SSSS.DYNAZENONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
何が変わったと、明言できるわけじゃない。
でも確かに僕らは怪獣の瞳の奥に意思を見つけ、その存在によって揺れ動く日常を見つめ、生きることと死ぬことを自分の問題として受け止めだした。
急に手渡された玩具で、こなす放課後のヒロイズム。
それが、確かに変わりつつある
そんな感じの結節点の続き、DYNAZENON第8話である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
前後編でネトネトした青春心理に踏み込んだ話数を越えて、今まで視界に入らなかったもの、たぶん最初から大事だったものが、キャラクターと視聴者の視界に入ってくるエピソードだった。
これは変化であり、発見であり…そのどちらでもない。
多分物語が始まったときから人はパニックになっていて、死にかけていて、意思疎通できるかもしれないという希望と不安が、怪獣の瞳の奥にはあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
終わらない青春になにか区切りをつけた暦と、夢芽ちゃんの背負う重荷に身を寄せた蓬の、心の変化が生み出したスペースが、それを乗せて揺れる。
それは最初からずっとあって、しかし主役が認識するまではありのままの形で画面に乗らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
街を守りうる力は玩具であり、大破壊が撒き散らされる闘いはプラスチックの異物感で、壊れることもなく、闘技場の仕事を果たしてきた。
だが、多分前回でそういう時間が終わった。
三十路の無職と、青春ど真ん中の少年。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
それぞれ性格も立場も違えど、だからこそバラバラで個人的な荷物にある種の区切りをつけた。
怪獣関係なしに迫りくる、ありふれた人生の物語、その重要なワンシーン。
そういう変化が、見えるもの…見えなかったものを変化させていく。固定し、修復していく。
『怪獣に心はあるのか』
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
ナイトと二代目が口ごもった答えを、彼らの過去を知る僕たちはYesと判っている。
蓬は間近に、破壊者にも隣人にもなりうる（と、勝手に願望を投射した）等身大の怪獣が迫り、その目を見て初めて、その問いかけに気づく。
それは、ずっとそこにあったのに。
怪獣は人を殺すし、怪獣を殺すことで僕はそれを止めうる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そんな”死”の手触りが蓬には重たくて、彼はひどく苦しんだ表情を見せる。
その苦悩が、姉の”死”をずっと抱えてきた夢芽ちゃんの視線を、初めて蓬の人格に向けさせる。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/U5F4MDPGkq
今回のエピソードは、気になる女の子をずっと見つめ続けてきた男の子が、初めて見つめられる立場になる物語だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そのために、夢芽ちゃんをずっと見て、見ているだけでその心に真実踏み込めない蓬くんの視線を、この作品はずっと追いかけてきたのだと思う。
知りたいと、近づきたいと願いつつ、”死”を知らないなら資格はないと跳ね除けられる立場。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
求め、手を伸ばし、黄色いフレームで遮断される側の立場。
蓬くんはずっとそちらに立ち続けていたわけだが、今回怪獣と自分と”死”を混ぜ合わせ悩むことで、ようやく欲望される客体になる。
それは夢芽ちゃんが見つめられるだけの客体であることをようやく止めて、身近な男の子のポケットに手を伸ばせる立場に腰を下ろした、ということでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
前回膝を曲げて、地べたスレスレまで落ちて共有された視線は、ようやく対等に絡み合い出す。
恋をする…あるいは人間をやるのに必要な、最低限。
それがバスという公共交通機関の中で、律動を始めるエピソードといえる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
（”バス”という乗り物の特別さは、アカネちゃんと六花ちゃんの物語を見て、その続編を見ている僕らとしては、よく知っているはずだ。
今回の視線混合実験は、”バス”という試験管の中で行われる、特別な体験である。）
というわけで、物語は前回終わったものの残響を響かせながら始まる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
クソ無職が握りしめた思い出と後悔と苛立ちを、何処ともなく投げ捨てようとしたところで、ちせからの電話がその暴挙を止める。
檻の向こうに入れない男の、か細い命綱。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/M5Vi3DP838
あんなにヤバいものを差し出しておいて、勝手に青春を終えて結婚して、自分を檻の外側に取り残した女に、投げつけれないもの。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そんなフラストレーションを食って、世界に落書きする怪獣は育つのかもしれない。
暦はかなりダメで、ちせが隣りにいることでギリギリ、人の形を保っている。
