SK∞ エスケーエイトを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
激闘に心を繋いだ戦友を、愛するスケボーを。
踏みつけにするアダムに、レキの怒りが燃える。
”S”の生ける伝説に挑むビーフは、愛の闘牛士にとってはあくまで前菜。
レキの抱えた譲れぬ思いは、果たして怪物に届くのか!?
そんな感じのラスボス(候補)本格参戦、スケボー熱血群像劇第4話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
人を傷つけるスケボーしかしねぇアダムがどんな人間か、しっかり見せるエピソードであり、どんだけ性根が歪んでいても否定できない、圧倒的なトリックで魅せる回でもあった。
大人世代との因縁も煮込んで、とても良い感じ。
ここまでの三話でレキ達が育んだ、楽しく心弾むスポーツ&ホビー、スケートボード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
死別の悲しみや才能故の孤独すらも吹き飛ばせる、最高の遊びは他人を尊重すればこそ面白い。
レキが真っ直ぐに熱く体現してくれるものを、アダムは素足で踏みにじる。
”S”が対決の場である以上、レキの正しさは勝つことで証明する形になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そしてスケボーがトリックで魅せる審美競技の側面を持つ以上、技術それ自体に善悪はない。
アダムの怪物的なトリックは、観客を酔わせ湧き上がらせる。
悪かろうが他人ナメてようが、強いものは強く美しいものは美しい。
そんな風に咲き誇る悪の華の魅力を、素晴らしい疾走描写とヒリつく日常の重ね合いで、見事に描いてくれた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
うら若いレキを蹂躙し、翻弄するアダムは暴力的にセクシーであり、エロティックな香りを上手く漂わせて、ヤバい感じをより強くしてくれた。変態性の使い方が上手いんだよな…。
同時に肯定されちゃいけない悪だってのもよく伝わって、さて、こいつにどう勝つか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
チェリーとジョーとの過去の因縁、身勝手な幼年期に彼を縛り付ける家の事情なども見え、次回のビーフが楽しみになった。
レキは負けちゃったけど、一生ミヤの思いを守ろうと体を張ってて、ほんと偉いと思う。
というわけで、仲間とスケボーと年下、レキが大事にしたいものを全部踏みつけにするアダムに、ビーフを挑むところから開始。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
アダムが価値なしと罵るもの…レキが本当に大事にしたかったものが、間違ってないと証明するための戦い。
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それにレキが踏み込んでくれた時点で、ミヤはかなり救われたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
なので、瞳を伏せた状態から顔を上げて、そこに希望を見る。
その変態性も込みで、アダムが『なってはいけない大人』『大人のなりそこない』と描かれているのに対し、レキは自身子供でありながら『なるべき大人』の顔をしている
『他人を空っぽとか言うんじゃねー! 取り消せ!』というレキの抗議は、ミヤがずっと否定したくて、しかし家庭も学校も友達も判ってくれなかった思いであり、同時に競技者としての自分を引っ張り上げてくれたアダムには、言えない言葉でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そういう子供の秘めた思いを、代わりに言ってやる。
誇りを取り戻す戦いを、自分の体で引き受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そういう正しいプライドが、レキにはある。
一方アダムは抗議をスルリと避けて、ランガに顔を寄せる。
ここでのボードの扱い一つで、彼がただの変態ではなく、悪魔めいてスケボーが巧い変態であることがよく判る。
動きの説得力、トリックの強さを色んなシーンに混ぜ込んで、アダムを描く柱にしているのは強いな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
スケボーで全部が決まる、ホビアニ文法で動くこのアニメ。闘牛士要素や変態要素の良いケレンだけでなく、”絵”に支えられた競技の強さは大事であろう。
というわけで、決まってしまった神様との大戦。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
すっかりマブダチ距離感のランガとレキに、割り込む頼れるお兄さん。
伝説の当事者が、微かな後悔を込めて語るアダムのヤバさ。因縁がメラメラしてきたわよ…。
青い炎に包まれる心臓は、”BANANA FISH”のED思い出すね。
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ジョーがアダムを語る時に匂わせる後悔は、彼らもまたレキ達のような青春を共有し、それが上手く行かなかった過去を思わせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
