デカダンスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
カブラギから教え込まれた技術を駆使して、ナツメは初めての戦場を飛び回る。武勲が夢に見た戦士に彼女を押し上げ、次の作戦は最終決戦、ネスト攻略戦。
しかしそれも、テーマパークの出し物。予定された絶望が迫る中、カブラギは真実を告げられぬまま、運命が切り替わる瞬間を待つ
そんな感じのハイテンポ・メタフィクショナル・ポストアポカリプス第三話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
特訓した技術を駆使して自己実現を果たし、早くも最終決戦!
異様にテンポ早く見えるが、それはあくまで人間視点の限定された情報による希望で、サイボーグ視点だと”燃える展開”の前フリでしかない。
管理社会の歯車としてすり潰されそうな連中のための、一瞬の夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
しかしそこで生きたり死んだりしてる人間にとって、目の前の世界も自分の血潮も、疑いようなく本物である。
このズレが、ナツメとカブラギを当然のように引き離す話だったと思う。メタレイヤーの断絶が、等身大でも刺さる、みたいな。
ナツメが喜怒哀楽の激しい、見てて面白い百面相キャラとして描かれているのは、とても意図的だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
感情を爆発させ、夢を諦めず突き進む。その方が”人間らしい”と共感できる彼女は、自分を取り巻く巨大な嘘を何も知らないまま、必死に生きている。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/jf7x9DWLu5
無重力の結界を飛び交う赤い血も、恐怖に震える心も、それを制御してくれる師の教えも、ナツメの感じている世界には迫真の勢いがある。だから感情も揺すぶられ、表情も動く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
…しかし、それはシステムが用意した仮初の世界の、儚い泡にすぎない。当事者がどう思い、どう生きようとも。
体にはチップが埋め込まれ、プライバシーは切り売りされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
上位存在は世界の真実と自分達の在り方を隠したまま、楽しいイベントが成立するように、地上人類の生き死にを搾取し、窃盗し続ける。
そしてその構造を、”人間”が知ることはない。知れば、楽しい遊戯はお開きだ。
どう考えてもナツメの心に湧き上がる様々な感情のほうが、より真実に見えるのに、世界のあり方はそこに価値を置かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
サイボーグが憂さを晴らすための遊戯に不必要なものは、腕がもぎ取られ人生の意味を奪われるような一大事でも、バグでしかない。そう定義された世界で、ナツメはもがく。
そのアクションは活気があって力強いし、カブラギと一緒に努力した時間が無駄ではなかったと、社会の中での自己実現に繋がる一歩にもなっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
しかし、見ているこっちの心はどうしても冷える。
命がけの茶番劇。NPCの悪あがき。
そういう言葉が、脳裏をよぎる。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/siMz398krJ
歯を食いしばってパイプを、ナツメを追いかけ守ったカブラギにも、そういう諦めの気配は近づいているだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
彼はそこを突破しようとして、ゲーム世界とのシンクロ率を過剰に上げる”バグ”に触れかけ、地に落ちたイカロスでもある。
そんな彼を、ナツメのバグった生き様は再燃させた。
そこら辺のねじれた事情は弟子の知り得ないところで、より親しく嘘のない立場から、タンカーであるクレナイの活躍に思いを寄せたりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
彼女の奮戦も、カブラギに寄せる想いも、ナツメと同じく真実を知らない愚かなあがきであり、同時に血の通った一人間の生き様でもある。
ギアが求める興奮はあくまで仮想のものであり、現実では得られない死の気配を着火剤に、灰色の現実を一瞬焼いてくれる魔法だ。燃え尽きて灰になったとしても、リセットしてやり直しは効く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
しかし、タンカーにとってはそうではない。そこには譲れない自分がいて、家族や仲間が生きている。そして死ぬ
取り返しがつかない、全てを自分が引き受けるリスキーなゲームだからこそ、後悔のないように生きたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
そう願う人間らしさは、例えば第2話のマイキーにもあった。
全てをシステムに定められるディストピアでも、消えない魂の灯火。それを燃やして反逆した結果が、脳殻パッカリのスクラップ行きである
例えゲームでも…唯一自分の自由になる”ゲーム”だからこそ己の存在を賭けて、散る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
そういうのめり込み過ぎなゲーマー気質は、しかしタンカーたちの唯一性とは、どうしても響かない。
そこには嘘があり、搾取があり、断絶がある。生きてる世界が、文字通り違うのだ。
そしてそのことを、タンカーだけが知らないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ナツメが己の右腕を、カブラギが言ったとおり障害ではなく武器に変えた喜びも。
クレナイがカブラギに寄せる、華やかな想いも。
