ゾンビランドサガ リベンジを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
白き竜の伝説を受け継ぎ、アイドル活動に邁進するフランシュシュ。
佐賀に降り立つ絶対王者、アイアンフリルに挑む日々に、愛の姿はなかった。
頼れるリーダー、無敵のエースを欠いてなお、フランシュシュは戦えるのか。
夕焼けに、滲む迷いは茜色…。
そんな感じの、純愛フリル前後編の”前”ッ! ゾンビランドサガR第3話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
アイドルとしてのデカい舞台と、愛ちゃんの経験値に頼り気味なフランシュシュの現状を上手く絡ませ、昭和のソロアイドルたる純子の特色と強みを彫り込み、衝撃のスカウトで続く。
どっしり腰を落とした、強い展開である。
今回の話運びを見てると、第1話でかなり強引に駅スタライブを大爆死させ、”リベンジ”の気運を作ったのは正解だなぁ、と思わされる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
敗北の結果は借金と『もう負けられないッ!』という気迫として残っているが、失敗の過程はすっ飛ばす。
誰がどう間違えてこうなったか、詳細を書かない。
これ、結構豪腕な話運びだと思うのだけど、一期最終回の”為し遂げた”空気を引きずったまま二期に入っていたら、今回の切迫感が生まれていたか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
過酷な試練に魂を燃やし、『なんとかしなきゃ!』と頑張る少女たちの輝きが、ここまで鮮烈に焼き付いたか。
物語的には、負けてて何もないというのは強みだ
白紙の状況を埋めていく中でキャラも彫れるし、真摯に必死に頑張る姿も描ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
特にこの話の主役はゾンビで弱小アイドル、ハンディを背負った者たちが土を掴んで立ち上がる姿をエンジンにしている。
一期で積み上げたものを、強引にでも一部破壊して新たに始めることが、絶対に必要だったのだろう。
正直第1話だけだと『強引に切り込んだなぁ』という印象も強かったが、しかしそこから続く活かし方が良いので、どんどん『なるほど…』と納得させられている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
成功を蹴り飛ばして逆境を生みつつ、キャラはリセットされていないのがミソである。みんな、一期の物語で得たものは一つも捨てていない。
一期第7話でくすぶっていた思いをサンダーブレークし、ゾンビ三号として現世に”リベンジ”していくことを決めた愛ちゃんは、頼もしいエースとして、アイドルの”今”を肌で知る存在として、グイグイフランシュシュを引っ張っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
そこにはアイアンフリル時代の経験値が、強く生きている。
バイトも交えつつ、順調にアイカツしていくフランシュシュの姿も、大変良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
銃で追われてた一期序盤を思うと、薄いメイクと偽名で自分を守りつつ、佐賀のローカルな社会に馴染んで”生きてる”ゾンビの姿には、ジワッと滲むものがある。
ローカルアイドルとして、社会の一員として。
”人間らしく”何かを積み上げ、一歩ずつ進んでいる手応えのモンタージュは、とても良い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
ド派手な感動力が第一に目立つアニメだけど、凄く地道な生活や情景、それが生み出す変化の積み重ねが上手い。
こういう地道な貯金が、エモーションがドカンと爆発する勝負どころの火力を担保してる感じもある。
しかしアイドル活動に関しては愛ちゃん前掛かり過ぎである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
巽はそこら辺見て取って、あと愛ちゃんのケアを考えてアイアンフリル公演からエースを外す。
後に詩織が指摘するように、彼女の理想はあくまでアイアンフリルにある。最先端で最前線で最強であるからこそ、その影を追う。
それはそれで頼もしい”答え”なのだが、しかしそれがフランシュシュの答えたりうるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
プロデューサーとして、そこが疑問だから巽はエース外しの奇策に出たのかな、と思う。
せっかく時代も背景もバラバラなゾンビ達が集ったちゃんぽんユニットなのだから、メジャーな”今”の最適解だけが答えではない
そしてそんな魅力を引き出すためには、エースに何でも相談する現状から踏み出し、他メンバーがそれぞれの味を表に出せる形を生み出さなければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
巽の狙いは、そこら辺にあるんかなー、と思ったりする。
まぁ第1話で人間宣言したんで、また焦って悪手打ってる可能性もあるけど。