10代ボーイズ(+シャドウさん24才)の現在進行系な青春と、並走してくすぶる、おじさん達の終わってない関係性。
それが拗れて、スケボーで他人を潰す悪魔が生まれた。
レキもまた、競技続行不能の警告に瞳を伏せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
しかしそれは、未だ描かれざる過去に関わっているらしい。お前もまた、巨大感情に囚われしもの…。
それぞれの過去が錯綜しつつ、その震えが胸の奥、譲れぬものを震わせる。
ラーメン屋は因縁と信念が上手く交錯する、とても良いシーンだった。
一方アダムは豪邸に帰り、叔母達の歓待を受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
議員バッジを付けた幼稚園児のように、アダムを縛る母なる檻。家名と愛が、怪物を育む揺り籠か。
叔母達の表情は見えず、アダムは笑顔の仮面を付けている。あ、秘書さんも感情デカい感じだ…。
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議員の仕事を報告させられ、結婚相手すら押し付けられるアダムの”家”は、相当に歪んでいる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
彼の自主性を認めず、見せかけの愛で溺れさせる子供扱いを、アダムは従順に受け入れ笑顔を返している。
ここではアダムは大人になれないし、自分らしくもいられない。だからスケボーをやり、”S”を作るのか。
タバコを投げ捨て、セックスと暴力が入り混じった態度をレキに押し付けても、彼は不自由な子供、糸の切れない人形に見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
だからチャイコフスキー”くるみ割り人形”の一節、”金平糖の踊り”のモチーフがテーマに引用されてんのかなー、とか思うけども。
ランガのお母さんは、息子が自分の意志で新しい友達と食卓を囲み、自分から離れていくことに微笑んだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そういう闊達な距離感は、アダムと叔母、家名の間にはない、ということだ。
彼がアフタヌーンティーに手も付けていないのは、なかなか象徴的だ。母なるものの糧を、口に入れるつもりはないのだ。
一方若人たちは、超健全な関係性をビシバシ結んでいた。ええぞええぞ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
プロアスリートとして、既に自制が身についてるミヤが、レキのトレーナーを買って出る展開…眩しいぜ。
自分を孤独に追い込んでいたストイックさを、仲間と共有できる様になったのは良い。
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つうか望まぬ孤独に追い込まれる中で、自衛のために選んでいたツンツンな態度を崩して、体重を預けてもいいと思えるくらいに、レキ兄ちゃんへの信頼と愛情が生まれてきたんだな、って感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
それを生み出したレキの誠実さは、別に好かれてほしくて作った態度じゃない。
ただただスケボーが好きで、心から楽しみたいから仲間を応援した。本気の戦いの中で見えた悲しさを、無視できないから手を差し伸べた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そんな燃え盛る自然さが、レキの魅力であろう。
ナチュラルに他人のことがよく見えて、しっかり手を伸ばせる。それも、過去の失敗あってのことか?
そこら辺は先の話として、まー広海ちゃんが相変わらずあざとい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
店長さんに恋などしつつ、妙に慕ってくる若造を袖にも出来ず、ブツクサ言いつつも面倒を見てやるこの人、2億%善人…。
”S”に向き合う時は、メイクと衣装キメるの好きですね。
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彼は”S”が相当好きで、そこがエンタメとして盛り上がるよう、意識して”悪役(ヒール)”をやってるんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
レキのスケボー燃やしたのも、『”S”界のアンチヒーロー』という、周囲と自分が求めた役割を本気で徹底し、気合を入れて嘘を付いてるからこその行動だろう。
そのスイッチを入れる儀式が、白塗メイクなのかなー、と思ったりもする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
それは笑われるべきピエロの扮装ではなく、プライドのある悪役武装なのだろう。
アダムにとってマタドールの衣装は、そういう役割を持つのか、否か。
ここはなかなか判別がつかない。自由へのスイッチなのは間違いないが…。
プロであるミヤくんにとって、スケートの技量は絶対の基準(の一つ)である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
アダムは僕を上手くしてくれた。だから、大事に思う。
このシンプルな価値観は、頼れる誰かを孤独の中で求めていた気持ちと、静かに重なっている。
その信頼を、アダムは素足で蹴り飛ばしてしまう。
