ゆるキャン△ SEASON2を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ノリと勢い全然OK! 今日も楽しい山中湖ゆるキャン!!
…そんな甘い幻想は、氷点下の現実に打ち砕かれる。
甘い見通し、迫る夕暮れ、凍りつくマグカップ。
携帯電話の充電は切れ、閉まる管理棟遠いコンビニ。
”死”の一文字がリアルに迫る中、三人組の未来や如何に!
そんな感じのハードコア山岳サバイバルアニメ、ゆるキャン二期第6話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
『まぁキャンプやってりゃ、こういう事も当然あるよな!』というヤバ状況が、前回のイヤーな予感を現実にする形で襲いかかる回だった。
光と闇のかき分けが大変見事で、サスペンスとカタルシスの緩急がよく付いていた。
皮膚感覚をアニメートさせるのが巧いアニメなので、ジリジリとヤバい感じ、それが表面化した後の真っ暗闇もまた、上手く刺さる形で演出される。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
創作の体幹がしっかりしてるからこそ、まったり癒やされる空気も、危険な雰囲気も緩急自在なんだろうなぁ…。
シリアスな空気にコントロールされた状況は、優しいおじさんとお姉さんの助け、しまりんのSOSを受けたグビ姉…いやさ鳥羽先生の救援でもって、明るく暖かく楽しい空気に変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
気を緩めて良いものでもないけど、悲しい思い出だけ持ち帰るものでもない。
そんなキャンプ体験を笑顔で受け止め、美味しいものもたくさん食べて終わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
普段と違う調子ではあるが、それが意外ではなく、作品の新しい顔を見れた面白さで終わっていくのは、やっぱり強いなぁ、と思う。
『今回のヤバさも、まぁキャンプだよな…』という納得感が、心地よく腑に落ちる。
つうわけで、まだ日が出てる出だしはテンションも高く、明るい感じでキャンプが進む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
犬のお姉さんに飛行機のおじさんと、後の救いの天使たちとの交流をさり気なく挟むのが、なかなか巧妙なところである。岸辺が既に凍ってる描写とかなッ!
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今回…と前回は後の急旋回を支える伏線が巧妙に織り込まれた作りで、出だしからしてノリ重点、大垣の立ち回りも計画性が薄いまま転がり、微笑みつつも『ん…?』という違和感が随所にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
これが一気に収束するから、午後四時からの焦りにもシンクロできる。
”遺影でイエーイ”一歩手前やぞキミら…。
命の灯携帯電話が、危うく灯るその先で、しまりんは歴戦のキャンパーとして愛用のギアの手入れをしていた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
三人組のうわっついたメッセージから、リアルなヤバさを感じ取る経験値も、似たような失敗を見えないところで重ねて手に入れたのだろう。
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思い返せば一期では、『ニガテ』と言い切っていた大垣部長。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
こういうメッセージをやり取りし、そこに潜む危険を気にかける関係を、しまりんも作っている。
携帯電話は残り少ない力を振り絞り、救命具としての仕事を持ち主が知らない間に果たしていた。
バッテリー残量と生死の境が、重なって見える山中湖サバイバル。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ここら辺の描き方は、やっぱ携帯電話を多様で特別なギアとして、作中大事に演出してたからこそかなー、と思ったりする。
シリアス&シビアに迫る、氷点下野営の悪夢に犬子も顔面真っ青である。寒いし。
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何しろ自然が相手なので、想定を超えたことはバンバン起こるし、備えなければ呆気なく大惨事にもなる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ここまであんま触れていなかった部分に、あえて突っ込んでいく後半戦。
コミカルな表情もナリを潜め、BGMも重い調子に。
さらば、ゆるキャン…こっからは”八甲田山”だよ!(全裸で徘徊する犬子)
とはいえ、ヤバ状況を認識してから打てる手を取りまとめ、弱音を極力抑えて状況を好転させようとする大室さんは、非常に”部長”っぽかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
調子に乗りやすい部分はあっても、仲間のため方針を立て、防寒装備を求めて全力疾走。リーダー頑張れ!
