呪術廻戦を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
颯爽として激烈な対抗戦を終えた悠仁達は、彼らの日常に戻る。
八十八橋の呪い、絡みつく因縁。
ヒタヒタと迫る呪霊から大切な人を守るべく、恵は独りきりの決着を目論む。
その両隣に、並び立つ友。その眼前に、立ちふさがる影。
闘争こそが、呪術師の日常なのだ。
そんな感じの新章開幕な呪術アニメである。このエピソードで〆…って感じかな?
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
爽やかに京都の連中と交流してた対抗戦が清々しいホームランで終わり、じっとり薄暗い呪術廻戦が帰ってきた!
バトルと青春もいいけど、やっぱこのネトネト感が”呪術”って感じ。対抗戦に足りなかったのは、一般人の惨死だ
自分はスタイリッシュなバトル作品を分解する酵素が少ないので、このお話も”呪”の文脈で基本読んでるんだけども。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
正体も原理も不明なまま、おぞましい痕跡を残して人を殺す八十八橋の呪霊はいい具合に怪奇で、今まで摂取できなかった栄養分を久々に補充した感じがあった。
京都の子らは呪いを生まない素直な精神構造だったし、敵さんも威力偵察と嫌がらせを終えたらソッコー帰ったので、なんかフツーのジャンプ作品な味だったんだよね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
(なお”フツーのジャンプ作品”なるものは、幻想の中にしかない模様。大概どっか歪で、そこが面白さである)
知らず禁域に踏み込み、時を置いて呪いが発動し、為すすべもなく殺されていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
そんな日常と呪詛の接点に飛び散る恐怖と殺戮を、なんだかんだ求めてたんだなぁ、という感じ。
呪いは人を喰う。呪術師はそれを祓う。
この基本ルールは、一般人の血の絵の具で描かれたほうがやっぱ鮮明になる。
すっかり貫禄を付けた三人組が事件に切り込んでいく様子も、日常の裏から日常を守る呪術師のスタンダードが見れて面白かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
”お仕事”としての呪術師のリアリティが深く掘られると、作品世界をより解像度高く感じることが出来て、なんか嬉しい。一般人はバコバコ死ぬが。
そして事件は他人の事件で終わらず、伏黒くんの大事な人を的にかける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
当事者性があったほうが必死さが宿るし、義姉好きすぎる伏黒くんのまつ毛も濡れるからな…。
宿儺といい、あの世界は伏黒くんの曇り顔が好きな存在が多すぎだと思う。俺も好き。
彼の闘いを自分に引き寄せ、危険を承知で領域を踏み越える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
始まりの三人で久々に挑む事件は、ここまでの物語が何を生み出したかをよく見せてくれて、そこも良い。
どんだけどす黒いものが世界に渦巻こうとも、基本は友情・努力・勝利。
画角は独特だが、やっぱりジャンプ作品なのだ。
というわけで、学校行事では書けなかったホラーな演出からお話は開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
やっぱこのおぞましさ、緊張感はたまらない。
『何故か扉が空いている』という、呪霊の残穢が意味わからない所が大変良い。怪物に理屈は不要だ。
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しかしそれはあくまで一般人目線で、呪いには特定のルールとロジックがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
世界の裏側にある”それ”を読み解き、ヒントを手繰り寄せていくのも呪術師の仕事である。
今回バトルやらない分、推理や交渉を積み重ねて事件に迫るリサーチの面白さがたっぷりで、そういうの好きな身としてはありがたい。
新田ちゃんの補助などありつつ、野薔薇たちは既に一端の呪術師で、事件に切り込んでいく足取りも手慣れたものだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
被害者の共通点を推測し、現場に足を運び、手がかりが潰える。
不鮮明な事件の何処に、呪霊が潜むのか。何をすれば、人命を守れるのか。
足と頭を使って、式を完成させていく。
そういう領域には呪力の有無は関係なく、監督役がいい仕事できるのは面白いなー、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
同時に非能力者に出来るのはリサーチだけで、殺し合いは特別な才能を持った超人たちの領域でもある。
主役に異能無双を担当させつつ、こういう陰りと矜持、役割分担も書くのは好き。
お仕事としての呪術を積み上げられると、社会の中で虎杖くん達がどういう存在なのか、虎杖くん達が社会とどう関わるか、双方向の接点がより強く見えてくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
そこに、『呪術がある世界』をシミュレーションする面白さがある。社会SF的な面白さが、リサーチ描写から見える、というか。
同時に地道な調査は主役たちの地縁、因縁も顕にしていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
自分のことを喋らなすぎる伏黒くんの、地元での活動が一旦途切れた謎を繋ぎ、呪いの輪郭が見えてくる。
自殺の名所、八十八橋での度胸試し。ありふれた青春の暴走が、開いた地獄の蓋。
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今回の事件は高専でド派手に暴れてた時にはなかった、呪霊が見えない側の視線がよく描かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
