宇崎ちゃんは遊びたい! を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
シリアス気配のヒキは、当然それっぽいだけ!
宇崎と先輩の楽しい日々は、酒を飲んだり同衾したり、ずーっと続く。
本当にそれが永遠なのかは、誰にもわからないまま。
揺籃の日々は波風のないまま、穏やかに続く。
こんにちわ、新学期。こんにちわ、永遠の今。
そんな感じの宇崎ちゃん”一期”最終回、である。ふうむ…原作完結と同時にアニメ終了、という形かなぁ…(まずメタ読みから始めるダメなオタク)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
とりあえずの幕となる今回は、宇崎ちゃんの柔らかな内面、ウザキャラの仮面をひっかきつつも、変化のない楽しい日常を追う形となった。いつもどーり。
変化の兆しが隠れつつ、それが表面化して何かが動くことはあまりない。しかし、完全に停滞したままでもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
なんとも生煮えな、しかし”こういう話”ではスタンダードでもあるモラトリアムなお話を、綺麗になぞるような最終話だった。
宇崎はキャラ作りを指摘されたり、酒で本音を聞いたりする。
それは彼女の中にある真実に接近し、逃げ帰る歩みだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
恋情とか成熟とか変化への期待とか、蓋をして見ないふりをしているものを開けてしまえば、静止した檻の中で終わりを約束されてる幸福は、別のものに変わっていってしまう。
そうすれば、お話は終わる…か、別のものになっていく。
そんな永遠と一瞬の合間のゆらぎを切り取るのが、あらゆるモラトリアムの物語の特徴なのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
僕はこのお話し、そういうナイーブな感じはなんだかんだいい具合に切り取れてると思っていて、そこに面白さを感じて見続けているのだが。
生っぽさと人造っぷりが繋がってない、キメラ感が好きなんだな
世界を物語化し、大して面白くもない現実への麻酔薬(あるいは生存のための処方薬)として脳をだまくらかす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
世のエンターテインメントには必ず、そういう都合のいい麻痺性がつきまとうと思う。
やれやれ系のぶっきらぼうがなぜか、童顔巨乳の萌キャラに愛される話なんぞ、その最右翼だろう。
しかし同時に、創作世界にキャラが生きてお話が生まれる以上、彼らには彼ら独自の感覚があり、決断と逃亡と物語がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
読者に都合のいい麻酔薬と、どうしようもなくそう進んでいってしまう作品としての真実。
これは拮抗し相反するものであると同時に、お互い両立もする。
というか、このバランスを取るのが”巧い”エンターテインメントだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
この作品が狙って”巧く”なってるかはまぁ別として、読者の妄念をすくい上げいっときの夢を見せる都合の良さと、キャラの妙に真摯で不器用な部分は同居し…混ざり合わない。
そのダマ混じりな感じが、僕は好き…なんだと思う
如何にも永遠のモラトリアムという夢が、時間経過することなく続きそうなエンディングとなった一期は、二期に続いていってしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
その時、この最終回でも書かれた変化の兆し、静止した関係では我慢しきれない心身の行き着く先が、モラトリアムを壊して終わるのか。
お話の中にばらまいた、『どうあっても時間は流れ、人は変わっていく』という真理をどのように回収して、彼らの青春が終わる(ことで始まり直す)のか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
そこをアニメでも描く尺がありそうで、二期決定の報は嬉しい。
突っついてるモノを考えるとこの話、本道は”ススム”なんだよな、”トマル”じゃなくて
同時に八話で変化のピークを超えたお話は、その後シリアスな進展を特に見せることなく、今回の”延長”で一旦幕を閉じる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
そうならざるを得ない作品固有の軋みが、なんか色んなものを照らしている感じがするのも、このアニメを僕が見る理由なのだろう。歪み方が、いい塩梅にモデル化されてるというか…
こういうヒネた俯瞰ベースでしか作品見れないのは、まぁ僕の業としてため息交じりに受け止めるとしても。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
