BLUE REFLECTION RAY/澪を見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
憧れの”お姉さま”と契りを結んだ仁菜の、心に燃える黒い炎。
それは陽桜莉を支える、かけがえない思い出でもあった。
曇り空の上には、必ず笑顔の星がある。
そう信じさせてくれた人が今、闇の聖母めいて堕ちる。
遠雷のように、花火が鳴っていた。
そんな感じの七夕女女地獄絵図ッ！ オタクのみんな、ブルリフRが”キレ”てきたぜ！！ な、楽しい楽しい第7話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
尻上がりに加速していくスロースターターアニメが本領を発揮し、不穏と情感で殴りつける演出がマジでキレキレであった。
ブルリフR、”速く”なってきたな…トンチキなだけでなく。
お姉さま率いる面白ダークネス軍団に比べ、主人公サイドがどっかぽやーんと能天気なのは…僕は大好きだけど、作品から緊張感を抜く空気穴だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
しかし陽桜莉の魂を支える姉が、思い出と変わり果てた姿を表し、百の存在しない記憶とも絡むことで、グッと陰影が増してきた。
考えてみりゃ、この作品が扱うネタは思春期少女の心の不安。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
死にたいと、あるいは殺したいと思うほどに揺れ動く危うい物品を扱うのに必要な、仄暗い繊細さが足らなかった所を、本格始動したお姉ちゃんがいい具合にぶん殴ってくれた。
こっから、ブルリフRは更に化けるぜ…。
お姉さまの心に封じられた爆弾を至近距離で受けて、ポカーンと放心してる仁菜ちゃんを詩が煽るところから、物語はスタートである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
ここの言葉遣いが、詩が本当はどんな存在でいたいのか、世界の何が嫌いなのかよく解って面白かった。
自分が言われて痛いことを、人間他人に投げるもんだ。
詩は自分が求めた人が自分を見てないのが嫌だし、純粋な乙女でいられないのも嫌だし、好きな人にヌルいとか言われるのも嫌なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
だから仁菜ちゃんが怒って自分を見るように、そういう言葉を棘と投げつける。
だが、仁菜ちゃんと詩は別の人間なので、その棘は突き刺さらない。
詩は世界に生きる実感が薄く、強い感情を引き起こされる相手は常に特別である。わりと、仁菜ちゃん以外どーでも良い子なのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
だから、仁菜ちゃんが自分に対して怒ってくれると、自分を特別だと感じられて嬉しい。
自分の快楽を投射して、仁菜を理解し、支配し、共存しようとしている。
しかし厳しすぎる人生を送ってきた仁菜にとって、暴力とは相手を黙らせるためにあるのであって、喜ばせるためではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
詩歓喜の仁菜ちゃん降臨から、問答無用の稲妻スタンまでの一連の流れはあまりにブルリフ味だったが、そこには暴力とコミュニケーションにまつわる断絶が、力強く横たわる。
ズレていようが強い感情（の証明としての暴力）が自分に向くことは詩にとって嬉しく、『イヤ…欠片もファッションマゾじゃないでしょ…』という認識を新たにするが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
仁菜の視線はお姉さまと、お姉さまの心のなかにぶっとく在る妹に向けられている。
欲しくても、それが在るなら手に入らない。
ならもう、勝負とかじゃねぇ…殺すッ！
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
今まで飴細工にしか見えなかったピンクの剣は、ここで本物の殺意を宿した凶器へと変貌していく。
愛すればこそ、求めればこそ奪う。居場所がないなら、殺して作る。
そういう剥き出しの熱量に、仁菜ちゃんは突き動かされている。
その殺意は愛ゆえなので、お姉さまが空から降り立てば、恍惚の表情で心の花を捧げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
大事なのは、お姉さま…と向き合う自分であって、実は陽桜莉ではない。
誰かに強すぎる思いを向け、それがすれ違う時に生まれる摩擦と熱量が今回莫大で、大変良かった。仁菜ちゃんはお姉さま好き過ぎ。最高。
死闘を演じる二人を繋ぐ、七夕の思い出。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
パイプオルガン流れる仁菜サイドと、姉妹の過去の思い出がぶつ切りで繋がる違和感が、むしろ異様さを際立たせてキレてる。
