ID:INVADEDを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
ハカホリの事件が終わる。驚異的な推理力と事件処理能力を覚醒させた本堂町は、その片割れを殺し、もう一方を捉える。
ジョン・ウォーカーへの疑念が深まる中、酒井戸は永遠の循環に潜る。世界の形を示すために、贄に捧げ続けられる少女に、涙を流す。
そして、新たな事件が始まる
そんな感じのハカホリ三部作、衝撃の最終章である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
本堂町くんの押し出しと殺し技が唸る直接対決を経て、葬儀場での推理、永遠循環列車の謎解き、名探偵の旅立ちと離別。
エグい連続殺人の奥にある、なんともいえない虚しさと乾きが、ジンワリ染み渡って”次”に繋ぐような、メロウなエピソードだった。
本堂町くんは見てるだけヒロインから実働型名探偵、そして殺戮を前提とするミズハノメ・パイロットへと、蛹が蝶になるようにキャラを変えた…というか、本来の姿が露出してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それが可憐な理性主義者なのか、毒々しい衝動主義者なのか。今後のダイブが顕にしていくだろう。
お話は現実でのせめぎあい、尋問が終わった後のダイレクトな暴力から幕を開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
井戸の外で現実のままならさを引き立てるだけかと思った松岡さんが、相当な存在感、井戸の対極として、一気に目立つ回でもある。
頭に開いた穴を抜ける風で、智慧を加速させる本堂町くん。
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しかし彼女の知性は、凶器の不在…それを振るう実行犯の不在には気づかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それは生き死にの現場に立たされつつ、拳銃の携帯すら許されないなかで研ぎ澄まされた松岡さんの感覚が、捉えるものだ。
このリアルでアクティブな刑事根性は、多分かつての鳴瓢にもあったと思う。
そのバーチャルではない生き汚さが燃え残っているからこそ、彼は不屈の名探偵として、井戸の中の地獄に挑み続けられるのかも知れないが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
とまれ、松岡さんの機転で命を拾った本堂町くんは、殺意を演じることで数田を釣り出す。賢い選択肢…ってだけではないのは、ラストの謎解きで判る所。
『生きる価値もない女』という、処刑人気取りの冷たい言動が、どこまで本気だったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それは多分、本堂町くんにも判らない。そこで生まれた思念粒子を拾って、ミズハノメで潜っても判らないかも知れない。
彼女自身も気づいていない、探偵の、殺人鬼の資質。
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その捻れた関係性は、殺意とキスが癒着してしまっている数田と同じく、頭に開いた穴に熱い風が籠もるから生まれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
包丁(ハカホリが持ち出してきた凶器)を逆手に取って、殺意に殺意を跳ね返すことで、生存を拾うサバイバビリティ。そこには、確かに衝動と悦楽がある。
かつて鳴瓢は『やれると思ったからやった』と、殺人犯への自殺教唆を語った。今回の本堂町くんも、推理できるから推理して、殺せる状況を作れそうだから作ったのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
人間は衝動だけで生きるわけではない。苦労人・百貫さんの近代理性主義は、敵からも味方からも試され続ける。
本堂町くんの童顔は、存外どす黒い現実や感情を飲み込むタフさがあるように思う。正当防衛(になる状況を作った上での、計画的殺人)の後も、結構涼しい表情だしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
今際の際に伸びる手、殺人者たちの微かな繋がりを、彼女はかなりクールに蔑する。
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それが恋であったのか、幼さであったのか。悪魔が囁いたから殺したのか、そもそも自分の中にあったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
曖昧であやふやなものにハカホリ(を筆頭とする、ジョン・ウォーカーに背中を押された殺人鬼たち)は揺られ、
本堂町くんは正義の権化として、事件を解決する探偵として、そこに寄り添わない。
しかしこの作品では、探偵と犯人を分ける境界線は曖昧であり、松岡さんは事件解決後、それを見事に推理し、提示する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
彼は法の番人、現実に基盤を置く旧世代のデカとして、揺るがない堅牢さを持っている。それが、片腕の傷を物ともしないタフさを生む。
同時に、探偵としても通用する明晰さがある。
名前も記憶すらも消し去って、事件の真相、イドの中の秘密に迫る名探偵とは、また違ったバランスの知性と執念。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
松岡さんはかつて鳴瓢が沈み、今本堂町くんが飛び込んでいってしまう水には、絶対に入らない対極だ。