つーか急に水鉄砲FPS始まった後、ゆうぎり姉さんを小さい体でカバーするまさおが描写され、『二期…やってくんだな、”ゆうリリ”を…』って気持ちになった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
自由で元気なたえちゃんの可愛さとか、相変わらず画面の端っこを活かす技術が高い。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第3話より引用) pic.twitter.com/Bu4uZIDS8b
今回ほんと、”フランシュシュの末っ子”山田たえが可愛くて、彼女のファンとしてはありがたかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
ロメオと戯れたり、バケツドラムが上手だったり、たえちゃんが自分を抑えることなく自由に過ごしている…事を、微笑みながら許すフランシュシュ見てると、ほんと嬉しい気持ちになる。
かくして愛ちゃん抜きで動き出す勝負のステージだが、最強ユニットの完璧なシンクロには程遠い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
バキバキに今っぽい”Nope!!!!!”のPVを最初に見せて、フランシュシュシュとの実力差、活かすべき強みの違いをサラッと強調してるのが、ここで効いてた。
『アイアンフリルっぽく』という”答え”がある愛ちゃんに対し、昭和の亡霊である純子ちゃんはエースを任されても、”これ”という指針がない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
夕焼けに身を委ね、センチメンタルに思い悩む日々に思わず、掴んだギター。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第3話より引用) pic.twitter.com/j7Z8Qb9liX
夕焼け色のアコースティックな味わいが、よく似合うアイドルである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
4:3比率の露骨な昭和味はさておき、ここでソロでアコースティックなオレンジが出てくるのは、ちょっと面白い。
愛が見据えている”答え”は、バキバキにボコーダー効かせた、シンクロ重点スタイリッシュな群舞だ。
しかし愛ちゃんの肌に馴染むのは、このオレンジ色の景色とアンプラグドなフォークギターである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
その昭和レトロな味わいがフランシュシュにあるということを、揺らぎではなく強みに変えていくこと。
メンバーが楽しく必死に考えた、ストンプパフォーマンスを活かすこと。
それぞれバラバラな色を混ぜて、活かして、バラエティ豊かな独自性を前に出すこと。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
複数主人公のオムニバスという側面もあるこの物語、アイドルとして音楽家としての”答え”もまた、個別の輝きに求められる気がする。
実際ヤンキーロックやらデスメタルやらミュージカルやら、色々やってきたしね。
自分が時代に置いていかれている心細さを、夕焼けに吐露するメロウなシーンの裏で、さくらのゾンビ首もげ芸が楽しく踊る絶妙なバランス。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
前回のサキちゃんもそうだけど、メンバーの魂の震えを真っ直ぐ受け止めて、手を取ってあげるさくらの純真が眩しい。首もげてるけど。
主役が動死体であることを生かしたブラックな笑いは、アイドルど根性物語に心地いい腐臭を添えて、作品独自の面白さとテンポを生んでくれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
ここもバラバラなものを混ぜ合わせて生まれる魅力の一つであり、次回の後編はそこに帰還していく話になんのかなー、と思う。
五人のメンバーが自分たちなり真剣に考えて、でも楽しく笑い合いながらやってたパフォーマンスが、無下にされないと良いな、と思っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
一期のふてくされ期間を終え、『今ここを活きるゾンビアイドル』な自分に全力な彼女達は、あらゆる瞬間で眩しい。あと可愛い。ホンッットかわいい。
『ド素人なりに、必死に考えました!』感があるパフォーマンスは、完成度と揺るがぬ玉座を足場にするアイアンフリルでは、出てこない”答え”だと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
でもその稚拙な真剣さが、”アイドル”の強さでもあろう。『出来ないからこそ、必死にやってます』という、雛な過程を見せる文化。
現在進行系で、常時全力で、未完成だからこそ永遠で無限な夢。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
そのど真ん中に、色んな角度から切り込めるのは負けまくってるフランシュシュだからこその強みだろう。
ここら辺は、完成された偶像を提供する昭和アイドル≒純子の価値観だと、強みだと認識できないポイントかな?
