GREAT PRETENDERを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
詐欺師一味最後の花火と、香港に打ち上げた大嘘。
それは呆気なく破綻し、悪党はそれぞれの破滅を演出していく。
獄に己を繋ぐもの、死を演じるもの、現実に食われるもの、水に沈むもの。
独り永らえた魔術師が、それでも手繰った糸の果て。
かくして、物語は振り出しに戻る。
そんな感じの過去編終了! 詐欺師の末路はこんなモン!! な、グレプリ第20話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
ここまでの回想は”解答”であると同時に”出題”でもあって、この惨劇を経てローランとオズが何を考えて絵を仕込み、エダマメがどう受け取るかが、僕の中では大事である。
つまり、次回見ないとなんとも言えない。
ドロシーとの輝かしき日々、その破綻。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
それがローランを決定的に歪め、彼の生き方を決定したのはよく判った。
しかし僕がこのお話見る足場は結局エダマメくんにあるわけで、過去から繋がる現在、そして未来がどうなるかで、長めの回想の値段も決まってくる。
親父が獄に繋がれ、すっかり歪んでしまったエダマメくんのカルマを開放するために、一味に入れたのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
それとも今の仲間は、”みんなが笑える詐欺”という、ドロシーの夢物語を再演する代用品なのか。
オズが病室で交わしただろう会話含め、まだ伏せ札は多い。それが、かなり決定的なカードでもある。
そこら辺が明かされるのを楽しみにしつつ、今は現在と未来に繋がる過去を噛み砕いていこう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
結局、ここ数話で明かされた過去はエダマメ君の(密接しつつも)外部にあって、これを彼がどう受け取り、どう振る舞うか…に、僕の焦点があるんだな。
ここら辺、どのキャラに視聴の足場置くかで変わりそう。
エチオピアのクイーンを、人買いに売って戻して大儲け。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
オズが書いた最後の魔法は、壮大な大風呂敷…だからこそ、穴も随所に空いている。
そこから水が漏る前に、嘘を貫き通せるか。コンフィデンスマンのビジネスは、途中までは順調に回る。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/R92uUzKCZq
京都での襲撃の際、シウォンがさり気なく『殺すほどじゃない』と周囲を誘導して、自分たちのスタイルを護ろうとしてる描写が好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
『ああいう細かい心理誘導を多数カマして、ビジネスを成功させてるんだろうな…』みたいな肌触りのある演出だった。
ローランの詐欺師人生、一大リベンジである朱雀との仕事は、おそらく意識して過去のビジネスと重ねられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
褐色の女王を質に入れて、売れ口から出して大儲け。それが船の上の殺戮で失敗するところまで、重なり合って演出されていく。
運命は繰り返すのか。現在は過去の代用品でしかないのか。
そんな疑問に”NO”を突きつけ、光のある方へ進んでいくのがこの物語のオチになりそうではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
なので、監禁ビジネスも昔は汚く、今は外面整えて綺麗である。いかにも荒っぽいドロシーの牢屋と、形だけ綺麗にした子供らの牢獄、どっちも本質は変わりゃしないんだけどさ…。
朱雀と龍虎帮が突きつけてくる、洒落も嘘も通じない”犯罪”の手触り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
そこにロマンと笑いを交えて軽やかに踊ろう、というのが、シウォン→ドロシー→ローラン→エダマメ? と継承されてきた、一つのスタイルだ。
だがそこにはロマンティックなキスだけでなく、糞と害虫のリアリティがある。
鉄格子越しのロマンティックな口づけが、おまるの隣で行われる悪趣味は、この作品らしい絵面だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
ローランとドロシーが演じる夢は、いつでもクソと隣合わせなのだ。
『お前ら、お姫様王子様ってツラかよ』と、作品はシニカルに、自分たちが描くものに問いかける。
それがポーズか、真正か。
エダマメ含め登場人物、軒並みろくでもないクソ犯罪者であるという事実に、作品が向き合う気があるのか、ないのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
その確信を得られないままここまで見てきて、”ある”という期待感があるからここまで観ている。