だからこそ、その存在感が面白い。彼が逆から照らすことで、作品がよく見える。
『怖い人から隠すために、別の人にされている』ハカホリは、窓の向こう側の彼氏に手を伸ばさない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それは頭に開いた穴から風が吹き付ける、数田の世界の中の”私”だ。
ハカホリは悲惨を拡大し模倣犯を生む加害者であり、同時にジョン・ウォーカーにバラバラにされた被害者でもある。
自分をバラバラにされても、自分の中の愛おしいものを守る。その発露が最悪の窒息殺人実況中継な所に、このお話(そしてそれが抉ろうとしている現実と現在)の歪みがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
その根源として、ジョン・ウォーカーがいるのか。彼がいなければ、殺人鬼の群れは生まれないのか。
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鳴瓢はどこにも出れない”私”の代理として、井戸端に張り付いているようにも見える”彼氏”に近づき、話を聞く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
後に発言する循環する世界と同じく、ハカホリは自分の微かな恋に近づくことは出来ない。
愛が素直にキスになる回路はぶっ壊れていて、その代わりに死体が届けられる世界。
そこに流れ着いてしまった二人の、グロテスクで悲しい共犯。バラバラに分割された(アナアキの世界との共通項)真実を繋げる役として、酒井戸は人の話をよく聞き、状況を見据える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
この世界の主体である数田は、もう死んでいる。そういう意味では、第4話と同じく酒井戸は、死人の声を聞いたのだ。
自死に容赦なく追い込む、生身の犯人への鳴瓢のサディズム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
物腰柔らかく、殺人鬼の深層心理に不屈に挑み、そこに閉じ込められている犠牲者を見つけ、声を聞く酒井戸。
それは現実と仮想に分割され、衝動と理性に隔てられた、バラバラの”私”…なのか? 鳴瓢と酒井戸を繋ぐ=と≠に、より注意が必要だ
井戸の底で起こった殉職を、弔う喪服を脱がないままに、井戸端の住人は推理を広げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
ここは今後の話を引っ張る爆弾を、静かに埋め込む大事なシーンでもあり、画面構築のセンスが光る静かな見せ場だ。静物画としての緊張感ある仕上がりが、べしゃりを持たしている
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『俺たちの中に、ジョン・ウォーカーがいる』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
導き出された結論は、いまいち判別がつかなかった情報分析官の存在感をグッと引っぱり上げ、”容疑者”という属性を足す。
そんな爆弾が落とされても、ずーっと頭捻ってるコイツラ、結構壊れてるよな…まぁ”蔵”だしな…。
個人的には、ずーっと柱にもたれかかってた白岳くんが何らか怪しいかな、と思う。あるいは探偵役を買って出た、ヘアバンドの若鹿くんか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
どっちにしても、ここで巻かれた疑念はジクジクと痛み、今後井戸端を見る視線も変わっていくだろう。静かで強力な、巧いヒキだ。
井戸の外に死人が出ようが、井戸端のブレインワークは続く。狭い車内で携帯を扱う時、必要な配慮を持たない若鹿の描写が面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
仕組まれた監視。ジョン・ウォーカーの長い手を睨む井戸端と、”デカ”である松岡さんとの分断。
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あんまり露骨に、”蔵”トップ勢と松岡さんが切り離されているのが面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
『ウチら三人では、そういうのナシにしましょうや』と言い合える過去を共有しながら、井戸の中と外に分断され、死人への弔慰すら仕事の意識、知的好奇心に押し流さるような流れが、彼らを引き裂いている。
時に異土の外側の”現実”が、深層心理を具現した”世界”よりも遥かに象徴的で鮮烈なのが、このアニメの良いところだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
狂気も殺意も、執念も痛みも。ミズハノメで潜る抽象の中だけにあるわけではない。心が反射する不可思議な美しさは、仮想だけの特権ではないのだ。
松岡さんは本堂町を、名探偵に推薦する。井戸の内側に蹴落として、鳴瓢が無茶苦茶にした(だろう)過去の再演から、自分と外務の仲間を守った、とも言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
殺意と癒着した明晰さに、古式ゆかしい”デカの当たり前”を分断されるのは、まっぴら御免なのだろう。
本堂町くんを異土の住人と切り離したのだ
ある種の嫌悪感と罪悪感から、”推薦”に逸した眼。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それが到達できない深みに謎は用意され、探偵は降りる。探偵が降りるためには、死体がなければならない。
円環状に続く、出口のない電車。それが何を意味するかは、井戸端が冷静に分析、解釈してくれる。
