呪術廻戦を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
両面宿儺の指がもたらす、破壊と呪詛。
それを腹に収め、誰かを守れるのは俺だけ。
悠仁の決意を受け止めた呪術教師・五条が導くのは、山深き学園。
呪を学び呪を殺す、屍山血河の修羅道学徒。
どうせ行く先地獄なら、せめて少しは明るく、楽しく…ね?
そんな感じの、スタイリッシュ呪術学園アクション、本格始動の第二話! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
キャラに力みがなく、素直に良い奴らだと思えるのがこの話最大の強みだと思うけども、二話もグイグイ話が転がりつつ、そういう良さがバンバン迫ってきた。
熱血なんだけども、それを押し付けない自然体っつうか…。
虎杖くんは運命に流され、いつか来る死をより善いものにするべく、闘い学ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
まっとうな子供の生き方とはサヨナラしちゃったけども、その性根はこれ以上ないほどに真っ直ぐで、周囲の問いかけと支えは常にそれを照らしている。
『お前は何をしたいのか』
主役にそう問いかけ続ける作品は、やっぱ良い
大人サイドが気さくで真摯なのが、子供たちの真っ直ぐさにちゃんと報いてる感じで非常に良いです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
マージで虎杖くんと伏黒くん、圧倒的なグッボーイ達だからよ…薄汚ねぇ習俗や規程とかで、勝手に潰してほしくねぇからよ…。
彼らを受け止める五条先生や学園長が、優しいおじさんで良かったです!
話が停滞せずサクサク進む…のに、ジューシーな人間のドラマ、噛みしめるほど溢れる熱血がドバドバ食べれるのは、第1話から感じてる強み。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
スゲー手際良いんだけど、ダンドリ感が全然ないんよね。キャラがそうしたいから、運命がそう流れるから、状況が整ってく感じが凄い。鍛えられてんなー、って印象
さてお話は前回から直つなぎ、最悪の呪いになってしまった親友を前に、伏黒くんが拳を握るところから開始。やっぱ良い子…ホント良い子ねッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
殺したくないが、殺さなきゃいけない。
子供の力じゃどうにもならないジレンマに、颯爽登場目隠しマン!!
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五条先生の飄々とした強キャラ感、話せる大人っぽさは、凄ーく良いです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
”力みがない”っていう(僕の感じた)作品の良さを、スタイリッシュな造形に中村悠一の声つけて、キッチリまとめた感じ。
この作品の”天井”は、こういうキャラが確かにあってる。
後に虎杖くんは衣食住が当たり前にある生活を壊すものとして、呪いと闘う決意に変えていくけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
五条先生も呪い祓いに汲々とするバトルマシーンではなく、銘菓を楽しみ日々を笑う余裕がある。人間として当たり前のものを、戦場でも手放さない強さがある。
多分この話、そういう部分が大事なのだ。
無論そういう体温ある生っぽさってのは、呪いが踏みにじったときのダメージにも直結してて、エグさを醸し出すためのギミックでもあるんだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
悲惨だからこそ守る意味もあるし、険しくなければ闘いの価値もない。ここら辺、バトルの外側ちゃんと組まないと生まれんモノで、なかなか難しい。
そしてバトル単品の仕上がりも頑張らないといけんわけだが、そこはMAPPA謹製、余裕の大暴れです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
周辺被害を気にせず、パワーをぶん回す宿儺のアクションに対し、五条先生は人間が身につけた技術を駆使して、
精密に暴力を使いこなしてる感じ。
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スペックとして大破壊が出来ない、というより、余計な破壊をしない意志を拳に込めてる感じで、その対比が良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
底が見えないけども、人間味は伝わる。強キャラ初登場時の”正解”だよなぁ…俺の(お前のじゃない)虎杖くんも優しくネンネさせてくれるし。
動く呪いになってしまった虎杖くんを、呪術師はどうするべきなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
教師の問いかけに、伏黒くんが私情で救命嘆願するのがスゲー良かったです。やっぱアンタ…。
大きなシステムに組み込まれて、逆らえないものが沢山あると、子供も判っている。
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それでも譲れないものがあるなら、ちゃんと声を上げるべきだし、それを受け止めてくれる存在なのだと、伏黒くんはこのトンチキオチャラケ目隠しマンを信頼しとるわけでしょ?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
彼らが学園で積み上げてきたものが見えるやり取りで、スゲー良いな、と思ったんですよね。
