(えー…語るべき言葉ももはやございませんが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
これよりヒーリングっど♡プリキュア 第1話の感想を書きます。一ヶ月前に放送された作品に、今更ながらの感想となりますが、お付き合いいただければ幸いです。
あ、むっちゃ面白かったのでこれよりプリキュア修羅に入り、一月の時間を超えます)
ヒーリングっど♥プリキュア 第一話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
世界を侵す兇猛なるビョーゲンズが、地球を狙う。人々は破滅の未来を知らぬ豆、平穏に微睡んでいた。
崩壊せしヒーリングガーデンから、最後の希望を背負って人間界に飛び出したラビリンが見つけたのは、病み上がりの優しい少女。
戦士の物語が始まる!
そんな感じの、新プリ第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
いやー…凄く良かったです(一ヶ月遅れの古代人、超今更の感想)
第1話で魅せるべきものがしっかり詰まって手際が良かったし、『絵になる絵』でバキッと殴りつけてくる演出力も、作品のキモをしっかり抑えた運びも素晴らしい。
今回は全体的にわかり易さ重点というか、ストレートをしっかりストライクゾーンに入れる感じの印象を受けました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
あんまヒネったことはやらず、魔法と勇気のキラキラストーリー…で片付けるには、『命と環境』というメインテーマはずっしり重い。
そこをちゃんとやる腰の強さも感じられました。
一年間の長丁場、どういう道をたどってどこまで登るかはさっぱり読めないわけですが、スタートがちゃんとしていなければ高いジャンプは無理。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
期待値をしっかり上げ、色々予想したくなる魅力が詰まった、とても良い第一話だと感じました。さー追いつくぞ…(手遅れ人間の言い訳)
まずですね…美術が良い!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
主線をあんまりカッチリ取らないで、水彩でぼかした感じの風景がとても美しくて、ようやく病床を抜け出したまどかの弾む心が、そのまま反映された感じでした。
それが滅茶苦茶にされた、ヒーリングガーデンの惨状を強調もする。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/OyJkyW8qsR
町の住人にとっては当たり前の景色でも、引っ越したばかり…そして”普通の生活”に飛び込んだばかりののどかにとっては、非常に美しく、新鮮なもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
そういう見落としがちな美しさが、ズタズタにされたあとで悔いても遅いってことを、すこやか市の日常と、ヒーリングガーデンの惨状の対比が魅せます。
今回の第一話は、のどかと同じくらいラビリンの物語で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
人形みたいに可愛い見習い妖精たちは、まだ甘えたい盛りのドッグベイビーを抱えて、見知らぬ人間界に飛び込んでいきます。
コイツラが結構悲愴で、”覚悟”入ってるのは良かったです。”手当犬”なのね王女様…。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/fePNBFYCtV
フワフワな外見だろうが年齢的にガキだろうが、故郷最後の希望を背負って異邦に飛び込む視線は、それなり以上の決意を秘めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
既に”滅び”を見てしまった視線は、新しい日常の喜びを見据えるのどかとは、まだ交わらない。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/pX3dVfWW0o
しかし知らぬ間に運命は交錯し、『ふたりはプリキュア』になる未来が、美しいすこやか市(最高のネーミングだ…)に広がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
高低差を活かしたすれ違いの演出が光るアバンは、非常にシャープで良かったです。もう”邂逅(であ)”っちまってるんだよなぁ…。
妖精ズとのどかの視線のズレは、既に滅んだ魔法世界の過去と、これから脅威にさらされる現実界のズレでもあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
不思議な力を背負い、世界の危機を救う秘密のヒーローだけが見すえる真実。それが世界を覆わないように、異世界の友達の思いを背負い、過酷な戦場に挑む少女たち。
プリキュアだけが妖精を見つけられるし、真実の戦いに身を投じられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
そういう特別性がヒーローをヒーローたらしめる(一部な)わけですが、未だ出会わぬこの段階では、のどかはまだ自分の頭上に妖精が入ることを知らないし、その視線も共有できない。
だが、同じ場所、同じ時間、同じ運命に在る。
このギャップがあることで、のどかが過酷な戦場に飛び込み、プリキュアとなっていく第一話がドラマとして機能するのだと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
ここらへんを、舞台建てをザラッと紹介し、作品が転がる美しい街を描きつつ魅せる筆は鮮明でした。
子供相手ほど、演出意図の的確な圧縮が大事になるんだなぁ…。
今回は一年付き合うキャラクターの顔見せも含むので、後に運命の戦士となる仲間たちもドシドシ顔を見せます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
黄色ちゃんは明るく元気な超スピード、青ちゃんは心身壮健なスポーツ少女。
そしてピンクは、困った人を捨てておけない仁愛の人、と。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/4GvSAqBJhP
