デカダンスを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
立ちはだかるガドル・オメガを前に、満身創痍のデカダンス。傷を癒やすべく人民は力を合わせ、システムはカブラギに権利を移譲する。
すべてを掛けた一撃が、掴むのはどんな未来か。
限界まであがいた先に、何が待っているのか。
そして荒野の先に、夕日が光る。
そんな感じの最・終・回ッ! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
人類にサイボーグ、マニアにライトユーザー。
皆が力を合わせないと乗り越えられない、オメガくんとの最終決戦にググッと力こぶ、パワーで押し切る感じの熱量あるラストエピソードであった。
反面、作品が触って掘らないポイントがいくつか残るが…。
アナキズムとシステム形成、愚民と娯楽、ビルトインされた暴力性。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ハッピーエンドを飲み込むには、ここまで描いたものが小石のように喉に引っかかるけども、しかしこの終わりが嘘ってわけじゃない。
頑張って生きて、必死に戦った者たちがたどり着くべき帰結として。
すべてが上手くいったアフター・デカダンスの世界は十分な報いであったし、カタルシスと納得はしっかりあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
やっぱアイツラ頑張ってたからさ、武器捨てて、ちゃんと幸せになってよかったよ。
このお話エンタメなんで、語りだすとキリのない薄暗い部分に深入りしないのは、クレバーな姿勢…かなぁ。
ここら辺はかなり難しいし、評価も人によって別れる部分だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
テンション上がる娯楽作がどういう手触りで、人間の難しい部分を探り、作中で描写していくか。その描写を、どれくらいの既述で支えるべきか。
製作者もおそらく悩み、受け取る側も色々逡巡と評価をする。
色々思う部分含めて、スカッと爽快に新世界にたどり着けたこの話は自分たちが何を語り、どこに進みたかったかを自分なりよく考えていたし、よく描けたと僕は思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そうじゃないと、あの大団円を『ああ、良かったな』とは思えないでしょう。
そう思わせてくれたのは、偉いし凄いと思う。ありがとう。
というわけで、お話はガドル・オメガくんとの決着に向けて一気に転がりだす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
接続困難、ボディはボロボロ、人類絶滅へのカウントダウンあり。
問題は山積みであるが、みんなの力で乗り越えよう!
そんな流れだ。
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司令がサイボーグ体で最終決戦に挑んでいるのは、カブさんとオソロでいたかった乙女心…ってだけじゃなくて、リセットの効かない本体を死地に晒す”覚悟”なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
同時に、大団円後に訪れる人間とサイボーグが入り交じる、公平な大地の予兆でもあろう。
人間を模した端末を通じ、嘘にまみれたゲームを遊ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そういうデカダンスの基本構造はこの闘いでぶっ壊れて、サイボーグは嘘と特権を剥奪されることになる。
異質なる本性をむき出しにしても、人とサイボーグは隣あえる。
それが最後のメッセージになるのなら、”絵”で事前に見せておく必要がある。
ジルとナツメの掛け合いが、軽妙で不思議な面白さに満ちているのも、人類とサイボーグの未来が悪くないと思わせてくれる、大事な予兆だったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
皮肉屋と純粋、かなり美味しいかみ合わせなんだよなこの二人。ずっと喋って欲しいと思ってたんで、今回結構バチバチやるの嬉しかった。
ナツメの突拍子もない一言で、ジルは逆転のアイデアを思いつく。カブさんの魂に火を入れたときといい、ナツメはそういう性質持ってるよな…タロットでいうと愚者。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
秘策は廃棄パーツ回収による、稼働率恒常。
さーギア諸君、最後のミッションだっ!
