波よ聞いてくれ を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
無事フェスを乗り越え、晴れて解雇となったミナレ。
酒に溺れ他人にすがり、運命の波は彼女を”ラジオ”へと運んでいく。
お硬いようで破天荒、天性の喋り芸を持つ女が一体何処へ転がるのか。A rolling stone gathers no moss!
そんな感じの、ダメ人間北国絵巻第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
酒と男に翻弄されつつ、麻藤Pの狙いのまま”ラジオ”に流れ着いていくミナレ。
散々モザイクとミーハーなネタ、酒乱と暴力とノリでダイナシにしつつ、最後は良い感じのルームシェアが始まり、何かが動き出しそうな予感で爽やかにフィニッシュ。
お洒落なOPとEDが、超弩級の詐欺となるか、作品の一面くらいは切り取った名演出となるか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
なかなか読ませてくれない、変幻自在の人生流転である。
ダイナシな部分も、なんか良いこと言ってる風味な所も、全部ひっくるめて噛んで含んで味わうのが良いんだろうな、多分。多少の毒も込みで…多少?
つーわけで、ミナレは初手失職から開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
人生をキャンディーバーのように、ペロペロ舐め倒す語り口すら軽妙な、人生そのものが”芸”な面白女。
つーか今回、具体的にヤバいところをスレスレコスってくネタ多いな全体的に…沙村、結構ミーハーだよね。
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パンとカレーの夢空間には、居場所がなかったクソアマ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
一体何処に天性があるかといや、そらラジオである。
どう見ても、面白いこと喋って企画作るために生まれてきてるもんな、挙動の全てが。
しかしその転職に、彼女はまだ無自覚である。つーか、自分のことをよく判っとらんのだこのアマは。
触りたがる系ゲイの話をする時に、ソーセージに縦長ビールサーバー。露骨なファリックシンボルなども写しつつ、自棄酒は進みアルコールは脳を焼く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
ギト付いた性欲混じりの、中原くんの純情。それを蹴っ飛ばすミナレの暴走パワー。
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ここら辺の掛け合い自体が強力な”喋り”であり、立ち居振る舞いがある種のリリックみたいになってるのが、鼓田ミナレという女である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
謎の自己防衛ジェスチャーの、なんとも言えない面白さ。意識していないからこその面白さ、絶妙な切れ味。
ここら辺の間合いこそが、作品の強みであろう。
ちょっと脱線すると、僕は中島らもって作家が好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
彼の自伝的小説に”今夜、すべてのバーで”つう作品があって、その主人公が人生を縛られてる旧友がいるんです。
彼を形容する時、主人公は『存在自体が、削ぎ落とされた詩のような男』と言っていて、ミナレには同じ空気がある、と思った。つまり好き
そんな全身リリック女は、中原くんを最高の言語芸で最悪にキープしつつ、酔っ払って他人の部屋に上がり込む。しかも常習。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
最悪中の最悪であり、しかしその行いにどこか爽やかさがある。こういう主人公の気質が、作品全体に敷衍しとる感じやね。
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いやまぁ、エロい雰囲気出して即座にフランケンシュタイナー(良い作画)とか、最悪なんだけどさホント。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
後に瑞穂の口から明かされる『三秒ルールの真実』もそうだけど、今回はミナレの思い込みがバキバキ壊れる話といえる。
このアマ、全然几帳面でも何かに縛られてるわけでもありませんでした!