それはミヤが何度も叩きつけられてきた現実で、『そんなもんさ…』と飲み込もうとしたところで、レキの背中がせき止めた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
お前は、お前がホントはそう信じたいように、孤独でも空っぽでもない。
そうしっかり言ってやれる男(ひと)は、やっぱり偉いと思う。
アダムを包囲する家庭事情を考えると、ミヤに投げた言葉のナイフは、彼自身の心を抉った凶器でもあんのかなー、って感じだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
強さ故の孤独も、押し寄せる空虚も、汚ぇ大人の無理解に見えて、見えぬ鎖に縛られた子供の悲鳴、その反射なのかも知れない。ただの性格極悪な変態かもしれない。
そこら辺を探るのに、チェリーとジョーの腐れ縁、共有する過去が鍵になりそうだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
まーたイチャコライチャコラ凄いことになっとるけども、彼らもくすぶり続ける青春の決着を、ボードで付けたい気持ちが強いんだな…。
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頑是ない茶目っ気を随所に匂わせつつも、二人は競技と対戦相手へのリスペクトが振る舞いから匂う、『あるべき大人』として描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
彼らがAI書道家、あるいは料理人という”仕事”を手に入れた時の流れに、アダムは置いていかれているのか。
旧友同士のビーフが、時計の針を進めるのか。
上手く話の奥行きを広げつつ、しかし今回はあくまでレキのビーフである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
泥臭くトリックを鍛え、怪物に挑む足腰を鍛える。
騒がしくわめきつつ、ワイワイと食卓を囲みつつ7,あるいはため息まじりシートに眠りつつ。
子供たちの夜は、熱く優しく更けていく。
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あんだけ孤独に悩んでいたミヤが、ツンツンしつつも仲間に手を貸し、居場所を見つけている姿が眩しい。あとシャドウさんは全てがあざとい。全てが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
ここでランガは友情に寄り添いつつ、アダムの悪魔の技に惹かれている様子を見せる。
ただ、凄い技に夢中になりたい。
レキが人情のために動き回るのに対し、ランガは純粋にトリックに魅了されてる、ちょっと危うい表情が見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
この競技第一主義が、今後物語でどう生きてくるか。
白雪姫を思わせる”スノウ”の通り名と合わせて、気になる所。死を呼ぶ林檎を、その手に取る…のかなぁ?
神との戦いにレキは震え、闇にに道が見えなくなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そこに差し出される、相棒の手。それがあるなら、迷わずにすむ。
画面を覆い隠す障害物、薄暗い世界。
それを裂いて対等な仲間が顔を見せ、薄明の光が画面を満たす。
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レキが何に迷い、何を突破口に光を掴んでいくか、良く見える場面だなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
道が見えないところのライティングとレイアウト、なにかに覆われて先が見えない不安な雰囲気がうまく出ているから、ランガがボードを掴まえて明かりが灯るシーンに説得力も出る。
アクションだけでなく、こういう所巧い
身長差(多分、ボーダーとしての才覚の差)を坂道が上手く補って、二人の頭頂はほぼ同じ位置で視線を交わしている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
ボードが繋いでくれた、確かな絆。国も経歴も、強さも関係ない対等な距離感。
多分、アダムとジョー達が失ってしまったもの。
アダムと秘書さんの視線は、鏡越しにすれ違いながら噛み合わない。仮面をかぶり、叔母達の前では見せない凶暴さを開放しながら、怪物は孤独だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
これに対し、シャドウさんとミヤくんは隣り合わせ、レキも身を乗り出して仲間の顔を覗き込む。
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対戦相手をぶっ壊す、”役割”ではない本物の悪辣。わざわざ調べて忠告する辺、広海ちゃんホンマ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
シャドウさんが”役”として演じている”悪”が、同じ車内で和気藹々と触れ合えるものなのに対し、アダムのそれは洒落にならない。
他人を傷つけ、二度と滑れないようにする。最高の瞬間を踏みつけ、奪う。
『それは良くねぇな…』と思えるのは、レキとランガ、ミヤがスケボーを通じて出会い、分かり合う過程に体温があるからだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
