アルゴナビス from BanG Dream! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
北の美しき街、函館。
大学一年生の七星連は、”歌”への強すぎる思いを孤独に磨き上げていた。
カラオケボックスの扉から、漏れ聞こえたその情熱が、本物の音楽を求める同志に届いた時、船が漕ぎ出す。
さあ、行こう! 音に満ちた青春へ!!
そんな感じの、ボーイズバンド時代への挑戦状、男ドリアニメ第一話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
大看板となったバンドリから、どういうタマが飛び出すか。期待半分不安半分で見ていたが…良かったよ相当にッ!
男達が”邂逅(であ)”って”開始(はじま)”っちまう、真っ直ぐな話だったな…そういうの好きよ。
アニメスタッフの味付けも良かったが、”原案・中村航”のエッセンスが随所に感じられ、非常に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
時に滑稽に思えるくらいに、詩的な言語と状況の選択。
湧き上がる衝動に突き動かされ、ガンガン突っ走るきゃラクター。
ゴツゴツとダイレクトな質感で、青春と夢の鼓動を歌う歌詞。
随所に俺の好きな味わいがピリピリしてて、『お、ありがてぇ仕上がりじゃん…』って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
男女の違い、年齢の差はあっても何処かエッセンスが似通うのは、”アイカツ!”と”ドリフェス!”に重なるものがあるな…。
つまり『イケるっしょ!』ってことだ!
お話はかなり真っ直ぐな青春バンドストーリーで、主人公・蓮が”音楽”と出会う瞬間から始まる。やっぱ主人公のオリジンは、ヘタな小細工無しでど真ん中のほうが良いよね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
少年は大学一年生まで成長し…しかし、誰かと音楽を共にすることはない。
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主役が”歌”には凄まじい思い入れを持ちつつ、”バンド”には距離を開けている面白い始まり方だ、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
これを二人の青年が受け止め広げていくことで、第1話は展開していく。
燃え上がる熱血漢、結人。クールな現実主義者、航海。
この二人のアンサンブルがまず良い。
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結人は感情の熱量が高く、ガンガン前に出てグイグイ状況を進めていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
その強引さを、名の通り”航海(ナビゲート)”していくのが、航海のクールさだ。しかしその現実的な見方だけでは、バンドは生まれない。”結人”は”結束(バンド)を生む人”なわけだ。
船と星はアルゴナビスの大事なモチーフっぽくて、初回からかなり力強く押されている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
人をつなぐ舫い綱(ギター担当)と、行き先を見定める航海長(ベース担当)。
ならばボーカル・七星蓮は、航路を見定める基準となる北極星、そこにたどり着くための北斗七星ということか?
とまれ、より良い歌を孤独に求めるボーカルと、最高のバンドを求める男たちは運命的に出会う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
『乾いた砂漠を歩く旅人が、水を求めるように歌を求めるボーカル』
ぶっちぎりに詩的な言葉が、イケてるボーイからサラッと出てくるのむっちゃ面白い。
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『そんなポエジーな存在、いるわけねーだろ!』って思ってたら、隣の部屋にいたぁ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
ってんで、結人は肩をひっつかんでグイグイと迫る。
溢れる情熱、それを抑えられない不器用さ…へへっ、俺コイツのことキライじゃないぜ…。
『孤独に歌っていた時間は終わりだ! お前は俺達の船に乗る!』
世界を見えてるそのままの”現実”ではなく、ある種のファンタジーとして見続ける心の豊かさが、言葉の端々からビリビリ溢れてて最高である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
やっぱ夢と青春と音楽の話をやる時、こういう酩酊した言語は大事だと思う。
大仰で夢っぽくて、期待に満ちている。素晴らしい。
蓮はあまりに熱烈なアプローチに、思わず身を引いてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
そこで一旦立ち止まって、相手のことをちゃんと知ろうとする航海の冷静さが、非常に好ましい。
ただクールなだけじゃなく、相手を尊重するからこそ冷静に。
俺、コイツのことキライじゃないぜ…
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あらゆる場所で勧誘を繰り返す、結人の情熱(あるいはしつこさ)。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
それを隣で制御しつつも、航海はアプローチ自体を止めはしない。
それだけ、蓮の喉から溢れた音楽には魅力があったのだ。
真摯な孤独を、歌に捧げるほどの情熱。
ぼんやり弱きに見える蓮も、瞳の奥に熱を秘めている。
