くない、ごくごくフツーのファンである玲奈ちゃんが追加されて、Chamオタの多様性はさらに強まっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
多様だけど、排斥はしない。現場で荒れ狂うDisと悪意を綺麗に濾し取って、オタクサイドのファンタジーをしっかり作っているのが、このアニメの堅牢なところだ。
Cham Jamが『僕らの見たいアイドル』であるように、えりぴよ達は『僕らが見たいオタク』なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
そのよくコントロールされた生臭さ、よく取材された嘘のなさあってこそ、エグい行動も楽しく飲み込める。
『笑いは最強のオブラート』ってのは、やっぱ正しいと思う。楽しいのは強い。
そんなデコボコ三人組は、妙にいい感じのカントリー風情溢れる動物園でも、仲良くマウントを取り合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
えりぴよの愛は絶好調大迷走で、付け髭付けるプロデューサー巻きはする竹馬には乗る、どこに出しても恥ずかしいヤバオタである。ついでに脈も取る。
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地方紙のインタビューから垣間見える、舞菜とれおのアイドルポテンシャルの差、それを的確に見据えるオタクの目線は、けっこう面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
舞菜は『ファン層には実在しないだろう理想』をテキトーに答える。それはある程度の正解であり、満点ではない。
れおはあえて抽象に走る。
誰もが当てはまり、誰も該当しない理想。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
そういう幻想をチラ見せして推しを増やすのが、アイドルの大事な仕事だということ含め、れおはセンターに相応しい満点の立回りをする。
下手に実現できる理想だと、オタクが竹馬に乗って追いつこうとするからね…。ホント頭おかしいなあの女…。
好きな食べ物は桃(ピンク担当だから)、グループ愛に溢れ、みんなを引っ張るリーダーでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
れおのメディアイメージは完璧で、それは作った外面であると同時に、一切嘘のない生の彼女でもある。
果たすべき虚像と、仮面を外した実像の間にズレが少ないところが、最年長れおの強さだ。
そういう強さ(弱さ)をオタクはしっかり見ていて、しかし推しは全力で贔屓する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
取ったマウントを綺麗にリバースされても、うちの舞菜はオールオッケー。なぜなら舞菜だから。
トートロジーの矛盾を全て飲み込む、愛の狂気、狂気の愛。幸せそうだから、まぁ良いか。
そんな狂った思いは、時に対象とのすれ違いを生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
れおほど上手く”アイドル”出来ない舞菜は、接触も塩対応、自分の思いを上手く言葉にできない。
まぁその断絶、八割オタクが竹馬乗ってんのが悪いんだけどさ…。
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握手はしてても繋がりきれない。オタクを振り回すメディアの上の理想は、アイドル側はもう忘れてる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
そんなすれ違いを、日向と日陰、テントのポールで上手く視覚化した構図が巧い。その境界線を越えられないのは、お前が竹馬乗ってるからだぞ!!
でもまぁ、思わず竹馬乗っちゃうくらい好きなのだ。
ヒトは必ず、好きか嫌いかで判別されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
商業として”好意(あるいは媚び)”を売る接触商売の裏には、個人的な好悪が隠されている。
そこに思い至ってしまうと、なかなか身動きは取れない。ハンドサインは迷走し、竹馬は投げ捨てられる。
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竹馬に乗っかりっぱなしの浮かれポンチではなく、自分の足で下りられるのはえりぴよの良いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
『舞菜ちゃんが大好きな自分が大好き』っていう、屈折した自己愛に溺れだすと、狂った竹馬から下りられないどころか、それを自分の足だと思い込み始めるからな…そうなると、厄介一直線だ。
まぁ既にえりぴよ、超絶厄介って話もあるがな!!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
くまささんとれおがドルとオタの理想形、愛のゴルディロックス距離を常時維持しているので、えりぴよは散々愛で暴れ狂い、時々冷静になって自分を鑑みる。
その行ったり来たりが、人間の体温を感じて愛おしいのだ。バカだなー(褒め言葉)。
愛はいつでも暴走し、TO二人はスケジュールを一週間間違える。息をするようにうちの子自慢、オタクマウントでぶつかっていても、むっちゃ仲良しだよねこの二人…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
岡山ののどかな情景は、ファンタジックに美しい。汚いオタクが、汗まみれ大疾走してもね!
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Chamのホームが、地下っていうには綺羅びやかでデカいのも、岡山の風景が美麗なのも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
”アイドル”という非日常に救いを求め、自分を守り維持する”何か”を探しているオタクたちに、上手く視聴者をシンクロさせる工夫だと思う。
そこは祝祭の現場であり、美しい夢なのだ。
これは多層構造になっていて、作中の明るく楽しいオタクライフを笑って見る僕たちも、またモニタの向こうのファンタジーに救われている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
『誰も見てない』と自分を卑下するオタクの生き様に、笑ったり勇気をもらったり、実は俺らが見てるのだ。
オタクもまた、誰かのアイドルたりうる。
そういう不思議な、でも優しい視線を成立させるために、作中のOKAYAMAは過剰に美しく、牧歌的で幻想的になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
ここはアニメになって的確に補強された部分で、原作のポテンシャルを120%引き出した部分だと思う。美術設定が高水準、明瞭かつ的確。
オタクを見てるのはモニタの向こう側の僕だけでなく、アイドルも同じだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
舞菜の瞳はいつでもえりぴよを探すが、えりぴよはそれに気づかない。ズレた感覚のまま、スッと握手を崩して脈を探る。ヤベーーー!!!!!!