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ヘヴィユーザーからライト層、戦士にバックアップ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
世界に生きる全存在を動員しての、廃品回収が始まる。
デカダンス最後のミッションが戦闘ではなくクラフトなのは、汚れ仕事とそれを押し付けられてきたタンカーの意趣返し的側面もあって、なかなか良かった。
まぁ殺すより作るほうが建設的よね。
この話、基本モブを衆愚として描いておると思うのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
クソ溜めに落とされたバグ共も、ぼんやりゲームで憂さ晴らししてる一般ピープルも、タンカー街で管まいてる凡人たちも、基本的には流されやすいボンクラで、ノリと勢いで簡単に行く先を変える。
主役もまぁ、例外ではない。
システムがなんのために、何を目指し設立されたかを把握し得ず、そこに関与も出来ないからこそ、無力感に眼を閉ざし流されるレミングス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そんな人たちが逆転の秘策になる展開は、ちと都合の良い甘ったるさを感じなくもない。
しかし衆愚の善き側面も、ナツメに関わる人々で描いてきた。
バカが寄り集まって突っ走るとトンデモナイことになることも、クソ溜め大炎上で描いたしね。この世界において、群衆は強い。方向づけさえすれば。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
…どんだけ平和なワンダーランドに見えても、あの世界にはクソ溜めぶっ飛ばした緑色の炎、暴動の気配が燃えてんだよなぁ…システム対応出来るかしら?
そういう難しいことは、ミナト司令がやってくれるだろう!(哲人政治を過剰に信じすぎた、ポリス社会を破綻させるタイプの人民顔)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
束ねられた力は大きな流れとなり、逆転のムードを引き寄せる。しかし、決定的なスイッチが入らない。
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それをもぎ取るべく、カブさんは神との対話に挑む。まぁいうても、端末の一つにすぎんわけだけどね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ムニンとの対峙はカブさんの人間力、それに呼応するナツメの思いが扉を開けた…というよりは、定められたシステム交代タイミングがちょうど良く、ここで訪れたという感じが強かった。
それは多分意図してやってることで、カブさんの徹底した個人主義、炸裂するアナキズムは、新たなシステムとはなりえない。旧世代のシステムを”説得”することも出来ないだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
システムは自分自身の根っこにプログラムされた、バグと秩序の相克をそのまま運用して、カブさんを許容したに過ぎない。
自己否定の契機を残しているという意味では、システムはかなり公平で理性的な設計をしていたし、相克と輪廻の果てに自分が消えること(そしてバージョンアップされること)を、一つの摂理として飲み込んでくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ここら辺の奇妙な理性主義は、ナツメの物分りの良さと通じる部分があるかもしれない。
システムはなんのために設計されるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
それが何を目指し、何を幸福と定義するのか。
そこに人間は、どう関わることができるのか。
これは踏み込んでいくと、一生答えの出ない難問である。デカダンスが今まで描いて、今終わらせようとしてる物語とは隣接しつつ、メインテーマではない問題。
この作品はそれを語るのが、とても難しいことを(多分)理解している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
だからシステム側が自主的に変遷を受け入れる形で、デカダンス操縦不能のピンチを超えることにしたんだと思う。まぁ長い問答されても、せっかくアガったテンション下がるからな…。
それを不徹底な都合の良さと取るか、エンタメであることを優先した目の良さと取るかは、何度目にかになるが人によるだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
僕は…カブさんがそういう難しいことと四つに組んで、何か建設的な結論が出るとも思えないので、ぶっ飛ばしたのは正しかったんじゃないの? と思う。
カブさんが拳を握り、ナツメが必死に壁を叩いた思いが、旧システムに通じたとは僕は思ってない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そういう”熱い”流れに見えるけども、作者もそういうつもりでは描いていないと思う。
それは、世界なんて変え得ない、でも僕らが掴みうる唯一の燃料。
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そういうモノを燃やすことしか、もう僕らには出来ないのではないか。個人レベルの熱量で影響を与え合い、パーツ単位で変わっていく分断しか、残されていないのではないか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そういう”熱い個人主義的ニヒリズム”みたいなもんが、どっかに通底する作品だったなぁ、と感じる。
それには穴や議論の余地が当然あって、でも熱量ある自己発見・自己実現の物語の真ん中にそういう、冷ややかな思弁性を盛り込んだのは、なかなか偉いと思うのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
古臭くてアツい話に見えて、相当にシニカルでしょ、この作品。その冷たさが現実と現状をよく見てる…ように僕には感じられて、好きだった
カブダンスという端末に繋がったカブさんは、大急ぎでリペア&クラフトを開始する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
話の最後に、ぶっ壊すことしか知らなかったギア達が作る側に回るのは、因果が流転してる感じでやっぱ良い。
それを邪魔するガドルビームに、俺らのボスが肉弾炸裂!