…っていう話でも、ちょっと無くて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
ミナレは自分を普通と思いこんでるクレイジーであり、その鎖は失職と出会いによってぶっ壊されるまでは、たしかに彼女を縛っていたのだと思う。
運命は酒の力でブーストされてゴロゴロ転がり、彼女の天性を良くも悪くも暴き立てる。流れ着くのはラジオ局だ。
暴虐のクレイジーであることを思い知らされて、やることは土下座と泣きつきであるけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
そんな風に、ダメ人間共を巻き込み爆走する自分探し街道が、このアニメとも言える。いや、そんな綺麗なもんじゃないけどさ…被害者に見える沖くんも、般若心経マンだし
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『”マトリックス”も、もう古典の領域だよなぁ…』などと思いつつ、ミナレの人生は行き着くべき場所へと流れ着いていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
麻藤さんには狙い通り、行き場を失ったトンチキ女はリュックを抱え、生臭いマネー話を煙に撒かれていく。
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『ヤバネタにモザイクは入るけどピー音入らない辺り、”喋り”を重視するこのアニメっぽいなぁ…』などと思いつつ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
麻藤さんは自分の全部を見せないまま、でも妙に核心をついてもいるような海千山千トークで、ミナレの冠番組へ話を持っていく。
なんだか分けの判らないまま、居場所が生まれていく。
例えそこが番組表の端っこ、草木も眠るド深夜であったとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
ミナレは自分のパーソナリティを電波に乗っけて、広い世界にブロードキャストする立場になっていく。
そのキッカケも、その後の導きも、麻藤さんは結構苦労してる。多分、自分から好んで。
その裏に、どんな夢があるのか。シセル光明ってどんな芸人で、ミナレにどんな影を見出しているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
そこら辺は、今後の話として煙の向こう側だ。謎は残るけど、状況はとにかくゴロゴロと転がる。
書き文字演出も、良いタイミングで品良く使うよねこのアニメ。
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ここまで酒はミナレに最悪ばっかりを連れてきたが、瑞穂と飲むお酒は飲んでも飲まれること無く、なんか良い感じのニューライフを楽しく彩ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
まぁ瑞穂がマジ天使で、穏やかに新しい同居人を受け入れてくれるってのがデカいわけだけど。
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ハイテンションな踏み込みも、酔いを装ったミナレなりのアイスブレイクなわけだしねぇ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
それを見抜く賢さ…と言うか落ち着きも、瑞穂は持っている。周りのクズ男たちには、あんまないものである。
そんな彼女と亀三匹、新しい生活が何を生み出すのか。
さっぱり不明瞭だが、なんか綺麗で良い感じだ
危機感足りないヌルい業界に、物申すモンスタークレーマーになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
ミナレの宣言はつまり、ある程度以上”ラジオ”に腰を落ち着ける覚悟が、酒の勢いとは言えキマってきてる、ということだ。
ノリと勢いと悪酔いで行き着いた場所とは言え、その決心は妙に気持ちがいい。
どう転がっても、ミナレは”熊 VS DJ”をやり遂げる。口から生まれた喋りングモンスターとして、深夜札幌をかける波に乗るのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
そんな未来へ一歩踏み出した瞬間は、海底のように静かで落ち着いて、青く綺麗だ。
ダイナシを散々やっておいて、爽やかに終わるところは終わる。
そういう職人芸も含めて、あいも変わらず気持ちのいい第三話でした。自作の強みを、はっきり判って作ってる感じが心地いい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
軽妙なマシンガントークとクズとダイナシとアルコールで画面を埋めつつ、状況自体はゴロゴロ転がり、停滞すること無く進んでいく。このテンポ感も良い。
運命と見知らぬ自分に翻弄されつつ、寝床と一応の銭稼ぎを手に入れたミナレ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
奇妙ながら妙な手応えと期待がある彼女の人生が、一体何処に転がっていくのか。なかなか楽しみになる展開だと思います。
次回はどんな、爽やかなダメダメが見れるか。楽しみですねッ!
追記 作品それ自体からは離れた、個人的な感慨
波よ聞いてくれ追記。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
瑞穂がミナレの喋りを褒めた『ぼんやりと思っていた感覚を、言葉にしてくれる気持ちよさ』ってのを、果たして僕のブログもその欠片でも、見てくれる人に与えられているのか。
全然関係ない所から内省のタネが飛んできて、ちょっとビックリした。
基本手前勝手に感じたことを書いておるわけだけども、こうしてネットの波に流している以上、ある程度以上は誰かに届くことを望みながら書いているわけで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
とすれば、同じモノを見てあやふやに言語化出来ない部分に、僕の感想も何か、輪郭を与えうるのかも知れない。
『もしそうだったら良いなぁ』とは強く思うけども、それが叶うかどうかは僕が決めることでは勿論なく、何かの波長が噛み合った幸運と幸福の先にあるのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
まぁ少しでも、そういう手助けができているという感覚があるから、この長ったらしい感想も続いてる部分は確かにあるけども。
ミナレのような天性の”芸”を届けるほどには、研鑽も才気も足りんわけだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年4月24日
まぁ可能であれば、誰かに波を超えて届くのならありがたい限りだなぁなどと、しみじみ思ってしまった。
ダイナシアニメのくせに…。