こういう視線でこの話を見てる人って多分少数派で、つまり『”正しく”作品を見れてない、消費できてないんじゃないかな?』というズレへの恐怖が、常にある。
まー間違ってようが、こういう見方、受け止め方、消費の仕方しか出来ねぇわけだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
そういうメインストリーム(とされると、僕が考えている視座)とのズレを定位し続けないと、凄く見方が偏って固定される自覚は、一応あるからな…ビシッと肌に合う話ばっか見てるのも良くないのだ。
ウダウダした自分語りは横において、ファイナル宇崎は膝カックンから始まる。まーそーですよねッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
ど下らねぇ理由でシリアスな空気出した宇崎に怒りつつ、先輩は扉の向こうで優しく微笑む。”ほっ”としたのだろう、多分。
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俺達の関係は変わらないし、宇崎は傷ついていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
そういうことに”ほっ”とする桜井くんの弱さと強さが僕は好きだし、それがこのアニメを見続けれた大きな根っこだと思う。かわいいよね、先輩。
願わくば、このじゃれ合いが永遠になってほしい。
そう願うのは、永遠なんてないことを知っているからだ
時は過ぎる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
高校生は大学生になり、第一印象は拭い去られて仲良くなり、少女は想い人の前だけ口調を作るようになる。
宇崎ちゃんが心のどっかで怯えている変化と成熟は、悪いことばかりをつれてくるわけじゃない。でも怖いから、気づかないふりを続ける。
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高校時代の先輩も、明るいナイスガイで素晴らしかったが。孤高と社交、どっちにハンドル切ってもQOL高い生き方出来る、人格が強い男の子なんだな、多分。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
そんな”先輩”に憧れ大好きだから、思わず真似てしまう。亜美の前で見せてる顔とは、別の表情で甘えてしまう。
ウザい宇崎は、先輩専用なのだ。
人間生態系を外側から観察する、他者コンテンツ化ウーマン(最悪)でいたいなら、そんな指摘する必要はない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
のだが、亜美はエコシステムをかき乱す介入を、ポロリと口に出してしまう。宇崎花は可愛い後輩で、大事な友だちだからだ。
亜美のモンスターになりきれなさは、結構好き。
宇崎はなぜ、先輩の口調を真似るミラーニューロンを活性化させて、ぼっち大学生と繋がり直そうとしたのだろうか?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
変わりたかったから、変えたかったから生まれた仮面の起源を、宇崎が逃げずに見据えた時、お話が終局するスイッチが入る気はする。
それは未だ先なので、今は逃げる全力でッ!
そうやって自分の気持ちには背中向けるくせに、先輩の心には無防備に分け入りたい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
身勝手な欲望を後押しするように、榊のアドバイスが泥酔を呼び込む。このシチュエーションを無防備に許容してるあたり、やっぱ宇崎の中の先輩は高校生のマンマなんだなぁ…
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『お前も先輩も、酒も飲めるしセックスも出来る体なんだぞ! 相応の自由と社会的責任が、お前らの輪郭を形作ってんだぞ!』と、画面外で言いたくもなるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
酒で理性が麻痺しても、先輩は自分を”女”としては見ないし、傷つけることもしない。
そういう信頼と甘えがあるから、先輩だけには無防備INッ!
『宇崎~、お前そういうトコだぞホント…』って感じではあるが、先輩がその甘えを許容してるんだからしょうがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
宇崎の問題は線引間違えた無礼より、過度の甘えだと思う。ナメすぎだが、共犯関係だよなぁ確実に…そんな生臭いズルさが、プラスティックなオタクコメディの合間に垣間見える所が好き
『好き…お前の料理が』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
後半部分を都合よく聞き落とした核弾頭を、危険飲酒で押し流し”なかったこと”にする。
”男と女の関係”に、強制的に成熟してしまう想いを受け止める足腰は、宇崎にはぜーんぜん育ってない。ヘナチョコ!