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っていうアガる展開に、『まぁ端末だしね…自爆に見えても、当然リセットは効くよ』と冷水かけてくる所が、このお話らしさだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
その回帰性はサイボーグという種の特徴であり、命の値段を軽く見る価値観の背骨でもある。簡単には変わらない。
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僕はロボットアニメにおける特攻主義、命を燃料に作品の温度を上げる劇作が大ッ嫌いだ。真顔で『いいシーン』であるかのように書かれると、相当にげんなりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
だからここのシニカルな膝カックンは、笑いつつ妙に助かった。リセット可、所詮ゲーム。
そう描いてきたんだから、そらアガらんわな。
まぁ同時に、命の煌きをバチバチに詰め込んで、クライマックスに相応しい熱量を掴むレトリックもこの最終回、非常に元気なんだけどさ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ナツメが急に”逆シャア”パロ始めた時は、どーしようかと思ったよ正直…。
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デカダンスの真実から遠ざけられ、唯一生の人生を生きてるのに”お客さん”扱いだったタンカー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
カブさんがそれを自分の一部として取り込み、分厚い保護の下においたのも、デカダンスが変化する最後の予兆、そのひとつなんだと思う。
一撃とともに、色んなものが変わる。それに必要な熱で、一発を撃つ。
クライマックスの盛り上がりというのは、そういうパワーを備えていないといけない。そうなるように、この最終話は色々頑張ってくれた。ありがたいことだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
…僕はこーいう、作品にのめり込みきらない醒めた視線を持つから、この作品に漂うシニカルで知的な空気を、選別して取り込んでるのかもしれんね
生物と非生物、簒奪者と被差別者、人間とサイボーグ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
色んな垣根をぶっ壊しての共同作業で、逆転の一撃は整った。オメガくんもいい具合に空気を読んで、攻撃のタイミング見計らってくれてありがとうな…。
殺すべく生まれ、殺され終わる。ホンマざんないこっちゃで、ガドルには…
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オキソン枯れの大ピンチに、サイボーグ達が絶望の表情するのが(面白がってる場合じゃないが)面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
カトゥーンめいたコミカルなデザインのわりに、ぶっ殺したり感情炸裂させたり、サイボーグはなかなか独特の味わいがあって、大変良かったと思う。
総司令もカブさんも、今回百面相だったからな
そういう風に、卑怯なインベーダーであり奇っ怪な化け物でしかなかったサイボーグに”人間”を見れるようになったのは、このお話が色んな事をちゃんとやった成果だと思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
相当に食いにくいネタだったと思うが、よく走りきったよなぁ、根本的にデザインが違う二つの世界、二つの人類…。
迫る絶望を前に、炸裂する思い出の嵐。俺の中は、お前で一杯だナツメッ! カブさんはホント、ナツメにクレイジーだなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
かつてマイキーを代理に殺してしまったリミッター解除を、今度は自分の責任で引き受ける形になったのは、因果の回収してて良い。
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こうして話が収まってみると、マイキーはカブラギの影でありナツメの鏡でもあり、かなり重要なキャラだったんだなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
リミッター解除のヤバさを知ってて教えたのは、一瞬の輝きを求めるマイキーに、どこか自分を重ねていたからで、それと同じものをナツメに見て、カブさんは狂った。
しかし世界を救い世界を変える決定的な踏み込みを生むのは、この土壇場で思い出されるのはマイキーではなく、ミナト司令でもなく、ナツメである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そんぐらい太く、カブさんのコアにナツメがぶっ刺さってる描写もまた、これまでちゃんとやってきた。
いつでも、その瞳が彼の力なのだ。
