プロセカイベスト””頑張るあなたにBreak Time!”を読む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
ファンのため、仲間のため、日々頑張る完璧アイドル、桐谷遥。
常に張り詰めた彼女を和らがせるために、雫は気合を入れてオフタイムの計画を練る。
ゆるふわ天然少女が、隙なき努力の天才に差し出す優しさの形とは…!?
そんな感じの、モモジャン柔らか箱エピである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
ずーっと”障害とその克服”つう、物語の硬い基本構造を入れ続けてきたプロセカイベストだが、前回の”お悩み聞かせて! わくわくピクニック”あたりから肩の力が抜けたエピソードが増えてきた感じもある。
言うたかて、ただの息抜きエピでは終わらんのだが
前回で言えば類・寧々と愛莉・雫にコンタクトを作って、関係性構築の種を蒔くとか、”シークレットディスタンス”ラストで埋めた絵名から瑞希への視線を補強したりとか、今後に生きる布石は随所に置かれている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
テーマとドラマの核心に直結した”やらなきゃいけない話”で、物語の骨格を立ててた流れ。
それをちょっと横道に流して、あんまバチバチしないけど、キャラと世界観を掘り下げ、横のつながりをふくらませる上で必要な物語をやる余裕が、プロセカ全体に生まれてきた印象も受ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
…ここら辺、スケジュールが半年ズレたのも関係してたりすんのかな?
さておきそんな流れの中で、箱エピながらあんまバチバチしない今回のお話は、雫が遥のために走り回るエピソードである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
どこに出しても恥ずかしくない愛莉&志歩キチで、その二人への尖った想いが目立つ雫が、横幅広い思いやりを持ってると描くお話でもあったかな。そういうの大事よね。
まぁ、足音だけで愛莉を判別するトガリっぷりも雫の好きなところだけどね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
”ピクニック”でこの描写出た時『恐ッ!』って叫びながら爆笑しちゃった。
雫、ゆるふわに見えて余裕がない人間なので、体重を預けられる人間にはマジで重いもの預けていくよね…そこに見返りを求めねー所含めて。
さておき、今回は雫の一人称で進む物語である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
彼女は自分のものさしで世界と遥を判断し、理解しようと務める。
完璧であることを求められ、必死に果たそうとして、それを恨まれて”アイドル”から一度降りた自分。
努力は頑張ってやることで、誰かが求める”アイドル”以外にも、やりたいことは沢山ある
そういう一人称のフィルターから、努力の天才・桐谷遥はどんどん外れていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
モモジャン結成で開花した彼女のプロデューサー気質は、昼夜を問わずフル回転し、バリッバリに企画を編み、自分と仲間のあり方を考え、実務をこなしまくる。
それは、全くもって苦ではない。
遥は息をするように、他人の願望を吸い込み、それに追いつける自分を実現する。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
糖質制限もストイックな鍛錬も、やって当たり前、やらないと気分が良くない。
そういう存在として、自分を仕上げきってしまっている。それは、必然的に成功を生んでいく”良いこと”だ。
でもそればっかりだと、壊れちゃうんじゃないかな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
だって、自分がそうだったし。
雫はそう考えてオフタイムを演出し、ドジっ子気質でメタメタに失敗していく。
日野森雫は桐谷遥にはなれない。
だから、センターの重圧を自在に乗りこなすそのあり方に憧れ、救われもした。
あるいは勝手に苦労を想像して、おせっかいを焼く。大事な友だちにもう二度と、つらい思いはしてほしくないから。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
雫が遥を理解しようとする方法は狭くて、けしてロジカルではない。だが、情無くしては生きていけない人間のあり方として、非常に正しい。
その正しいお節介を、遥も受け止める。
この余裕は、ぶん回した正しさで後輩と自分を一回ぶっ壊し、みのりのあり方に救われて歩き直したからこそ生まれてる感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
人生の問題集に生まれつき正解しやすい、苦労を苦労と思わない…思えない自分。
でもその正しさだけじゃ、勝ちきれない難問が世界にはあった。
それを補ってくれたのは、小倉唯の声帯を持ちつつオーディションに落ち続ける、限界オタク少女の純真だった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
弱くて、勝てなくて、でもだからこそ”アイドル”のど真ん中、自分が”アイドル”やろうと思えた原風景を思い出させてくれるものが、世界にある。
私には掴めない、違う誰かが手渡してくれる希望
それが持つ意味をユニストで掴んだから、休み方を知らない遥は雫の思いを受け取って、自分たちの未来には実りを産まないペンギンカフェに活きたいと、言い出せた気がする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
力の抜き方を知らない、自分のケアがヘタクソという遥の気質、燃え尽き症候群と鬱まっしぐらで、見てっと危ういよね…。