全て飲み込んで、ゲームは踊る。全ては用意されたイベントでしかない。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/TSXwwZyqV8
サイボーグたちにとって、”冷たい”という感覚は地上に降りてみないと感覚できない、遠い遊興だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
しかしエベレスト決戦に挑むタンカーたちにとっては、低酸素の高地も身を切る冷たさも、一回しかない人生を蝕む、本物の驚異だ。
そこには、おぞましく悲しいギャップがある。
なら別個の世界で住み別れば良いものだが、ギアを管理するシステムは世界を破壊しかねないフラストレーションの履きどころとして、デカダンスを重視している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
そのためなら、せいぜい生かしてやった旧人類を有効活用し、欺瞞し、搾取する。そこに躊躇いはない。
システム運営側から見ると、当然の視点
それは冷たく高く世界を睥睨していて、地上で虫のように必死に生きるタンカーたちには、けして届かない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
届いて平等になってしまえば、一瞬の夢を成り立たせている断絶(それは防壁でもある)は破綻してしまうのだ。
予定された破滅を知らないまま、人々は最後の戦いに希望を寄せる。
タンカー戦士たちは結構気のいい人たちで、新入りのナツメも馬鹿にせず、ちゃんと輪に入れてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
夢を叶えて戦士になったらなったで、新しい場所に馴染めない軋みが唸ったりもするけど。
そこにはやっぱり生きたり死んだりの、一回こっきりの実感がある。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/vCzhpZk7Zo
対してミナト指令は、イベントの先を見ている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
絶対に攻略できないよう調整され、約束された悲劇と英雄の帰還を呼び込む、エベレストの激戦。
そこに昔なじみの復帰を喜ぶ視線はあっても、話の種火として燃やされる人名と尊厳への配慮はない。タンカーは、勝手に死んでいくのだ。
サイボーグ体のカブラギが、一度輝かせた視線を落とし、瞳を暗くしているのは注目したい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
後にナツメの私室に入ったときの押し問答でも、リアルな作画でカブラギ(そしてナツメ)の目が描かれないカットが、多く存在する。
心が真っ直ぐにならず、顔向けができない後ろめたさ。
それが、カブラギに長い影を伸ばしつつある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
それはゲーム内部の”生”を、他人事と消費できず心を寄せてしまうバグであり、断絶と欺瞞と搾取に満ちた、絶対に変わらない世界を唯一変えうる起爆剤…なのかもしれない。
”変速機”という副題は、作品とキャラクターの変化、その節目を捉えてた結果か。
英雄として戦場に復帰し、かつての栄光を取り戻す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ゲームの中の点数ではない、サイボーグとしての実感に満ちたより善い生を、このイベントは約束してくれる。
その前に”リセット”されちゃ意味がないから、ミナトは機密を漏らしてカブラギを守ろうとした。その思いは、地上の人間とさほど変わりなく…
めて残酷に離れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
使い慣れていない新しい力で、新しい居場所に傷を作った。
それで旧友を傷つけないように、生身の掌で体を掴んでも、離れてしまった心は引き寄せられない。
ナツメも、自分が何処で生き、何処で輝くべきか悩み続けている。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/GOLuzUmYFN
三兄妹はナツメの義腕を差別しないし、ミンディ姉さんも『武器をしっかり扱いな! 死ぬんじゃないよ!』としか言ってない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
強面に似合わずいい人たちで、だからこそエベレスト決戦で死にそうな匂いがムンムンしてキツいんだけども、人が生きてればすれ違いは当然ある。
武勲を立て、ハンディキャップを乗り越えて華の戦士になった旧友を、フェイはどう思っているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
『高い場所にある葡萄は酸っぱい』式の合理化として、見果てぬ夢を掴んだナツメを遠ざけようとしているのか、はたまた制度化された差別と諦観を、自分そのものとして引き受けてしまっているのか。
ここら辺はまだよく分からないけど、まぁナツメは当然傷つく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
鉄の義腕でも、生身の腕でも掴めない半端な距離感。闘うものとしても、庇護されるものとしても、未だハッキリした道が見えない不安。
そういうモノが、二つの腕を巡る交錯に反射している。
ド派手なアクションで武勲を立てて、夢の舞台に立てば全てが解決する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
人生はそんなシンプルには出来ていなくて、夢を叶えたからこそ次から次へと、悩み事は生えてくる。
お仕事モノとしてもなかなか面白い展開だが、このお話はその更に上に、サイボーグによるメタ構造が用意されている。
モヤモヤとした悩みを、道を進む術を教えてくれた師なら晴らしてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
