アサルトリリィ BOUQUETを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
乙女が鍛え上げた戦技を競う、年に一度の競技会。
その裏側で、結梨をめぐる策謀が静かに蠢いていた。
学園の仲間と、かけがえのない妹と、優しく育む人々の声。
祭りの熱狂も暖かく、少女は麗しき檻に認められていく。
その先に待つ、残酷を知らないまま。
そんな感じの、面白うてやがて悲しき戦技会、アサルトリリィBOUQUET第八話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
シャフトのコメディエンジンがいい感じにぶん回され、気合い入り過ぎの戦闘作画も大暴れ。ブシロ声優も出し惜しみなし、ドンチキドンチキ賑やかに往くぞッ!!
ってのが激しいほど、サブタイトルが突き刺さる。
椿は花様の控えめな、寒い冬に咲く花である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
その控えめな有り様を受けて、花言葉は”謙虚な美徳”。
今回結梨を見守り、仲間と受け入れた学院とリリィ達のありようを、優しく認めるようなサブタイトルだと思う。
そしてその楚々たる凛々しさは、寒の厳しさがあってこそ映える。
醜聞を表にさらしてまで、結梨という軍事兵器を探り、手元に置こうとする大人の世界。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
梨璃がまだ見据えていない残酷さに取り巻かれてなお…いるからこそ、少女たちは人間であり続けようと己を律し、世界を愛する。
その善意が無駄になっていないことを、第5話が証明していたりもするが。
それでも、(仇敵たるヒュージに、あるいは同じ人間に)首を断たれかねない厳しさの中で、花々は咲いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
椿は、ボトリと断首されるかのように花を落とす。そのため、祝花としてはあまり好まれない。
謙虚と断種。
祭には相応しくないサブタイトルであり、リリィの祭には適切であろう
そんな寂しさと厳しさを感じるのは、まぁ僕の勝手な感覚であり、お話自体は明るく楽しくおバカに進むのであるが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
情け容赦のねぇ出風呂に、妖怪・西洋毛羽毛現。
”J”は想い人の柔肌に発情し、ライバルはなんか”圧”かけてくる。
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騒々しくも面白い、乙女達の青春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
一服の絵画の中に、結梨ちゃんも違和感なく、すい~っと居場所を占めている。
展開を先読みしたり、表象を読んだり。
ロジカルな読みに足場を置いて見落としてたが、この子可愛いねぇ…本当に可愛い…。
夢結様は美鈴様を失うことで、今の自分になった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
ならば満ち足りた夢結も何かを失うことで、真実姉と同じ立場、同じ気持ちになる。
そして、容易く奪われそうな幸福の象徴が、いまお風呂を泳いでいる。
可愛く、麗しく、人間ではない。
その美しさと儚さを強調するべく、積まれる日常。
そこにこそ、少女たちが帰る場所がある。人類の命運を決し、命を賭ける戦場だけが、リリィの存在意義ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
そう考えて学院は作られたし、聖域は人ならざるものもまた、人として受け入れる。
人類生存の厳しさに、誰かを敬うことを忘れてしまった外の世界。その荒波が生み出した徒花。
結梨を巡る暗闘は、学園の存在意義、リリィと人類の定義、幼く純粋な梨璃の未来を、複雑に照らしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
浮かれまくった祭の通奏低音として、残酷と美麗の二拍子を静かに鳴らすのが、このアニメっぽいなぁ、と思う。
同時に、崩壊させるために愛しさを積んでる感じもしない。
結梨がリリィとして力を付け、レギオンに、学院に受け入れられてく姿はいつか崩壊するから美しいのではなく、守られればこそ麗しい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
それを守れるように、生徒会も学長代行も壁の向こう側の荒波に、必死に抗っている。
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幼い結梨を見守る梨璃…を、孫のように慈しんでいる夢結様が良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
自分が直接手を触れない、しかし深い縁で繋がった少女に接する中で、夢結様がかつて失い、今苦しんでいる傷が少しずつ塞がる様子が、結梨のいる日常には刻まれている。
その穏やかさを、学院首脳部も守りたいのだろう。
同時に子供達もただ守られるだけではなく、壁の向こうの現実を常ににらみ続けている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
梨璃の親バカノロケに、冷たい態度を取っているに見えた閑様は、当たり前の少女であり、同時に兵器でもある自分と世界をしっかり見ていた。