この描写は、この作品多い。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
前回稲本さんとの通話を断ち切って、二人で肩を寄せたシェルターは思春期のちせだけでなく、思春期終わらせそこねた暦の輪郭もまた、保ってくれているのだろう。
人助けして、パパっと終わり！ サヨナラ青春！
そうはならない、めんどくさい男である。
希望と縁が繋がったようで断ち切られるのは高校生コンビも同じで、姉の”死”に踏み込めそうな緒は、するすると掌から逃げる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
夢芽ちゃんの失望に蓬くんは、慰めにもならないテキトーな言葉を投げて、凄く真っ直ぐな視線で拒絶される。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/BkYTkjgdrF
見て、求めて、探って。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
ここまでもけして反転することなく、二人の間を規定してきた、一方通行の視線。
時折自分を見つめるけども、それを捕まえようとすればフイと逸して、眩しい光の中に逃れていってしまうもの。
憧れ、恋、あるいは死。
蓬から、とても遠いもの。だから知りたいもの。
今回のエピソードはこれが反転して終わる。夢芽ちゃんが蓬を、眩しい光として見ることで終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そうさせるのは、今までと同じで、今までと違う怪獣である。
それにはキモさと、無邪気さと、洒落にならない危うさが同居する。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/OedLOyYaw3
結局殺すことになる怪獣との付き合いは、まるで特定外来生物をペットに繋ぐような、コミカルで日常的な色合いで始まっていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
迷惑もかければ、確かに生きてる質感もあり、思いが通じるようで、しかしただの現象にも思える。
そういうものに、触れ合おうとする蓬の戯れ。
それがシリアスな手触りに繋がるかどうかは今後の…たぶんちせと怪獣の絡み方次第だとは思うけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
いつものヌルい日常劇に、ザラリと混ざったノイズ。おふざけポーズでしかなかったはずの怪獣使いの仕草は、確かに何かが繋がった感覚を、蓬に残す。
だが少なくとも今回、それは救済にはならない。
蓬には怪獣のことも、怪獣使いのことも、生と死の事もわからない。わからないということが、今回判るエピソードだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
「どうやら、なにかほんの小さな点で、私はこの人よりも知恵があるようだ。
つまり、私は、知らないことを、知らないと思っているという点で」（”ソクラテスの弁明”より）
人間たちが正体不明の怪獣（に反射する、無知な自分）を探る裏では、今まで怪獣事件を起こしてきた連中がオールナイトで遊び倒す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
なんかさぁ…あのシンクロ操縦以来”デキ”てねーか、オニジャとムジナ。こえーわ男と女…。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/SYIMEwjnQk
怪獣優生思想が介在しなくても、パニックと危機を巻き起こした今回の怪獣。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
夜通し遊んで映画見て、怪獣に触れ合わない日常で壁を作り、仲間を事件から遠ざける状況を作っていたのはシズムくんだ。
河原で怪獣の目覚めを見つめ、状況を作り、その終わりを見上げた彼は、それで何がしたかったのか。
自分たちという”悪者”が介在しない生の状態で、蓬と怪獣を接触させることで、何を生み出したかったのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
喧騒を生み出し混ざりながら、何処か通底した透明度で状況を見つめているシズムくんの狙いと願いは、多分今後見えてくるのだろう。
それも元々あって、視点が変わって浮き上がるものの一つだ。
今回怪獣が巻き起こす、そして蓬達（の眼を借りてる僕らが）が初めて認識するパニックは、たぶん今までもずっとあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
今回ナイトと蓬がぶっ殺して止めるものが、止め得なかった死体が多分、なんかいい雰囲気で青春してるオニジャの大暴れの中に、多分あった。
それを考えると、『ヌルいラブコメされてもなぁ…』という感覚はどうしても拭えない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
人間の形をした怪獣使い達の内側に、果たして何が詰まっていて、何を生み出しているのか。
まだ謎は多い。
そして今回、怪獣騒動に一切感知せず遊び倒す彼らの”人間らしさ”も、けして嘘っぱちではない。
奴らは人殺しで、古代人で、現在を生きる一つの命だ。その全部が真実で、だからこそ簡単な答えはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そういう場所に踏み入っていくと、前々回あたりから物語が静かに告げつつあるように、僕は思う。
まぁ元々、疑問符だらけの屈折した物語ではあるんだけども。