アダムのスケートは強いが、孤独な少年が手に入れた絆とか、心からの笑顔とか、何度でも競える喜びとか…ここまで描かれた”善いもの”を否定してしまう。
同時にそういうスケボーの”善さ(として、作中描写されているもの)”を否定すればこそ、アダムは越えるべき壁たりうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
切れ味の良いアクションに、しっかり基本的な価値観の衝突、譲れない思いの強さが絡まって描かれることで、ドラマは強い熱を込めて駆動していく。
勝負の前にミヤが『止めよう…俺なら大丈夫だし…』って言い出すのも、またそんな表現の一つで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
アダムが振り回した言葉のナイフでめちゃくちゃ傷ついてるのに、せっかく出来た友達を壊されたくないから、自分を後ろに引いてしまう。
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『み、ミヤきゅん…優しさと愛おしさの巧い使い方を、まだ知らない少年…』と、オッサンはキュンキュン来ちゃったけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
自分が我慢すれば、諦めれば、友達は傷つかない。
そんな”いい子”の仕草でずっと傷ついてきた子供が、必死に握り住める拳を、レキはやっぱり見落とさない。
その上で、あくまで自分のやりたいように。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
スケボーは自由に飛ぶ。ムカつくやつには、自分の責任と覚悟で一発入れる。
そうやって、ミヤの事情を自分に引き寄せ、重荷にならないよう身勝手に舞おうとするレキの在り方が、ひどく眩しい。そら、お目々キラキラなるわ。
異国に寂しさを抱えて流れ着いたランガも、レキのこういう気質に救われたのだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
そうして出会ったボードの魅力、飛翔する新しい世界は、しかし独特の魔力を秘めてもいる。
才に恵まれればこそ、魅入られる高み。そこにランガは一人で飛んでっちゃいそうで、ちょっと怖い。
そして、余裕綽々アダム登場。因縁絡まるレジェンドの乱入もあり、”S”のボルテージは最高潮だ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
ここで『これは俺のビーフだッ!』と、譲れない気持ちを堂々突き立てるレキの主人公力と当事者性が凄いことになってて、大変良かった。マジそういうの大事。
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『その角邪魔だろ…』と思っていたアダムのボードであるけども、レキには角を、ランガには恋を差し出す分かりやすい感情表現のツールにもなっていて、なかなかいい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
まぁぶっちゃけた話、ペニスの暗喩として角が無茶苦茶機能してて、エロティックな色合いが上手く滲んでおった。
ボードがただの道具ではなく、それぞれのスタイルを乗っけるフェティッシュとして作り上げられ、描かれているこの作品。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
走りに直接関係なさそうな凶器が乗っかってるアダムのボードは、彼がスケートに何を求めるかを、静かに語ってもいるのだろう。
飛ぶのではなく、踏みにじることで自由になること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
死の危険を乗りこなすことで、エクスタシーに隣接した優越を得ること。
勝利の証として、対手を壊すこと。
情熱と死の芸術である闘牛を、アダムがモチーフに選ぶのはまぁ、判るなぁ…って感じ。マジ屈折してんなコイツ。
悪い大人の基本仕草として、タバコを吸っての舐めプを始めるアダム。最悪だ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
芝居がかった陶酔から一転、獣めいた低姿勢で一期に滑り出し、圧倒的なスピードで襲いかかる緩急が良い。
アダムの怪物性が、アクションにしっかり宿る。
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この別格の滑りを『凄い』と感じられるのは、やっぱここまで三話(特に第二話)『普通のスケート』というものをしっかり書き、マトモに飛ぶだけでどんだけ苦労するのか、視聴者に追体験させてきた結果であろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
地面に足のついた、現実と地続きのスケートの魅力がしっかり刺さっていればこそ。
アダムの別格はよく届き、不遜で暴力的な態度でも否定しきれない”凄み”を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
主役に立ちふさがる壁は、強くて悪い方が話は盛り上がる。
そうなるように、アクション作画の仕上がり、見せ方で雄弁に語ってくる演出は、非常に豊かだ。
やっぱ、絵がいいアニメはいいアニメだな…。