そんな感じで最後の一発をブチ込み、崩壊していくデカダンス。システムの更新周期と重なったので、反乱とみなされバグ全消去とはならない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
オメガくんもそうだが、まー壁役は物分りの良い話だったな。物語進行に協力的なキャラは、どーにも嫌いになれねぇ。
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デカダンスが崩壊した後、再構築されていくシステム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そこでカブさんが何らか、意味のあることを為せない人っぽいことも、これまで書かれてきた。
徹底して個人主義、燃え盛るアナキストだからこそ、彼は世界の破壊を成し遂げた。
再生はミナト、お前に全部任せたぜッ! …ズルい男だよ。
なのでここで命を燃やし尽くしてぶっ壊れることはキャラ的に必然であるし、命を再利用可能なサイボーグとして、奇跡のように戻ってくることも世界観に見合っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
帰ってきて良かったな、と思った。
死体を英雄と祭り上げる熱気で終わるのが好きじゃないってのもあるが、生きてるほうが、やっぱ良い
散々ゲームに出たり入ったり、死にかけてはミナトに助けてもらったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
リセット可能だったカブさんの死は、今回逃げ場所のないタンカーと同じ価値をようやく手に入れる。
…ように見えて、それはやっぱり再生可能な製品的属性から逃れ得ない。彼らはあくまで、ゲーム的存在である。
しかしそれでも、だからこそ戻っても来れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
システムが崩壊/再生した後、スローライフで対等なアトラクションとして生まれ直した、新生デカダンス。
そこに、ガドルと殺し合うゲーム性はもうない。さらば暴力、こんにちわスポーツ・エンタテインメント。
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殺すの殺されるのだけを宿命と押し付けて、文化の横幅も真実も自由もなかった旧時代よりも、新時代は平和で心地いい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ここにもバグは生まれて、クソ溜めで燃やしたかのように反逆と暴力を暴れさせたりしてるんだろうが…警察組織はミナト司令、ちゃんと作ったのかな?
文化、経済、政治、娯楽。法と混沌、自由と責任。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
画面の向こう側の我々を、リアルで取り巻く様々なシステムは、より善い生のためにある。
システムを取っ払ったアナーキーに彼らを投げ出すのではなく、システム自体に変化と克服を内包し、次代を担わせたこの終わりは、楽観的なお伽噺だ。
バグは抑圧を取っ払う革命の火種ともなるし、日常を破壊する暴力にも変わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
自由と個性に価値を見出す旧バグが生み出した、より公平でより自由な…近代以降に生きる僕らにとって受け入れやすい新世界にも、システムにそぐわない反乱分子はかならずいるだろう。
ミナトはそんなバグを、自分たちがかつてそうであったように変革の可能性として尊重するのか、より多数の幸福のために狩り倒すのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
人が人を裁く難しさを、この自由な世界は必然的に内包してしまう。そんなややこしさに、感情一本で突っ走ったアナキスト達は向き合う資質を持つのか。
そんな事を考えたりもするが、第2話冒頭のアドバタイズを意趣返しする『三年後の今』は、皆幸福そうだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
タンカーもいろんな職業につき、ガドルくん達も修羅の宿命から開放されていた。
個人的には、そこが一番嬉しかったかな。食い殺す自由と責任含め、在り方を最初から決めるべきじゃない。
あの平和の裏には、小市民的な妬み嫉みから、人間の根本的なカルマに根ざした暴力まで、様々な悪徳が渦を巻いているのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ミナトはそれを含めて、新しいシステムを構築・管理することにした。それがあの荒野で回っていくかはコマの外側の話だが…まぁ、大丈夫じゃないかな。
闘いのための義手を、空飛ぶエンタメに取り替えて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
髪の伸びたナツメも、日々を生きる。自由に外に出て、命の危険なく飛び回れる”いつか”を、ようやく手に入れたのだ。
そこに足りないピースも、また戻ってくる。
リセット可能のゲーム感覚、結構良いもんだろ?