彼らにとっては日常の風景が、呪術師から見れば呪いの坩堝で、知らず障った禁忌に為すすべなく殺されていく人を守るために、呪術師は平穏を装いながら真実を探っていく。
やっぱその地道な手触りに、自分は呪術廻戦”っぽさ”を感じてんだなー、と今回思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
当たり前の人間が、当たり前に生み出す負の感情。
どんな善人でも人である以上避け得れない業が、形をなして人を喰う。
そういう話である以上、モブだらけの社会をどう書くかが、自分的に大事なんね。
真人が弄ぶ犠牲者に、自分を死に至らしめる呪いは見えない。何も解らぬまま縛り付けられ、怪物の苗床になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
これ、高専からパクってきた九相図か? 次回以降のバトルの中で、奴らの性格とかも解ってくるんだろうが、相変わらずロクでもねぇなツギハギ人間…
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運命が再び縁を結ぶ中、呪術師達は地道な調査を続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
現地に足を運んでの調査は空振り。
しかし伏黒くんの抱えた奇縁が、重大なヒントを教える新たな犠牲が、間近にいることも。
やっぱ犠牲者の怯えた表情は、呪霊の怖さを教えてくれてありがたい…(クズ)
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『論文執筆に赴いた大学生と、その補佐』というカバーストーリーで調査を覆い、角が立たないように情報を引き出していく新田ちゃんが、熟練を感じさせて良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
こういう小芝居を挟むことで、呪いの真実は世界に広がらず、ノンキに肝試しできる日常は維持されている。
当たり前の会話を擬しつつ、交わされる鋭いアイコンタクト。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
三人も呪術師として立派に成長を果たし、しかしその心は当然揺れる。
芝居を終えたあと、ガッタガタになってる表情が最高に良い。そんなに義姉が好みのタイプかー!
…そら、葵ちゃんには言えねえわ
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伏黒くんは自分の無力も、希望を抱きすぎる辛さも知っている。全てを救いたい。そんな思いを誰かに預けることが、呪いになりかねない難しさも。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
だから一人で抱え込み、一人で傷つこうとする。
しかし真実を抱え続けるには、彼の感性はあまりに柔らかく、友人たちはそんな彼を放ってはおけない。
想定される被害者が増え、呪霊の等級が上がる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
自分たちの手には余る任務を前に、引くか、進むか、下がらせるか。
伏黒くんはかつて宿儺と対峙したときのように、やっぱり一人で抱え込もうとする。
しかし、もう一人ではない。親友には、特攻もバレバレである
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重荷をわざわざ抱え、共に死地に飛び込んでくれる親友の思いがようやく、少年の心をこじ開ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
自分が守りたいもの。闘う理由。
それを明かした時、伏黒くんは微笑む。
多分、ずっと誰かに聞いてほしかったのだと思う。
彼は優しいし、大事な人の話だから。
かくして集めた情報によって暴かれた手順を踏み、境界を超える
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
祓う理由は山とある。生き残る術も。
覚悟と友情を腹の底に鎮め、踏み込んだ領域。そこに現れる、謎の呪霊。
闘いは不可解な運命を巻き込みながら、熱を高めていく。
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呪霊が引き起こす事件は、一般人には見えない。わからないから対処も出来ず、原因と結果が繋がらないまま犠牲にされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
しかし力には縛りがつきまとい、呪術師達は呪いのルールを調査し、推察しその姿を確定させる。
理性と行動。
人間が最も人間的でいられる、強力な武器。
それを活用することが、呪術師が呪霊に立ち向かう術なのだなー、と思う回でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
見えない呪いがどんな存在なのか、理解することが超越に繋がる。
これはグロテスクな怪物に具体されずとも、その母体たる負の感情相手でも同じだろう。
思いの形が分からないから暴走し、呪いを撒き散らすのだ。
ならば自分がどんな気持ちで戦っているのか、一人で抱えず誰かに預けることは、とても強力な呪術になる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
虎杖くんと野薔薇はダチに”それ”を差し出し、伏黒くんは受け取った。
信頼と友情は、ただキラキラ輝くお題目ではなく、死闘をくぐり抜けるための強力な武器になりうる…のか?
そこら辺の証明は、バトルで果たすことになるが。結局暴力で示すのが一番だなッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年3月12日
伏黒くんのシスコンに宿る、かなり緊張感あるマジっぷもよく解って、大変面白いエピソードでした。義姉が好きすぎていつもギリギリ人間…良いねッ!(宿儺スマイル)
かくして始まる闘いは、何を描くか。次回も楽しみ。