夕焼けオレンジのメランコリーを象徴色にする純子に対し、愛ちゃんは青と茜の入り交じる複雑な色合いを、己のカラーとして背負う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
一話からずっと思ってるが、マジで美術が良い。それを活かす構図の強さも、ずっと元気だありがたい…。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第3話より引用) pic.twitter.com/yQdBxyrGU5
第1話の巽孝太郎人間宣言とか、第2話のヤンキーの恋とか、二期は的確に、一期で拾わなかった要素を活かして話編んでるな、って感じするけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
アイアンフリルと愛ちゃんの関係も、ずっと気になってて描いてほしかったネタなので、ここでグイと強く踏み込んだのはとても良かった。
詩織は目の前にいる”ゾンビ三号”が、常に追いかけ続けた伝説の初代センター当人だとは知らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
必死に走り、たどり着いた最先端で、背中を追われ憧れを背負う立場になっても、彼女は現在進行系で走っている。
彼女もまた、”アイドル”のど真ん中にたち続けている。
それが理解るやり取りなのは、大変いいな、と思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
アイアンフリルの”答え”を追うこと…それに引っ張られて、愛が元鞘に戻ることがフランシュシュの正解ではないけども、アイドルのてっぺんを走ってる彼女達のスタイルも、当然間違いではない。
そこには王者なりの努力と誇りがあり、そこにたどり着くまでの真摯な歩みがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
誰かに憧れて走ればこそ、誰かの憧れになれる循環がある。
尊敬できる存在として、この前後編のライバルでありヒロインでもある詩織を描けたのは、凄く良いなー、と思うのだ。
ここで詩織が指摘することで、無敵に思えた愛ちゃんワントップ体制の脆さも具体化していくしね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
多層なエモーションをボーボー燃やしつつ、この話の軸が何処にあるのか、鮮明に言語化し共有していく話運びの巧さも、やはりこのアニメの強さであろう。気づかせないけど、相当にロジカル&テクニカル。
迫る期日、足りない実力、見えない答え。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
揺れる純子に突きつけられた、王者からの誘い。
さてフランシュシュ、一大決戦を前に一体どうなってしまうのか!?
佐賀の全てを更地にするほどの純愛弾頭が、次週炸裂するのか!?
大変楽しみである。いや、間違いなくスゴいの来るでしょ。鏖殺でしょ。
ステージの規模としても、揺れるエモーションとしても、問われるテーマとしても太く強くて、二話の尺をどっしり使った勝負に期待が膨らみます。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
やや前掛かりな発火タイミングにも見えるけど、一期でしっかり耕したからな…拙攻ではけしてない。つーか”勝つ”でしょ間違いなく。
初お目見えとなったEDも、80'sテイストをビジュアルに宿し、曲調としてはビーイング系の香り。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
爽やかに見えて、死者の宿命をセンチメンタルに歌い上げる歌詞には少しの切なさと、確かな輝きが見える。
(画像は"ゾンビランドサガ リベンジ"第3話より引用) pic.twitter.com/UebAIdbzyT
こういうパキパキっとしたヴィジュアル・リバイバルはおそらく最近の流行りで、アニメだけ見ても
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
"かくしごと https://t.co/mtaECIfVC6 "とか
"GOTCHA! https://t.co/I2EHJ9RddH
"とか
"GREAT PRETENDER https://t.co/0NcxlfLvpb"とか
"体操ザムライhttps://t.co/wctnKAirUf"とか、色々な場所で元気
時の流れから切り離され、佐賀の砂浜にいつか消える足跡を刻むことしか許されない、死人少女たちの青春。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
はたして、フランシュシュが掴む”答え”はどこにあるのか。
SAGAアリーナこけら落とし決戦、大変楽しみですね。
あと詩織が凄く徳井青空”っぽく”ない芝居で魅せてくれて、大変に良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年4月23日
トロプリの桜川先生とか呪術の新田ちゃんもそうだけど、パッと聞いて気づかせない小器用…というには巧すぎる演技に脂が乗ってきて、なかなかすげーな、と思ったりする。