ランウェイで笑って を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
柳田一、勝負の東京コレクション。そのトリを飾る一着は、アクシデントだらけの超難問。
新人デザイナー見習いの少年と、ちびっこ駆け出しモデル。
たった一着、一往復の戦場に、二人はどう漕ぎ出したか。溢れる熱量は、”誰か”に届くのか。
さあ、ランウェイで笑って。
という訳でタイトル回収! 序章終了ッ!! な第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
やっぱツメツメ感はあるものの、都村育人のデビュー戦、穴もあるけど可能性も感じるいい塩梅に魅せてくれた。勇ましいちびのモデルが、精一杯強がって育人の背中を押す二人三脚感も良い。あと柳田さんのデレ。
このお話は服というモノ、ファッションというコトそれ自体のかっこよさを大事にしつつも、それを届ける人、届く人に重点を置いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
ファッションを題材(あるいは素材)にした青春ヒューマンドラマとして、キッチリ物語になっているところが強い、とも言える。
今回育人が挑むのは、たった一着。しかしそれがコケればショーもブランドも崩壊してしまうような、命の一着でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
時間はない。技術も道具もない。アクシデントは満載で、気ばっかり焦っていく。序盤の”圧”のかけ方は、なかなか生々しくてイヤな汗出る。いやー…テンパるわーマジ。
そんなヒヨッコの秘めたる度胸を思い出させてくれるのは、やっぱり千雪である。現状、千雪って触媒を介さないと、育人は腹が座らんのだな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
そのハンパさ未熟が、青臭くも真っ直ぐな青春の香気を感じさせ、作品の”味”になってるかもしれん。
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先週柳田さんに、ビリビリに引き裂かれた赤い布…”失敗”の象徴が、今回は”成功”のイメージを一気に掴んだヴィジョンとして使われる対比は、結構好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
切り捨てる。引き裂く。服にするには過酷な仕打ちだが、時にはそんなアクロバットも必要になる。ドチビモデルを輝かせたかったら、なおさらだ。
千雪自身の運命も、この一往復にかかっているわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
育人が沈めば自分も沈むってエゴイズムがありつつ、同時に運命共同体として共に闘う戦意、自分にチャンスをくれた少年を勝たせたい意欲も、震える抱擁には籠もっている。
ただのマネキンではなく、闘志溢れる赤い女なのが、千雪の好きな所。
育人は『ブランドが何で出来ているかだけ考えろ』という、柳田さんのサジェスチョンに基本従う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
コンセプトを考え、それを実現するためのフォルムへと修正し、数少ない手持ちの技術をフル動員する。
それは作家というか編集者の技術であり、創造の枠内でベストを尽くす仕事だ。(無論、それも大事)
柳田さんの夢に、最後の一筆を加える大事な仕事。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
育人はそこで、少しの遊び心を勝手に付け加える。
『これをやったら、もっと面白いな。千雪さんが楽しくなるな』
服を着る”誰か”をいつも思いながら作ってきた、育人の資質。
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それはハプニングを演出に変え、千雪という蛹を蝶に変える翼を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
柳田さんのコレクションも、柳田さんが思い描いた(そして諸々の波乱で実現不能になった)完璧より、面白いものに仕上がった。
結果オーライといえばその通り。未熟な素人の余計な前のめりと言われりゃ、返す言葉はない。
それでも、ただの”いい人”で終わらないデザイナーのエゴ、”いい人”であるがゆえの工夫を付け足したことで、ショーはより良くなった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
まだまだ未完の大器、デザイナー見習い都村育人の器量を見せる演出としては、非常に良かった。ファッションの現場が戦場で、アクシデントまみれだって判るしね…。
同時にその勝ちは、みんなで掴んだ勝ちで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
山盛りアクシデントでも折れず、最後まで勝ち筋を拾い集めに行った柳田さんのリーダーシップとか。
ショーを成功させようと、ぶっ倒れるまで献身したスタッフとか。
育人のあがきを成立させるべく、即興で時間を作ったモデル達とか。
輝くランウェイに立つのは、服とモデルだけ。しかしその裏には色んな人の思いがあり、血と涙と焦りと冷水の混合体がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
見苦しい努力を表に出さないことで成立している、華々しい憧れ。その華々しさと同時に、裏の泥臭さをちゃんと描くバランスはやっぱり良い。根性ゥー!!!