一回本気で、作品ぶっ壊れるぐらいの本音で、ロマンをぶっ叩いて欲しいんよな…。
そうすればこそ、悪に囚われつつ善を求め、他人を騙しつつ仲間を大事にしてしまう”それでも”に、熱も重さも生まれる感じするし。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
そういう意味でも、オヤジの長い告白を受けてエダマメ君がどういうリアクションを見せるかが楽しみだ。
こうして体重乗ってるから、そこを詐術の起点にしそうでもあるが。
未来はさておき、過去は約束された破滅へと突き進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
嘘から出た真が全てをぶち壊し、詐欺師達はそれぞれの場所で、それぞれの決断を果たす。
繋がっていたように見えて、壊れる時はあっという間。後の始末は自己責任で。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/uXrhDEXn2H
詐欺師稼業の危うさが、ワッと襲いかかってくる薄暗いカタルシスが、暗い画面にはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
東京、ソウル、香港。それぞれバラバラに離れて進んでいく破滅も、この作品らしい国際感覚と孤独感を活かしていて、結構好き。
一回目は、こうして終わっていく。じゃあ二回目は?
そんな疑問も浮かんでくる。
あくまで一匹狼、死ぬも活きるも独り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
そんな題目を背負い込んで、ドロシーは己が死ぬこと…あるいは死を演じることで、ローランを活かそうとする。
詐欺師が最後に魅せた最高の芝居に踊らされて、劉はローランを疑わない。
©WIT STUDIO/Great Pretenders pic.twitter.com/wme8D62yWn
オズは待ち望んでいた”お家”から薄暗がりに追いやられて、家族の顔は見れない。悪名の泥を息子に跳ね飛ばしながら、牢獄で命を守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
シウォンは己の死を演出し、しぶとく生き残る。
こうして繰り返されると、まぁドロシーも死んでねぇよな…ラストのどんでん返しに使うネタかな?
そこら辺のメタ読みはさておいて、ドロシーが中国語を喋ることで劉の怒りを自分だけに向けさせ、状況をコントロールしていくのは面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
”通訳”という仕事からローランを外して、侮っていた相手に言葉が筒抜けだった驚きをテコに、自分の用意した舞台にノセていく。この手法は、最後まで共通。
それが死中に活を掴むための賭けなのか、死をもって希望を残す最後の魔法なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
どっちにしても、ドロシーの死…そこからの再生が、ローランの在り方を決定的に決めていく。
水底に沈んでいくドロシーを包む、エメラルドの光。魔法はまだ続く…のか?
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かつて復讐の刃をその身で止めたように、生き延びてしまったローランはナイフを妄想の中で弄び、現実で収める。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
騙し、殺さない。
そのルールは骨の髄まで刻まれてて、もう殺戮のリアリティには身を浸せない。
そう自分を作った存在は、泡のように消えてしまった。ドロシー、人魚姫でもあるか。
ここら辺ルイスを殺しかけ、エダマメが体張って止めたアビーちゃんと、重なるネタでもあるのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
全然別物なのに、どこか似通ってる。同じ運命をたどるようで、何かが入れ替わってる。
三章分の物語を過去回想に重ね、反復と変化のリズムで再演してく手法は結構好き。
ドロシーが憎まれ物の一匹狼を演じることで、生き延びてしまった詐欺師二人。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
大事な人がいなくなっても、人は生きてしまえる。お母さんが亡くなった後のエダマメと同じく、ローランも雲間の光を掴み、新たな生を生きようとする。
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それでも”騙す”というスタイルから抜け出せないところに、ローランとエダマメ、オズに共通するカルマがあるのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
死んだ友の仇を討つ。善なる目的のために選び取ったのは、結局”犯罪”でしかない。
今度は自分が導き役になって、最強の一座を組み上げる。
