petを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林の計画に滑り込む形で、司は対話を継続する。
殺し合いの殺伐と、重たい情愛が入り混じった魂のせめぎあいは、現実を越え心の奥底へと響いていく。
重なるように、”会社”の潰し屋・ジンが司へ接触する。お互いの心を探り合い、壁を作りながらの対話は、複雑な錯綜を見せていく…。
そんな感じの超常能力人間関係サスペンス、司の内面がグッと迫る第5話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
桂木さんを描くなかで見えた”世代差”が、ヤマを分けることで沢山の子供に人格を与えた林を通して、より鮮明になるお話でもあった。
そんな林の”子”である悟が、女と出会うことで変化する予兆も響いている。
条理を遥かに超えた力を持った存在が、その実あまりに人間的な思いと不自由に縛られ、生き方を探していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
”スーパーサイコ群像劇”とも言うべき、濃厚な感情と関係のドラマが林と司、悟とジンを主役に、別々の舞台で踊る。
その複雑怪奇な絡まり合いが、記憶と心を操る異能、催眠の技術で火花を散らす
この作品にしか出来ない緊張感と重層性、血と涙が溢れるような切実さがみっしりと詰まった、張り詰めた掛け合いだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林サイドと悟サイドで、超常能力の介入度を変えることでシーンの雰囲気が大きく変わり、これを行き来することでエピソードのダレが抜けていたと思う。ピリピリしながら楽しく見た
さてお話は、現実世界で言葉を使ったせめぎ合いと、異能を使ったよりダイレクトな接触を行ったり来たりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林と離れた…司の主観では”捨てられた”後の日々を、会社に都合のいい洗脳兵器として過ごしてきた司は、相手の心に忍び寄る手管も鋭い。
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その滑らかさが、"親"である林最後のメッセージを忠実に守った結果だと知ると、なんとも哀しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林の言いつけを守る”いい子”だからこそ、自分には価値がある。
そう己を定義した司は、林を潰して幹部へとのし上がる道へ突き進む。
おじさんの望みを守るために、おじさんを潰す。
別れてから固く作り上げた"鍵”、ヒロキを従順なペットとして利用することを躊躇わないエゴイズムの鎧。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
それは司の真実…の一つであり、林が思わず助手席を預けてしまった無防備さ、幼いままの親愛もまた、真実なのだろう。
その両方を抱えつく、”会社”に体重を預ける道を、司は選んだ。
林にヤマを分け与えられた結果、人格や記憶、プライドが生まれたと司は言う。『いつまでも、”親”のいうままのガキじゃない』と。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
でもその歩みの根底には、林が分け与えてくれた情愛があり、いい子だから認めてくれた経験があり、分け与えられた約束がある。
とても綺麗なものが、捻じれと歪みを生む。
どれだけ強烈な異能を持っていても、”会社”が定めたルールの内側で生きるしかない潰し屋、ペット、あるいはベイビー達。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
彼らは強靭な力と、非情な宿命と、あまりにも脆く当たり前の魂をアンバランスに抱えたまま、行き着く場所まで行くしかない。
司は出会ったばかりの子供の顔から、赤信号を契機に会社の忠実なエージェント…林が望んだ”いい子”へと上場を変える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林がそうなりきれなかった”大人”が切り出す、逃亡の理由。イメージを分け与えられ、人格を育てられなかった便利な道具。
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司は意志のないメイリンをペットの理想と感じ、林は人間の最悪の形だと受け取った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
だから片方は会社に残り、もう一方は背中を向けた。そのどん詰まりが、この夕焼けの”林”だ。
お互いの弱さと優しさ、人格を分け与える残酷、正義を貫けない無力。
次第に、会話の闇は濃くなっていく。
それはとても不自由で、すれ違い続ける思いの発露だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