158センチの規格外は、即興の専用ドレスで戦場に挑み、ありえない微笑みを浮かべる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
背が高いのが最低条件、前提すら満たしていないと跳ね除けられる千雪の、リカバリーと覚醒。
それは、確かに”誰か”に届く。
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千雪が歩くこと、そのための服を育人が作ることが、人を動かすメッセージになりうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
ちんちくりんの文芸志願、まーったくファッションに向いていないはずの新沼さんは、千雪のウォーキングを受け取ることで、新しい自分に気づく。勇気をもらう。
そういう”服”を、世に問う未来。
育人と千雪が今後挑んでいく闘いが、どういう色合いをしているかをこの東京コレクション…二人の初めての”勝負”は上手く圧縮してて、やっぱりファーストエピソードとして優秀だな、と思わされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
『ランウェイで笑う』というありえない行動を柱に据えることで、フィクションとしての線引も出来るしね
この話はお人好しのデザイナー、ちびっこモデルがお互いを引っ張りあって、最終的にパリの舞台に立つ話だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
ありえない、出来るはずがない。
逆風は当然強い。その書き方は、今後どんどん怠けない方向に尖っていく。それでも折れずに挑み続ける二人を、カメラは追いかけていく。
『ありえない』で終わっちゃあ、絵空事の意味もあんまなくて。『ありえない』を『ありえるかも』に出来るのはフィクションの、夢の強い力で、そういう逆ねじの面白さを、二人は持っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
物語らしいケレンとドラマで、『ありうるかも』しれない夢を、悩みながら間違えながら走っていくのだ。
その一歩目が鮮烈なのは、やっぱり良いことだ。作品がどういう方向に走っていくか、見取り図を視聴者に手渡せる、って話だからね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
育人の頑張りは、超強火パワハラ星人だった柳田さんのデレも引き出す。半年間、マジお疲れさまでしたッ!
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柳田さんの火力が強すぎて、コレクションの半分を譲渡してくれる大盤振る舞いも、殴った後優しくするDV彼氏みたいでちょっと怖いけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
このヒトもいい人…いや性格極悪のエゴエゴ人間ではあるのだが、服と美に関してリアルに真剣なんですよ…。
育人のことも気に入ってるんです。分かりにくいけど
超強火ツンデレ人間との師弟関係も、今後の楽しみではあるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
今は(そしてこれからも)育人最大の味方は千雪である。ドヤ顔可愛い決めポーズも、即興でほころびを隠すためのモデル・テクニーク。こういう後出しは好き。
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アニメになってみると、千雪がグイグイ来てガンガン引っ張るラブコメ構図が結構目立って、新鮮な味わいがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
先週も言ったけど、原作だと戦友としての雰囲気が先に立ってた印象強いからなぁ…文字通り”色”が付いたことが、新しい顔を見せてくれてるのかもしれん。
誰かを思い、作って歩いたデビュー戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
それは千雪のいう通り、”誰か”に届いていた。
人生を変えるほどの服、分岐点を生み出すファッション。まだまだ未熟だけれども、育人と千雪はそういうものを生み出せる服飾人なのだ。
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瞳に残る赤い残光を追って、”ファッション”を己の戦場に定めた新人編集。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
二人の”服”が色んな人に届きうる…最もファッションと縁遠いと自己規定する人にこそ届くって見せる上で、良い壁役である。
ランウェイ単品で終わらず、広がりを見せたのはやっぱ良いよね。
若造の身勝手と熱心で、なんとかブランドデビューを成功させた柳田さんにも、その波は届く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
自分にも、そういう時代があった。夢を追い、ただひたすらに。
イヤまぁ、このセリフ言った時代から柳田さん、相当捻じくれてましたけどね…。
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大失態である”折れたヒール”を、12巻越しに回収(というか、連載続いたあとで拾うことで”伏線”に)した豪腕とかも含め、やっぱり東京コレクション編は好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
原作の話すると、俺佐久間がすげー好きで。彼女が実質主役でバリバリやってる原作の”今”が、始まりを追うアニメと不思議に重なって面白い。
さておき、課題も残しつつヒヨッコ達のタッグ戦は、いい感じに終了である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
山盛りのアクシデントと、迫るタイムリミット。荒れていく現場の空気と、パンパンに詰め込まれた夢。
ファッションの現場、プロの空気をよく伝える、良いエピソードだったと思います。
演出のクレジットに”住石亜蘭”(アラン・スミシー。名前を出せない、出したくない時のクレジット)が入っていることからも、このアニメ制作にも表に出ないトラブルとアクシデントが、山盛りあったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
それをなんとか取り繕い、形にする。
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誰かに届く夢を、必死に押し出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
奇妙なポイントで、育人と千雪、柳田さん達の創作上の奮戦と、リアルな製作事情が交錯するのは、面白い…っていうと流石に心がないな。
ファッションもアニメも、奇跡と血の混合体として世に問われているのだ。ありがたい。
一つの戦場を乗り越え、一つの答えを世に送り出し、確かに”誰か”に届いた服。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年1月25日
その実感を手のひらに握りしめて、物語は先に続く。描くべき素材は多いが、どう取捨選択して”アニメ”にしていくか、そこも楽しみです。
若き才能は、どう羽ばたいていくか。次回も楽しみ。