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数田が収集した”死”は、赤く塗られた踏切の奥で保存されている。そこで母が死に、死体を収集することでしか井波は自分を維持できなくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それがジョン・ウォーカーの介入によるものと、現状井戸端は分析する。だが、殺意は何処から湧くのか。歪みはどう感染するのか。
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ここにリードとミスリードがあると思うのだが、細かく詰めるためにはもう少し描写が必要だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
鳴瓢個人の過去に深く関わる、連続殺人鬼・タイマンとの決着。それを通じて、分断されつつも繋がるモノ達の諸相は、より見えてくるか…あるいはより分からなくなるか。
どっちも面白い。
酒井戸は果てしなく続く足跡を追って、井波の過去と出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
探偵が解くべき謎は、カエルちゃんの自死と、井波の工作によって作られた。最初は見えなかった真相にたどり着かさせるためには、犠牲が必要になる。
死体のない場所に、名探偵は定位できないのだ。
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自分の手は汚さず、差し出される死体をキスのように受け止めながら、終わらない円環に乗り続けた連続殺人鬼。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
母の死から一歩も抜け出せなかった彼女は、高校時代の屈折した恋からも出ることが出来ず、数田を焦がれた。
しかしキスと殺人が繋がってしまったハカホリに、普通に生きる事はもう出来ない。
後はイドに落ちて、動かない状況を延々繰り返すだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
名探偵・酒井戸の到来は、異様で出口のない精神に閉じ込められた被害者を開放し、加害者として正当に罰するための手続きと言える。
その結果、コンプレックスが解消して”真人間”になるのではなく、自分が作った死体に加わるのがシビアだが。
言葉で縊死させる厳しさは鳴瓢の領分として、酒井戸は窓越しに反射する自分と、そこにしか存在しない”彼氏”の距離を、優しく見守り手助けしようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
これは燃えるビルの世界、あるいは落ちる世界でも見せていた、死者、あるいは犠牲者の声を聞こうとする探偵の流儀そのままだ。
”彼氏”もまた、荒れ狂う風の中と同じように、向かいの席の遠くて近い距離に満足して座って、お互いを見つめ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
その結果が最悪の窒息実況中継で、低劣な模倣犯まで生み出した”現実”を思うと、この距離感はキレイなだけでは、当然ない。
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しかし確かに、捻じれきり歪みきった二人一組の奉納殺人にはキスしたい、キスされたいという気持ちがあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
止まってしまった時間の中を延々と進み続ける、閉じた絶望があった。そこに微かに灯る、恋情の火があった。
どれだけグロテスクでもそれは真実で、真実だろうと事態は変わらない。
その分断と接合が、これからも事件に潜り続ける名探偵≒殺人犯を貫通するようで、なんとも切ない味わいだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
死体を詰めた樽の中。数田の周囲。尋問記録用。タイマンの過去。
執拗に重ねられる”カメラ”のモチーフと、窓越し届かない手。
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『あんな事が起きなければ』と、井波は過去を思ったのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
数田くんが頭に穴があかずマトモなら。
お母さんが電車に飛び込まなければ。
ジョン・ウォーカーと遭遇しなければ。
今回明かされた事実は、沢山のIfを想起させる。だが、それはどれも置きない。飛び込みも連続殺人も、そこにある。
自分を押し流す衝動に、圧倒的に流される世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
そこで殺さず足を踏み留める時必要なのは、松岡さんのようなある種冷たい現実感覚なのか、また別の答えなのか。
それを探るためには、届かないと分かりつつ伸ばす現実の掌と、カメラの向こうにある仮想(化された現実)両方が、多分必要なのだ。
ミズハノメの井戸の底で、酒井戸はカエルちゃんの犠牲をに泣く。分断された恋人たちを思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
そのセンチメンタリズムは、冷たい現実では忘れ去られる。松岡さんは本堂町くんを井戸に落とし、鳴瓢は犠牲者でもある殺人鬼を自殺に追い込む。
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ハカホリが斜めに向き合った距離感で、ガラス越しにお互いを見るのに対し、鳴瓢はカエルちゃんに正対し、その手を掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
