GREAT PRETENDER 第18話を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
詐欺師たちの勝負は、魔術師の裏切りで敗北に終わった。血の花を咲かせ、深い海に沈む仲間たち。
その父もまた銃弾に斃れ、エダマメはどす黒い泥に身を沈めていく。
そんな風に低く、低く流れて行く日々の果てに、待っていた男とは…。
そんな感じのグレプリ18話、地獄の急カーブを経て過去編突入! である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
慣れ親しんだ連中がバッタバッタと死に、エダマメが犯罪行為の泥に染められていくショッキングな展開…なんだが、死んだはずのオズが戻ってきたことで、疑念がぐるぐる渦を巻く感じになってた。
オズが戻ってくるなら、シンシアやアビーもまた死んでないとは推測できる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
どこまでが嘘で、どこからが本気なのか。腹の奥にモヤッとしたものが溜まったまま、ローランの起源を語る長い物語が始まり、そちらも死人が出…た!? という終わり方をする。
首をひねりつつ色々考えるが、フラストレーションは貯まらない。なかなか上手いペンディングで四章折返したな、という印象である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ここでドラマの起伏に素直に乗っかって認識を作ると、気持ちよく騙されちゃう感じなんだろうが…自分は色々疑ったり、考えたりしちゃうな。それも一つの楽しみ方だろう
さて、見事にやらかしたエダマメ一派は頭に頭陀袋被せられ、水ポチャ生死不明にはもってこいのボートに並べられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
車中で石神が語る、朱雀会長の過去話。去っていった子供の影を、エダマメに見ているから甘い。ここにも、親子の肖像がある。
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エダマメだけが生き残る理由、オズが語るローランの過去。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
みな親と子の繋がりに呪われて、情と悪徳に足をもつれさせている。
人間、みんなそんなもの。
そういう真実を素直に語っていると見るには、この話にはヒネリと嘘が多すぎる。
朱雀の事情を知って、狙って刺した刃な気するんだよなぁ、エダマメ
エダマメが自分で絵を描いたのか、ローラン(あるいはオズ)の描いた絵に乗ってるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
どっちにしても、エダマメが帰りたい”お家”は実の父母の待つ夕焼けだとは思う。
母の教えてくれた孔子、父が諭した正しさが捨てれないから、ひねくれて詐欺師をやり、自分を知って抜けようとしていた。
それが”本当”だと感じられたから、船上の惨劇、朱雀アケミを新たな”母”として悪に染まっていく展開には、衝撃が大きい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そして裏切りが深く刺されば刺さるほど、それがまた別種の裏切りであると知らされたときの衝撃も大きい。
この話、俺をどう運びたがってる?
そういう読みと疑心暗鬼に、タップリ踊るのが楽しい四章だと言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
強すぎる太陽が作る、深い陰影。最後に生き残ったものが勝者なのであり、別に仲良しこよしのお仲間じゃあない。
そううそぶく詐欺師達が、捨てきれない”情”にどれだけこだわっていたか。ここまでの物語が語っている。
それは僕らが横から見るだけでなく、エダマメが間近に受け止め、救われる道筋を整えた物語でもあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ただ利用し、”仕事”をするだけの関係じゃないと思えたから、エダマメは彼らの命をつなごうとし、親父がぶっ殺したときにはマジギレする。…”マジ”なのか?
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それは仲間殺しの苛立ちで、親殺し…朱雀アケミを新たな”親”と選び取る選択に重さを持たせるための、デカい仕掛けではないのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
これまでの手口を思えば、そう疑いたくもなる。
こんだけのドラマを乗っければ、エダマメの変節には説得力が出る。
ああ、結局諦めてドロに沈んじまったか。
そう、こちら側も諦めるには十分な説得力が、親子相打つ愁嘆場にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
腐れ果てた血縁、そこにぶら下がってた甘っちょろい善性を捨て、自分の側に…生々しい悪に染まるには十分な。
朱雀アケミが、そう考えるのは自然な流れだ。
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オズの裏切りとその始末は、朱雀が暴力によって状況を作っているように見えて、使われているのは彼が用意した狂気だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
生き死には、魔術師の側にトリガーがある。だから、オズも死地から帰ってきたのだと思う。状況のコントロール権限を誤解させるのは、このアニメの得意技だからね。
その上で、エダマメが本心から墜ちたのか、はたまたオズ達が描いた絵に乗っかったのかは、さっぱり分からない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
お母さんの人徳、それを慕う赤心に僕はかなり体重を乗っけているので、人買いババァを新しいママにしたとは思いたくないが、まぁ親父がクズ過ぎて全部海に捨てたくなるのも、よく判る。
同時にそこに重さがあるからこそ、朱雀の”子”になる流れ…手に入れた至近距離を利して強烈にハメる段取りも、想像したくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
水杯代わりに、朱雀の”母”としての顔を宿したコーンスープで契りを結ぶグロテスク、石神のドヤ顔がキモくて良い。
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エダマメの絶望を闇からすくい上げ、色々あったが新たな親子、良い”仕事仲間”として手を取り合ったように見えて、やってることはガキ攫って売り飛ばすゴミの所業だからな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そういう人間でも、個人的な情はあるし、新しい絆も作る。朱雀一家の再生は、ローラン一味の鏡写しだ。
ここら辺の、腐臭を放つゴミをキラキラした情感で飾り立ててるキモさはこのお話の全編に漂っていて、どっかでぶん殴らないとケツの座りが悪い部分だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
エダマメがアケミの”子”になることで、そこを蹴っ飛ばして善なる悪の矜持、一つの線引を見せる素地は整ったかなー、って感じ。
悪徳の息子として、エダマメは忌み嫌っていた”仕事”に慣れ親しむ。新たな”母”に贈り物を差し出し、思い出を汚していく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
『そのネコちゃんは、そういう使い方しちゃダメだろ…』と、お母さんファンの僕は思ってしまうけど。そのゲンナリ感も、狙って作られた演技か?