ジョギングに勤しむちゆちゃんとの出会いが、あんまりにキラキラでビビるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
それはのどかがずっと夢見てきた、『健康な私』と重なるからなんだろうなぁ、と思ったりした。
誰かに過剰に優しくしたいってのも、病床で恩を受けてばかりだったやましさを、少しでも軽くする意味合いがあるのかなぁ…
正しく優しいヒロイズムにべっとり癒着した、自己愛とエゴイズムを結構容赦なく掘り進めるのもプリキュアの特色なので、ここら辺は後々突っ込んでいきそうですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
ともあれ、少女の運命は静かに転がりだし、女と女は美しい景色のなかで邂逅を果たす。大事ですよ、情景と運命ってのは…。
一方、妖精さん達は一緒に戦ってくれるパートナーを求め、必死に働きかける。しかし、小さな隣人はなかなか、真面目に受け取ってもらえない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
ここでわざわざ『絶対間違えないお医者さん』って言ってるあたり、命を扱う仕事に”絶対”がないシビアさ、作中で掘るのかなぁ…。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/lIcvccmGZU
プリキュアの変身グッズでありチュートリアル担当であるラビリンは、独力で問題を解決出来ない子供です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
しかし背負っているものは世界の命運に故郷の荒廃、非常に重い。
だから踏まれても袖にされても、結構鋭い瞳で立ち上がり、諦めずに仲間を探す。
この姿勢が健気で…頑張るガキに弱いんです俺…
ラビリンと視線を合わせ、彼らが知る真実(日常を壊す危機唯一の解決法≒プリキュア)をすくい上げる余裕は、ほとんど全ての人にありません。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
ここら辺、正統に妖精物語で良いなー、と思った。グラムサイトを持ってるのは、浮世離れしていたり、過剰に醜く、あるいは美しい異人なのよね。あるいは子供
人間世界のロジックに適応した普通人が、どんだけ取り合わないとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
世界を侵す侵略は本物で、ラテ様は地球とシンクロしてマージで具合悪くなる。
チアノーゼ描写が情け容赦なく本物で、『毎週犬ベイビーの具合悪い描写あるの!?』と慄く。マジかよ…。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/FhXyCdPbrp
ここでもラビリンの勇姿が目立ち、言葉なき獣の辛さを聴診器で聞き取り、小さな体でラテ様を背負う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
頑張ってる…このぬいぐるみマジで頑張ってるよ!
他人の苦しさを聞く、コミュニケーションの能力がスーパーパワーとして描写されているのは、とても良いですね。見る・聴く力の描写、この第一話多い
それはのどかの力でもあって、舗装された道路から荒れた山道へ、文明の領域から自然の領域へ踏み込む前に、危険をしっかり見すえ立ち止まってもいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
しかしそこを越えて、新たな運命に踏み込んでいくことで、泣いてる子供に手を差し伸べられるわけです。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/vOqtkDrEBs
ラビリン達は花と光に溢れた自然領域の妖精なので、プリキュアへと変化するステージが”自然公園”なのは良いマッチングだな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
危機を前に後ろに下がるのではなく、前に進む勇気を自分の中から絞り出したのどかは、ドガッと三角形にポージングしてて、非常に頼もしい。こういう絵の説得力好き。
のどかは万能の超人ではないので、異界の存在が苦しみ、泣いていることを全て認識できるわけではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
まず『傷ついてるワンちゃん』としてラテ様を認識して(ラビリンを乗り越えて)、そこから膝を曲げ、過去の自分と同じく傷ついてる存在へ共感を寄せる。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/lHVbDJ7R2E
異質な存在を、自分と似通った他者として認識するまでのプロセスが手際よく、丁寧に積まれていて、ここのやり取りは良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
どっか自分に似通ったところを見つけないと、人間薄情なもんで側には寄れないもんね…でも、そういう取っ掛かりを掴める目の良さが、”優しさ”という美徳なのだ。
ラビリンもまた、小娘に世界の命運を託す決断を一度は拒むけども、のどかの痩躯に漲る熱い魂に感じ入り、涙を拭いて共に戦うことにする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
プリキュアの宿命を押し付けられるのではなく、希う流れになってるのは良いですね。当事者性がある。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/mp2jBvHsgP
病み上がりと半人前。世界を背負うにはあまりに弱い存在かも知れないが、それでも盤上この一手。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
姿も形も立場も違うモノたちが視線通わせる瞬間の、光と命の美しさ。
美術が冴えていることが、『美しいものを守る』という作品のコアを無言で、しっかり支えているのは最高ですな。
というわけで変身バンクだ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
急にラビリンがソシャゲのチュートリアル見ないなこと言いまくるのが『あ、プリキュアの第一話』って感じで素晴らしい。BANDAI様にひれ伏せッ!!