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つーかこの状況で”外”から鍵掛けれる榊がこえーよ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
合鍵渡すくらいだから、ホントマブなのね。宇崎と先輩が寝ようが恋人になろうが、自分との友情が壊れない自信があるから、ガンガン後押ししてんだろうなぁ…。
榊の確信ある行動は、ブレまくり逃げまくりの二人との対比で面白い。作中一番大人やね。
ファックしたのしねーのを肴に、なんかネトついた喜悦にふける亜美の趣味の悪さはさておき。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
『そういう事が起きないのも問題でしょー!』と、ふたりの未成熟にツッコミ入れるスタンスは、美味しい曖昧さに輪郭付けて殺す自己矛盾だと思うなぁ…。
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まぁこのボヤッとした関係が、関係者の内面からも社会的立場からもズレてる、歪な状況だってのを亜美も判ってて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
だからこそ美味しいのに、自分で踏み込んで安定した…ともすれば面白くない結末へと加速させてしまう所に、彼女の情がある。見た目ほど怪物ではない…少なくとも、宇崎母よりは。
まぁ節度を持って楽しんでる親父が、ドン引きする程度にはモンスターでもあるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
そういう趣味の悪さに気づくこともなく、二人の柔らかな関係はふわふわ揺れながら、喫茶アジアで揺籃される。なかよくケンカしな…。
宇崎は”好き”言われたから、ずーっとご満悦だなぁ…はよ告れ!!
そんな感じで、楽しい日々は続く。僕たちはずっと曖昧なまま、この日差しの中でまどろみ続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
得意満面のうざ顔は、『ずっと一緒』という言葉が意味するものを、引き寄せないための仮面でもあるのだなと、得心する最終話であった。
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というわけで、時は過ぎてなおそのまま、二期に続くッ! な一期最終話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
今回確認された宇崎と先輩、双方の恋心…と、それを曖昧なまま留めておきたい幾つもの仮面とあがきが、二期でどうなるのか。
今回のようにあやふやなまま逃げて続くのか、向き合って終わる時が来るのか。
産業とジャンルの只中でうごめく物語が、どういう運び方、運ばれ方をするのかという俯瞰的で意地の悪い見方も含め、二期があるのは良いことです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
正統派成長物語として巻いた種、このままだとモラトリアム麻酔を効かせるためのスパイスでしかないからな…きっちり発芽させ、刈り取って欲しい気持ち。
正直色んなノイズや偏見を抱えて、『どれ、見てみるか…』くらいの腐った動機で見始めたアニメですが、面白かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
先輩のぶっきらぼうな善良と誠実が可愛かったし、宇崎の全てを間違えた距離感と甘え、先輩専用の嘘もチャーミングな愚かさでした。宇崎はバカだなー…そこが良い。
宇崎のチチがありえないほどにデカイの、俺凄く良いと思うんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
宇崎自身が自分の胸にぶら下がってる性成熟に無自覚であることと、それを意識しつつ必死に遠ざけ、二人がセックスできる大人にならないようせき止めてる先輩の祈りが、デカ乳を焦点にまとまってると思う。
先輩が自分に興奮し、自分が先輩を興奮させている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
高校時代は介在しなかった、一対一のフィジカル(でメンタルでソーシャル)な関係性を前に足踏みを続ける二人は、”大学生”じゃないと描けないと思う。
結構、選び取った作中年齢に意味のある話だったのは、嬉しい不意打ちでした。
お酒は飲めし車も運転できるけど、人生と他者をむき出しのまま背負えるほど大人じゃない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
でも子供時代の無邪気な檻に閉じこもれるほど、体も心も黙っていてはくれない。
そんなあやふやな時代を、結構ちゃんと見据えた話だと思うんですよね、この作品。変な見方かな…。
まぁ僕は何でもかんでも発達心理の方向に引き寄せちゃう傾向があるので、そういうフィルターで歪めてみてる部分はありますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年9月25日
でもそんな生真面目さを感じられたから、最後まで見通すことも出来ました。さて、二期でどうなるか。
楽しかったですし、楽しみです。お疲れ様、ありがとう。