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距離感わかんないのは新参ファンも同じで、愛が過剰なトップオタとして、境界線は両足ジャンプで踏み越え、買い占めたCDはたっぷり分け与えようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
えりぴよさん、フツーのファンはCD”多々買い”しないんですよ…。
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玲奈ちゃんはいいタイミングで投入された、とてもいいキャラだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
人生踏み外すほど好きじゃないけど、ちゃんとアイドルとしての舞菜が届いている。ちょっと反応が硬いけど、内に秘めた適量な愛が、いい感じの温度で脈を打っている。
くまささんとは別の形で、バランスの良いファンだ。
超絶強火の限界オタク…酒でいうならスピリタスとかグローノ・ホサとかをたっぷり飲んで、普通の感覚が解らなくなったところで投入される、透明な清涼飲料水。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
彼女で舌を洗うことで、えりぴよのヤバさと熱量、唯一性もよく判る。あと玲奈ちゃん可愛いからね…内気なところが舞菜っぽくて可愛い。
舞菜にとってのスペシャルはいつでもえりぴよで、彼女の視線はいつでも、厄介な限界ドルヲタを探している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
舞菜には明るく楽しく、いい感じに”アイドル”出来るのも、えりぴよほどの特別性がないからだ。嬉しいけど、好きだけど、狂うほどじゃない。
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そんな内面は当然、えりぴよに通じることはなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
塩対応に慣れきったはずの体は、新奇への豊かなサービスに欠乏を憶え、うっかり逆釣りみたいな状況を呼び込みもする。
もっと愛されたい。舞菜を独占したい。
赤黒いエゴが、えりぴよの背骨から吹き上がる
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でも瞳を合わせると、圧倒的な愛おしさが全てを押し流していく。だって好きなんだもん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
そして好きだからこそ、どうして良いかも悩む。
見つかってほしい、”みんな”に舞菜を愛して欲しい。
望んでいた状況が舞い込んだはずなのに、ひどく苦しい。
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そういう苦悩を抱えつつ、玲奈ちゃんとはちゃんと握手して、Chamの握手会に来た経験をハッピーに色付けようと頑張るあたり、やっぱりえりぴよは…出来た人間、じゃあねぇな間違いなく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
暴走もするしエゴもある。天使じゃないけど、悪魔にもなれない。そういう凸凹が、玲奈ちゃんを触媒に匂い立つ。
そんな複雑な色彩がえりぴよの専売特許ではなく、むしろ”アイドル”だからこそ舞菜に濃いってことを、今回のエピソードは鮮明に届けてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
アイドルとオタク。ステージを隔て、五秒のふれあいをお金で買うしかない関係性。
でも、だからこそ出会えた。だからこそ見つけられた。
もどかしく切ない悩みと、それを押し流すほどの強い思い。そして、強いからこそ生まれる、とんだ間違い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
色んなものを乗っけて、路面電車は走る。窓の外の夜景は、絵本のように綺麗だ。
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天使の羽根に背中を向けて、えりぴよは”ファン”として正しい距離感を守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
自分はオタクだから。アイドルにとっては、有象無象の一人だから。
自己卑下も混じった適切な認識は、背中越しに切なく歪む舞菜の”人間”を捉えられない。それを見ないからこそ、オタクでいられる。
さんっざんトンチキオタクムーブで笑いの渦に巻き込んでおいて、このせつなさで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
終わりよければ全て良し。ソフトフォーカスでスローテンポ、エモいBGMに動きのタイミングで、視聴者の脳髄を切なさに染め上げろッ!!
いやまぁ、ロマンスとコメディ、両方”本当”だから強いんだけどねこのアニメ
偶然の奇跡に背中を向けて、えりぴよは日常に返っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
舞菜が好き。色々分からなかったり、苦しかったりしても、それは嘘じゃない。胸から突き上げる想いは加速を生み、汚れた純情は空に登っていく。
”♪貴方にも届け Clover Wish”
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脳内でOPも流れ始め、美しくも切ない終わりであった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
舞菜を自分の生きる意味と定め、アイドルとしての彼女に敬意を払いつつ、全力の愛を捧げる。
まさに”偶像”として舞菜を持ち上げるえりぴよと、そこまで”アイドル”上手くない舞菜とのギャップ。むしろ舞菜側のほうが重いまである、感情の勾配。
そういうモノが激しく強く見える、片恋のエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
二人の想いを追いかけると、自動的に”アイドル”という職業の特異性、幻想を的確に売り『みんなの恋人』であり続ける苦しさと尊さが見えてくるのは、凄く巧妙なリテラシーの作り方だな、やっぱ。
見慣れぬ題材をどう楽しく食わせて、テーマへの消化力を付けていくかって非常に難しい部分なんだけども、このお話はコメディとロマンス、両方の強さで”アイドル”をしっかりバラバラにして、コアの部分を知らぬ間に食べ終えてる作りになってんのよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
同時に、笑いも切なさもただの説明の道具じゃない
両方マジで切れ味鋭く、心から笑ったりキュンキュンしたり出来るから、それを通じて作品世界も、展開するドラマも、扱っているテーマもスッと入ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
創作の理想的な呑み込ませ方が、アニメになって更に加速してる感じがあります。ありがとう…山本監督とエイトビット…世に生きる全ての人達…。
今後もえりぴよは凶暴な純愛を思う存分暴走させ、舞菜は内気な塩対応の奥に、メラメラと重い感情を燃やす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月23日
”アイドル”であることも、それに魅了されることも、面白くて辛い。人生の色んな表情を、ドルとオタク、笑いと恋を通じてみせるアニメは、どんどん面白くなっていきます。
来週も楽しみ。