ガルパ履修記録
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
・Let’s パーフェクトコレクション!
偶然出会った広町七深と、市ヶ谷有咲。ぶっ飛んだ感性と能力をぶん回し、もう一人の天才・氷川日菜も巻き込みつつ、商店街を横断する買い物ツアーが始まる…ッ!
そんな感じの、広町×先輩イベント。デカい動きはないが、七深のキャラは見えてきた
ガルパは基本、デカい変化はバンド内部で起こすので、今回七深の”普通”はあまり動かない。後にデカく転がるときに向けて、コネクションを作っておく感じの話。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
であり、七深のズレ方を日菜と有咲を鏡に印象づけてくる話でもあった。
七深は”そうならなかった、なれなかった”日菜でもあろうな。
日菜は己の異質さを他人に飲み込ませる能力が高く、特に序盤はフツーに学生生活送れてる描写が濃い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
後にパスパレで丸山彩という他者に出会い、異質であることに興味と理解を示すことで、異質さを異質なまま、アイドルグループとして社会にも飲み込ませていく。
『日菜ちゃんは、”そう”だから』
そういう認識を摩擦なく(あるいは少なく)食わせるセルフ・プロデュース力があればこそ、会長職にも付けたのだろうし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
異質だけど、面白い。
そう思える他者として、浮かび上がりつつそのままポジションを捕まえる能力とチャンスが、日菜にはあった。
翻って七深は、才に秀でても良いこと何もなかったと、己を”普通”に押し込めようとする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
パッと見の雑誌の何ページに情報が乗っているか、鮮明に取り出せる記憶力。おまけを『おまけだから』集める価値観。
なんもかんも”普通”ではないことが、今回の立ち回りから見えるのに。
日菜にとってその異質性は大好物であり、大受けしながら広町七深を『面白いものフォルダ』にツッコむわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
あるいはそういう日菜相手だからこそ、自分を守るために着込んだ、穴だらけの”普通”をうっかり外して、素のトンチキが出てきたのかも知れないが。
そう、普通じゃない広町七深を、既におもしろく受け取る人はいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
あるいはその異質さに若干引きつつも、後輩への責任感、他者への敬意と愛情で背筋を伸ばして、ちゃんと向き合う有咲みたいな人もいる。
世界は七深が警戒しているほど、ヘンテコな七深をパージはしない…はずだ。
それに納得できないからこそ、『”普通”ならバンドをやるから』でモニカに入って、常人共が楽器にウンウン唸る中、ベースをそれなり以上のラインに乗せてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
七深の目指す”普通”は、窮屈な鎧でありながら溢れかえる”才”で自動的に軋んでしまう、不格好な蛹みたいな風情がある。
彼女が”普通”ではない、ありえない自分を何らか定位し、(例えばパスパレと出会ったあとの日菜のように)異質さの使い所を見つけるのは、このタイミングではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
というか、異質でしかありえない自分を、七深自身まだ見つけられていない感じも、最後のズレオチからは感じられる。
日菜はここら辺の客観視が怪物的に鋭くて、異質でありつつ最も身近な存在として”普通”にならざるを得ない自分と、それを取り巻く世界と他者の距離感は、相当な透明度で観察できている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
観察するだけでなく、そのギャップを埋めないまま、機能するブリッジを作るよう、様々行動もしていた。
その結果として”アイドル”氷川日菜、”生徒会長”氷川日菜、あるいは”おねーちゃんの妹”氷川日菜は、どれもが充実した人生を投影しうるアイデンティティとして、日菜と世界に認められている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
そこに至るには、まぁ色々摩擦も苦労、色んな人との出会い、発見と変化と不変があったわけだが。
七深は日菜ではないし、同じように卓越した才(つまり異質性)を持っていても、同じ道は当然歩まないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
バンドも違えば、学校も違う。あるべき自己像、世界像も異なれば、それを実現していく手段も異なる。
そんな当然のことを確認しつつ、異質さを抱えた異星の友として、今回日菜の知己を得れた
これは良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
『先輩としての自分』に戸惑いつつ、誠実に振る舞おうと頑張る有咲もまた印象的な今回、日菜はあんまり”先輩”に気張らない。
つぐみに対してそうであるように、年の差、立場の差をすっと踏み越え肩を並べて、面白い他者として等身大に向き合う。