白衣を羽織り、花の中から誕生するのが『地球のお医者さんプリンセス』って感じで最高。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/MSaWoGy58S
急に目覚めたスーパーパワーにふええ顔であるが、手に入れた剛力は本物。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
第1話恒例のスーパージャンプで、あれだけ美しかったすこやか市が赤黒く染まっている現状を確認させるのが、手際の良い演出だ…。
この景色を見ることで、のどかはこの戦いが”公”にも繋がると判る。
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/l9sC1iYYOz
病気に縛り付けられるだけの弱い自分ではなく、誰かに優しさを返せる強い自分になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
そう思わせてくれた美しい街を守るため、目の前で苦しむ命を救うため、少女は運命の闘いに身を投げるのだ。
ヒロイズムとエゴイズムが上手く融和したバトルで、凄くいい仕上がりでした。第一話らしい。
田村少年声の気だるい悪魔少年が、今後どういう立ち回りをするかも気になるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
かくして勝利が訪れ、世界を侵す病は癒やされた。しかしラテ様は相変わらず吸気量のすくねぇ顔して、すぐには治らない。
ここでワンクッション置くのも、命の重さを感じさせグッドですね
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/mmGvlrV0ta
つーかマジ、ケダモノとかガキとか、弱い立場の連中が弱ったり泣いたりしてるのを見るのが我慢ならねぇので、悪者が出る度ラテ様がゼーハー言うのはキツい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
ゾナハ小児病棟に叩き込まれた鳴海の気分だぜ…。
このままじゃ、キュアグレースが”悪魔(ディーマン)”になっちまう! ”神(ボフ)”よ!
まぁお花の精霊さんと協力し、クソビョーゲンズをブッちめればラテ様のSpO2も改善するからな…奴ら皆殺しにしてやるよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
のどか一人ではなく、色んな存在の声を聞き、力を借りて状況が良くなるのは選良主義としてのヒロイズムに落ちてなくていい感じです。皆で守ろう、犬と子供ッ!!
そんな感じで、しゃべる動物と一緒に美しい自然、膝の上で荒い呼吸を繰り返す小さな犬を守ることになったのどか。未来はどっちだ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
マージでラテ様、悪者センサーの代償としてチアノーゼ出るの険しいな。
特技の代償重すぎない? これが必須ビルドなの?(ヒープリTRPGに文句タラタラマン)
EDも冴え渡るモデリングと冴える動き、豊かな表情と景色を堪能できて、非常に良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
信号機色の”キメ”見るだけで『やーだーカワイイ~』って、自分を大蛇丸だと思いこんでるオッサンにジョブチェンジしちゃうもんな…曲調も電子音混じりでゴキゲンだ!
©ABC-A・東映アニメーション pic.twitter.com/aFQDOtmFBa
つーわけで、いい仕上がり、いい滑り出しの第一話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
おそらく対象年齢を下げてファン層の新陳代謝を図る作品だとは思うのですが、コアにあるテーマ、プリキュアが背負うべきヒロイズムとヒューマニティを妥協なく、分かりやすく、手際よく魅せる演出の凄みが印象的でした。
圧倒的な作画力でバコッと殴りつける感じではないのですが、その分絵になる一枚絵を的確に挟み込んで、伝えるべき情動を的確に届けるパワーが随所に生きて、非常にクレバーでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
ラビリンが小さな勇者として、色んな場所で奮戦していた姿が良かったです。ラテ様は早く体治して…。
普通の人が見過ごしてしまう、足元の弱者、遠く美しい景色。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
主人公・のどかがそういうモノを見落とさない視力を持っていることも、しっかり伝わりました。
フィジカルには恵まれていない彼女にとって、それが最強の武器なのでしょう。いいキャラ付けじゃん…。
そんな主人公が、袖摺りあった妖精と運命の女たちとともに、一年どんな戦いに挑むのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年2月26日
一ヶ月遅れでの後乗りとなりましたが、いやはや今年のプリキュアも面白い事になりそうです。
さーガンガン見て最新話追いつくぞー!!
いや本当、遅れてすいません…。次回も楽しみ!!