俺はもう伏黒ボーイを”信頼”しちゃってるわけで、胡散臭い目隠し野郎も彼が信を置くなら『まぁ、良いか…』くらいなもんで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
作品が面白いと、こういう信頼関係が手早く構築されるので、見てて楽ですね。体重預けて見てられる、というか。
その土台は、やっぱお話が見据える倫理基盤なんだろうなぁ…。
というわけで時間は第1話冒頭に追いつき、”死刑”は執行猶予がつく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
最大級の呪いを探し出し、全て食らって封じて死ぬ。それが虎杖くんに用意された、最大限の”正しい死”なわけだ。悲しすぎる…あんな良い子なのに…。
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『闇の中の光、光の中の闇』てのが作品全体のテーマであり、また演出の背骨だと、二話段階で勝手に思っているわけですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
五条先生が必死に掴み取った執行猶予は、符塗れの牢獄に照る行灯のように、虎杖くんの未来を照らす。
硬直した組織、絶え間ない闘争、重なる呪い。
このお話を取り巻くものは非常に薄暗いけども、虎杖くん自身の性向も、彼の周囲にいる人も、風通しがよく自然体で明るい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
個人の魂の光が、あまりに巨大な闇の中で何を成し遂げうるのか。
多分、そういうこともこの話追いかけるのだろう。そう思うと、ここの決断は最初の灯火だ。
結構ねぇ…”執行猶予”持ってくるの苦労したと思うのですよ。五条先生はヘラヘラしてっけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
未発見の特級呪物を封じる、千年に一度のチャンス。
そういう合理も当然見てるんだろうけど、あの目隠しの奥で”虎杖悠二”という個人を、生徒を、児童を、結構見据えて頑張ってくれる人な気、すんだよな。
そうして道を選んだ虎杖くんは、仙台にサヨナラを告げ新たな闇へと進んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
先輩の涙、目覚めぬ傷。それを背中に背負って、少年は世界のより暗い場所へと飲まれていく。
ここは光が象徴するもの、闇が意味するものが凄く鮮明でいいシーン。
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先輩の泣き作画が異常に気合入っとるわけですが、虎杖くんはこの涙を忘れずに、怪物共と闘う燃料にしていくヒーロー。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
主役が戦う理由が”そこ”にある以上、しっかり書いたのは正解だと思うんですよね。だからこそ、日常の光に背を向けて、宿命の闇に踏み込む背中が哀しい。
ダークヒーローの物語に必要な、悲壮な決意と暗い哀愁が、ポップでスタイリッシュなガワを内側から支えてるの、僕凄く好きなんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
ベーシックな話の骨格が、凄く強い。
『普通に面白い』って基本罵倒語だと思うので使わんのですが、そういう方向性を突き詰めてる印象です。正統派。
最後の家族が煙と昇り、故郷に別れを告げて去る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
じいちゃんのお骨を、逃げることなくど真ん中で書いたの、”正しい死”を扱うアニメとして絶対必要な描写だと思います。
人は死んで骨になる。その哀しみを壺に納め、墓に手を合わせることで、哀しみを喰う。
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呪いが生み出す”正しくない死”は、そんなことも許してくれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
なら、俺にしか出来ないことをやる。
二本目の指を引き受け、じいちゃんの遺影に決意を固め、虎杖くんは闇と光が交わる斎場で、それでも光に顔を向ける。哀しいほどにヒロイックだ。
ここで感じた『じいちゃんの遺言、祝福が裏返って呪いじゃねぇかな…』って疑問点を、同じ話数で即座に解消しに来るのも、テンポ良くてグッド。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
『誰かに言われたから』で動いてると、いつかそれを呪う日が来る。そういう危うさを、この段階の虎杖くんはたしかに持ってて。
そこを厳しく試すのが、学園長とのバトル個人面談ってわけで。呪術高専の美術、最高に良いですね…各種名蹟名所の美味しいとこ取りってカンジだ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
可愛いお人形さん手作りで、第一印象『あ、悪い人じゃないな…』と印象づけてからの、あえての厳しい問いかけ
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あとキモマッチョなカッパ人形襲撃。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
呪を使って呪を殺す、一歩間違えば穴二つな呪術師稼業。
そこに踏み込むならまず、覚悟と適正を殴って試す学園長は、自分たちがやってることにちゃんと向き合う、スゲーしっかりした人だと思います。
まぁバトル漫画だしね、ただの問答で画面死んでも面白くない!