そういう期待もあって、ナツメはカブラギを私室に入れたのだろう。そうするだけの信頼と愛情が、二人にはある。パイプを自分の服に画したカブラギと、恐らく同じだ。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/26GBREkaGM
しかしカブラギは、ナツメが期待した解決策を持ってこない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
上部構造の真実を知るカブラギにとって、戦士の武器は死の呼び水であり、運命を掴めるはずの鉄の腕も、破滅を引き寄せる道具にしかならない。
しかしそれらは、ナツメがようやく掴んだ可能性であり、カブラギが使い方を教えてくれたものだ。
ここで、二人の視線はズレていく。あるいは、最初からサイボーグと人間、上部構造と下部構造に断絶していた裂け目を顕にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ナツメにとって、カブラギの忠告は『現実を諦めてしまった、大人の泣き言』に聞こえるだろう。
父を奪い、希望を遮るガドルを、せっかく倒せる戦士になったのに、と。
しかし世界を覆うシステム(を、認識できる立場にいるカブラギ)にとっては、その破滅と希望のダンスこそが大事なエンターテインメントであり、わざわざ環境を守って人間を生かしている理由でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
我々の希望をくじく人類の宿敵は、我々が生かされている理由そのものでもある。
ひどく滑稽で残酷な真実を、ナツメは知らされず、本気で拳を握る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
自分を守るべく死んだ父の思いを、ずっと私室の壁にひっそり守り続けている。それがチップ越し、クレジットでやり取りされる”物語”になってしまっていることも、彼女は知らない。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/RSTu95eXsA
戦いは終わらない。何も変わらず、ゲームは続く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
そうやって若人の意志をくじこうとする時、カブラギの瞳は隠されている。
ただ、世界の真実を告げようとした瞬間だけ瞳が見えて…それで終わりだ。
それを告げてしまえば、全てが根本的に終わることをカブラギも知っている。
しかしそれを告げて、一方的な情報的・構造的アドバンテージを破棄して平等にならなければ、ナツメと真実心を通じることなどできようはずもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ジレンマに言葉を隠したカブラギは、理由のない絶望でナツメを守ろうとする。ナツメも瞳を隠して、理不尽な制止を拒絶する
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/8WNFwX5Iek
繰り返される世界の残酷さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
大人の諦めと、未来を強く求め続ける若人の希望。
人生によくある風景の奥には、生き死にの悲惨さを乗り越えていく決意すらすり潰して進む、巨大な残酷劇の真実がある。
それが、二人を決定的に離し…『お前に死んでほしくないんだよ!』という思いだけが、それを埋める。
多分、その気持ちだけが本当で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
システムがどうしようもなく世界を規定していても。
サイボーグも人間も、その巨大な檻から出て生きてはいけないとしても。
お互いの譲れない思いを、目の前の生に投げる同志への敬意と愛情があればこそ、『死ぬな!』という思いも迸る。
でもそれは、言えないし伝わらない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
たとえ死が待つとしても、世の中を埋め尽くす理不尽に武器を持って立ち向かいたい。その先にある希望を掴みたい。
そう吠える少女に、その闘いそれ自体が仕組まれた遊戯だと、カブラギは伝えられない。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/myYqERsHgm
彼に出来るのは、自分自身がその活用法を教えたミドリのエネルギーを叩き割り、『パイプに』と思いやってくれた白いミルクと混ぜ合わせることだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ナツメからすれば、闘う術を教えてくれた師匠が急に諦めだして、自分の大事なものを全部踏みつけにした感じだろう。そら泣く。キツイわー…。
しかし視聴者として、作品世界の構造を俯瞰できてしまっている僕らは、そういう無茶苦茶に身を投げるしかないカブラギのジレンマも、まぁまぁ理解できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
心を素直に伝えれば、ちゃんと解りあえる。
そういうレイヤーの話ではないと、ポップで残酷なサイボーグ世界はすでに、僕らに教えているのだ。
思えばシステムによる世界のテーマパーク化は、下部構造に押し込められてるナツメだけでなく、上部構造を余儀なくされているカブラギも、自分の思いに率直に、真実に嘘なく…こう言ってよければ『人間らしく』生きることを阻害している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
生きる実感が地上にあるなら、サイボーグも地上で暮せばいい。
しかし歯車(ギア)として制定され、会社の資本でしかないサイボーグたちに、移動の自由も職業選択の自由もない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
用意されたゲームに人生かけるのも、イベントの中で生きたり死んだりするのも、真実から遠ざけられた一瞬の夢。人にもサイボーグにも、今はそれしか用意されていないのだ。