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しかし危機は危機なので、画面はとにかく暗く、光は三人を避けて動く。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
この闇の濃さは、三人が出会ったキャンプのもう一つの顔、今まで明るいアースカラーで遠ざけられてきた自然の色であろう。
それは幸運によって、あるいは事前の準備によって、直面せずに済んだ死神だ。
とはいえ、油断した若人を”それ”に喰わせる作品でもないので、暗中の一燈、人のぬくもりが優しく訪れ、縁が窮地を救ってくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ありがとう、伊豆のお姉さんとおじさん…。
薪ストーブの炎と明かり、”死”が冗句になる安全圏。
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ここの手触りはやはり、三人が追い込まれた闇が濃く描かれたからこそ、しっかり伝わるものだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
旅の感触、風景の匂いを上手く伝えられる表現力は、間近に迫った死の恐怖も、そこから開放された時の安堵も、上手く届けてくれる。
しっかりサスペンスしていて、とても良かったです。
仲間のために必死に走った部長も、暖かな光に守られ息を繋ぐ。いや実際、知らないおじさんとお姉さんがいてくれて良かった…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
既にシェルターを確保できているので、ちょいギャグな><顔も解禁。こういう制御が、細やかで巧いよなー。
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危険な状況になりつつも犯人探しをせず、つうか内心『アタシが悪い…』と三人それぞれ思いつつ、自分のために走ってくれた部長にお礼を言う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
少し照れつつ、芝居がかった態度で笑いを作る大垣部長に、俺もニッコリである。
ゆるキャンキャラ、時々菩薩の顔するのが好き。
寒さと暗さでヤバさを強調してきたので、安全が確保された状況では、湯気とよだれが顔を出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
胃袋の誘惑はこの作品を支える大事な柱でもあるので、緊急事態が終わって”いつものゆるキャン△”に戻ってきた空気も出るね。良かった良かった。
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で終わらず、〆る所しっかり〆るのが巧いところで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
グビグビ飲んでグデングデンになってるだけじゃない、教育者として保護者としての顔を遂に、鳥羽先生が魅せる。
おそらく最悪の状況を想定してただろう、グビ姉のストレスを思うと、”涙”である…。
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グビ姉が駆けつけなくても、優しいおじさんとお姉さんは三人を一晩、温もりの側で守ってくれたとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
しかし山をナメた…つもりはなくとも、結果として油断してしまった行動から何かを学び、より良いキャンプを続けるためには、誰かがビシッと〆ないといけない。
そこを教師であり大人でありベテランキャンパーでもあるグビ姉に担当させたのは、今まで触らなかった要素を掘り返す今回によく見合った話運びだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
教師生活のストレスをアルコールで押し流す、ただのガバガバヤバ呑兵衛だと思ってて、ホントスンマセンした…。
ここでしまりんがメッセージを繋いで、適切に相談してたのも良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
同級生とだけでなく、頼れる大人にもキャンプ活動を通じて、縁が生まれている。
その中間媒介になったのはやっぱり携帯電話で、作品を代表するフェティッシュなんだなー、という思いを強くする。
身を切る寒さの中で己を反省し、あとは楽しく飲むだけッ! 今夜は履くまで飲んで良いぞ鳥羽美波!!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ようやく三人の表情に笑顔が戻り、お腹いっぱい温かいものを食べて、心を満たす。
色々あったけど、やっぱりキャンプは楽しい。
そう思える終わり方。
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まぁガバガバ飲んじゃったし、このまま直帰してもトラウマになりそうなんで、一行は車中で一夜を明かし、美しい朝焼けを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
ここの光の描写はマジで”力”満載で、ゆるキャン△アニメの真骨頂を、真正面から叩きつけてくる。
う、美しい…。
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払暁の光が山肌から静かに伸びて、朝焼け前の沈黙を日差しが上書きしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
その鮮明で穏やかな変化は、ここに来なければ見れなかったもの。
キャンプに慣れてきたという慢心、楽しいからこその浮かれ調子。
それが間近に引き寄せた、冷たく暗い”死”の感触。
反省すべきこともたくさんあったけど、でも『今、ここ、この三人』だからこその繋がりを、共に見上げる景色に焼き付ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
しまりんとなでしこが共有したのとはまた別の、でも同じ様に力強い風景を描いて、三人の旅はEDに入る。
良い終わりや…最後はキッチリ、青春のストライクゾーンに入れる。
なでしこに引っ張られる形で野クルに近づいたりんちゃんに、引っ張られる形で二人と出会った斎藤が、りんちゃん抜きで来た山中湖。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
そんな旅路がどれだけ絆を強くしたか、景色と笑顔を見れば一発で分る。
そういう強い表現で、色々あった旅を〆るのは良いなー、と思います。
EDテーマに乗せて綴られるエピローグも、大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
苦い思い出も、感謝の気持も。
記録し届けてくれる魔法の板に、積み重なっていく人生の記録。
それはあくまで笑顔で、前向きに、明るく。
ゆるキャン△っぽく。
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最後の待受が笑顔でジャンプなのは、この経験が苦いだけで終わらないよう、グビ姉含めて気を使った結果なんだろうなぁ、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
モノを買って使う楽しみだけでも、シビアな厳しさだけでもなくて、日々を楽しく過ごす手触りと、朗らかだが確かな絆を結びあわせて生まれる、かけがえのない思い出。
それは、しまりんとなでしこの元にも訪れるのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
携帯越しに繋がるときの空気が、当たり前でありながら何か…何か”特別”を孕んでいて、すげぇ書き方だなと感心する。
なんなんだろうな、このスケッチから立ち上る”気”は…何気ない仕草に、生活感と愛が見える。
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なでしこ決意のソロキャン宣言は、二人にどんな風をもたらすのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年2月12日
確かな足取りで未来へ進んでいく少女たちの、存外山あり谷あり青春絵巻は、まだまだ続く。
今回志摩サン、”人命”救っちまってるからな…元から高値の株が、究極的に高騰して次回、二人の青春時間。
楽しみですね。