さておき怪獣探しの日常コメディは、ガウマ隊と怪獣の距離を詰め、彼らを一方的に排除するべき障害から、応答可能性を秘めた異質生物へと変質させていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
怪獣にも意志があって、変わりうる可能性があって、外来生物のように危険でもある。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/4Ba9qRCEml
答えの出ない問いかけが多い（だから、多分大事な）この物語にナイトと二代目が参加してる時点で、それには答えが出てる。Yesだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
だがそれは、メタ的な高地から物語を見て、文脈全体を俯瞰で捉えうる僕ら…あるいは一つ物語を終えて、大人になった彼らにしか見えない答えでもある。
Yesと判っている答えでも、それを真実自分のものと引き寄せるためには、失敗もしなければいけないし、息のかかる距離で相手も見なければいけない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
捕らえて、情に流され、逃して、追う。
特別な力が求める義務を果たさず、窮地を呼び込む。
でも、思考停止のぶっ殺しが正しいとも思えない。
望まず流されたヒロイズムの岸辺で、対峙してしまった怪物がその実、命であること。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
それが導く答えは千差万別で、答えを知りたいと思ってもそんな余裕を与えてくれない時だって、当然あること。
蓬達と怪獣の奇妙な触れ合い（未満のすれ違い）は、そういう答えを手渡していく。
メチャクチャGRIDMANっぽい陸橋出てきて興奮しちゃったけど、かつてそこで人生を教えてもらった怪獣少年が、憧れの人に似た長さの剣を扱いきれず、カコーンとぶち当てるのが可愛くてよかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
まだ、あの裸足の剣士みたいには、ナイトくんはなりきれないようだ。
ガウマさんの情（あるいは無責任）は怪獣の暴走を生み出し、ちせと夢芽ちゃんはノンキな平和から一気に、非常口に殺到する混乱へと投げ込まれていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
玩具めいた操縦席の外側に、多分ずっとあった当たり前のパニック。”死”からの逃走反応。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/a9Mfrm9Um4
それはあっという間に、ダイナウイング（怪獣に殺されない特権を保証する、夢芽の特別な聖痕）や携帯電話（蓬と確かに繋がりうる、思いの安全帯）を剥奪して、夢芽ちゃんを一般人ヒロインへと落としていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
でも、多分この混乱と恐怖こそが”普通”なのだ。
それはずっと、そこにある。それを忘れないために、彼女は自分の足で廃墟を歩き、破壊の痕跡を見つめたのだから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
怪獣の指がビルにかかって、蓬は初めてのっぴきならない状況に置かれる。
知ってて、好きで、ずっと見ていた女の子の命が、今まさに潰れようとしているリアリズム。
それがなんかキモくて、でも確かに生きている怪獣との至近距離と擦れ、摩擦熱と火花を生み出す。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
なんとなく、生き物殺すのは嫌だ。
流されるままヒーローになった者たちの、当たり前の生命感覚。当然で大事な、一つの倫理。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/6p5rqZMU5s
都合よく全てがうまくいく結論を求めて開いた手は、いつか河原でふざけたポーズを越え得ず、蓬は怪獣使いにはなれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
ナイトの手に握られる、意思ある凶器にしか今はなれない。
怪獣の瞳を見つめ、決断と殺意を込めてスイッチを押すことが、今の彼に出来る精一杯だ。
そしてそれは、多分ずっとそこにあった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
なんかノンキにぶっ倒していた怪獣にも、同じように目があり、見つめようと思えばその奥に意思も感じられた。
足元で玩具めいて揺れる建物にはもしかしたら人がいて、命を守れたり、守れずぶっ死んだりしていな。
でも、それは今までの蓬の世界にはなかった。
そして、もうなかったことには出来ない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
自分は殺すことが出来る存在で、殺さなければ守れないものがあって、殺したくない気持ちもある。
夢芽ちゃんが解けないアンクを通じて自分に引き寄せていた”死”の感触が、怪獣との対話（失敗）と殺害（成功）を通じて、蓬の物語に入り込んでくる。
その重さに蓬はうなだれ、そうさせたガウマをナイトは殴る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
口だけで後悔と責任を語られるより、無言の拳が伝えるものは重い。
