A3! SEASON AUTUMN & WINTERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ゲネプロ寸前、引き裂かれた衣装。
左京を錆びつかせた、時の残酷。
道化の仮面から、漏れる悔恨と苦悩。
幕が上がれば、もう止まることは出来ない。
苦境を乗り越えるたびに、カンパニーも芝居も変わっていく。
そんな舞台のど真ん中に、俺たちは立つ!
そんな感じの秋組公演開始! 今回は芝居やりながらクライマックス突入だぜ! なエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
演劇入門編の趣があった春・夏公演から、少しヒネった味わいが面白い秋組。
本番は今まで頑張った集大成ではなく、現在進行系で変化し続ける”生き物”としての顔を見せてきた。
一回こっきりの本番を、幾度も重ねる公演の不思議。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
失敗や奮起を飲み込んで、役も芝居も変わっていく面白さ。
そういうものが前に出てきて、演劇論として一つシフトチェンジを果たした見ごたえがあった。四季を通じて色んなものを見せる、サービス精神が嬉しい。
やってきた困難は衣装破壊に左京さんの凹み、太一の贖罪。どれもこれも厄介だが、カンパニー一丸となって乗り越えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ライバル、あるいは罪も受け止められる仲間。色んな顔が、一座にはある。
リーダーとして演劇人として、覚醒を果たした万里がなんとも頼もしかった
というわけで、先週衝撃のヒキから物語はスタート。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
衣装が切られた程度じゃ止まらない、MANKAI魂見せるぞ! ってんで、逆に気合が入る秋組。
幸の凛々しい表情、いづみちゃんの決断がなんとも頼もしい…が、その輪の中に、太一は入れない。
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太一が何かを隠し、抱え込んでいる様子は真夜中の告解より早く、ジリジリと積み上げられていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ここまでお調子者の緩衝材をやっていた太一が、主役となる瞬間が近づくにつれて、彼が実は仮面を被り、本物の”一座”に混ざれていない現状が可視化されていく。
そのギクシャクした感じは色んな人が感づいていて、しかし踏み込めない。仲間だからこそ、問題は爆発寸前で足踏みを続け、奇妙な軋みが生まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
その波をひっかぶるのが、頼れる兄貴分としてみんなを見守ってきた、視力の良い左京なのは皮肉だ。
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カンパニーを守るため、若い連中を育てるため、左京さんは一歩引いたところから見守り、支えてきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
だからこそ太一の不審な行動を見つけてしまうし、言い咎めることも出来ない。身内に甘いのは、ヤクザ時代からの”癖”かなぁ…。
んでヤクザが良いヤクザになったんで、悪い演劇ヤクザが顔出す、と
乗り越えるべき壁があってこそ、ドラマは盛り上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
春夏は金髪ヤクザが金のことギャーギャー言ってくれてたが、その当人が”身内”になってしまったので、新しい敵役としてGOD座が存在感を増してきた。
太一を操る黒髪の傀儡師は、演劇愛がひどく捻じくれているようだ…あるいは”立花”への思いか。
芝居に掛ける思い。自分をさらけ出すポートレートを軸に据えた秋組は、特にそれが際立つドラマを展開してきた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
汚い策略で芝居を潰そうとする、カンパニーの結束に亀裂を入れようとする神木坂レニは、見ている側も”演劇”が判ってきたからこそ、憎らしい敵役である。
ここら辺、ただ演じる難しさより一歩踏み込んだ表現に挑んでる部分と連動してる感じで、なかなか面白い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
物語に付き合う中で、見ている側にどういう学びがあり、思い入れが強くなってるかを、強かに計算しつつ作品が描くものを変えている印象。
的確だし、新しいものが見れていい感じだ。
兎にも角にも、状況が整わないまま幕は上がり、左京さんの台詞はトぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ここまで経験者として若造を導いてきたからこそ、この失敗…と、十座によるリカバリーは印象的だ。
左京さんも無敵じゃないし、十座もいつまでも大根じゃない。生きている以上、色んなものが変わる。
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クソ大根から一歩ずつ、熱意と才覚と工夫を形に成長していく十座を見事に演じた、武内くんのプラニングが光るシーンでもあったが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
春と夏の物語を超えた今、カンパニーにとって一回の失敗は問題じゃない。誰かが間違えれば、誰かが前に出て支える。生き物である芝居の面倒を、ちゃんと見れる。
ならば別の課題があってこそ、ドラマは活力を得る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
その一つが太一の逸した視線であり、ここまで背中を支えてくれた兄貴の、重たい居住まいである。
黄金色の憧れに背中を向けていた日々は、夢の舞台で残酷に結果を出した。
左京、ガン凹みである。
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ここで左京さんを拾うのがいづみちゃんなのは納得しかない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