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二段ベットの上から見える残酷な世界を、梨璃はまだ見ていない。彼女にとってリリィは憧れであり、正義であり、甲州の地獄で自分を守ってくれたヒーローだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
国家の…知らない大人の権益に飲み込まれ、人間同士殺し合う存在ではない。あってはならない。
そんな幼い夢を、学び舎は守ろうとする。
笑い、競い、繋がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
そんな綺麗な夢を、人類絶滅の淵に立ってなお…立てばこそ守ろうとする、百合ヶ丘の理想。
梨璃はある意味、最も純粋にそれを体現している。
しかし温室の外に厳しい風が吹けばこそ、花がよく育つ温度を保つ必要もあるのだ。
閑様は二段ベットの上から、それを睨む。
梨璃はそこまで登って、壁の向う側にあるものを今見ることが出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
それは多分、結梨との離別が強制的に、彼女に教えるものなのだろう。夢結様が美鈴様を奪われ、学んだように。
…嫌だなぁ。
僕はあの子達が凄く幸福に、人間の美徳を体現してる姿がすごく好きだから、壊れて欲しくないよホント…
レギオンのお姉さん達に囲まれ、わっちゃわっちゃと仲良くなってる結梨ちゃんがいなくなるなんて…俺は辛いよ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
夢結様が心の奥底に抱えた寂しさ、武器持つ存在であることの震えを嗅ぎ取る子。己も武器を取り、寂しさをはねのけようとする子。
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名前のとおり、最もリリィ的である純粋な少女が、政治と暴力の道具になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
それは少女に人類存亡をかけるしかないこの世界が、必然的に抱え込んだ歪みであり。
それに『戦時ゆえ致し方なし』と言えないから、この学院は生まれたのだ。子供が子供として、しっかり笑えるように。
と、言うわけで!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
ろくでもないクソ世間の闇は俺たちが背負う! 学園トップが暗がりでゲンドウ座りする中、乙女のお祭り開始だよ!! マジ許せねぇからよ…。
”J”の泣き方が完全にメソウサで、『シャフト制作だなぁ…』という感じ。
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リリィにとっては健気な成長の証である大ジャンプも、外部からは人外の証明として窃視されてしまう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
梨璃と夢結様のレアスキルもそうだけど、人類定義をはみ出した超越種としてリリィを書こうとしてるのは、結構好きな筆致だ。
それでも、彼女たちは人間だから。人であろうとしているから。
祭りの狂騒もそんなあがきの一つとして、人としての当たり前として、楽しく刻まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
社会的承認、自己実現を求めて、”出来ない”にプクーってしてどんどん成長する結梨ちゃんが、ホント可愛くてしょうがない。に、人間~~~~。
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梨璃にとって妹でもあり娘でもある、可愛い結梨。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
その自立を梅様は促そうとして、梨璃の過保護にせき止められる。
危ないことなんかしちゃダメ。戦わなくても良い。
でも、戦うことでしか守れないものを護るために、リリィはチャームを握る…はずだ。
少なくとも、この学院の中では。
だから梨璃の庇護を離れて、自分の力で立とうとする結梨の歩みは、彼女が真実リリィとなり、一柳隊の、梨璃の妹としての、人間としてのあるべき姿に、近づこうとする努力なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
そんな歩みを、梨璃もまた夢結様の背中を追いかけながら進んできた。皆、善き人であることを目指す。
そんな隣人を見ることで、触れ合うことで、リリィ達はより善くなっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
そういう理想的な相互作用を夢見て、この学院はある。
しかし荒廃したこのご時世、ただの教育機関は存在を許されない。
前線基地、囮の集合地。そういう側面も、確かにある。
それでも、祭りは楽しい。
『人数が多すぎて話の落とし所が見えない…? なら、もっと足すぞ!!』と、まさかの”逆”を往く新キャラ大投入。アゾンオーナーの財布は限界だッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
コミカルな競技会の描写に、夢結様の構えとか、ミリアムのガス欠とか、後々生きるネタが…。
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これ絶対最終決戦で、『これで看板…後は頼んだぞッ!』って言って、ミリアムラストシュートする伏線でしょ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
笑いと平和で腹筋を緩ませておいて、”効く”一発をねじ込む作風なので、コメディバトルを素直に笑いたいんだが笑いきれん。
こ、怖い…この尊さが壊れるのがッッッ!
