SSSS.DYNAZENONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
僕らの街は埃にまみれ、ひどく屈折しながらまっすぐに青春が行き過ぎていく。
雨の中、クラスメートが試すように約束をすっぽかす。そんな当たり前の日々に割り込んできた、”怪獣使い”を名乗る青年。
ビルが浮き、街が燃える中、僕らは機械の龍に乗り込んで…。
物語が始まる。
そんな感じのTRIGGER×円谷第二弾、”GRIDMAN UNIVERSE”の中核をなす物語、堂々の始動である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
が！
前作GRIDMANと同じく、最初見ただけじゃさーっっぱり解かんねぇっす！
でも街を描く筆、人を切り取る目線は相変わらずのナイーブさで、大変好みである。そういう味が欲しかったの。
ギザ歯がかわいいガウマくんだけが熱血ヒーロー物してて、残りは屈折した家庭環境にいる少年と少女、ヤバい従姉妹に好かれてるクソ無職と、何処が噛み合ってチームになっていくんだか、さっぱり理解らねぇ面々。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
一体何が起こっていて、ここがどういう場所なのか、説明は特にない。
同時にこの置いてけぼりの感覚が懐かしくもあり、皮膚にピッタリと張り付いてくるような空気感は、求めていたとおりな”SSSS”の感触であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
この味わいに惹かれ流されていった結果、前作は最高の視聴体験を頂いたわけだが。
さて、今回も当惑と魅了に流されながら進んでいけるか。お手並み拝見である
出だしからして、背景とレイアウトがバキバキにキマってて最高に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
やっぱこの、都市写真集みたいな手触りで切り取られる風景の良さを求めて、この亜に目を見始めた感じはある。
何処か理解を拒んで遠く、しかし妙に体温があって近い。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/eTMRgCbg7W
そういう風景は、ツツジ台のつるりとした人造感とはまたちょっと味わいが違っていて、何処か埃っぽく汚れている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
ツツジ台の乖離した感覚は、『目の前の現実が、実は電脳世界』つー世界の秘密を反映していたと思っているけども。
当然、この物語でも同じネタを使うわけがない…と思う。
では前作第1話と同じように、核心を隠したままジリジリと進んでいく物語はどんな話なのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
それはまだまだ、全然解らない。
ただ、蓬くんと夢芽ちゃんの物語にはとても小さな、ありふれた家族の裂け目みたいのが、既にくっついて血を流している。
凄く生っぽい距離感で描かれる、不思議でヤバい女の子を遠巻きにする視線。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
当たり前の下校風景が流れていって、夢芽ちゃんが約束をすっぽかす子であり、しかし当たり前に友達がいることが解ってくる。
下足場に乱れた上靴の、生活感ある汚れ方。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/MroRBMNpDn
それがスポッと収まる手触りで、蓬くんの世界は転がっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
とにかくこの第一話、世界が薄汚い。前作の計算され尽くされた汚し方とはまた違う、ランダムで乱雑な生活感が、常時画面に漂い続ける。
情景をどう書くか、凄く気にする作風なので、やっぱここらへんの差異は大事かと思う。
暦とちせの住まう部屋も、ぐっちゃぐちゃに乱れて汚い…が、例えばアカネちゃんの私室のような毒のある乱れ方でもない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
すっげーフツーに、ダメだから汚くなってる感じだ。…脇すんごいねちせちゃんッッ！！
何故二人は、学校からはじき出されているか。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/zkwYPEed20
それも特に、説明は（まだ）ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
同じクラスにいても距離がある蓬くんと夢芽ちゃんのように、同年代でも住む世界が違う連中が肩寄せあって、世界を救っていく話になんのかなー、という予感（と期待）はあるが、さてどうなるか。
異質なものをぶっ込んで生まれる化学反応は、未だちょっと遠い。
作中最も異質（であり、テロップ頭を飾る主人公でもある）なガウマくんと、蓬くんはガード下で邂逅を果たす。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
手渡される卵サンドイッチは、過去作への目配せか、ノスタルジーの起爆剤か。
蓬くんはガウマくんに足を掴まれることで、怪しい影に身を置く。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/iXI0fz4YNH
それを振りほどいても生まれた縁が、後に彼を冒険に誘うことになるわけだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
僕は飢えた人にご飯を差し出す以上の善行は無いと思っているので、ここで蓬くんへの好感度はバチッと上がってしまった。
必死に飯を食うガウマくんの生命力も、好感度高し。彼は飯を食い、恩を感じる命なのだ。
BGMもなしで進んでいく日常に、奇妙な実在感が宿っていくのは青年たちも同じで。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
急に銭差し出してくる”お父さん候補”のヤバい感じを、募金箱に放り込んじゃう蓬くんの複雑な心理とか。
死せる姉の名残を、冷たく撫でる南家の荒廃した空気とか。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/yKLCfYzVZc
色々伝わってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
蓬くんの登場シーンで、彼が金銭に対して結構強い思いを抱いていると描いた。
その上で、差し出された銭をグシャッと投げ捨ててしまう描写を入れることで、彼を取り巻く状況の複雑さ、そのありきたりな（だからこそ重い）手触りもよく伝わってくる。
夢芽ちゃんも彼女の家族も、姉の死を中々受け止めきれずにギクシャクと、思い出をなぞるようにカレンダーを見て、解けないパズルに悩む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
アンクは生命の象徴であり、エジプト十字と見れば墓標でもある。それが絡んで解けない。
ちと、面白い絵解きである。前作のパスケースにも似ている…かな？