二人は車という密室の只中に閉じ込められ、窓ガラス越しのぼやけたアングルが時折挟まる。
お互い、愛も理想もある。しかし重たい現実は、それをキレイなまま守ってはくれない。特別な力、人間が人間である証明は、いつでも苦しさを連れてくる。
誰よりも強いヤマ親への愛情と、釣り合いが取れるほどヤマ親は”子”を思えない。沢山いる子供の一人として、秤にかけて重さを測られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
壊し屋ゆえの不自由を見せていた桂木さんとは、また違う世代の差。自分が生み出したイメージと希望が、制御しきれず軋みを生んでしまう危うさ。
林はそれを背負いきれず、会社から逃げた。司はヤマ親と子、両方の立場を知りつつ、会社に魂を捧げた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
置き去りにされた子供ゆえの、希望を与えられ叶わないからこその苦しみ。それを涙と一緒に吐き出しながら、社内の圧力は高まっていく。
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林は人間として当たり前に、人間でいることが子供の救いだと思った。でも、ただ綺麗なものだけが世界にあるわけがなくて、なんとも動かしがたいものが愛を裏切り、人々を切り離す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
そんなに苦しむなら、人間でなんていたくない。
メイリンの在り方を肯定する司からは、そういうメッセージも出てる。
これが凄く苦しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
司はただの野心家ではなく、流した涙も吠える言葉も本物だと思う。自分を生み出してくれた林への愛情も、正しさを貫いてくれなかった恨み言も、全部入り混じっている。
愛蔵はべっとりと張り付いて、もう離れない。
人間的な軋みの只中にいるくらいなら、生まれないほうが良かった
林から与えられた”いい子”のロールモデルに従いつつ、その実会社を中心にした俗欲塗れ、不自由で非人間的な世界を、殺したいほど(死にたいほど)憎んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
車内での林との対話は、そういう司の抱える矛盾、張り裂けそうな怒りと痛み、切実な愛情と思い出に満ちて、とても苦しい。
司は多分、”良いこと”がしたいのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
自分を自分にしてくれた林さんは、凄く優しくていい人だったから、”親”と同じようになりたいのだと思う。
でも林は理想を貫けず、愛憎の矛盾に引き裂かれて逃げた。司を置き去りに、獣だらけの”会社”に背中を向けた。
”良いこと”を夢見るのは簡単だ。
でも”良いこと”をするのは…それが形になり、届く世界を作るのはとても難しい。心を操る異能を持っていても、そんなことは簡単にできない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
世間では当たり前に受け止められている”人間である”ということの難しさを、重すぎる異能と、それを縛る不自由のただ中にいるペットたちは、常に突きつけられる
そら恨み言も言いたくなるが、林さんだって”良いこと”だと思って、子供らに人格を分け与えたのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
そしてそれは、間違いなく良いことだと思う。臓器を抜き取られて、金持ちのパーツと死んでいくより、絶対に素晴らしいことだ。
でもそれすら、ままならない矛盾と重すぎる愛憎を生む。
複雑に色合いを変える明暗に耐えきれず、林は車から降りる。むき出しの”林”に迷い込みつつ、二人はお互いの過去を、想いをぶつけ合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
もうここまで来てしまったら、後は心に入るだけだ。特別な俺たちには、それが出来る。
それが幸福なのか、不幸なのか。
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その答えを親も子も知らないから、こんな混乱した場所に追い詰められて、潰すか潰されるかの関係になってしまっているのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
二人が…悟やメイリンも交えてみんなが、”普通に”幸せにはなれない世界の果て。それがこの”林”である。
いやー…キツいな。林一家みんな、蝶々舞う山間の街で暮らさねぇ?
子供たちにヤマを分け与え、自意識と尊厳を分け与えた林さんの行動は、無責任な理想主義なのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
厳しすぎる世界に産み落とされてしまった子供たちは、親世代の勝手に振り回される犠牲者なのだろうか?