花火の音もそうだけど、今回音響を用いた演出が凄く良かった。アニメの全領域で勝ちに行ってる感じで、大変グッド。
平原姉妹も母を失い、曇天に覆われながらも空を信じる子供であった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
陽桜莉の一見無邪気な前向きさは、姉が支え与えてくれたもの。
雨空の上には星があって、世界は必ず笑っていられる。
お姉ちゃんと私は同じ願いを抱えて、この世界を一緒に進んでいる。
連絡がつかなくなっても、だからこそその信念が陽桜莉を支えていたわけだが、奇縁に流されてたどり着いた超常の闘いの中、彼女は愛する姉と敵対することになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
最後に掲げられた短冊は、たった一つ。
肉親との幸せな日常を、何よりも大事にしたいのは陽桜莉だけ。
仁菜ちゃんの虚脱っぷりを思うと、陽桜莉はむっつり黒聖母ッ面のお姉ちゃんの魂に、ぬりかべのようにドーンと根っこをおろしたまんまだと思うが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
少なくとも表面上は、お姉ちゃんは情を振り捨て、心の重荷を奪う信念に殉じて、激ヤバ少女舞台を率いてる。アジトは天蓋ベット付きの教会だッ！！
一瞬咲いて散るはずの、花火が張り付いた異様な夜空から、闇を纏って降りる聖母。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
その闇の救済が、主人公たちが信じる正しさに不気味な抗議を叩き付けるエピソードとして、重さも強さも在る演出になっていた。
今までのぼんやり力を押し流すほど、あの登場は迫力あった。俺も『お姉さま…』なったわ
結構順風満帆に思えた主役サイドが、グラッグラに揺すぶられる（からこそ、ここを乗り越えた進化に期待が燃える）今回のエピソード。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
百のバックに居る怪しい組織と、真実を共有しきれない足場の悪さが、いい具合に不穏さを生む。
コンビニ会話、かなり感情剥き出しで良かったですね。
まぁその後ろで迷い込んだオッサンに、『え？ 女女激重感情爆裂空間？ 間に挟まると”死”…ってコト？』という小芝居をさせるのが、ブルリフRなのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
マージでドキドキ暗黒百合伝奇で推すならいらねぇ演出なんだけども、ブルリフRは”やる”のだ。
いい加減、そこは違和感ではなく信頼の源泉。
不器用人間なりに仲間を心配して、色々ツッコんでくる瑠夏に対して、百が戸惑いつつも自分の重荷を隠さず、言葉で伝えようと頑張っている姿も良かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
アニメ見てると『いや…言えよ…』と言いたくなる瞬間って結構あるけど、この作品結構、不要な抱え込みがねーんだよな。言うべきは伝えてる。
その上でままならねぇ思いの強さとか、わけの分からなさとかが暴れるからこそ、状況がもつれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
百は自分の中に生まれた存在し得ない記憶、確かに宿る実感はちゃんと伝えるし、陽桜莉に言えない理由も開示する。誠実なヤンキーである。
だが、それだけでは足りない。
愛する人が敵に回っていること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
解けない謎がたくさんあること。
判っていても乗り越えられない難題が、輪郭を顕に共有されていくことで、今後彼女たちが挑む困難、それを越えた先にある変化への道も、明瞭に開いていく。
ここら辺の見取り図は、トンチキアニメながら凄くクリアである。
いや実際、お姉ちゃんとの萌え萌え思い出ボム、なんで生えたかさーっぱり解かんねぇからな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
これを発生させることで、主役サイドを適度に撹拌させて気楽さを抜き、百とお姉ちゃんの人間関係を繋げていくの、スゲー妙手だと思う。
姉妹関係が分厚すぎて、余人が入り込めない状況になりそうなもんだが
理由もなく心に湧き上がる思い出は、かなり強引な物語装置ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
だがこの物語は少女の不安な想いが花となり、静止したいような世界でビームを撃つ物語だ。
こういう特別な装置が駆動し、物語を面白くしても問題はない。むしろ、作品の特色を活かしてると言える。
絡み合う感情、異様な現象、ぶつかり合う思い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