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ロンドンでは悪党をハメるための演技だったものが、今じゃクソまみれの立派な”仕事”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
第3章の描写を生かした、良い落ちっぷりである。
素直に飲むと『立派な屑になったもんだな!』って感じだが、さて、どう使ってくるか。
結構メタ領域から読んじゃってるな…。
シンシアのトフィーとかマメの缶詰とかもそうだが、このアニメメシが結構大事な作品で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
さらわれた子どもたちになんとか食事を差し出していたエダマメは、人さらいの頭領のスープを飲み、コーヒーを差し出す立場になってしまった。
報われない善を振りまくよりも、悪党にすりよりおこぼれを貰う。
エダマメの転身は、思わずハゲが嫉妬に狂うくらい見事なもんだ。朱雀ママのおっぱい取り合って、まぁキモイキモイ…人間臭い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
紫煙くゆらす姿も堂に入った、立派な朱雀の”子”の前に、殺したはずの親父が闇から顔を出す。まだ、縁は切れちゃいない。
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洋上のオズの死は、演出された嘘だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
では、妻と子を捨て孤独に追いやった過去も、また嘘なのか? 真人くんが歪んでキレ倒してたのは、誰かの掌の上の喜劇なのか?
オズがローランの長い昔話を終えた後、何を語るかはかなり大事だと思う。どこまでが嘘で、どこまでがマジかの線引が決まる。
しかしそれは、上海で火花を散らす組織の対立を…その裏にあるある詐欺師の過去を超えた後でないと、見えてこないものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
エセ易者を使って、火を焚き付けて口づけ一つ。”生き残った”ローランは劉暁と麻雀して、何を望むのか。
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三島と川端のノーベル文学賞ネタで、劉暁の嫌らしいインテリ気取りを分からせる演出とか、非常に好きであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
ここ自分勘違いしてたところなんだけど、朱雀と竜虎はガチで対立状態ではあるのね。
オズが個人的に状況を作ろうとして、乗っかりきれずに海に落ちた…状況を、おそらく狙って作った、と。
劉暁の焦りはオズが殺されたからこそで、つまりローランのツッツキと連動している。オズもまた、ローランと繋がりのある”身内”だと考えたほうが良いのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
そこら辺の縁は、第一章でエダマメをハメたこと、異常にへばりつく執着とどうか変わっているのか。
気になっていたピースが、ハマってく快楽
それを過去編が教えてくれると良いなー、という感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
魔法使いが語る、金髪クソ野郎年代記。
優しい母はクズにハメられ、身を持ち崩して殴られる。
失読症を逆手に取ってのクソ詐欺が、あまりにクソ過ぎてキレそうになる。短い描写でクソ感出すの上手いな…。
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母の愛に包まれていたこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
それを邪悪な嘘で壊されたこと。
それでも、正しくは生きられずタバコを吸う側、人を騙す側、ナイフや銃を握る側に墜ちたこと。
ローランの過去は、ここまで見てきたエダマメの遍歴と強く重なる。ここら辺の鏡合わせは、定番ながら強いところ。
エダマメが子を脅し、親を打つピストルを握ったように、ローランも仇を刺し殺すナイフで、無垢な少女を刺し貫く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
より善く生きたい。幸せになりたい。
そう願っていても、嘘や武器や悪を握れば、人はそれに染まっていく。痛快な悪事は、面白くもない現実に変わる。
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…あるいは”戻る”。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
絡み合った血縁と業。仕事としての犯罪。伝わらない願いと落ちる悪徳。
第4章に漂う生っぽい気配は、詐欺師たちの痛快ピカレスクが足場にしている影を、より濃く写す。
ガチャガチャ楽しくやってるが、お前らがやってるのは畢竟”これ”。
そんな生々しさが、ローランが握ったナイフにも、刺し貫かれたドロシーにも宿っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
最悪通り越して必殺の出会い方をした二人だが、さてどんな風にあの宝石を託し、嘘まみれの金髪魔術師の心に傷が残るのか。
泥まみれの現実から、キレイな嘘を夢見る虹の先は、果たしてあるのか。
そんな問いかけが濃くなる、四章前半戦終了であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
エダマメが朱雀の”子”になるまでの歩みは、重く暗く生々しく、なかなか説得力があった。お人好しの彼が好きだった分、ガキ売り飛ばしママに媚びる姿はキツい…が、納得もできる。
その重さが嘘偽りのないマジの決断なのか、逆転の予兆なのか。
そこを疑いつつ、全ての起点となるだろうローランの過去を見てくことになると思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
どこで、どう騙してくるか。描いたものを、どう使ってくるか。それを結構ワクワクしながら、色々考えて待てるこの時間は、僕は結構豊かだな、と思っている。
話の根っこに感じるある種の反感も、拾ってくれそうだし。
人騙して金稼ぐクズが暖か人情、譲れぬ矜持。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月13日
笑わせんな。
そういう感情を陰影濃く彫るために、朱雀の生っぽい”仕事”にエダマメが取り込まれてく、面白くもねー現実の勝利はあるのだと思う。
そこに、この作品はどうカウンターを当てるのか。
その足場として、過去は何を刻むのか。
次回も楽しみです