アダムは圧倒的な実力でレキを弄び、文字通り踊らせる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
ボードに自分の足をつけて制御する自由を、踏みにじる滑り。
隣り合って競うのではなく、自分の思うがままに弄ぶ悪逆。
レキのプライドはズタズタにされ、心が折れかかる。
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ここで地面スレスレに相手を押し込む暴力と、過剰に近い”性”の間合いを持ち込んできたのが、『こうなっちゃいけない大人』としてのアダムの存在感を跳ね上げていて、大変良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
タバコの扱いと同じく、踏みつけにしちゃいけない危ないもの。セックスとバイオレンスを、アダムは玩弄する。
それは青春ド真ん中のレキが飛び越えられない壁であり、それを否定したいからビーフを挑んだ理由でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
相手は強い。ガキの思いひとつ、未熟な実力じゃ越えられない。
諦めかけた世界が、友情に燃える。色を取り戻していく。
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現実の残酷さに負けかけたレキが、ランガが教えてくれた自分らしさを燃やし、ミヤが伝えてくれたトリックでアダムを追い越していく瞬間の輝きは、非常に眩しい。シャドウさんも思わず笑顔だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
四人がワイワイガヤガヤと、追いかけたものは嘘じゃない。絶対に正しい。
の、だが、
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
悪魔のトリックは問答無用でそれを否定し、蹂躙していく。レキの再起を受けて、余裕と悪徳の象徴だったタバコを踏み潰すヘイトアーツが、あまりに鮮明。
レキが必死に滑ったコーナーを、そのはるか上を浮く華麗なトリックで曲がり、追い抜き、逆行する。
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浴びせられる称賛に、跳ね上がるボード。勃起の暗喩やめろッ!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
重力の縛りすら跳ね除ける魔技を受けて、レキの身体は宙に舞う。思いだけでは、越えられない壁がある。努力だけでは、追いつけないものがある。
そう思い知らされて、さて、子供たちはどうするのか。
それが多分、今後の物語のまん中に座るんだろうなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
セックスとドラッグとバイオレンスを、思う存分貪る悪い大人に…正しさを掴めなかった子供に成り果てるのか。
それとも既に掴んだ正しさを信じ、そこに強さを補っていくのか。
戦いは闘士を変えて、まだまだ続く。
つーかダチこんなにされて、黙ってるわけに行かねぇんだよなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
でも話数はまだ折り返しも過ぎてないので、クソムカつく変態を友情パワーでボッコにはできなさそうだけども。
つーかアダムの返り血、処女血の戯画だよねコレ(最悪の感想)
©ボンズ・内海紘子/Project SK∞ pic.twitter.com/wFKvnDTyD2
というわけで、レキがボッコにされて次回に続いてしまいました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
負けてねー! 人間力検定ではトリプルスコアでレキ兄ちゃんの大勝利だかんなッ!!
アダムはな~んでこんな、人を傷つけるスケート変態になっちゃったのか。
今回渦巻いた過去の因縁が、今後答えを見せてくれるのでしょう。
ランガが才に優れ情に疎い主役なので、レキは情に優れ才に劣る凡人キャラ。負けはまぁ、ある意味必然とは言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
んだけども、彼が勝負に挑む前に魅せてた強さと弱さは、圧倒的に正しく眩しい。
震えるガキを守るため、背中に庇える男が負けてるわけねぇんだよなぁ…。
この『負けてるけど負けてねぇ!』っつー状況をどう、次なるビーフでアダムに叩きつけるのか…はたまた悪い大人の壁に跳ね除けられるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
次回も大変楽しみであります。
アダムの悪逆の裏にあるものを、この段階で見せてるのは巧いよなーマジで。だが許さんかんな!!
追記 こういう要素からの想像ってのは、視聴者が勝手に妄想しているもんだが……だからこそ、本筋と重なった時の快楽は強い。個人的には、外れることを恐れずモンモン無駄に考えるのが好きだ。
つーかアダムとスノーホワイト、林檎と堕落のモチーフは共通か。やっぱ接近してく感じかなー…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月1日
最初の男は林檎を口にして知恵と罪を手に入れ、父に反逆した。
白雪姫は毒入り林檎を食べて、死の淵に落ちた。
ここら辺のイマージュを、スケートと青春、悪い大人に絡めてどう使ってくるかは楽しみ。