つまり分かりやすい熱血漢と、クール気取りの熱血漢と、ぼんやりした熱血漢しかこのアニメにはいねぇ、という話である。むせ返るような熱気…素晴らしい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
『歌を誰にも邪魔されたくない!』
叫んだ時、蓮の瞳に宿る力。生まれる輝き。
こういう真っ直ぐな表現が強いの、やっぱ凄く良いと思うのよね。
引っ込み思案な蓮と、結人の無軌道な情熱は上手く噛み合わない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
ここで航海が一旦引いて、話の落ち着きどころを差し出すのが凄く良い。
歌に捧げる”本気”は、結人も蓮も同じだ。三人は”バンド”になれる熱量を共有してる。
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しかしそれは、まだうまく届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
押してもダメなら、一旦引く。引くことで、蓮の胸に届いている火種に賭ける。
航海は、こういう静かな賭けに出れる男なのだ。信じればこそ、思い切って引ける。それは静かに煮えたぎる、ボーカルへの期待あってこその行動である。
最初は柱で邪魔されていた関係は、運命のアドレスを受け取り、想いを交換していくなかでだんだんオープンになっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
ここのカメラアングルは、交流を邪魔する柱を上手く避けて、彼らが”バンド”になる未来へと上手く導線を作っている。上手いレイアウトだった。
本気故に孤独を選んだ過去に、逃げ込もうとする自分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
”バンド”を想うと、思わず笑顔になる自分。
蓮はふと気づいた自分に素直に、函館の夜へ駆け出していく。この全力疾走も、非常に良い。
やっぱ運命が走り出す瞬間は、青信号で路面電車なんだよなぁ…。
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基本、函館の清潔なローカル感を生かして画面を作りつつ、要所要所ではファンタジックな光を活かし、情感豊かに描く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
美術のコントロールもなかなか面白くて、今後もHAKODATEの描写に期待大である。道路が広く、空が高いの良いよね…”北”って感じ。
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不安に揺れるコーヒーに、諦めを反射し立ち上がろうとしたその時。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
運命がドアを叩き、音楽が始まる。
これだよ…俺がロック坊主物語の第一話に求めるのはッ!
『これで終わり』とか言ってたのに、航海が全然諦めてねぇのが良い。蓮のこと好きだねキミィ…。
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自分を熱く求める、結人の情熱。それをクールに制御する、航海の冷静。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
孤高の後ろに隠れてみても、伸ばされた手は輝いて見えた。
もっと上手く、もっと高みへ。そういう”歌”への真摯さを、共有できると何処かで思えた。
だから、全力で走って、その手を掴んだのだ。
このねぇ…今までの自分を振り捨てて、真っ直ぐ突っ走る瞬間の勢いがガンッガン真っ直ぐぶつかってくる展開、やっぱ凄く良いですよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
蓮の歌への真摯さ、高みを目指し続けるストイックさは、バンドの柱として凄く強いだろうしね。頑なな不器用さが、将来の衝突とドラマを予感させるのもグッド。
かくして”邂逅(であ)”っちまった男たちは、輝きの中音楽をやる。どっしり構えたドラムで、若人の旅立ちを祝福してくれるマスターがありがたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
まるで子供みたいに夢中に、時間を忘れて音を紡ぐ。ロックバカの笑顔が眩しいぜ…。
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最高の雰囲気でさぁ”バンド”だ! ってなったけども、蓮はまだ、差し出された手を掴みきれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
しかし今日生みだされた音楽は、けして嘘ではない。見上げた未来には、曇りのない星が輝いている。
そして月光ビカビカの詩的空間で、鍵盤爪弾く奴キター!
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って所で、第一話終わり次回に続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
いやー…凄く良かったです。
ロックンロール青春物語の、まさにど真ん中。アツさの表現は様々あれど、ヌルいやつは何処にもいねぇ!
こういう真ん中勝負、俺キライじゃないぜ…。バンドメンバーの個性が、勢いある物語からしっかり見えたの良かったです。
過剰にビカビカしてるポエジーは俺にとってはご褒美で、今後も顔の良い連中がどんどん夢っぽいこと言いまくって欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月14日
月下のピアノマンは、もうその資質バリバリで。来週どんな暴れ方するか、今から楽しみでしょうがねぇぜ…。
バンド結成がどう転がるかも、良い引きになってます。
次回も楽しみ!