憂国のモリアーティを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
ホワイトチャペルの騒動を仕組んだ、ロンドンの恐喝王。
フードの奥に覗いた顔を追い、たどり着いた裁判記録。
我利我利亡者の穢れた魂を、その舌鋒で引き裂く俊英こそが己の仇敵と見定めた向こうで、”モリアーティ”も闇を睨む。
決戦の予感に、街は静かに震えた。
そんな感じの、血なまぐさい箸休め回であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
ミルヴァートンが犯罪卿を認識し、”モリアーティ”も敵を認識して、物語がクライマックスに雪崩込んでく準備をするエピソード…だったかな?
まだ身を隠すことをしない、自己顕示ビカビカのウィリアム坊やがちょっと可愛かった。
『その結果身バレしてんじゃねーか!』とガバをツッコんだけども、Cパートで『しっかり計算のうち、自分の過去を探る猫に鈴つけるトラップだった』と後出ししたのは良かったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
あのままミルヴァートン優位で進んでたら、マジでガバだったからな…。
つうか元ネタの”ヴェニスの商人”自体が相当なガバで、一応近代の司法に真顔で乗っけるには危うい…とも思うが、露骨に暴力を示唆しての脅迫で自白引き出して、スルッと証拠として裁判進行してるから、まぁ良いか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
この作品の大英帝国、行政も司法も立法もガッタガタな瞬間あるよね。
だからこそ一個人が世界全ての悪を担い、社会システムをひっくり返さなければいけない/ひっくり返すことが出来る状況にもなるんだろうけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
卓越した個人が巨大なシステムに立ち向かえる爽快感、ナメてた相手にしてやれるスカっと感が大事な話でもあろうしね。
正直自分はそういう所に共鳴する回路が薄いので、作品のメインターゲットとしては不適なんだろうなー、と良く思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
こういうお話、奥行きのない半円型のキャラ造形を(今回みたいに)必要とするけど、”国”つうシステムを扱う時はその単純化が、時折粗にもなろう。
そこを勢いとキャラの魅力、理解っていても面白いパワーと陰影で押しきれるかどうかが(個人的な)勝負所…なんだが、今回はちと圧力弱かったかな、正直。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
頭脳戦っつうかトンチ勝負になってたのは、相手のレベルに合わせた結果…とも言えるか。
ホントガバいよなー、シャイロック裁判。
屋敷燃やして”モリアーティ”になってからは、尻尾を探られぬよう頭を下げて生きてきたわけだけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
そうなる以前の英雄譚は消せないので、自分を探ってくる相手への探査針として利用してたのは、したたかで良かった。
こっからVS恐喝王で、話が転がっていく感じかな?
ミルヴァートンが原典におけるモリアーティ的絶対悪を担当することで、ウィリアムとホームズがどう向き合うか、クライマックスに向けて調整していく感じなのかなぁ…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
恐喝王も今まで薙ぎ払われてきた有象無象と同レベルなのか、それとも牙を突き立てる資格のある巨悪か。
そういう部分含めて、次回以降の連作が気になる運びでありました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
”醜聞”以降モリアーティ一味の義賊的側面が表に出て、ホームズも感づいていて、しかし悪は悪ではあって。
ホームズ自身も、清廉潔白な超越善ってわけじゃないしな…多分大事なのは、清濁の何処に、自分の居場所を定めるかだ。
国を憂う殺戮者と、それを追う探偵の定まらぬ道行き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
ミルヴァートンの存在が、ホームズとウィリアムがお互いを、自分自身を定めるキャンバスになると、お話もクライマックスに向けて俄然盛り上がると思います。
次回も楽しみですね。
追記 今回のエピソード見て分かる通り、イケメン悪党が身内でキャッキャしつつ、ガバを補正してもらいながら転がる荒い話では正直あるのだが、それで終わらない”滲み”みたいのが色んな場所にある所が、なんだかなんだ嫌いじゃない……つうか好きな理由なんだと思う。
”犯人は二人”は原典でも相当強引な終わらせ方をしてる作品だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
推理じゃ追い込めなかったし、唐突に出てきた殺人者がミルヴァートンぶっ殺して終わるしと、なかなか凄いエピソードなんだが、ウィリアムと対比する形で”人間”ホームズを彫り込んでるこの作品が、どうアレンジして使うかは気になっている
全てを計算と偽悪で動かしてきたウィリアムという犯罪機械がほころび、人としての顔、その終わりにツッコんでいくクライマックスへの呼び水として、なんか面白く魅せてくれるとありがたいかな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
やっぱアルバートからの最初の依頼で、その後のウィリアムの生き方決まっちゃった感じあるんだよな…。
ある意味超受け身な、道具的な生き方してんだよねウィリアム。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
世の中良くしたい思いはあって、だから悪党ハメて金取り戻して目立ってたりもしたんだけど、それが大英帝国に蜘蛛の巣貼る悪徳機械つう形になったのは、アルバートが差し出した意思と立場がデカいと思う。
汚れ果てた世の中を浄化していく(そうすることで、汚れていない自分を確認する)カタルシスって、ウィリアム個人の中にあるのかしらと、ちょい疑問には思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
それって貴族社会のスタンダードに適応障害患ってた、アルバート兄さんの欲望なんじゃねーの、みたいな。
白紙のエゴを誰かに侵食されて、個人的な望みを見せずに動き続ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
それを”良し”と出来るくらいに兄弟の縁は強い、って話なんだろうけども、相当次男に甘えてるよなぁ、モリアーティ一家。
僕はその、身内に都合良いおすまし顔の奥が見たいのよ。
暴いておくれよミルヴァートン…そしてホームズ。
…となると、ウィリアムの内心を(おそらく)意図して画面に乗せてないアニメ版が追うべき作中最大のミステリは、『彼は何を願っているのか』つうことにあって、ホームズが”探偵”としてそこにたどり着くことで二人の物語が終わる、って構造なのかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月18日
それは原典通りなら、ライヘンバッハの滝だ。
https://twitter.com/lastbreath0902/status/1394776520141332481