いづみちゃんも演劇人として一度道を諦め、しかし運命に導かれて再び舞台に立った。監督として支配人として、色んな仲間と作り上げ、輝かせてきた。
それは平坦な道じゃない。
性格に難ありまくりのイケメンをなだめすかし、芝居を作る。
カレーを食わせてケツを叩き、あるいは膝を曲げて同じ視線で夢を語る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
失敗もあったし、立ち止まりもした。でも、立ち上がればこそここまでこれたのだ。
僕らがここまで見守り、いづみちゃんを好きになった物語の一つ一つが、左京さんへの言葉を裏から支えている。
MANKAIに縁が深く、人生経験が多い二人は、色々似通った部分が多い。隠れ幼馴染だしなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
だから左京さんはずっといずみちゃんを見てきたし、ならば彼女が背負うもの、超えてきたものも知っている。
自分の後悔と向き合う言葉が、口先だけじゃないとしっかり判るのだ。
対等のライバルとして、若い子たちに向き合って欲しい。後悔に足を取られず、自分を出して欲しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
監督として後ろから見守っていたからこそ、厳しい注文も出る。
そんな高望みを叶えてくれる輝きを、舞台が持っていることはずっと知ってる。今、思い知ってる。
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『え? なに真澄死ぬの????』ってなったゼロ距離戦闘開始に、俺の心拍もバクバク言ったけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
この距離感に踏み込んでなお許されるのが、左京さんだなぁ、と思う。
この人、スゲー他人をよく見てんのよね。だからこそ、距離を作って引いちゃう部分もあって。
でもいずみちゃんが歩み寄ってくれた間合いが、それ以外の触れ合い方も教えてくれて。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
それが恋になっていくかは解んないけども、同じ夢を見た同年代だからこそのシンパシーが、二人を強く結びつけてる。
ここら辺、万里と十座を変奏し、重ねる配置だよなぁ…面白い。
デカい口叩く生意気ガールに、負けてらんねぇ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
思えば夢の始まりから、魂に食い込んだライバルを前に、左京さんの鎧がひび割れる。その中から、全てを飲み込む怪物が目覚めていく。
公演を通じて左京さんが”化ける”展開は、公演の醍醐味で凄く良い。
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ここで前に出て主役を食う暴れ方は、見守ってた若造がしっかり成長し、対等に競うとこまで伸びてきたと認めたからだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
そういうところに目が行くのも、やっぱり左京さんの”視力”である。
そしてグツグツ煮えたぎる健全なライバル関係に、やっぱ太一は入れない。
その足踏みが、何から生まれているのか。漆黒の闇の中届く通話が、真実を暴いていく。マジクソなんですけど!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
レニと繋がる携帯電話を取り落した時点で、GOD座との繋がりは暗喩的に断ち切られてんだよなー…。
糸の切れた傀儡を、受け止めるもの。
臣クンの胸板がデカい…。
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子供のように泣きじゃくる太一を、抱きとめる度量。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
それは親友を救えなかった後悔が臣にあればこそ、『こうありたかったが、なれなかった』自分を必死に演じればこそ、彼に宿ったものだと思う。
心の傷が生み出した嘘だったとしても、強く優しくあろうと踏みしめた大地は、臣に力を与えていた。
命令のまま舞台を壊すでも、罪悪感に潰されて逃げるでもなく、ここまで続けてきた嘘を吐露したのは、”臣クン”への信頼があったからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
それは太一がかぶった嘘の中、確かにあった真実。
芝居というものがそうであるように、本気で演じる嘘は、必ず何かしら”本当”を孕むのだろう。
月にかかった叢雲が、晴れて闇夜を照らすように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
どっしりと肩に置いたデカい手が、太一の苦しみに寄り添う。やっぱ泣いて苦しむ子供に、膝を曲げて視線を合わせられる男(ひと)なんだよなぁ~。
俺はお前を信じる。お前を許す。だから、お前も仲間を信じてくれ。
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そんな臣の優しさと強さが、肩に置いた手、真っ直ぐ見つめる瞳から伝わる。コバヤシ、傷を負いつつも優しさを忘れないタフガイだ~い好き(全人類、多分好き)
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ポートレートで臣クンの傷と後悔を知ってればこそ、ここの頼り甲斐は分厚い。
痛みを知らねぇ男じゃねぇから、優しくなれるのである。
というわけで、まずは土下座だッ! そして芝居だッ! なぜなら俺たちは、”演劇”で繋がってるからだッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ここで万里が、『ポートレートやれ!』って言い出すのは多重の意味で最高に良かった。ここまでの物語あってこその、必然的な妙手だと思う。
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一つには、万里が演劇の力を心から信じるようになったと、問題解決を太一の”芝居”に預けたことから理解できること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