とまれ子供たちの運命は複雑に絡んで、すっぽかされる前提の約束が差し出される。怪獣使いの青年は無視され、スルスルと流れていく日常とバイト風景。年上のお姉さんのからかい。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
思い返される、死者になってしまった姉の冷たさ。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/tILllkQCMV
この記憶が、夢芽ちゃんを壊し、約束を結んでは引きちぎるような混乱に投げ込んでいるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
答えはなく、予兆だけがある。
謎めいた少女の謎めいた働きかけが、何を求めているのかは蓬くんにも、僕らにもよく見えない。
この不鮮明で不自由な感覚が、やっぱり楽しい。
かくして約束の午後九時、噂通りすっぽかされて待ちぼうけの蓬くんに、ヘンテコな怪獣使いがすり寄ってくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
このバッキバキな黄色と赤のライティング、最高に良い…。
何もかもが不鮮明な世界の中、ガウマくんは受けた恩義を返し、少女の不義理を問い詰める
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/07NlxesjY0
ガウマくんは傘をささず、蓬くんが踏み込めない距離に思い切り突っ込んでいく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
約束を破るコト、誰かの思いを弄ぶことは良くないと、凄く真っ直ぐに正しいことをいう。
一宿一飯の恩義を返そうと、素直に行動する直線勝負も合わせて、大変可愛らしい。早くも好きだァ…。
対して夢芽ちゃんはビニール傘の向こうに視線を隠し、不義理の理由を話そうとはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
蓬くんも約束に乗っかったワリに踏み込みが甘くて、ガウマくんが間に入らなければお互いすれ違い、向き合うチャンスもないまま雨に濡れて終わっている。
中々真っ直ぐには進めない、思春期のアンチ・ヒロイズム。
それが冷たい雨の中滲んで、どうにもすれ違う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
『ガウマくんむっちゃ良いやつなんだが、思春期ど真ん中の湿り気に対応するにはちょっとヘンテコ』つうのを、”三”の数え方で見せるのはええね。
そんな彼が踏み込めない繊細な領域を、少年と少女は共有する…
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/LaF4VpvotQ
感じを受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
何もかも説明がなく、ただ事実だけがカメラの前を通り過ぎていく第1話なので、中々断言はできないけども。
このフィーリング重点な運び方は、やっぱり肌に合うしありがたい。
ココこそが、自分的にシリーズの肝だと思っているので、劣化なく継承してくれてるのは嬉しい限り。
ひどく繊細な触れ合いとすれ違いは、突如街を燃やした怪獣によって打ち破られる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
一人だけ納得した調子で熱血ヒーロー物語を展開したガウマくんに引きずられ、三人は否応なく機械竜のコックピットに乗り込む。タイツ好き過ぎる奴が、原画に混じってるな…。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/pkRioDcog5
ここでBGMが入って、当たり前に薄汚れ、当たり前に閉塞し、当たり前に魂が触れ合って擦れる青春絵巻が特撮ヒーローものに変わっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
このタイミングもまた、やはり前作第1話と意図して重ねられている感じがする。
ツツジ台での怪獣騒動は、造物主を退屈から救うために、作られた舞台だったけども。
ガウマくんが牽引する新たな闘いは、どんな舞台で、何を狙って転がるものなのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
それはまだまださっぱりわからんが、ダイナゼノンは見栄とケレンをたっぷり背負って、初陣を勝利で飾る。スケール感のあるアクションの見せ方が、大変よろしい。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/ETkzYjVOPy
機龍王の咆哮は街を壊す怪獣を倒し、雨天を切り裂いて晴れ間を引き寄せる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
ガウマくんに感じていた『コイツはグダグダ面倒くさいこと言わないし、感情表現も素直で可愛い…ッ！』という感覚が、彼が操るロボットの大立ち回りで裏打ちされていくのは、中々気持ちがいい。
なんもかんもはっきり言わんと、なんかモジモジ内側に抱え込んで、でもそうして巻き込んだ他人に何も感じていない無神経より、多感にすぎるナイーブこそ表に出てくる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
そういう二人の青春が、謎の怪獣使い操るロボットに乗っかって、どう転がっていくのか。
ジャージキノコ頭のぼんくらはどう絡むのか
解らぬまま、鮮烈な炎に照らされて少年は少女を見て、少女は少年を見た。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
その視線に、約束とその反故に込められた物を知らぬまま、運命は動き出す。
そんな感じの、ダイナゼノン第一話でした。
いやー…どうなるんだろうねッ！？
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第1話より引用） pic.twitter.com/UohnFNtdx5
何しろ自分は前作が大好きだから、似た感じの雰囲気と構成で滑り出し、しかし何かが違うこの第一話、大変良い味わいでした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
しかしGRIDMANではないDYNAZENONには、このお話独特の面白さとドラマ、秘密が当然あるはずで。
そこにセンサー傾けつつ、しっかり見たいと思います。
何しろ説明が少ないエピソードなので、DYNAZENONに乗り込む仲間がどんな連中で、どんな関係を作っていくかもさっぱり読みきれず。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
しかしガウマくんの素直な可愛さ、蓬くんと夢芽ちゃんの屈折した青春模様には、惹かれるものを感じます。
いい意味で空気読めてない異物感が、ガウマくん凄く良い。
ジャージの引きこもり野郎は、怪獣使いの青年とはまた違った意味合いでチームの異物っぽい。従兄弟の存在だけで”勝って”んだよなぁコイツ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月4日
物語の入れ物たる街、そこで踊るキャラクターとドラマは、怪獣との闘いの中で温度を増すでしょう。
物語の形を噛み締めながら、次回を楽しく待ちます。