今回示されたとおり、雫はかなりポンコツでナイーブだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
遥みたいに、効率的な努力の正解が見えたり、ストレス耐性が異様に高かったりはしない。
世間一般に言われる”成功”への適性が、そこまで高くないタイプ、とも言える。(求められた偶像を演じきれなかった過去が、その裏打ち)
しかしモモジャン(の背後にある、夢の全てを肯定してくれるセカイ)は、世間が押し付けてくる狭い成功にとらわれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そのために、自分たちが正しいと思える勝ち方で勝つために、事務所に所属しないノマド型アイドルという形を選びもしたのだ。
頑張りすぎて、息抜きの仕方が解らなかったり。
あるいは頑張ろうと意気込んでも、上手く結果を出せなかったり。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そんな自分たちをなにか別の形に変えようとして、死ぬほど傷ついて一回諦めた彼女たちは、『私達が私達であること』を一番大事にしながら、”アイドル”をやり直している。
そして『私達が私達であること』の形は、みのりが常に描く。
夢を追い、元気を手渡し、笑顔を生む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
演じる側も、魅せられるファンも追い求め、現実に摩耗して形が見えなくなるアイドルのイデアを、パフォーマーになってもドルオタ全開なみのりはずっと、強く輝かせてくれる。
それが、一番の素人がユニットの真ん中にいる理由なのだろう。
遥の怪物的実務能力、悪魔的ストイックさが描かれたことで、アイドルのど真ん中から外れた側道を突っ走り、モモジャンがサクセスしていく説得力も補強された感じがある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
このストイック・モンスターがプロデューサー兼任するなら、そら受けるでしょ…タフすぎ、仕事出来すぎである。
そんな遥が、愛莉と並ぶ憧れだった雫の過去とかも見えて、良いモモジャン話でした。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
遥が強く描かれるほどに、そんな彼女の脆さを補うみのりの唯一性が見えて、遥がみのり(が背負う”アイドル”)と出会い直せた奇跡をどんだけ尊んでるかも、よく見えてくんだよなー。
みのりという救いが間近にあるから、遥は持ち前のエンジンを全開で回しても壊れない。”アイドル”としてみんなで高みに登るために、思いっきり走れる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
んじゃあ、そのみのりが道に迷った時、遥と彼女をエンジンにするモモジャンはどうなっちゃうの? という疑問が生まれる話でもあった。
そしてそれが、遥が主役になるだろう、モモジャン四番目の物語で大事かなー、とも思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
みのり自身は自分が生み出してる奇跡に無自覚で、自己評価(も、コメント欄のファン評価も)低めなのが、どん底に突き落とす気満々なのよね。
でも同時に、”アイドル”としてみのりにしかない強さも描いてる
それは未経験で、ド素人で、ヘタクソで、だからこそ一個ずつ上手くなっていく過程をファンに見せれる強さ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
様々なユニットでなにがしか成し遂げてきた三人の完成度とは違う、観客と一緒に物語を編み上げていく、白紙の強さ。雛であることを尊ぶ、Jアイドル特有の強さと言える。
知名度抜群の三人に挟まれ、『誰この女』とボッ叩かれつつ、時に失敗し、健気に頑張り、確かに成長してく様子を一緒に見守る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
最初から好きなのではなく、だんだん好きになっていく喜びを教えてくれるアイドル。
それは他の三人にはない、みのりだけの特質であろう。
今回超人っぷりと安定感を見せつけた遥が揺れるとしたら、それは彼女の支えであり救いでもあるみのりからかな、つう感じはあって。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そこが動揺することで、モモジャンがどんなアイドルグループで、少女たちがどういう絆で繋がっているかも見えるかなー…というか、見たいな、と思わされた。
救済を背負うものが無邪気で無自覚である状況、その幼さこそが救いでもある状況ってのは、危うく残酷なもんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
人間誰しも、ずっと子供ではいられないからだ。自分の限界も、燃え上がる欲望も、世界の残酷さも、伸びる身の丈に合わせて否応なく思い知らされる。
一度アイドルを止めた三人は、それをイヤってほど知っている。だからこそ、二度負けたくなくてモモジャンをやっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
雫が遥に優しいお節介をやこうとしたのも、ようやくたどり着けた最高のユニットが、より良くより長く続くようケアしたかったからだろう。
微笑ましい少女の楽園に見えて、モモジャンは激しい嵐の中を、凄く危ういバランスで進んでいる。ファンに危うげない飛翔を魅せる裏には、傷だらけの翼がある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年5月22日
そのアンバランスこそが”アイドル”だと思うし、その真ん中にはやはり、みのりがいる。
そういう構図を再確認するエピでした。楽しかったです