そういう意味ある暴力を、かつて無軌道に暴れ倒してた怪獣少年は手渡せるようになったんだなー、と思うシーンではあった。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/XY0dQD54dm
このあたりから、夢芽ちゃんは蓬を”見る”ようになる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
何かとても重たくて、自分がとても触れることは出来なくて、でも近づきたくて、届かないと知りつつフワッと軽い慰みを思わず差し出してしまうような…ずっと蓬が、夢芽を見つめ、触れ合っていた距離感に自分を置き出す。
それは少年から少女に一方通行だった恋と愛が、双方向に転じてきた兆しなのかな、と思ったりする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そんな青春の1ページを、気楽に演じさせない不穏さが怪獣に侵された世界にはあるけど。
見えていなかった”死”がそこら中にある事実を、成り行きヒーロー達は認識しつつあるけど。
ようやく背負った”死”の重荷も、それを手伝おうと手を伸ばす（伸ばし返す）夢芽ちゃんも、青春の黄昏の中で輝いている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
見る側は影に、見られる側は光に。
そういう一方向の力関係は、反転し平等化され、同じ光をバスの中で二人が共有する。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/cSpvXfuzgf
そうして、今回の物語は終わる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
夢芽ちゃんが、自分と同じスティグマ…逃れ得ぬ死の重さと悩みを背負って初めて、蓬を見始めるのがエゴイスティックでいいな、と思った。
心の何処かで、同じ痛みを背負った共犯者しか信じきれない、臆病なスタンスがそこには滲む。
怪獣が大事なものを殺し得て、自分が怪獣を殺してそれを守りうる、ヒロイズムの重さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
物語の主役に必要な疑問を手にすることで、蓬はようやく見られ、求められる側に立つ。
だがそれが、見て、求める自分を消すわけではない。彼は相変わらず、夢芽ちゃんに夢中だ。
曖昧でよく分からないものを、それでも追い求める不器用な手付き。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
恋とヒロイズムと死を扱い、作品を縁取ってきたそれがグッっと、画面の中心にせり出してきたかのようなエピソードでした。
いまいち掴みかねる解らなさも、混ざり合わない湿った日常と玩具っぽいヒロイズムも、多分変わりはない。
でも作品を生きる青年達が何かを掴み、世界を見据える視点を変えることで、浮かび上がってくるものがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
それと向かい合うこと…見て、見られる関係を作っていくことが、なにか手応えのある答えに繋がっているのかな、と思わされる回でした。
DYNAZENON、ちょっと判る…かも？
『わっかんねー！！』と喚きつつ、それでも作品にしがみつくための”取っ手”として半ば強引に注目していた”死”と視線が、結構デカく表に出てきたのも、個人的には嬉しい手応えだった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
まー願望のフィルターを通し、客観を歪めてる見方かもしんねーが、俺はこういう取っ組み合いしかアニメとやれんッ！
蓬の空回りが、彼だけの”死”の手触りを潤滑油に夢芽ちゃんと噛み合いだした手応えと、ちせ周辺の不穏な空気。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
抑圧を弾き飛ばす爽快を、求める気持ちが怪獣を育てるなら、アームカバーの奥の秘密は良い苗床だろう。
（画像は"SSSS.DYNAZENON"第8話より引用） pic.twitter.com/hLv0RhpQ4a
ちせの好感度の作り方は、僕は結構好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
クソ鬱屈青春敗残兵である暦が彼女抜きだと、マジヤバイ暴走しそうな雰囲気を、肩の力が抜けたべっとり感が上手く逃している。
怪物にもなりうるニート・モンスターの、手綱を握る怪獣使い、というところか。
しかしそんな彼女も、ジワジワ不穏さを貯めている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
もしちせの感情が怪獣となって、誰か（ちせ自身含む）の命を脅かした時、蓬は今回果たしたような”死”の決断を選び得ないだろう。
殺すことは、痛くて重い。
それを思い知り、問いかけの抗体を作る予防接種のようなエピソード…でもあったか。
殺さず、殺させず、都合のいい結末を掴み取る一つの助けとして、今回可能性が示唆された『怪獣使いとしての蓬』が今後、結構大事なギミックになるかな、とも思いますが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
頓挫した姉の死の真相追求も込みで、物語はまだまだ続きます。
僕から一歩、君から一歩。よもゆめの距離感、やっぱ好きだなぁ…。
ここで一方通行の視線が双方向に転じるダイナミズムを描くために、今一噛み合わない空回りを強調してきたのだとすると、なかなか巧い運びだな、とも思います。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
怪獣と進んでいく、恋と死と青春の物語はまだまだ続く。次回も楽しみ。