日菜の距離感も有咲の間合いも、同じように尊く意味のあるものだと思う。多彩な有り様と価値観を大事に、大人数の話を転がしていくのはガルパの得意である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
ただそこに貫通する背骨として、『絶対に断絶してしまう他者がいなければ、自分は確立できない』という視線がある。
異質だからこそ、面白く手を差し伸べられる。色々あるからこそ、面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
こういう視線を持ってるガルパが、広町の過剰な”普通”適応を黙って見過ごすとは思えない。
そして才能の有無、特別であることへの向き合い方は、彼女のバンド”Morfonica”全員に共通する問題である。
特別ではない自分を特別にするために、バンドを選んだもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
特別ではない事を思い知らされて、特別ではない世界に賢く適応しようとするもの。
特別である特権を、構えることなく乗りこなすもの。
特別ではない自分を、外部の規定によって定位し、ポジションを獲得しようとするもの。
それぞれがザラリとした質感で、何者でもない自分と向き合うバンドの中で、七深は圧倒的に”持って”いる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
その才を重荷と感じるからこそ、”普通”になって荷物を下ろそうとするのだが、そんなことできゃしねぇってのが、今回のイベントで見えたところだ。
広町七深は、存分に変なのだ。
それがつくしと真白の”普通”に刺さる瞬間も、瑠唯の挫折に擦れる物語も、そのうち来るだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
それは運命に導かれて”バンド”になった彼女たちが、彼女たちのストーリーとして深め、乗り越えるべき課題だ。
今回触れ合った先輩たちは、かけがえのない手助けを差し伸べつつ、あくまで”外”である。
でもそういう”外”がなければ、自分という”中”から拡大していく、親しいバンドでの問題もまた、乗り越えるのは難しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
網の目のように広がっていく人間関係と体験が、自己像から広がる世界観を変化させ、より善いものに変えていく。
そういう編み物で、ガルパのアーカイブはいっぱいだ。
内外呼応しながら変化していく、主観的で客観的な世界。そこに孤立し断絶しながら、異質な己であるしかない人間たちのもがきと救いが見れるから、ガルパの話が好きな部分は大きい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
広町七深もまた、その網の目の主役として、存分に悩みつつ走っていく。そのあり方は、なかなか面白い。
そう思えるエピソードだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
有咲が七深の異質さを『まぁ盆栽も、傍から見りゃトンチキだろうな…』と類推して許容するのが、『人間デカくなったな…』と感慨深かった。
手持ちの材料を異質さと重ねて、そのギャップを理解した上で、共感を補正していく。適切な距離測定だ。
分断されている他者と自分を重ねすぎると、氷川姉妹みたいな大衝突が起こる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
切れつつ繋がっている他人との糸を、泣きつ笑いつ各々の指で引き寄せたからこそ、既存バンドのどっしりとした認識がある。
七深も世界や他者、あるいは落ち着かない自分自身を、上手く綾取り出来るようになるのか?
それを追いかけていくのが今後のMorfonicaであり、彼女たちを舳先に進む四年目のガルパ…になるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
モニカのキャラ付、物語の味付けにはここまで意図的に排除してきた『ままならなさ、身勝手さ』みたいのが濃く入っていて、独特の風味があると感じている。
あえて濁らせて実在感出してる印象。
今回のエピソードから、七深は物怖じせず先輩と話し、関係を作る能力が高いことも見えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
真白のクッソ偏見で他人を染め自分を思い込む人格チワワっぷりに比べると、自然体で”普通に”繋がれてる感じだ。
それは意識されていない、彼女の強さだろう。強さはときに仇になるとは言え、活かせば武器だ。
今回生まれたコネクション含め、今後七深とモニカがどう転がるか、ジワリ期待が高まるエピソードだったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
日菜には見せた異質性を、モニカ相手には必死に隠しているのは、やっぱ”学校”という生活圏を共有してる関係なのがデカいのかなー、と思う。”外”相手とは、守らなきゃいけんモノが違うよな
でもま、隠してもいつかバレるもんだと思うし、”普通”の鎧は穴だらけだし、ジワジワ漏れてくるナチュラルな異質さはとても面白いしで、そのうち身内にも七深の異質さ、特別さはバレるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年5月13日
その時、同じように未熟で大事な仲間がどう受け取り、七深はどう考えるか。楽しみである。