SSSS.DYNAZENONを見る。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ちせは己の鬱屈が形になった黄金竜を、ゴルドバーンと名付けた。
夢芽は姉の死を知るはずの男に、己の思いをぶつける。
打ちひしがれた少女に、蓬が掛ける言葉はなかった。
それぞれの影と光が交錯する水辺に、花火のように魂が燃える。
今こそ、皆の力を一つにする時…ッ!
という感じの、グレートユナイト合体回である。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
アクションシーンから立ち上る勇者シリーズ粒子に気圧されたが…繰り返しになってワリーんだけど、やっぱ俺ダイナゼノンわかんねぇわ!
先週なんか分かった感じもあったが、違和感を上手く言語化出来てない部分も含めて、結局最終話までわかんねぇと思う
やっぱアクションシーン(から延長する、主にガウマさん起点の熱血友情展開)の熱量と、人間サイドの煮え切らない屈折感、あやふやな青春のリアリズムをどう接続して良いのか、自分的に答えがない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
異質だからこそ繋がってる…みたいな、便利な感覚を捕まえきれてない。
これは構成メカに(小型化してる時も、大型化してる時も)漂う玩具感、掌に収まる夢を無限大に広げられた幼年期へのノスタルジーみたいなものに、個人的に同調出来ていないのも理由の一つだとは思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
すいません…あんまブンドドしない子供だったんです…屋根の上で図鑑ばかり読んでいて…。
今回のエピソードは散々外野に置かれたちせもチームの一員となる資格を手に入れ、夢芽と蓬の恋もグッと近づく、要の話数なんだと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
黒と白、死と生、姉と自分に分裂していたアンクを一瞬手放し、かつて姉を飲み込んだ死の川に飲み込まれかけて、愛と友情に助けられる。
水辺と花火を生かした表現は繊細かつ戦列で大変いいんだが、紙一重で何か……突破しきれない感じもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ここら辺、作品の問題というよりはそれを受け取る自分の見方と、体内の物語分解酵素も問題なんかなぁ…。
自分が構えた間尺と、作品の歩幅が噛み合わない、というか。
先週蓬は友達になれるかもしれない怪獣と出会い、結局コミュニケーションを瓦解させて殺してしまった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
そこで描かれる闘いでは、ダイナゼノンが蹴散らす家々には人間が住んでいる。
活劇が生む瓦礫の下には、たしかに死体が存在しうるという視線でミニチュアの街が捉えられていた…と思う。
しかしグレート合体大披露、アガる展開満載の今回、街は再び人のいない書き割りとして書かれる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
僕の感覚としては、それは”一マス戻る”な気がしたのだ。
蓬がロボに乗らない青春を延長する闘いでは、結局人(と怪獣)は死ぬのか、死なないのか。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/aU9v6Lk8Vp
そこのチューニングが、自分の中で上手く行ってない感じがする。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
…作品を噛み砕くための石臼として、僕は”死”のリアリズム(あるいは、非リアリズム)を選んだわけだけど、あんまいい道具選びじゃなかったかもなー、と今更ながら思ったりもする。
今更、別の批評的術具も掴めないからこのまま行くけど
僕が作中での”死”の描き方に注目したのは、この作品が(前作から継承的に)現実感覚の欠如、屈折したリアリティをお話の真ん中に据えてるのかな…据えてくれると嬉しいな、という目論見からである。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
今週クローズアップされる、ちせを捉え続けるモヤモヤの書き方も、凄く折れ曲がって真っ直ぐだ。
暦がヒキってる事情と同じく、ちせに何があったかは明瞭には描かれない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
挫折と違和の輪郭だけがマーカーで机を埋め尽くして、明言されることなく怪獣を生み出す苗床が整う。
ゴルドバーン誕生自体は、丁寧に積まれた描写の果実ではある。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/BBDG5qqi4s
先週蓬が繋がりたかった怪獣は、夢芽ちゃんと、名もなきエキストラの命を肥大化していく図体、コミュニケーションの不可能で潰しかけて、予防措置的に殺された。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ゴルドバーンは対話可能で、特別な名前を与えられ、でかい図体を1.7メートル制限に押し込み、学校も壊さない。
二体の怪獣の生死を分けたのが、メインキャラクターと強く繋がって生まれ、育ったそのあり方にあるのか、外見的な愛嬌とキモさなのか、なかなか判別しかねるけど。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
とまれ、ゴルドバーンはちせがアームカバーに閉じ込めたものを背負って生まれ、それを無軌道に発露はさせない。