非常に普遍的でシビアな問が、林と司の関係が顕になるたび、グッと迫ってくる。
あんまり難しいので、みんなの生き様を見ることでしか僕には判別がつかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
救いたいと思った。だから手を差し伸べた。林さんの行いは会社がある現実に勝てなかったが、でもその素直な思いやりが嘘だとか、間違いだとかは、僕は思いたくない。
司にも思ってほしくない。
非常に切ない多重ジレンマの話しになってきて、苦しいんだが見るのは当然辞められない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
幾重にも折り重なった感情とドラマが面白すぎるのもあるが、この魅力的な舞台を作り出した側が、どんな答えを、闇と光を用意しているか見届けたい気持ちも強い。
厳しい視聴体験になりそうだな…。
さて、理想と現実、過去と現在の複雑な鎖でお互いを縛る林親子とは別の場所で、悟もまた独自の人生を生きている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
酒を飲み干し、ピザをかっ食らう。”大人”の形を演じるために、女を操って性を弄ぶ。
金髪やピアスと同じ、林と別れた代償行為か。
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そんな悟のルーチーンを、ジンはするりと撃ち破る。お互い催眠と異能の訓練を受けた、対等のスペシャリスト。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
嘘の鎧で顔を飾り、言葉の刃で心を突き刺す。そういう闘い…林から教えられた生き方で、一方的に蹂躙できない異性。
悟はジンと出会うことで、おそらく初めて”他者”を知る。
元々自分と他人の境界線がなく、ヤマを分け与えてもらわないと人格が生まれなかった悟(というかペット)は、自分と他人が違う存在であるという認識に、なかなか馴染めないのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
しかしそれを知ることでしか、人間は大人にも人間にもなれない。
林譲りのサイコ・アーツが、なかなか通用しないツワモノ。言葉の奥にあるもの、一個一個の仕掛けを探り合う、現実世界での闘い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
これを通じて、悟は”林の子供”である以上のアイデンティティを手に入れていく気がする。
司が会社の仕事を従順にこなすなかで、手に入れた鎧に近い…のか?
ジンとの対話シーンは徹底して、悟の内面だけが言語化される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
心に滑り込む隙がない以上、普通の人間と同じように言葉の裏を探り、智慧で推察していくしかない。心象風景のスペクタクルを使えない、常人の世界に、ジンと向き合う時悟は放り込まれる。
それが、親離れには良いのかも知れない。
今回のエピソードは超常的サイコダイブを交えた林サイドと、徹底的に現実で進む悟サイドに二分されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
司は林に置き去りにされた辛さ(と裏腹の愛)をぶつけ、悟は林に託された技術でもってジンに呑み込まれずにすむ。
現実/仮想という分割だけでなく、様々な意味で二つのシーンは対比的だ。
司はヤマ親への同化願望(が果たされず、置き去りにされた恨み)で林に接近していくが、悟は初めて自分のモノにならない女に出会い、警戒心を掻き立てられる中、同時に惹き寄せられもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
この求心力と離心力の複雑な色彩を、悟と司に共通する"林の子"”会社の虜”という属性がまとめてもいる。
司は十分に子供でいることが出来なかったフラストレーションを爆発させ、悟は大人への階段を女と向かい合うことで進むのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
群像はそれぞれ、様々な時代、感情、関係性に向き合っている。これを二場面並走させることで奥行き豊かに見せるのは、非常に上手い構成だ。
マフィアの血縁であるジンは、ただの魅力的な異性ではありえない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
自分が知っている事柄を隠し、相手の心に滑り込む。母国語を差し出し、それを蹴ることで優位を維持する。複雑怪奇な因縁で繋がった、林と司の掛け合いとはまた違った味わいがある。
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さりげない会話の何処に、自分の喉を掻っ切る罠が仕掛けられているかわからない、言葉を使ったデュエル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
今までは催眠技術を一方的に使って蹂躙する面白さだったものが、同等の”使い手”が出てくることで、一合一合言葉の刃を交える、プロVSプロの構図に変わってくる。
ここもまた、面白い。
ジンが明らかにする”会社”の成り立ちは、そもそも人の心を操る技術が従属的な異能であること、血なまぐさい因縁が付き物であることを教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
仲間に裏切られた社長の過去が、生み出すペットの首輪。イメージを分け与えられた子供を、潜在的な驚異と見て人格を殺す残酷。
林はそれに耐えきれず逃げた。その言いつけを守って、司は冷酷な野心を演じ続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
世界の形がだんだん判ってきた司は、”女”と出会うことでどう変わるのか。あまりにも強く人格に突き刺さるヤマ親の影響と限界を、超えることは出来るのか。
こちらも、なかなかに面白い。
一方、あまりにも強く脆い絆でつながった”親子”は、自分たちだけの特別なフィールドで、力と意志を比べ合う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