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獄中のオズに繋ぎを取ってることからして、この朱雀の事件…ともすれば、エダマメを一味に引っ張ってきたことまで、魔術師二人の描いた絵だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
仲間集めからご苦労なことだが、素直に色々告げてりゃ防げた不幸も、山とあるだろう…とは思う。
でもま、”マトモ”に活きられないから詐欺師なわけで。
否応なくそういう業を持ってしまった自分が、ドロシーに救われたから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
まったく胡乱なやり方で、アビーやシンシアを拾い、エダマメを的にかけて、騙して救われる大仕掛けを、わざわざ用意した。
それは最後の大仕掛けで過去のリベンジを果たし、自分が開放されるため。
…っていう絵で良いのか、ここまで晒されてもローランを信じきれない自分を、正直持て余している。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
アイツ嘘つきすぎだから、何枚裏があるか確信出来ねぇんだよなぁ…。人間のカルマを蒐集・生成して嘲笑う気質は、絶対作りじゃないだろうし。
そんな仕掛けの裏側で、バッチリ歪む枝村家。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
帰りたい、帰れない。
そんな親父の心根を、知るはずもない我が子の声。
真人くんが消えるのを待って入った病室で、オズは妻に何を告げたのか。少なくとも、子供にゃ届いてねーゾ。
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どう考えても取り返しがつかないレベルでオズはやらかしてんだが、そこを許さないとエダマメくんは先に進めない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
彼自身がシンガポールで、アビーちゃんを復讐から解き放って一緒に空を飛んだ以上、”許す”難しさはエダマメに帰ってくるんだとは思う。
それにしたって、やらかしすぎだろ…。
ともあれ、運命は渦を巻いて振り出しに戻る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
金髪の悪魔に集められた悪党共は、みなこの事件のために。”父”達が敷いたレールは、墜ちたエダマメの足元に。
さて、物語を運ぶ大仕掛けが一つ顕になって、主役はどう動くか。待て、次回。
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という感じの、長い回想であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
ここまでの物語が、一味の過去と心情を掘り下げる土台であったように、この最終章はローランの過去と思いを暴き、彼もまた傷追い人であったと描くためにある。
それと同時に、それぞれの物語に決着を付けるクライマックスでもある。
ドロシーが死んでるとなると、それを取り戻したいローランの”終わり”は満足できる死…になるけど、『殺しはやらない』というルールは詐欺の被害者だけでなく、コンフィデンスマンにも重なってる感じはある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
ドロシーが死を演じ生を掴んでるなら、過去を越えて活きる道が、ローランの結末だろう。
ここら辺は最後も最後の伏せ札なので、見通さないと判らんけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
あの金髪クソ野郎も、色々あってクソになったということはよーく判った。
その上で、『殺しはやらない』というルールから一人ハズレた人がいる。
エダマメのお母さんだ。
最後まで夫を信じ、それでも運命の荒波に傷ついて斃れてしまったその重さで、エダマメの人生は歪んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
その取り返しのつかない重さは、どんな詐術でも騙せない。
これでお母さんまで死んでなかったらなかなか困ったものだが、そうなると話の背骨がへんにゃり曲がるので、多分ないと思う。思いたい。
『ドロシーもいいけどよぉ…お母さん死んでんだけど!』という息子からの(そして、彼に共感する僕からの)ツッコミに、オズとローラン、二人の父にして魔術師達は、どういう答えを用意しているのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
それを受けて、エダマメはどう反応するのか。
過去を許せるのか。
そこら辺が、今後の焦点かなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2020年12月1日
ここまでの物語を反復・変奏しながらまとめに掛かってる話運びを見ると、ロンドンで見せた『心地よく、過去と指切りして別れる』描写が、一つの道糸になりそうではあるんよな…。
かくして過去は終わり、焦点は現在と未来へ移る。
次回も楽しみです。