『むしゃくしゃするもの、全部壊しちゃえ!』という、アカネちゃん的な青春の暴走を、ちせは上手く乗りこなして青い空を飛ぶ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それは暦の部屋でグダグダのたくる中で、ある程度以上既に決着がついているものなのかもしれない。
そうさせてくれたから、ちせは暦にくっついているのかもしれない。
その過程は明示されず、ちせが(先週の蓬と違って)ゴルドバーンとの対話に成功し、その暴力を上手く制御しえた結果だけが見える。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
アームカバーの奥にあるものが本当になんなのか…マジックで描いていた混沌が具象なのか、象徴なのかを判別するシーンは、僕らには明示されない。
いつもの軽妙な語り口で、トラウマであろう教室を見据えるちせに何があったかは、十分なヒントを与えられつつも、あくまで視聴者の推測の内側にある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
この豊かな曖昧さみたいなものが、僕は結構好きであり、同時に作品に上手くシンクロしきれない原因でもあろう。
激重トラウマを絶叫しなくても、なんか流れで仲間は出会い、結構大事な時間を共有し、柔らかに繋がっていられる。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
その名前も繋がりもあやふやな、しかし確かに命を結んでくれる縁の書き方が、この作品で大事な部分…であって欲しいなと、僕は思ってるが確信はない。何しろ、明言しないので。
ただ、”真実”ってのがちせの外側に暴露されなくても、夢芽の人生のクリティカルな場面に行き逢う特権を彼女が掴んで、重くて強い言葉で本当のことを伝えられる間合いの書き方は、やっぱ好きなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
そこは凄く独特で…だからこそ扱いに迷い続けてもいるんだが…面白いところだと思う。
ちせのアームカバーの奥にどんな地獄が広がっていて、それがどれくらいカサブタになっているか、僕らに知らされることはない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
僕らが知るのは、そこを源泉に彼女が悩み、屈折し、彼女なりの生存方法を身に着け、のらくらと…しかし真剣に人生を歩んでいる結果だけだ。
人と人が知り合い、分かり合うというのは結構な部分そういうものだと思うし、そういう曖昧なリアリティこそが、僕がこの作品を面白く感じる大きな足場だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
他人のことは解らない。
踏み込めない壁は確かにあって、でも同じ場所でずっとうずくまっているわけでもない。
そんな微かで、あまり劇的ではない変化は例えば、稲本さんとの青春を振りちぎった暦とも共通しているだろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ちせは怪獣優性思想と同じにはならない。
同じになりうる危うさが自分にあると、確かに感じながらその手綱を握り、広い空を飛ぶ力に変えていく。
そこに、ガウマも蓬も夢芽も、最も距離が親しいだろう暦すらも関わりはしない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ちせがゴルドバーンと飛ぶ空は、彼女と彼女の怪獣が勝手に、あるいは必死に掴み取った個別なものだ。
そのある意味孤独で、だからこそ尊厳在る歩みの書き方は、僕は結構好きである。
ちせのアームカバーを剥がない、真実を視聴者に見せない運びはある種の煮えきらなさを孕むけど、同時にキャラクターの尊厳を大事にした語り口でもあろう。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
その内クローゼットの奥が見える瞬間が来るかもしれないが、今は見せない。その選択は、僕はなかなか良いものだと思った。
かくしてちせはゴルドバーンを殺人獣にすることも、自分自身が暗い青春に血の復讐を果たすこともなく、”怪獣”という特別なチケットを掴み取った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
一方夢芽ちゃんは蓬くんを隣に置いて、姉の”死”に接近し遠ざかる。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/TxJN6Mxjvq
花火大会を前に明後日の方向で足踏みする蓬くんを、見据える夢芽ちゃんの視界の中で、彼は今までとは多分違う色になっている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
先週怪獣の”死”を媒介に、自分の欠落と過剰に共鳴しうる資質を見つめた夢芽ちゃんの心に、微かに芽生えた感情。
それが、怒涛のように押し寄せる過去…の破片に流されていく
姉の元恋人は、別に新しい真相をもってくるわけでもなく、既にその恋と死が過去のものであると示す指輪をつけて、ひどく煮え切らない態度で去っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
『なんで助けてあげなかったんですか?』
血を吐くような叫びに、彼が応える道理も材料もない。
いじめはイジリで、自殺は事故。
既に判っていた…夢芽ちゃん自身がそれで納得しようと思い込み、しかし抱えきれず川辺を彷徨っていたオフィシャルな答えが、曖昧な感触で返ってくるだけだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
その虚しさに、夢芽ちゃんは耐えきれず膝を折る。
その重さを、蓬くんは支えきれない。テメー!