悟にとっては自由への突破口だった”ドア”のイメージは、司の中では不気味に歪み、ヤマ親との遠い距離を象徴する。
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記憶に滑り込んで、トラウマを書き換える治療/洗脳。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
ペットのやり口を熟知した(林から教え込まれた)司は、もう物分りと都合の良い”いい子”じゃない。
林に置き去りにされ、その言葉に導かれるまま、実力を磨き権力に近づいてきた。異能の実践が、彼の力を鍛え上げ、親のイメージを超えていく。
水と風。本来形なく自由であるはずの力は、親子の衝突、精神の潰し合いへと加速していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林が振り回す、幸福な夢。それが実現不可能だと、身を持って知っている子供の抵抗。
心を書き換えれば、全てが幸福に終わるはずもないことを、二人とも知って、それでも…
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従順な犬を引き連れた、会社の幹部。桂木に連れられ引き出されたその場所が、分厚く鎧った司の”タニ”なのか。犬のイメージは、どんな最悪を大人びた少年に教えたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
全ては、林が消えた後に訪れた。親が知らないこと、思い至らないことが、子供の独立した人生には沢山ある。
その自由な発達の条件である、独立した人格を与えたのもまたヤマ親だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
愛がなければ歩きだせなかったけど、進んだ先に幸福なんてなかった。あまりにも苦しい矛盾を、司はヒロキの親になることで再生産もする。
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林が指し示した、強すぎる鍵の在り処。犬の姿をしたトラウマを前に、司は不敵に笑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
そこに踏み込んだ時、かつての、そして現在進行系のヤマ親はどんな地獄を見るのか。
ただ”良いこと”をして、幸せを広げたかっただけの夢は、どんな苦しみを生み出していくのか。
辛い…とても辛い物語が続く。
というわけで、サイコ群像劇の真骨頂が暴れまわるエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
過去への執着と、それが裏返った対立で繋がる林と司の夢。
未来への変化を、同等の異性と出会うことで予感させる悟とジンの現実。
対極的な二箇所を行き来することで、エピソードに深い奥行きが出ていました。
司と林が車内で、林の中で、心の迷宮でやり取りする愛憎があまりに重たく、血が滲むほどに切実で、凄く辛かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
皆愛する人と、ただ幸せに暮らしたいだけなのに、抱えた異能が、会社の残酷さが、人間の限界点が、全てを歪めていく。愛は憎しみに繋がり、夢は薄汚れていく。
愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
仏典に語られる八苦が、ペットたちの物語には色濃く滲んでいる。
愛する人と、一緒に居られない。
憎んでしまったものと、もう一度出会う。
欲しいものは手に入らず、心も体も自由にはならない。
それは人間存在の、基本的で絶対的なカルマだ。
皆それに苦しみながら、それでも綺麗なものを求めている。綺麗なものを分け与えられたから、今までもこれからも生きていける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
そして綺麗なものこそが、矛盾に満ちた人生を縛り付け、駆動させるエンジンでもある。
そういう普遍的で特別な景色が、異能を使って鮮烈に塗り分けられていく。
このお話は非常に正当にファンタジーだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
この世にはない特別な力を扱うことで、この世全てに通底するとても普遍的なものが、普通に語るより鮮明に、切実に迫ってくるのだ。
それこそが、超常へと想像を広げ、物語を作り上げる大きな意味だと、僕は思う。それをこのお話、果たしているのだ。
同時に泥臭く生っぽく現実的な、個別のドラマも非常に力強く、色んな表情で暴れてくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
警戒と誘惑が入り乱れる、悟とジンの出会いは何処に転がるのか。愛憎と因縁の果て、心の奥底にたどり着いてしまった林と司は、いかなる決着にたどり着くのか。
非常に辛く、非常に面白い。次回も楽しみ。
もーホンっとさー…『こんなに生きるのが辛いなら、臓器取りのパーツのほうが良かったよ!』って言うしかない司のカルマ、どん詰まりの地獄がキツくてキツくて…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
これに加えて、ただただ純朴に”親”を求めるヒロキとの対峙、ヤマ親としての責任の迷宮も待ってるんでしょ?
キッツいなー…。
もちろん林さんが見つけた『子供たちを助ける』ってのは絶対的な善で。でもそれすら、叶うことがない現実の重たさがあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
林さんが(結果として)捨て去ってしまった親の責任、子の愛情とのアンバランスを司は責めるるけど、それは自動的にヒロキ軽油で自分に反射するんだよね…。
林との対峙にどういう決着が付くにしろ、彼と別れた瞬間のまま時間を止めて、『会社のいい子』で居続けた司がツケを払う瞬間が必ず来る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月6日
それはとても厳しい、妥協のない結末になるだろう。覚悟はしておくが、しかし少しでも、幸福の光が見える旅路になってくれると、俺にも彼らにもありがたい。