さておき、ぶっ倒れたミリアムの代役として、結梨ちゃん戦場に立つ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
”ルンペルシュティルツキン”って…ヒュージのDNA解析もやってる百由様には、似合いのネーミングね。名前を知られて滅びる悪魔、だからなぁ…。
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ここで百由様のコミカルな仮面を描いておいて、ラストに悪魔の契約を唾棄する倫理観で刺してくるのとか、マジ計画的だなぁ、と思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
護るだけが愛ではないと、子の成長を見守るよう促す夢結様。梨璃との出会い、触れ合いの中で、”姉”が板についてきたじゃねぇの…。
やっぱ結梨ちゃんが間に立ったことで、梨璃と夢結様の関係、それぞれの人格が善い化学反応見せてるの、本当に良いと思うのです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
あの子と出会ったこと、触れ合ったことは、確かに二人を変えている。それは嘘でも幻でもなく、大事に守らなければいけないもの。
それを描くのに、気合い入り過ぎの超バトル作画暴れさせるのがこのアニメだッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
夢結様より継承した構えで、堂々脅威に渡り合う。
梨璃ちゃんの勇姿もいいが、見守る先輩方が声をかけ、前のめりに新たな仲間の奮戦を応援・教導してるのが良い
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第1話では血を交じらわせ、直接触れ合うことでぶった切ったヒュージを、今度は遠くから教え見守ることで乗り越えていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
百由様、第1話の暴走事故を反省して、より制御可能なメカヒュージを完成させたんかなぁ…。マッドに見えて、かなり倫理感強い科学者よね。
生徒会長も思わず握り拳、見事リリィの資質を証明した百合ちゃんに、レギオンのみんなも笑顔笑顔である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
その破綻を告げる報が、飾りのない携帯電話に届く。抜け目なくDNAデータを解析する現実主義を、手放さない少女たち。
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その裏で、コスプレ大会はざっくり雨嘉が勝利し、神琳は『やりましたわ』と後方彼女面。純白だからこそ、どんな色にも染まる。俺はお前が怖いよ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
この掲示板、二水の壁新聞が目立つけど、他の掲示物がかなり好きで。
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学力を強化したり、レギオンを組んだり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
全てがヒュージ撃滅の大義に結びつくとしても、少女たちは皆生徒として、朗らかに咲こうとしている。学院はそれを許している。
超越種たる人型兵装が、それでも人である以上求めてしまうものが、この掲示板、上手く刻まれてる感じがする。
特別ED”GROWING*”に乗って流れる、少女たちの楽しいおめかし。閑様が二段ベットの上で、大事に見つめていた自分たちの肖像。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
それを彩るのは、雛罌粟と秋桜。花言葉はそれぞれ”別れの哀しみ””乙女らしさ””忘却”…”調和”と”乙女の純真”
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この花束がどんな意味を持つかは、祭りが終わった後の深い闇、待ち受ける夢の終わりが教えてくれるのだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
『そういえば、虞美人草も血から咲く花だったなぁ…』などと思いつつ。
見事に咲いた結梨という花を、心から抱きとめた麗しい調和が、是非に守られてほしい。
黒い封筒は、悪魔の誘い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
人ならば守り抜ける城壁も、倒すべき怪物ならば手放すしかない。
百由様の意外な倫理と同じく、散々戯けてた”J”のシリアスな表情で刺してくるのは、全く巧い。
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楓様が”家”に誇りと愛情を持ってるのは、ここまでの物語からもしっかり見える部分で。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
帰るべき場所が的にかけたのは、人生を変えるほどに愛した女の妹。
愛か、使命か。
彼女もまた甘い夢に踊りつつ、厳しい荒波を知る女(ひと)である。知ってるからこそ、あえて踊るのだ。
という感じの、楽しい競技会と結梨ちゃんの成長、その裏に蠢く影のエピソードでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
結梨ちゃんメインではあるのだけども、彼女を取り巻くレギオン、叱咤する先輩たち、楽しい笑顔を包む学院と、より広いものの価値が見える回だったと思います。
だからこそ、それを奪う残酷も際立つ。
百由様や楓様が向き合う闇に、梨璃はまだ二段ベットの下、視線を通せていない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
黒い封筒の形で届いた”現実”を前に、少女はいかに傷つき、立ち上がるのか。美しい夢は、夢でしかないのか。
可愛い可愛い結梨ちゃんを、実験動物の人間兵器扱い…マジ許さねぇからよ…。
やっぱ五話が効いてる感じしますね…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
夢結様がラムネを求めて踏み出した”外”は、哀しいことばかりではなかった。人はちゃんと人らしく生きることが出来て、それはリリィが刃を握ったからこそ。
結梨ちゃんを奪い取る厳しい波だけが、世界の全てではない。既に、そう示されているわけです。
同時に二段ベットの上から見える景色も、世界の確かな真実であり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年11月27日
梨璃は否応なく、そういうものに立ち向かう事になるでしょう。純朴なる睡蓮も、目覚める時が来たわけです。
願わくば、その嵐を耐えて花々が、望ましい輝きに包まれますように。
次回も楽しみです。