『この話でしか出来ないこと』が、複数駆動しだしたのが、ここ最近のブルリフエンジンぶんまわし感の理由だと思う。
その勢いの良さを、実は結構繊細な描写が下支え…しつつ、まートンチキはトンチキなのも、ブルリフ味死んでなくていい。
仁菜ちゃんと陽桜莉が空中タイマンするのを、ぽけけーって見てる百と瑠夏、あまりに面白すぎる”呼吸”だったもんな…。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
そこに流れてる感情の強さ、宿命の熱さは判るんだけども、どーも定形でキメきらない。
自分たち独特のフニャッと感で煮込むのは、俺にはもう”可愛げ”である。チャーミングなアニメだ
異様空間が解けて、闇の聖母に救済された浴衣の少女たちが主役を包囲する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
以前金星を取った都が、アラベスクに飾られた異能の空間では完全に無力だと思い出す、おっとり刀の合流が良かった。
そうだよなー、そこは弱いよなぁ都…あと、百だけ名前呼びなの良いよね…心の距離が見える。
歪んだBGMと遠い花火に乗せて、聖女たちの傲慢をなじる少女たちは、不気味ながら鋭い真実を突きつけ、主役を試す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
ここの『いや間違ってないけど…たしかにそれも救いだろうけど…どうしたら良いんだッ！』感は、スゲー良かった。
それが、陽桜莉の耳に欠片も入ってねぇのも。
今まで結構薄っぺらい救済願望だけで動いてた（ように見えた）主人公の心を、ぶっとく支えていた柱。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
愛と信頼を教えてくれた姉が、良かれと思ってバラまいてきた救済を否定した。
心の花を黒く染め、自分を一瞥だにせず去っていった。
見捨てられた。その絶望が、人間・平原陽桜莉の膝を折る。
マジでベッコベコにされてて、可哀想と思う以上に『ここから…ここからにござる…』という気持ちが強かった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
ファーストエピソードで自死を見ているだけだった後悔を見せてた瑠夏に比べて、陽桜莉はどーも綺麗な良い子ちゃん過ぎたからな。
今回綺麗すぎる白紙に、デケェ染みが堕ちたぜ。
それこそが陽桜莉という人格、彼女を主役にする物語にしっかりした陰影を付け、面白さを生み出す大事な画材だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
あとそれ抜かれたらもう立ってらんないくらい、陽桜莉もお姉ちゃんキチだと判ったのが良い。
誰かが好きすぎて頭がおかしい女しか、このアニメにはいねぇぜ！ 最高。
心の花を奪われ、救済すべき当人に信念を否定された今回は、青の軍勢初の敗北と言える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
謎は多く、感情はまとまらず、闇は深い。
いくらでも物語が面白くなる種が、あらゆる場所に埋まっている。キたぜぇ…ぬるりと。
ブルリフR、マジで剥けて来ました。
2クールあんの？ ありがてぇ…（必殺掌返し）
アクが強くトラウマ濃い女達が、それぞれの価値観と情念で動いてる感じも、群像劇の面白さがあり良いです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
色々トンチキなんだが、『こいつはこういうヤツ！』というわかりやすさ、それで終わらない複雑な奥行きの魅せ方は、かなり丁寧なんよね。
詩のマゾヒズムの解像度とか。マジ”理解”ってる。
華やかなはずの花火を、下ばかり向いてる思春期地獄の当事者たちは、川の跳ね返りで見てるのも良い演出でしたね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
上むいて、輝く空を見る贅沢は私達には遠い。
それは剣を握る聖女も、それに救済される子羊も同じだ。…その区別など、たぶん最初から無い。
皆が犠牲であり、救済者でもある原罪の荒野に、少女たちは顔を伏せて惑う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
無言の奥に決意を秘めて、闇を進む美弦。
思い出を切り裂かれ、倒れ伏す陽桜莉。
姉妹の物語は、まだまだ続く。
”覚醒”のブルリフR中盤戦、次回も大変楽しみです。
あと現状なーんもしてねぇ紫乃が、大概ヨボヨボ寝てばっかり…なのに巣で大事にされてて、ロリキャラなのに老猫っぽいのも好きです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月21日
完全に愛玩動物。ナナチ声だし。
彼女が闇のプリキュアとして戦線に参加した時、またなんか起きるんだろうなー。そこも楽しみ。