自分が生まれ変わったように、コイツもポートレートを演じることで変わる。それを見ることで、判ることがある。
舞台から離れて初めて、見えるものが確かにある。
万里はいづみちゃんに連れられて客席に座った結果生まれた変化を、自分の中で閉じ込めずカンパニー全体に拡大しようともしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
それは十座を凹ますためだけに引き受けたリーダーの、本当の仕事をちゃんと果たしている、ということでもある。
円満な解決のため、最善手でもあるしね。
加えて、ポートレートが持っている作用を客観的に分析して、今この局面で打つ最善手だと判断できるクレバーさも冴えている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
それは彼を冷たい孤独に追いやりもしたが、今は誰か…目の前で苦しんでる仲間のために、しっかり使える自分の武器になった。
あの根性ドブゲロ傲慢俺様ボーイが、ここで『ポートレート』を言い出すこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
それが、秋組の物語で生まれた変化、”演劇”が生み出しうる大きな力を、凄く的確にまとめていると感じたのだ。
しかもそれは、冷たい説明ではない。太一の運命がかかった、大きなドラマの要として差し出されている。
千秋楽直前まで引っ張って、ようやく炸裂するにふさわしい、集大成としての決断だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
ポートレートは形式自体もいいし、アニメでの見せ方も強い。視聴者にとって『見せ場』と認識されているので、太一のジレンマを克服するだけの馬力もある。
まさに、盤上この一手。力強い話運びだ。
かくして、空いた幕。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
前回十座が魅せた、照明の威力を生かした演出とはまた違う、スポットライトを真ん中から動かさない舞台で、太一は真実を語っていく。
歓喜、羨望、焦燥。
軽く見えた男の中に、演劇への愛とそれ故の過ちが満ちていた。
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あまりにも眩しく、瞳を焼く太陽。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
十座の本気も、臣の変化も、万里の覚醒も、左京の後悔も、全てこの黄金から生まれてくる。
太一もまた、”演劇”に惹かれた男だった。
何があっても、ステージの真ん中に立ちたいと、歯を食いしばり歩いてきた。
だから、間違えちまった。
飾りをすべて取り払って、吐き出される思い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
羨み、憐れみ、焦り、それらを全て飲み込んで、仲間だった。
嘘から始まったもの。
笑顔の仮面の奥にあるもの。
どす黒い感情が生み出すもの。
太一のポートレートは、何も隠さず伝えていく。最高の芝居だ…。
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ヨーヨーの話が出た時、一瞬観客席の万里が切り取られるのが、僕はすごく好きで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
これ断言しますけど、このとき万里の胸はズキリと傷んだと思うんです。
何も知らねぇ自分が、誰かのプライドを踏んじまったと今なら判るから、胸に突き刺さる。取り返したいと思う。
それが、入れないと太一が背を向けた輪の中に、自分たちから押し寄せて入れる決断を後押ししてると思うんですよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
鏡の中、生きてる実感がなかった少年は、他人の”演劇”を見て、負けてる自分を思い知ることで、誰かの痛みに寄り添える男になったんですよ。
それは、凄いことじゃないですか。
若人を主役に成長を描く以上、必ずそうなんですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
特に秋組はスタートが最悪だった分、”教育”としての演劇、人間たちがステージを共に作り上げていく意味が、色濃く滲んでいると感じます。
リーダーである万里がデカい男になったから、太一も闇から這い上がり、また進める。
太一の行いを憎み、太一自身を憎まない十座の成熟にも負けないくらい、泣いてる仲間と同じ目線で励ませる男に、リーダーになってくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
万里に励まされて吠える太一、完全に”男の戰い”ですよ。『僕はA-3秋組、七尾太一ですッ!』じゃん。初号機パイロットじゃん(違います)
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どんなに卑劣な罠が待ち構えても、俺達の芝居は負けない。競い合い、支え合う最強のカンパニーとして、最高の舞台をやり遂げてみせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
そんな決意が、最高の笑顔を太一につれてくる。リーダーの上げた拳に、本気で肩を組む。
俺たちは、ようやくここまで来た。
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そんな感じの、千秋楽前夜でした。素晴らしいッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
秋組一丸の頑張り、左京さんの苦悩と奮起、太一の涙と笑顔。
色んなものが大暴れする回でしたが、クソガキが”漢”になっちまったと分からせる、万里のリーダーシップ、クレバーな提案、熱い魂が心を震わせました。
演劇に”本気”燃やしちまってる大バカ野郎どもの、晴れの舞台を邪魔しやがる。新たな敵役として、GOD座の存在感も上がってきました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月10日
全員の仮面が剥がれ、向き合う最後のステージ。それを新たな始まりとするためにも、負けれねぇ。
悪童軍団青春の集大成、次回は瞬き禁止ですッ!