過去と現在、少年と少女を分断する鉄の檻が印象的なレイアウトの中で、蓬くんはひどくシリアスで重たい”死”の領域に背中を向ける。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
そこに踏み込まなきゃ物語が始まらないと、幾つかのシーンで学んだのかな、と僕は思ってたけども、それは勝手な誤解であったか。
…あるいは、形のない壁を超えるにはまだ足らなかったか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
破壊された街を一緒に歩き、重い”死”を共有しあおうと手を握り合い、確かに結ばれたはずの青春同盟は、ここで一旦破綻してしまう。
ここで正直、ある種の肩透かしというか、スルッと作品が僕の手を滑っていく感覚を覚えもした。
『いや、”一マス戻る”じゃん』みたいな。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
『お話としては上手くいく所だろー!』みたいな前のめりの思い込みを、あやふやな不確かさで外していく劇作なわけだが、ここで蓬が夢芽ちゃんに寄り添えないのは、大変勝手ながらガッカリではあった。
でも、その行ったり来たりが14歳であり、人間なのかも。
そういうフォローアップが自然と、心のなかから湧いて出る程度には、僕はこの作品の曖昧な筆致が好きだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
輪郭がはっきりしないからって、簡単なわけじゃない。むしろ自分にすら掴みきれないからこそ、制御に困るし、答えを見つけたと思ったら逃げていく。
そういうナイーブな画角で自己像、世界像、他者との関係性を捉え続ける視線は、ずっと好きなのだ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
まぁ『そういう話です』と作品が明言したわけじゃないので、このお気に入りポイントは自分が勝手に見つけて、大事に撫でくりまわしてるだけなんだが。
でも、好きになるってそういうもんだろう、多分。
さておき、蓬は携帯電話越しに鳴る『やらなきゃいけないこと』に引っ張られて戦場に赴くが、怪獣使いの熱血にぶん殴られてもう一つの戦場に戻っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ここでゴルドバーンの事を、暦にもガウマにも言い出せなかったちせが、先手を取って死地に合流する。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/9VVgAPJ1yF
緑の光に照らされた夜の川辺が、姉が囚われた死の領域…第1話開始時点で夢芽ちゃんが足を置いていた場所であることは一目瞭然だ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
まだ解けていない生と死の鍵を手に、彼女は高くて危ない場所に身を置く。
そこが、死んでしまった姉に一番近い場所、行きたい場所に行ける入り口だからだ。
ガウマさんが間に立つことで、蓬はそこに分け入ってビニール傘越しに少女の視線を受け取り、恋に落ちた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
そのことで夢芽ちゃんは生の岸に足を付けて、自分の目で闘いの意味を、生まれる犠牲を確かめに行った。
物語は開始地点に戻ることで、新たに始まり直す。
そこですぐさま蓬くんが解決するのではなく、ゴルドバーンとの対話(先週蓬くんが失敗した、希望の成功例)で何かを突破したちせが間に入るのが、第1話との差異ではある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それはダラダラとはっきりしない、放課後英雄活動で夢芽が、ちせが手に入れたものだ。
自死(過去、姉が囚われ誰も救えなかったもの)のメタファーを陰鬱に背負いながら、夢芽ちゃんはちせを拒絶する。蓬くんも拒絶し、そこに踏み込む力を、第1話の、あるいはAパートの彼は持ち得なかった。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
だから背中を向けて、怪獣使いにビーム食らって、必死に駆けつけているのだ。
ちせが灰色の教室の中で窒息しかけ、”死”を考えたことが在るとするのなら…こういう書き方をする以上、僕はそうだと確信してるわけだけど、夢芽ちゃんが危うく身を置き、関係ないと遠ざけている場所はちせの場所でもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
その繊細で難しい領域は、孤独で個人的な重たい冥府だ。
同時に特別な絆によって公共性を持ちうる場所でもあって、ちせは普段の軽薄な表層を投げ捨てて、じっとり重たい口調でそこににじり寄っていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
訓練もした、プールも行った、一緒に戦った。
クラスメイトでも、友達ですら無いかもしれないけど、たしかに繋がるものがあった。
そういうもんを投げ捨てて、今剥き出しで突っ走ってくる少年の熱量を跳ね除けて、一人になっていくのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ちせの言葉に答えるように、ダイナソルジャーが青春タックルをぶちかましてくる。それだよ蓬くんッ!!