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ナツメのイキイキした百面相が、とにかく魅力的だったこのお話が、最後に見せた沢山の表情。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
当惑と、驚きと、感慨と、満面の笑顔。
そういう”人間らしさ”を捨てないまま、片腕の少女は大事な人と一緒に、新しい荒野を歩いていく。
そうして、このアニメは終わる。いいアニメだった。
つーわけで令和の大快作、無事最終回を迎えました。いやー、良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ウィルダネス溢れる荒野でハンディキャップド・パーソンが自己実現する話かなー…と思ってたら、二話で炸裂した超絶横殴り。
奇妙なサイボーグが、ゲーム感覚で現実をハックするヤダ味満載抑圧社会。
幾重にも欺瞞が重なった世界の中で、燃え盛る魂、交錯する思い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
それが世界…は変えなくても、自分を変えて行動に導き、結果として世界が変わっていく。
シニカルな個人主義的諦観と、妙に体温高い個人主義アナキズムの、不思議な融合。
思弁に満ちたエンタメの、奇っ怪な不徹底。
かなりヘンテコな作品で、しかし自分たちが何を作っているかはしっかり把握して、触ったけど踏み込まない部分含めて、とても面白かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
テーマを徹底して掘り下げて熱が下がるよりも、勢いで押し切ってエンタメをやりきる。
(僕が見た)製作者の決断は、なかなかいいところを射抜いたと思います
主役のカブさんを徹底的に自分勝手な熱量の人と書き抜いたことで、それだけが生み出せる変化の渦巻は強く物語を駆動させ、一気にクライマックスまで持っていきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
彼のエネルギーに引っ張られ、良いように揺さぶられていく物語とキャラもとても良かった。ミナト司令、アンタ怒ってもいいよ…。
もう一人の主役であるナツメは、カブさんが持ち得ない生きる実感、差別や理不尽への的確な反発、穏やかに建設的な未来を作り上げていく豊かさがギュッと詰まった、チャーミングなキャラでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
話に都合のいい善人…ではあるのだが、それこそが彼女なんだな、という納得が描写から生まれてたのは良い
ゲームっぽさを意図的に絵に練り込んで、既視感をいつしか熱量に燃やし直したのも、なかなか優れたところでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
絵づくりそれ自体はどっかで見てるんだけど、使うタイミング、組み合わせ方がとても良かったと思う。サンプリング時代のオリジナリティは、そう出すしかねぇよなぁ…。
世間的にはディストピアへの反逆モノになるんだろうけども、ガドルもシステムも結構物分りが良く、一切の理不尽を踏み倒して生存する現実の生き汚さみたいなものを、上手く排除してた印象です。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
まぁそこと向き合うと、話の軸が多分別方向にぶっ飛んでったからな…。
逆にいえばこの作品が触った法と秩序と自由の問題は、いくら本気で取り組んでも答えが出ないし、答えが出なかろうと本気で扱わなければいけないヘビーでリアルな問題でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
良く出来たエンタメとして、その一面を切り捨てても飲めてしまう怖さみたいのを、勝手に実感もした。
そんな僕の感慨とは関係なく、一つのお話として魅力的な世界、熱量のあるドラマ、生き生きしたキャラクターが最後まで元気に駆け抜けた、良いアニメーションでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
書いた部分、書かなかった部分を自分なりに見つめる中で、色々思考が横に飛んで本を結構読んだのも、ちょっと有り難い視聴だったかな
むせ返るようなヤダ味を最初匂わせていた『リセット可能なゲームに、一回きりのリアルを書き換えてしまう』構造を、カブラギの死と再生として最終話でまとめたのは、かなり優れたテーマ語りだったと思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
ゲーム的だからこそ訪れる救いと幸福ってのも、まぁあるじゃないの。
抑圧の時代が終わり、平和と調和へと切り替わったあの世界のシステムが、人間の難しさを取り込みながらどこに進んでいくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月24日
そこに想像を巡らせつつ、駆け抜けた先にある景色の余韻に、ありがとうとお疲れ様を。
楽しかったです、いいアニメでした。