そこら辺をぶっ飛ばして新しい可能性に踏み込むには、まだまだ話数はかかりそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
扱ってる問題も世界観のスケールもデカいので、荒野世界の自己実現や人間ドラマだけだと、話が収まらない感じはある。
同時に、そういう一個一個の手触りをちゃんと書くのが、デカい話が滑らない足場にもなろう。
クレナイ姉さんはナツメの涙を見落とさず、闘う意味を問いただす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
彼女自身の答えは、檻から出て、真実生きるため。そこには、ゲームに一瞬の光を見たマイキーと似通った、リアルを求める思いがある…気がする。
ガラス瓶の中の吸いさしのような、檻の中の生き様。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/Y8bQs1mnaK
それは人間にとってもサイボーグにとっても、耐えられないほどに窮屈だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
そしてシステムは、そこから出ることを許さない。
人間は世界の有り様を知らないまま、闘いが予定されたイベントであることを教えられないまま生きて死に、サイボーグは遊びが終われば歯車に戻る。
それじゃ耐えられないから、父が見せてくれた希望にすがった。いつか戦いが終わり、自分で行く場所も生き方も決められると、信じたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
こういうスゲー個人的で大事なものも、チップ越しに収集してコンテンツ化してんだもんな…システムは効率的で、趣味が悪い。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/qCfO4z3bbK
戦う力を奪われても、誰かにバカにされたとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
それに傷ついたからこそ下を向いて、でもそのままではいたくないと踵を返して、ナツメは進んできた。
彼女の回想を見ると、カブラギも『私を否定し、抑圧する世間』の一つなのだな。フツーに諦めて、フツーに絶望している、面白くない人種。
『どうせ何も変わらない』という絶望が、ただの無力ではなく巨大な真実に接合していると、ナツメは想像しないしカブラギは教えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ナツメは自分が見ている『当たり前の人間の世界』でカブラギをカテゴライズしようとするけど、師匠(とギア)はそこから大きくはみ出ている。
そのズレは解消しないまま、ナツメは闇に背中を向けて光の方に進む。瞳を隠すのではなく、堂々向き合える方向へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
やっぱり、その歩みは眩しい。真っ直ぐ生きている感じがする…けど、それはこのディストピアでは、バグでしかない。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/xIY1PzCEW8
肉を食って、力を付けて、前に進む。死を覚悟しつつも、戦いの歴史を終わらせられる希望も胸にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
人間サイドの盛り上がりを見せられるほどに、その裏にある残酷な筋立てが浮かび上がって、始まる前からスゲー悲しくなる。
僕ら視聴者も、『まぁ四話だし…全部決着はないよね…』と判ってしまう。
しかしそういう俯瞰の視点は、地べたを這いずり回るタンカーたちには当然ないのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
ちっぽけな虫の視点で、それでも譲れない大事なもののために、自分達が物語を切り開けると信じて進んでいく。
果たしてそんな蟷螂の斧が、巨大なシステムを揺るがしうるのか。
お話はそういう所にも切り込んでいきそうだが、まぁその前にエベレスト決戦である。マージロクでもない…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
まだまだ序盤でしかないのに、始まっちゃった最後の決戦。それが予定されたとおりの殺戮、蘇りし英雄の前奏曲で終わるのか。
©DECA-DENCE PROJECT pic.twitter.com/9P2QQK3htx
はたまた、なんらか歯車をズラすバグが起きて、新しい局面が見えてくるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
どっちにしても、観客席で座っている場合ではなかろう、カブラギさん。
上部構造に属する存在として、大人として男として健常者として、カブラギさんはナツメの闘争力をブチ割ったけども。
女で子供でハンディキャップド・パーソンで…”弱者”として背負えるものを全部背負っていたとしても、ナツメは別の人から力を貰い、勝手に進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
カブラギさんだけがナツメの世界全てではないし、誰かのゲームであることだけが、デカダンスの全てでもなかろう。
『まぁ世の中あまりに巨大なものには抗えないわけだし、諦めて生きていこうよ!』ってメッセージを送りたい話では、ないと思うので。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
エベレスト決戦もただの惨劇では終わらんと思うが…用意された状況が悪すぎる。人類崖っぷちの状況自体が、システムが用意した箱庭なんだもんなぁ…。
『クソゲー!』としか言いようがないどん詰まりを、突破していくための変速。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年7月30日
掃除人が戦士に、守られるべき弱者が人生の当事者に移り変わると同時に、自分を支えてくれた師が理不尽な絶望を押し付けてきたお話が、どう転がるか。
次回も楽しみですね。