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/ys1rXEdzx5
『退屈から救いに来た構図』をセルフオマージュしつつ、夢芽ちゃんの拒絶をぶち割る蓬くん。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それは彼が心の何処か抱えていた遠慮…他人の人生に、”死”の重さにためらう煮えきらなさを突破する瞬間でもある。
それが、彼ら二人きりでは成し遂げられなかったことを、今回のエピソードはよく語る。
奇妙な怪獣使いが間を取り持たなければ二人は出会わなかったし、『やるべきこと』じゃなく『やらなきゃいけないこと、出来ること』に突っ走れとビーム撃ってくれなきゃ、ここに来れてない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ちせの言葉がヒビを入れてなきゃ、そのタックルも心に届いていない。
ひどく体温低く、曖昧な繋がりだけども確かに、奇妙な彼らが共にあった意味はある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
怪獣を隣に置いて、当たり前の日常を走ってきた日々が生み出した変化は、確かにある。
そういう事を確認する、河川敷での”死”の調節なのだろう。
夢芽ちゃんは落下するアンクに惹かれ、死にかける。
それは姉と同じ領域に行く過去の再演であり、それを止めるのは恋する少年の熱い掌…ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
なんだかんだ彼女のことが好きで、へらっとした態度の奥に相当重い傷を同じく抱えていて、自分から生まれた怪獣を『友達』と言えるようになった少女の優しさだ。
そこが僕は、良いなと思った。
夢芽ちゃんが落ちる時、掴みかけているのは白いアンクだ。死が薫る黒ではない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
この時点で、過去は同じ形で繰り返されるのではなく、”死”の重力を振りちぎって夢芽ちゃんが…彼女を好きな人達が新しい場所に飛び立つことは決まっていたのだろう。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/nrH0FDSTZ3
死に向かって落下しても、アンクは離れない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
夢芽ちゃんが思わずそれに手を伸ばし死にかけたのも、それが姉との縁であり、それ抜きでは行きていられないほどに大事なものだからだ。
”死”を握って水に沈むか、絆を手放してぼんやりと生きていくのか。
ちせと蓬の力を借りて夢芽は、この二択を超える。
恋人の死に曖昧に笑って、確かなものを何も返すことなく現実に進んでいった当たり前の人達が、選ばなかった道。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
自分自身死の淵に沈むほど、強く強く愛する人の実在と不在に分け入って、確かな答えを捕まえて返ってくる。
そのためには、ヘンテコだけど強い絆が必要だった。
ちせの心から生まれたゴルドバーンが、学校に復讐もせず、大事だと叫んじゃった人を助けるために翼を使えたのが、人間にとっても怪獣にとっても良かったな、と思った。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
彼女にそう選択させた最大は暦なんだろうけど、なんだかんだ、奇妙な縁で知り合った仲間たちとの日々が、それを後押ししたから。
ちせは助ける力として怪獣を生み出し、使い、友達と言えた。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それは怪獣を支配(Domination)し、死地に放り込んで家を壊す怪獣優性思想とは違う決断だ。
蓬が生身ではなく、ダイナソルジャーで駆けつけるのもそんな、怪獣との希望在る関係性の現れなんだと思う。
手を伸ばし、掴む。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
誘いをかけて、それを拒む受け身のあり方…第1話での存在定義に今回戻りかけた夢芽ちゃんは、落ちかけたアンクを掴み取る選択をした。
姉の死に惹かれて落ちていく夢芽ちゃんを、掴み守る選択を二人の怪獣使いもした。
この決断が、曖昧な世界に輪郭を与えるのか。
それはよく判らない。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ホント、三歩進んで二歩下がるワリに、確かにジワジワ前進してるようにも感じるアニメだからな…なんかアガる感じで答えが出たかと思うと、作中の描写がそれを蹴り飛ばすんだよ。
でもそれが、ブレてるとも感じないのは愛嬌というか、人徳というか。
多分いいアニメなんだと思う
というわけで勇気を掴み、行くぞユナイト大決戦!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
ちせの力強い宣言、確認された皆の絆を後押しする花火が、ダイレクトに夜空に広がらず、ビルに反射して描かれるの、無茶苦茶このアニメらしい屈折だと思う。
憂鬱も、決意も、何もかも曖昧な反射の中だ。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/rQl6nVWwId
あ、二代目ちゃんが少女時代を思い出したようにキモく笑うの、いい意味で時間が巻き戻った感じで良かったですね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
今回のエピソード、第1話時点に一回戻して、そこから何を獲得し何が変わったか描いて先に進むエピソードだと思うんだが、逆行は必ずしも悪いものではない。
同時にしまらねぇ私設花火大会を、大所帯で楽しめるのは、ツツジ台から二人が出たからでもある。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
変わっていくもの、戻っていくもの。
掴むもの、乗り越えていくもの。
色んなものが光りながら、キラキラと駆け抜けていく。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/h8kBYQgBTS
卒倒しそうなくらい川辺が”カプ”の粒子で満ちてて、煙とともに立ち上るリア充オーラにグギギとなったが。皆幸せになってねッ!