その距離感は彼が獄に囚われる原因となった過去に繋がり、タイマンの連続殺人と繋がっているのだろう。どちらにしても、出口はない。知った所で、状況は動かない。
線路が円状であると同時に、電車しか存在しない閉じた世界。踏切は母の死をせき止めてはくれなかったし、そこで世界は終わってしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
そんな、憎むべき連続殺人犯の世界を知ること、自分の状況と重ねることが、酒井戸と鳴瓢にどんな影響を及ぼしていくのか。どこまで重なっているのか。
そこを探るもう一つの視座として、名探偵・本堂町小春の冒険はこれから始まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
血の色をした、冷たい分断。
『丁寧な口調の奥に何隠してんだテメー!』って感じだけども、早瀬浦局長の謎もおいおい見えてくるだろう。
円環電車とは違う、開けた現実世界。
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そこを焼く美しい色彩のなかで、松岡さんは自分の”推理”を開示し、”犯行”を告白する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
名探偵は人殺しで、本堂町くんは殺しを楽しむ資質を持つ。だから、自分とは遠い井戸に突き落とし、距離をとった。
惜しいとは思う。だが、行動は止めない。優秀なパイロットが増えることで、仕事もしやすくなる。
松岡さんのシビアさが、探偵とは異なる”刑事”としての、現実を歩き回り肉体を削られるリアルの正義に繋がっていること…そして多分、本堂町くんもそこに自分と世界の価値を見出していることが、この対峙と分断をより切なく見せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
自分を守り導いてくれた先輩が、突きつける冷たい真実。
その痛みを重しにして、本堂町くんはミズハノメに潜っていくことになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
登っていく飛行機雲と、百貫さんが階段を上がる歩みが綺麗にシンクロして、カラーとモノクロに分断されたシーンを鮮明に繋いでいるのが、非常に巧い演出。マジここは震えた。
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終わったハカホリの事件が、過去から引っ張り上げる連続殺人鬼・タイマン。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
鳴瓢の娘を殺し、彼が”探偵の資質”を手に入れる切っ掛けにもなっただろうオリジンが、遂に暴かれていく。
今までと同じように、血生臭く生々しく、妙に切ないダイブ。そこに、本堂町から分かたれた探偵もまた、潜るだろう。
というところで、ハカホリ三部作終焉である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
サブタイトルは『そのままでいいの』と言ったところか。
捻じれきり歪みきってしまったハカホリの、出口のない世界。母が死んだ時、ある意味自分も死んでしまった井波の、諦観に満ちた満足。あるいは絶望。
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そういうモノが見えて、アレだけグロテスクに憎悪したハカホリの犯行も、なんとも収まりどころのない感情へと収束していった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
多分このやるせなさ、ハッキリしない曖昧な感覚が、作品が出したいテイストなのだと思う。好みの味だし、かなり鮮烈に的確に煮出されていて、とても面白い。
『書き出しには小説のすべてが詰まってる』とよく言われるけど、二話連続で出された最初の事件が『JIGSAWED バラバラの世界』なのは示唆的だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
イトノコで切り取られ、分断された世界はしかし、ジグソーパズルのように繋ぎ合わされることを待っていて、真実は見つけられる日を待ちわびている。
そこに名探偵が存在するためには、死体がなければいけない。そのために自分を死体にする転倒を、鳴瓢は泣いて嘆いたわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
様々なものが、分断されつつ繋がり、完全な融和を回復しきれない。
過去と現在、犯人と探偵、殺意と愛、中と外。
その境界は、常に揺らぎ続ける。境界とはそういうものだ
作品がそういう世界、そういうテーマを見据えている以上、ショッキングな犯行、意外な真実、なんともいえない結末は今後も頻発し、僕らは画面越し頭を抱えるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
それは面白い。おぞましいまでに切なく、醜く、面白いのだ。
そういう奥行きが、三部作でよく見えたと思います。次回も楽しみ。
しかしスゲー観念的なことを扱いつつ、それを奇妙で危険な世界の冒険としてビジュアル化したり、それを生み出すジョン・ウォーカーの追跡を仕込んだり、オモシロ殺人のグロテスクを娯楽で提供させたり、毎週続きが気になる構成にしっかり仕上げているのは流石だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月4日
週間アニメの形に、ちゃんとなってる