というわけでアクション予算出し惜しみなしッ! ビュンビュン動き回るボコスカバトルの中で、虎杖くんは己の決意の在り処に悩むわけです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
考え込みそうになると即座にカッパパンチが飛んできて、画面の暴力度数がアガるのが面白い。
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虎杖くんは自分が強いとも賢いとも思わない、謙虚の徳を知る人なので、あんま目立たんけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
学園長の問いかけに『確かに一理ある…』と思索を深められるくらい、自分を取り巻く運命、これから進んでいく未来について、自分なりの考えを持ってる子供じゃないですか。インテリチャラ男というか…。
呪いと出会う前から彼は、生きることと死ぬことを結構シリアスに考え、自分に出来ることをやってきた少年だと思うわけ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
カッパ人形がキモく暴れまわる異常な状況は、そういう彼のバックボーンとやっぱ地続きなのよね。日常と非日常が、反転しつつも分断されてない。
そういう書き方は、日常を食い散らかす呪いを主敵と定めた話に取って、かなり大事だと思うんですよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
ここで背を向けたら生まれるだろう、当たり前の後悔。それを避けるために、自分に出来ること。
虎杖くんはそれを、リアルにシリアスに考えれる。
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””付きの”正義”とか”真実”のためじゃなく、凄く等身大の痛みを避けるために、過酷すぎる運命の中で最善を選び取る。誰かのためじゃなく、自分の決意で未来を選べる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
そんな決意こそが、闇の中の灯火になるのだ。
立派だよ…一千年に一人の逸材じゃなくても、虎杖くんは本当に立派…。
何しろ人間の負の想念を練って固めて生まれてくるのが呪いなので、今後虎杖くんの未来はドブ色なんだろうけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
過酷な運命に負けず、この決意を貫いてほしい気持ちと、負けてもいいから心を殺されず、なんとか生き延びてほしい気持ちがぶつかり合って”渦”作っちまってるな…。
いやジャンプのバトル漫画だからビシバシ血肉削られると思うし、それはまぁ作品のガソリンと受け止めるとして。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
ぜってぇ心を厳しく試してくるでしょ、この座組…。
陰湿な悪縁、ややこしい人間関係でジリジリ追い込んでく気配、キッチリオカルト取材したビジュアルデザインからビシバシ伝わるぜ…。
願わくばせめて、学園生活が明るいものであってほしいところですが。隣部屋のボーイは、間違いなく最高にいいやつだしな!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
すーぐヒョイヒョイ境界線を超えて、私室覗き込んじゃう気安さが嫌味に感じないのは、虎杖くんの美質ね…。
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宿儺の器たる彼がセンサーでもあり、強力な呪いに切り込んでいくモチベーションも唯一性もバリバリなの、強い作劇だなぁ、と感じます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
やっぱ『主人公にしか出来ないこと』を、どれだけ説得力で補強して描けるかが、お話大事なんだなー、って思う。
現状、凄まじい勢いで『虎杖悠二の物語』なのよ。
そこにやってくるニューカマーが、どんな風を持ってくるか。3人目の一年生は、キャワイイ女の子だ。どーせエグい人間兵器なんだろうがなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
”田舎”に強めの感情持ってる感じ、呪術に相応しいネトネト感ですっごく良いわよ…。
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つーかんじで、呪術高専入学まで一気に進む第二話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
テンポ良し停滞感なし、食い足りない感じゼロ! 素晴らしい序盤だ…。
ハイクオリティなアクションもたっぷり盛り込んでくれるし、キャラのこともよく判る。
勝てる要素だけ並べて、実際勝ってる。マジ強い。
そしてEDもマジ強い!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
深夜アニメっつうかMVの気配な、超シャレオツアニメで風通し良く。長添雅嗣起用は、”炎の刻印”からのMAPPA人脈かなー…作風にベストマッチ! スーパークールです。
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ダークヒーロー学園モノのど真ん中を、力強く走っていくこのお話。土台と背骨の分厚さは二話にして、キッチリ証明してくれた感じがあります。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月9日
舞台も整い導入が終わり、さーこっから何が見れるか。期待しかねぇ。次回が楽しみだぜ。
…でも、虎杖ボーイにも伏黒ボーイにも、あんまヒドいことしないでね
追記 呪いは同時に祝福でもある。明暗同居、呪寿流転。
呪術廻戦追記
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月10日
今回じいちゃんの遺言が持つ危うさを、学園長の一言を切っ掛けに虎杖くんは思索・変化させて受け止め直すわけだけど、彼は自分に課せられた使命を『呪い』とも言っている。
呪いは呪いでしか殺せない。倒すべき不正義は常に、それを打ち倒す側にやどり続ける。
同時に主人公のいちばん大事な行動理念が”良い呪い”であること、それが周囲の人々の働きかけで常にアップデートされ続けることは、人が否応なく生み出し背負ってしまう呪いを、人が制御できる可能性と希望に繋がっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月10日
悪から生まれたものを、善に変換出来る可能性。悪を以てこそ善を為せる希望。
そういうもんをこの序盤でしっかり触っている所に、作品が扱う悲劇と倫理に関してかなり、強い足腰持ってるという期待感、信頼感が生まれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月10日
『結局、世の中呪いしかねぇじゃねぇか』という無限後退のニヒリズムに、このお話は上手く釘を差している。呪いは、人を前に進ませることもあるのだ。
同時に醜悪な呪いに向き合う行為は人の愚かさや醜さ、人間集団の邪悪な部分を、より強調しても行くだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月10日
その手を緩めれば、”呪い”を掘り下げる視線は鋭さを喪い、なまくらになってしまう。
苛烈に問い、なおかつ諦めない。創作上とても難しく、しかしやりきらなきゃいけない姿勢を、今後も貫けるか
そこが、”呪い”を多重に背負った虎杖少年がこの苛烈な世界、どう活きて何を変えていくかによって、鮮明になっていくと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年10月10日
それは結構人間の普遍に接続された物語で、面白いネタと主役選んだなー、と思う。やっぱ物語としてのベーシックが、よく整い強いお話だと感じるな。