ましろのおと を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
師でもあった祖父を失った少年、雪は己の三味線が空っぽであると気づき、ふらりと東京に彷徨い出る。
偶然の出会い、人生の機微、湧き上がる思い。
流れ流れてライブハウス、前座のじょんがらが嫋々と鳴る。
淡雪の如き魂を持つ少年は、この街で何を掴むのか…?
そんな感じの、津軽三味線青春譜、堂々の開始である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
演奏シーンの分厚い情感と、人情パートのサラリとした描き方が上手く絡んで、中々引き込まれる第一話だった。
主人公の物語を点火させる役割なユナさんが、圧倒的に”いい人”なのがグッドナイス。
主人公、雪は祖父を失い、その遺言に呪われながら東京に出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
自分にはなにもない。
そう言いつつも才能は圧倒的で、その音は他人の心をひきつけ、かき乱し、何かを生み出す。
河原での演奏を聞いたレナさんが、己の中の憐れみ、嫉妬を真っ直ぐ受け止め、雪を一旦追い出す所が良い。
レナさんは心が真っ直ぐな人で、それ故捻じくれた芸能界に上手く適応できなかったのだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
その真っ直ぐさが、無縁の雪を助け拾い上げ、彼女が演じる人生劇場に隣り合わせる。
真っ白な雪は、どーしようもないヒモ男と、挫折した夢の軋みが複雑に絡むレナの物語を見て、心を燃やす。
『俺もな~田舎から出てきた超絶ピュアボーイの心に、一瞬だけ触れ合って一生残るそんざいになりてぇよなぁ~』と思いつつ、雪は他人から受け取った色をバチに込め、たまらずかき鳴らす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
彼は心が動いたときしか、三味線を弾けない男なのだ。
その理由として、レナさんの書き方には説得力があった。
イヤだって、自分が16の超ピュアボーイ(お祖父ちゃんが死んじゃってマジ傷ついてる)だとして、22歳のグラビアアイドル(優しい、力強い)が人生メッタにされてる様子を間近に感じて、滅茶苦茶心動くっしょ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
それは恋かもしれないし、人生の同志への共感かもしれない。
ともあれ雪は他人のことにわざわざ首を突っ込み、正しくないことを正しくない、と言う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
言わされるだけの質量がレナさんの振る舞いにはあって、そういうものは多分、祖父と三味線にしか感じなかったのだろう。
だが、東京に出て初手、否応なくそういうモノに出会ってしまった。
心が動くと、雪はバチを握る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
それで追い出され、殴られ、ヒモ男の代理で舞台に立つことになる。レナさんの人生に巻き込まれ、触れ合って、ステージに立つ。
三味線の少し寂しい音色がよく似合う、人情の話運びだ。その触れ合いが、長く続かないのが良い。レナさんは、東京を去っていく。
『もうこれ、雪くんの”永遠”はレナさんじゃん…』って感じだけども。いや、今後レギュラーヒロイン出てくるんだろうけどさ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
ヒモ男は人生を見る目だけは確かなようで、雪が三味線に導かれ、三味線を弾くしか無い人生を歩むことを予見する。
しかし雪の音は、心が動いたときしか鳴らない。
そんな音が人の心を動かすことを、レナさんの振る舞いが、またよく教えてくれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
世界の醜さ、自分の中の汚れと向き合って、道を正して歩み直す。
そうさせるだけの強さが、雪の音にあったからこそ、レナさんは雪と別れていくのだ。
熱さとやるせなさがあって、ここら辺の書き方は大変良い。
果たしてこの東京で、雪は今回出会った音と同じくらい濃く、人間でいられるのか。そうさせてくれるだけの出会いを、この街は与えてくれるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
最後に出てきたなんか強そうな女は、一体どんな展開を連れてくるのか。マージ無茶苦茶だな…母かあの人。
中々先が気になる、いい挨拶してくれる第一話でした。やっぱ赤城監督は、こういう情感にじませると巧いね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
雪が隣り合うドラマが、彼が今後引いていく津軽三味線にどういう色と熱が乗るのか、何を燃料に物語が進むのか、よく教えてくれるスタートでした。
演奏シーンでの勝負の仕方、見せ方も良い。
何しろ音楽の話なので、”音”で勝負できていれば土俵には立てる感じですが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月2日
情を浴びないと弾けない主役を据えた以上、舞台に上がるまでのドラマ、葛藤と感情の爆発が大事になりそうです。
人生の艶と軋みをバチに乗せて、上手く奏じてくれれば…。
そんな期待が生まれるアニメです。次回も楽しみ。