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
恋する人を過去に置き去りにしてるガウマさんが、今を生きる只人(怪獣2名含む)を見守る視線が少し寂しくて、大変良い。
今後物語が佳境に入るに当たって、怪獣使いの過去、彼が”姫さん”と語りかける人の真実が掘り下げられていくとは思うのだが。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それが遠くにあっても、ガウマさんなりに大事なものを、彼は既に掴み取ってる…と良いなぁ。
マージで、自分が作品から受け取ったはずのものに自信が一切ないッ!!
浴衣で”キメ”に来た夢芽ちゃんに、何度目か惚れ直す蓬くんの純情も熱く、夏の夜は吹けていく。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
最初にダルく流してた『二人きりの花火大会』への情熱が、こういう形で発火しユナイトするの、ロマンティックでいいですね。
ああ””超合体竜王”ってそういう…。
(画像は"SSSS.DYNAZENON"第9話より引用) pic.twitter.com/Z3YZ8tzKTD
さーすがにこの熱量の後で『一マス戻る』はやらねぇだろう、と思うが、んじゃあどんな景色が今後広がるのか。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
俺このアニメに関しては、期待と予測をスカされまくってるので、確たることはな~んも言えねぇ。
でも、そうしてこっちのイマージュに収まんない展開と表現してくれるのは好きなんだ。
蓬くんのフワッとした思春期が、夢芽ちゃんの抱える”死”の重さに踏み込みきれないことはずーっと書かれていたが、ちせとガウマさんのアシストが綺麗に決まって、ついに透明な壁がぶち破られる回となりました。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
なげーなと思うと同時に、そんくらい分厚いもんだよな、とも思う。
それは”死”の重さであると同時に、他人が他人であること、シリアスだからこそ共有しきれない人生の厄介さを、曖昧な輪郭で包み語る筆致なのだと、僕は受け取っている。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それが確かなことなのかは、判らない。多分最終話見終わっても、確信はないのだろう。
でもそんな風に、『君はこういう事言いたいのかな? 僕はそんな景色が見たいのかな?』と、質問を繰り返しながらアニメを見れる経験って、結構希少だし大事だとも思うのね。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
正直手に余る感触をたっぷり味わいながら、こうして感想書くのも遅れるわけだが、自分的には楽しい視聴体験だ。ホントよ?
それにしたって浴衣の夢芽ちゃんが『今夜…キメるッ!』っていう”殺気”に満ちあふれていて大変良かったです。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
『あ、この少年はもう、この女の子を大事にするしか無いんだ…』っていう説得力があった。
ブラックホールめいた不思議美少女引力を、夢芽ちゃんにちゃんと背負わせれたのは、この作品の強み
チームに居場所の薄かったちせが彼女の”怪獣(トモダチ)”を手に入れ、夢芽が”死”の淵に迫って戻ってきて、確かに何かが変わった感じ。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
それを背負って、物語がどんな終盤にツッコんでいくのか。
俺にはさっぱり解らねぇが、でもそれが楽しみでもあります。次回も面白いと良いな。
追記 違和感の物語だよなぁ、多分。
今回恋人の死の真相も、そこに隣り合う決意も見せられないまま別の人と結婚した”大人”が出たことで、そういうスタンダードな諦観に満足できない、あがく変人達の肖像はより鮮明になったと思う。
— コバヤシ (@lastbreath0902) 2021年6月2日
多分そういう、普通に馴染めなくて諦められない人の物語なんだと思うよ、このアニメ。